賭博破戒録カイジ(福本伸行)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2001年~2004年に「週刊ヤングマガジン」で連載された福本伸行によるギャンブル漫画、及びそれを原作とするアニメ、映画のこと。自堕落でどうしようもない毎日を送るカイジが、保証人としてかつてのバイト仲間の借金を返済するためギャンブルの世界へ身を投じていく様を描いた前作「賭博黙示録カイジ」の続編として、再びカイジが勝負の世界で奮闘する様子が描かれる。

CV:遊佐浩二

地下でのチンチロリンで借金を重ねた45組の一人。性格は気弱だが調子に乗りやすく、カイジからは「100%人生で失敗するタイプ」と評される。チンチロリンではその勝負の出目全てをメモを取っており、カイジが大槻のイカサマに気付くきっかけとなった。

坂崎 孝太郎(さかざき こうたろう)

CV:二又一成

パチンコ「沼」でカイジと共闘することになった中年男性。かつては有名なゼネコンで現場監督をしていたが、不況のあおりを受けて自主退職させられた後パチンコ三昧の日々を送り、妻子に愛想を尽かされる。家族とヨリを戻すため「沼」挑戦を決意する。偶然出会ったカイジと遠藤とともに「沼」攻略に大成功し、約1億5000万の大金を手にする。

一条 聖也(いちじょう せいや)

CV:浪川大輔

「沼」を有する帝愛グループ傘下の裏カジノの店長。幹部候補生として、帝愛グループナンバー2の黒崎に目をかけられている。コームとはさみで眉を整える描写があるなど、身だしなみに気を使っている。坂崎の演技を見破ったりカイジの仕掛けた策にいち早く気付いたりするなど基本的に有能だが、カイジの緻密な計画のもと行われた二度目の「沼」挑戦では二転三転の末、最終的には当たりを出されてしまう。そのことで兵藤の怒りを買い、地下懲役1050年の制裁が言い渡される。

『賭博破戒録カイジ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「今日をがんばり始めた者にのみ…明日が来るんだよ…!」

貯金のため節制した生活を送ろうと決心した矢先、誘惑に負け浪費してしまうカイジを見て大槻がつぶやいた一言。堕落するものの常套句「明日からがんばろう」を深くえぐる言葉。

「ひりつかなきゃダメっ…!」

地下チンチロリン緒戦。小さい張りで様子を見ようとするカイジだったが、流れが見えてこないことで張りを大きくして、結果負けてしまったときの台詞。勝っても負けても大して痛まないギャンブルでは、勝利のためのほんの小さな兆し、気配は見えてこない。負けて痛むくらいでないと意味がないという、ギャンブラーらしい心構えが見える一言。

「ある意味桃源郷…!」

坂崎が自身の用意した5000万円を「沼」に飲み込まれようとするとき、半狂乱になりながら出た言葉。ギャンブルで大負けするときの、どこにもつかまる手がかりなく落っこちていくような無力感の中にある「負ける快感」を表現する、他ではなかなかない福本漫画ならではの描写。

「ガタガタ御託を言ってる時かっ…! 勝てば…正しくなるんだ…!」

事前に用意した金を吐き出し勝負途中で遠藤から借りた金も溶かし万策尽きたかに思われた時、坂崎が自身の警備先の会社の金庫からくすねてきた横領金を受け取る時のカイジの台詞。坂崎が勝負した際には横領に対し、大丈夫か?と躊躇していたこととの落差が激しい。土壇場のカイジの勝ちへの拘りと、熱が入ったときのギャンブラーの自己中心性が表現されたシーン。

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@robin_0423n1

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