白馬探（名探偵コナン）とは【徹底解説・考察まとめ】

白馬探の概要

白馬探（はくば さぐる）は『名探偵コナン』『まじっく快斗』に登場する高校生探偵。
父親が日本人、母親がイギリス人のハーフである。
怪盗キッドのことをライバル視しており、怪盗キッドを捕まえるためにロンドンから日本の高校に転校するほど。
その高校に転入する際の挨拶でクラスの女子生徒が「かっこいい」とざわつくほどのルックスの持ち主。
怪盗キッドを捕まえるのは自分という強い意志を持っているせいか、自分以外の人間がキッドを追い詰めキッドがピンチの時は助言をしてしまうことも。

白馬探のプロフィール・人物像

氏名：白馬 探（はくば さぐる）
年齢：17歳
身長：180cm
体重：65kg
誕生日：8月29日
星座：乙女座
所属：江古田高校2年B組
家族構成：父、叔父、ばあや
CV：石田彰 （『名探偵コナン』）
宮野真守（『まじっく快斗1412』）

白馬探は東の高校生探偵・工藤新一（くどう しんいち）、西の高校生探偵・服部平次（はっとり へいじ）と並び称される高校生探偵。
もともとは青山剛昌原作漫画『まじっく快斗』で怪盗キッド／黒羽快斗（くろば かいと）のライバルとして登場する高校生探偵であったが、そこから『名探偵コナン』にも登場するようになったゲストキャラである。

怪盗キッドを捕まえようとしており、怪盗キッドのことをライバル視している。
一方、怪盗キッドも白馬がいないと「張り合いがない」と言うほど白馬の実力を認めている。

黒羽快斗と同じ高校に転入したものの、捕まえたいのは「黒羽快斗」ではなく「怪盗キッド」であるため、高校では普通の同級生として接している。

また、几帳面な性格であり、小学生であるコナンにも丁寧な言葉遣いで接する一面もある。
常に懐中時計を携帯しており、時間を問われた際は必ず秒数まで答える癖がある。

父は警察官のトップである警視総監であり、叔父は白馬研究所の所長をしている。
この白馬研究所でキッドの研究をしており、現場に残っていた怪盗キッドの毛髪から怪盗キッドの正体が快斗であることを科学的に証明した。
さらに白馬が「ばあや」と呼ぶ人物もいるが、その人物が実のおばあさんなのかただの使用人なのかは明らかになっていない。

初登場はコミックス30巻「糾合」、テレビアニメは219話「集められた名探偵！ 工藤新一vs怪盗キッド」。

白馬探の来歴・活躍

初登場回「集められた名探偵」

ある人物からの招待状によって「黄昏の館」に集められた千間降代（せんま ふるよ）、茂木遥史（もぎ はるふみ）、大上祝善（おおがみ しゅくぜん)、槍田郁美（そうだ いくみ）、白馬探、毛利小五郎（もうり こごろう）の6人の探偵。
そして小五郎と共にやってきた娘の蘭（らん）と、コナン。

黄昏の館には館内の至る所に血痕が残っていた。
その血痕は長年隠蔽され続け、噂でしか耳にしなかった惨劇の現場であるということを物語っていた。
その噂というのは、40年前に起きたある事件についてのことである。
死者が出た事件なのにもかかわらず、何故か世間には公表されなかったのだ。

その事件が起きた現場に40年の時を経て降り立つことができたことに対し「僕の知的興奮を呼び覚ますには十分すぎますよ…」というキザなセリフを発していたが白馬探であった。
一行は食事のため食堂に集められる。そこにはスピーカーのついたマネキンが座っており、探偵たちを集めたのはこの館内にある財宝を命をかけて探してほしいからだと告げた。
その時、爆発音がする。その音は車が爆破された音だった。移動手段が絶たれ、さらに携帯電話は圏外で誰にも連絡が取れない。

