Tortoise(トータス)とは【徹底解説まとめ】

アメリカのシカゴ出身のポストロックバンドで、現代音楽や映画音楽、などさまざまなジャンルから影響を受けたインスト主体の楽曲で知られる。5人組のバンドであるが曲によって演奏する楽器が変わり、複数の楽器を演奏できるメンバーが多く、ライブ中にも次々と担当楽器が変わっていくのも特徴的である。各メンバーがシカゴのインディーロックやパンク、ハードコアパンクにルーツを持っている。

Tortoiseの概要

トータスは1980年代後半にベーシストのダグ・マッコームズとドラマーのジョン・ハーンドンのデュオからスタートした。もともとこの2名はリズム隊のフリーのミュージシャンとして活動することを希望していたが、なかなか実現出来なかった。しかしながらスタジオレコーディングを続けている内に元バストロのドラマーのジョン・マッケンタイアとバンディ・K・ブラウンがこのデュオに参加することになった。その後、元ター・ベイビーズのパーカッショニストのダン・ビットニーが加わりバンドは本格的に動き出した。

1994年にファーストアルバム「Tortoise」でデビュー。ゆったりとしたテンポが中心の質の高いインストゥルメンタル音楽は少しづつ注目を集めるようになった。ベースを2名が担当、パーカッション担当が3名でそれぞれが、ドラム、ビブラフォンやマリンバなどを演奏するという、特異な編成だったことも注目を集めたもう一つの要因としてあげられる。

バンディ・K・ブラウンが脱退し、代わりに元スリントのデイヴィッド・パホが加入。1996年にはセカンドアルバム「Millions Now Living Will Never Die」を発表。各メディア媒体で年間ベストリストに挙げられ、高評価を得る。

1998年にはジャズと電子音楽から大きな影響を受けたと言われる代表作「TNT」を発表。当時としては革新的だったハードディスクレコーディングを導入し、演奏した音をパソコンで編集していくというスタイルは後に大きな影響を与えた。
この頃にデイヴィッド・パホが脱退。入れ替わるようにして、ジャズギタリストであったジェフ・パーカーが加入した。

2001年には4枚目のアルバム「Standards」をリリース。前作とは変わり再びテープ録音に戻り、有機的なバンドサウンドを鳴らした。

2004年には5枚目「It's All Around You」、2009年には「Beacons of Ancestorship」、そして2016年には7作目「The Catastrophist」をリリースしており、断続的ではありながらも、常に試行錯誤、実験精神を持ちながらバンド活動を続けている。

Tortoiseのメンバー

ジョン・マッケンタイア (John McEntire)

出典: thekey.xpn.org

トータス結成時のメンバーでシカゴ出身のレコーディングエンジニア、ドラマーである。
トータスでは主にパーカッションとキーボードを担当することが多い。
同じシカゴ出身のバンド、The Sea and Cakeのメンバーとしても有名。
StereolabやBright Eyes、日本のバンドではGREAT3などの多くのバンドの作品のプロデュースやエンジニアリングも行なっている。

ダグ・マッコームズ (Doug McCombs)

トータスでは主にギターとベースを担当している。
トータスと並行して現在まで Eleventh Dream Dayというバンドでベーシストとして活動している。
Brokebackというインストゥルメンタルバンドのリーダでもある。

ジョン・ハーンドン (John Herndon)

出典: dublab.com

トータスでは主にパーカッションとキーボードを担当している。
多くのトータスのメンバーが参加しているバンド、Isotope 217ではドラムを担当している。
A Grape Dopeという名前でインストゥルメンタル・ヒップホップの制作もしている。

ダン・ビットニー (Dan Bitney)

出典: www.kindamuzik.net

結成初期からのメンバーで主にパーカッションとキーボードを担当している。
80年代にハードコア界隈で有名だったバンド、Tar Babiesのメンバーであった。
2007年にはトータスのメンバーらとBumpsというバンドも結成している。

ジェフ・パーカー (Jeff Parker)

出典: cdn2.jazztimes.com

ロサンジェルスを中心に活動するジャズギタリスト。
トータスではギター、ビブラフォンなどを担当している。
実験的なギタリストとして知られており、バンド以外でもリーダー作やソロ作などこれまでにも多くのアルバムをリリースしている。

オリジナルアルバム

「Tortoise」

01. Magnet Pulls Through
02. Night Air
03. Ry Cooder
04. Onions Wrapped in Rubber
05. Tin Cans & Twine
06. Spiderwebbed
07. His Second Story Island
08. On Noble
09. Flyrod
10. Cornpone Brunch

1994年にリリースされたバンド名を冠したデビューアルバム。
ジャズや映画音楽からの影響を感じられるアルバムで各所で評価を得る。
10曲目のCornpone Brunchにはイギリスのバンド、ザ・フーの曲がサンプリングされている。

「Millions Now Living Will Never Die」

出典: www.wetcanvas.com

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