グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』とは、アメリカ合衆国で制作されたヒューマンドラマ映画である。天才的頭脳を持ちながら過去の虐待による心の傷が原因で、仲間とともに非行を繰り返す主人公の少年ウィル・ハンティングと、ウィルに向き合う、愛する妻を失った心理学者ショーン・マグワイアの心と心の交流を描いた作品。アカデミー賞脚本賞、ゴールデングローブ賞脚本賞受賞作であり、マッド・デイモンの出世作。ショーン・マグワイア役のロビン・ウィリアムズもこの作品でアカデミー助演男優賞を受賞している。

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』の概要

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は、1997年公開のアメリカ合衆国で制作されたヒューマンドラマ映画である。B級映画に関わることが多かったガス・ヴァン・サント監督の初めての大作で、日本では1998年に公開された。世界での興行収入は2.259億アメリカ合衆国ドルという大ヒット。当時無名だったマッド・デイモンの出世作ともなった。当作品は、第70回アカデミー賞助演男優賞・脚本賞受賞、そして同賞の作品賞・監督賞・主演男優賞・助演女優賞・主題歌賞・音楽賞・編集賞にノミネートされている。加えて、第55回ゴールデングローブ賞も脚本賞で受賞した。この映画の脚本を手掛けたのは、ハーバード学生時代のマッド・デイモンとその親友ベン・アフレック。彼らは作中にも、主人公とその親友という立場で共演している。

主人公のウィル・ハンティングは、マサチューセッツ工科大学の清掃員のアルバイトをしていた。しかし、同大学のジェラルド・ランボー数学教授が学生に向けて出した難問を、清掃員でしかないウィルが偶然発見し、簡単に解いてしまう。誰が解いたのかとランボーが探した結果、ウィルに辿り着くが、その正体はケンカをしては鑑別所入りを繰り返す素行不良の青年だった。ランボーは、鑑別所からの釈放の条件として、ランボーが出した数学の課題を解かせ、様々なカウンセラーにウィルを診てもらうことにする。だが、全員が簡単に彼にあしらわれ、まったく相手にされずにさじを投げていく。最終手段として、ランボーは学生時代の友人で、現在はコミュニティカレッジで心理学を教えるショーン・マグワイアを紹介する。ウィルは最初、他の心理学者と同じようにショーンをからかうが、やがてショーンも自分と同じような心の傷を負った人間なのだと知り、次第に心を開いていく。ショーンは、2年前に最愛の妻を亡くしたことや、自身の体験を交えながら、人生で何が大切かをウィルに教えていく。類稀なる才能を持ちながら、自分で自分の可能性を閉ざしていたウィルだったが、親に捨てられ、里親から虐待されて過ごしてきた自身に、本当の意味で共感してくれるショーンや、心から愛することのできる女性スカイラーに出会い、初めて本当の自分や愛について考え始める。

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のあらすじ・ストーリー

マサチューセッツ工科大学の超難問を一晩で解くウィル

黒板の問題を発見するウィル

マサチューセッツ工科大学で清掃のアルバイトをしていたウィルは、大学の廊下の黒板に数学の問題が書かれているのを見つける。自宅でそれを解いたウィルは黒板に解答を書き、見事正解した。その一方でウィルは一緒に悪さをする仲間でもあり親友でもあるチャッキーらとともに、バッティングセンターなどで遊んで過ごすという、一見数学の難問を解いた秀才とは思えない生活を続ける。出題者である大学の数学教授のランボーは、さらに難しい問題を黒板に書くが、ウィルはそれも解いて見せた。解いているところを見つけたランボーは清掃員の姿をもとに、逃げたウィルを特定し見つけ出すのだった。

ウィルとクラークの論戦

争うウィル(画面中央)とクラーク(画面手前)

ウィルやチャッキーたち遊び仲間が来たのは、ハーバード大学生が集まるバー。チャッキーがハーバード大学生のフリをして二人組の女性をナンパしようとするが、身分を偽っていることに気づいた本当のハーバード大学生のクラークが割り込んでくる。クラークがチャッキーを追い詰めて辱めようとするが、ウィルがクラークの知識が受け売りであることを喝破して追い払う。女性の二人組のうちの一人、スカイラーはこの後ウィルから声をかけられるのを待っていたが、45分待っても声をかけられないため帰ってしまう。その帰り際、スカイラーはウィルに電話番号を渡した。

保釈と引き換えに与えられた条件

出典: img.youtube.com

条件を受け入れたウィル

幼少期に自分をイジめた男と喧嘩をしたウィルは、暴行罪で裁判にかけられる。そこでも自身の知識や論理を展開するウィルだったが、結局有罪を告げられた。鑑別所送りになるウィルに手を差し伸べたのは、以前の数学の出題者、ランボーだった。彼はウィルの裁判を傍聴していたのだ。ランボーはウィルに、「自分が行う数学の授業を受けること」と、「カウンセリングを受けること」の二つを条件に保釈を呼びかける。ウィルはそれを受け入れ、保釈されることになる。

ショーン・マグワイアとウィルの出会い

出典: img.youtube.com

カウンセラーに皮肉な態度をとり続けるウィル

カウンセリングを受けるウィルだったが、催眠療法を馬鹿にしたり、あしらったりと、まともに話を聞こうとしない。そうして5人のカウンセラーが諦め、最後にランボーが頼ったのは、大学時代のルームメイトであり、現在は市民講座で心理学を教えるショーン・マグワイアだった。

ショーンの怒り

出典: img.youtube.com

ショーンは感情と裏腹に、ウィルについて深く考え始める。

カウンセリングを頼まれたショーン・マグワイアは、ウィルにカウンセリングを行う。だが、ウィルはショーンの所有する本や絵画を馬鹿にする。絵画に至ってはその色使いからショーンを分析しようとし、その途中で彼の妻を馬鹿にしたことからショーンは激昂し、ウィルの首を掴んで「妻を侮辱することは許さん」と強い姿勢を見せる。そんなショーンだったが、最後にはウィルのカウンセリングを行うことは受け入れた。ショーンは、ウィルの言動について深く考え始めるのだった。

ベンチでウィルに語るショーン

出典: stat.ameba.jp

ベンチで語るショーン(画面左)とウィル(画面右)

ウィルもショーンのカウンセリングを受けることにする。初回はウィルの言動で散々な結果となったが、ショーンは2回目のカウンセリングで、ウィルを池のほとりにあるベンチに連れて行く。そこで自分の妻が死んでいること、ウィルが本の知識しか持たないこと、人を愛した経験がないことなどを指摘し、得た知識ではなく自分がどう思うかについて話すよう諭す。ウィルは何を言わずにそれを聞く。やがてショーンは話し終えると、ウィルをそこに置いて去った。

恋に落ちるウィルとスカイラー

デートするウィル(画像右)とスカイラー(画像左)

ウィルは、ベンチでの会話でショーンから「彼女が完璧かどうか、確かめるためには飛び込むしかない」と告げられる。それを聞いてウィルはスカイラーをデートに誘う。しかし、ウィルのことを知りたいと思って色々なことを聞くスカイラーに対して、ウィルは適当な返答を繰り返して本当のことを言わない。そんなスカイラーは、ウィルの友人のチャッキー達に会うと下ネタを話したり、自分の欠点も平気で見せる。そんな彼女に惹かれて、ウィルは本当にスカイラーに恋をするのだった。

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