「誰がこんなことを！」という小五郎であるが、他の探偵たちはその正体を招待状から見抜いていた。

招待状には「神が見捨てし仔の幻影」と書いてあった。

幻影＝ファントム＝神出鬼没で実態がない幻
神が見捨てし仔＝新約聖書の中で神の祝福を受けられなかった子ヤギ
子ヤギ＝英語でkid

白馬は説明の最後に「そして僕の思考を唯一狂わせた…唯一の存在…」と言い放ち、招待状は怪盗キッドからのものだと明かした。
コナンは怪盗キッドの名前が出た途端、キッドがいる気配を感じ、キッドがこの中にいることを確信する。

スピーカーのついたマネキンは話を続け、この館は半世紀前に謎の死を遂げた大富豪の烏丸蓮耶（からすま れんや）が建てた別荘だということを明かす。
そして噂でしか耳することのなかった、40年前この館で起きた惨劇の話をし始める。

烏丸の死後である40年前のある晩、3日間に及ぶオークションが開かれる予定だったが2日目の夜、この館にある2人の男が現れる。
その男たちは「嵐が止むまでここにいさせてくれ」とオークション主催者に訴えるが主催者は館に彼らを入れるのを渋っていた。
しかし男たちから1枚の葉を渡された主催者は態度が豹変し、男たちの言われるままにその葉をタバコのように吸い、陽気になり男たちを館内に受け入れた。
その様子を見た他の客たちも男たちに葉を勧められ館内はその葉の煙が充満した。
その葉というのは「マリファナ」という麻薬の一種だった。そのマリファナを吸った客たちは客同士で美術品の奪い合いを始め、さらにオークションの品であった刀や剣で殺し合いが始まった。
夜が明けると死人や昏睡状態の客たちを残し、2人の男は美術品と共に消えていたのだった。

この惨劇を再び探偵たちで演じ、財宝を見つけた人物には財宝の半分と館からの脱出方法を教えるという。
こうして探偵たちによる財宝探しが始まると思った矢先、大上祝善が叫びながら倒れ、死亡してしまう。死因は青酸カリという毒物だった。

この中に犯人がいると読んだコナンや他の探偵たち。
まずは本当に車が爆破されたのかを見に行くことに。本当に探偵たちの車は燃え盛る炎の中にあった。
一方雇われたメイドの車は裏口に停めるよう言われており、爆発から免れていた。
そこで館に来る途中の橋が落とされているかどうかを見に行くということになり、千間・茂木・小五郎の3人は車で橋を見に行く。

茂木・小五郎は橋は完全に落とされてしまっているのを確認する。その時、千間の乗る車が突然爆発し、そのまま崖下に落ちてしまった。

館に全員が戻り、この館にはまだ何かあるかもしれないと踏んだ探偵たちは館内の探索を始める。
その探索中、メイドと蘭は槍田に眠らされてしまう。
2人を眠らせトイレに閉じ込めた槍田がトイレから出たところ、槍田が犯人だという推理をした白馬は部屋にあった拳銃を槍田に突きつけた。
しかし逆に槍田にやられ、倒れてしまう。
そこに茂木と小五郎が駆けつけ、近くの階段を何者かが登る足音が聞こえたためそれを追うが、そこにはドアに仕掛けられた毒にやられた槍田が倒れていた。
残った茂木と小五郎。
茂木は、自分は犯人ではないため、あんたが犯人だと小五郎を銃で撃ち抜き、その後タバコを吸おうとするがその茂木もその場に倒れてしまった。

最後の1人である茂木の息途絶える姿をモニター越しにある人物が見ていた。
するとモニターが突然切れ、画面には7人目の探偵と名乗る人物から食堂に来るようにというメッセージが表示された。
「7人目の探偵などいるはずがない」と急いで食堂に向かうその人物。
そこにいたのは7人目の探偵であるコナンだったのだ。

そしてそこに現れた犯人は、車に爆弾を仕掛け、その爆発に巻き込まれ自分が爆死したかのようにカモフラージュし、どこかの部屋から探偵たちを見ていた千間だった。

考古学者だった千間の父は40年前に黄昏の館に他の大勢の学者と共に財宝探しのため呼ばれ、その後烏丸の手によって殺されてしまっていた。
この話を一番初めに青酸カリによって亡くなった大上に漏らしたところ、大上は名探偵を集めて宝の謎を解かせようとしたのであった。
探偵を釣る餌は「怪盗キッド」。大上は、怪盗キッドを招待主にし、命懸けのゲームを仕掛け、罪を全てキッドに被せるつもりだった。

