パーフェクト ワールド(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

監督クリント・イーストウッド、主演ケヴィン・コスナーで1993年に公開されたアメリカ映画。
クリント・イーストウッドとケヴィン・コスナーというハリウッドの2大スター共演だが、フィリップ役の子役が素晴らしい演技を見せて、観るものを驚かせた。
脱獄囚ブッチは、逃亡中に8歳の少年フィリップと出会い、人質として連れ出す。逃亡の中で次第に心を通わせていく2人。せつないラストに心打たれるロードムービー。

事実と脅しの違い

物語の序盤で、ブッチがフィリップに教える教訓。
フィリップの母親をレイプしようとしたテリーの耳を蹴飛ばしたブッチ。
そのことを恨んでいるテリーは、車中の会話で「今度やってみろ」と話しかけ、「脅しか?」とブッチが問う。
「脅しじゃねえ、事実だ」と返すテリー。
ブッチはフィリップに車のハンドルを持たせ、後部座席に座るテリーに向かって「貴様の鼻をつぶすぞ」と宣言し、「これは脅し」と言い、次の瞬間テリーの鼻を殴る。そして向き直り「今のが事実だ」とフィリップに教える。
「ぶっ殺してやる」と言うテリーに、「それは脅しだ」と返す。
「違いがわかったか?」
フィリップは戸惑いの表情を見せる。

ブッチとフィリップ、2人の違う世界が交わり始める冒頭の名シーン。

愛していると言え

ある農家に泊めてもらったブッチとフィリップ。
しかし、農家の主人が孫(クリーヴ)に暴力を振るったことでブッチは切れる。
「なぜ、子どもを殴る?」
「言ったとおりにしなかったからか?」
「耳に入らなかったということだってある」
言いながらブッチは、自分の少年時代を重ねる。
そして、孫を抱きしめて愛していると言えと銃を向けて迫る。
「愛してるよ」
農家の主人が孫を抱き言う。
「それじゃダメだ。本気で言え」
ブッチは迫る。
「言え!何も損はないだろ?」
そして農家の主人は孫を目を見つめ言う。
「クリーヴ、愛している」
「よし、それでいいんだ」
それは、ブッチが少年時代に最も父親に言ってもらいたかった言葉だった。

『パーフェクト ワールド』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

クリント・イーストウッドの誤算

当初、監督に徹する予定だったクリント・イーストウッド。
ブッチ役がまだ決まっていないとき、脚本を気に入ったケヴィン・コスナーからやりたいと声が上がった。
当時、フィールドオブドリームスなどのヒットから押しも押されぬハリウッドの大スターとなっていたケビン。
そのケビンが出るならと、急遽クリント・イーストウッドも出演して脇を固めることになったとか。

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