つまり、招待状の発行主は怪盗キッドではなく千間と大上。
この2人は当初グルであったものの、宝のありかがわかったら、大上は千間も含めて皆殺しにする気だということを千間は気づいたため、大上を毒殺したのであった。

館からの脱出方法を千間に問うコナンであったが、そんな脱出方法は最初からないという千間。
そこに「フン、だろーと思ったぜ…」という死んだと思われた茂木・槍田・白馬・小五郎の4人の探偵たち。
4人も千間が犯人だということを見破っており、死んだフリをしていたのだ。

するとそこにヘリが近づいてくる音が聞こえてくる。
事前に白馬が鷹のワトソンに手紙をつけ、その手紙をばあやに届けさせていた。
それを受け取ったばあやが呼んだ警察のヘリの音だった。

こうしてヘリで黄昏の館から脱出できた探偵たち。
しかし千間は「烏丸蓮耶に取り憑かれていたのは私の方だったかもしれないねぇ…」と言い、ヘリから飛び降りてしまう。
すると千間を追うように小五郎も千間を助けようとヘリから飛び降りた。蘭は突然のことに悲鳴を上げる。
しかし飛び降りた小五郎は変装をした怪盗キッドであった。

コナンと白馬は小五郎の正体が怪盗キッドであったことを見抜いており、逃げられたことに悔しそうな顔をする。
千間は怪盗キッドに「何者だいあの子達？」と問い、怪盗キッドはコナンと白馬のことを「最も出会いたくない…恋人ってトコロかな？」と答えた。

ちなみにその頃本物の小五郎はガソリンスタンドでスーツを脱がされ眠らされていたのであった。

「探偵甲子園」

ある事件をコナンと服部平次が解決した翌日、平次は日売テレビの企画でとある無人島に行くということをコナンに告げ、そこに当然のようにコナンを引き連れていく。
その日売テレビの企画というのは「探偵甲子園」。全国から高校生探偵を集め日本一の高校生探偵を決めるというものであった。

待ち合わせの場所にいた日売テレビディレクターを名乗る槌尾（つちお）の指示で船に乗り島へと向かうコナンと平次。
同じ船には北の高校生探偵・時津潤哉（ときつ じゅんや）、南の高校生探偵・越水七槻（こしみず なつき）も乗っていた。
島に着いた一行は世話係の甲谷（こうや）の案内でロッジに向かうが、待ち合わせ場所には東の高校生探偵だけが揃っていなかった。
その東の高校生探偵は一足先に島入りし、ロッジでくつろいでいたのである。
それが白馬探であった。東の代表だった工藤新一に代わり白馬が選出されたのだった。

白馬と平次は初対面を果たす。
しかし白馬は平次のことを自分の父から「とても勘のいい探偵」と聞かされており、以前から知っていた。
なぜなら、平次の父は大阪府警本部長であり、白馬の父は警視総監という似た境遇を持っているためであった。

高校生探偵達は探偵甲子園らしく学生服に着替え、その後夕食を食べようということに。
しかしディレクターの槌尾が姿を見せないため部屋まで迎えに行くと、槌尾の部屋のドアノブに血がついていることを平次が発見した。

白馬が窓から中の様子を見ようと外へ向かおうとした時、平次が鍵のかかったドアを押し破る。
部屋の中には身体をロープで縛られ、倒れている槌尾の姿が。
部屋は密室となっており密室殺人かと思われたが、槌尾は生きておりすぐに目を覚ました。
そしてこれが探偵甲子園の第一問「密室のトリックを解き明かせ」だったのだ。
白馬は平次が扉を破り中に突入した一件はいただけない行為だったと指摘する。
あの場合は外から部屋の中の状態を確認してから扉を破るか窓を割って入るかを決めるべきであったという白馬。

一方時津はその密室のトリックを瞬時に解き明かし、それを実践するため1時間ほど時間を有するといい1人別行動をする。
しかし、1時間以上経っても時津が戻ってくる気配はなく、密室のトリックが完成したと思った平次は確かめに行く。
平次は血の気が多く、何を仕出かすかわからず不安という白馬も平次に付き添い外側から時津の部屋を確認する。

しかし、2階にある時津の部屋の窓際には頭から血を流した時津が窓にもたれかかっていた。
驚きを隠せない白馬と平次であったが、白馬は部屋の扉を破って中に入ろうと屋内に走るも、平次はその場から2階によじのぼり、窓を割って鍵を開け突入する。
時津は何者かによって撲殺されていた。

時津の死亡推定時刻にアリバイのない甲谷・槌尾・越水の3人の誰かが犯人だと断言するコナン。
その言葉を聞いた槌尾は「自分は無実だ、割のいい仕事だったため引き受けた」と説明し、日売テレビの探偵甲子園の企画が偽の企画だということが判明する。

甲谷・槌尾・越水の3人をダイニングで待たせ、事件について調べ始めようとする平次。
しかし白馬は再び窓を割り、熱くて野蛮な行動をした平次に対し「父の話だともっとできる探偵だと思っていた」と失望する。
その後白馬・平次・コナンの3人は捜査を開始する。
途中までは3人で行動していたが、白馬は1人別で捜査を始め、犯人を突き止めていた。

一方、平次とコナンも犯人を突き止めており、まずは平次が推理ショーを始める。
平次の突き止めた犯人は世話係の甲谷。アリバイや時間の経過から犯人は甲谷しかいないと断言する。

しかし、白馬は甲谷は犯人ではないと平次の推理を批判。
その白馬が突き止めた犯人はディレクターの槌尾。
白馬も槌尾が犯人だと突き止めた根拠を披露するがその推理に対し「違うと思うよ」とコナンは口を挟む。

コナンは槌尾が犯人ではない理由を説明し、真犯人の名前を言おうとするもそれを平次に止められる。
平次は証拠までも発見し、あんたが犯人だと甲谷に問い詰める。
その時越水がその部屋から出て行こうとするが「やっぱりあんたやったんか…」と平次は越水の腕を掴む。
平次は最初から越水が犯人だと分かっていたが、証拠をまだ犯人が持っていたため、それを洗い出すためにわざと甲谷を犯人だと仕立て上げていたのだ。

越水は親友が殺人事件の容疑者となり、警察の尋問に耐えられなくなったその親友が自殺をしてしまうという過去を持っていた。
その親友を疑った探偵が時津だったのだが、その推理は間違っていた。
親友を自殺に追い込む原因を作った時津への復讐だったのである。

こうして事件は解決し、迎えに来た船で一行は帰路についたのであった。

その他の活躍

『まじっく快斗』

『まじっく快斗』は怪盗キッド／黒羽快斗が主役である青山剛昌の原作漫画。
白馬探はロンドン帰りの高校生探偵であり、黒羽快斗のクラスメイトとして登場している。

初期の『まじっく快斗』ではシャーロック・ホームズのような衣装を身にまとっており、「コスプレ探偵」と呼ばれていた。
怪盗キッドが落とした毛髪から、キッドの正体が黒羽快斗であることを突き止めるが、そのことを口外していない。
自分以外の人間がキッドを捕まえることを良しとしないという負けず嫌いな一面も持っている。

劇場版『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌（レクイエム）』

『名探偵コナン』に白馬探が登場したのは「集められた名探偵」と「探偵甲子園」の2話のみであるが、2006年公開の映画『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌（レクイエム）』に登場している。
しかし、その白馬は怪盗キッドの変装であったため、実質白馬は登場していないに等しい。

スピンオフ漫画『犯人の犯沢さん』

『犯人の犯沢さん』は、名探偵コナンに登場する「犯人」が主役のスピンオフギャグマンガである。
白馬は、犯人の犯沢さんが働くビデオ屋さんのアルバイトとして登場する。
また、白馬だけでなく「集められた名探偵」に登場していた探偵たちも同じビデオ屋さんで働いている。

『犯人の犯沢さん』の作中でも怪盗キッドのニュースを見て悔しがる一面を見せている。
鷹のワトソンも登場するものの、ワトソンの世話を犯沢さんに押し付けることも。

白馬探の関連人物・キャラクター

江戸川コナン（えどがわ こなん）