ゴジラVSキングギドラ(映画)のネタバレ解説まとめ

キャッチコピーは「お前だけには絶対負けない!」、「世紀末、最大の戦いが始まった。」、「12・14決戦!」。
「ゴジラvsキングギドラ」は、1991年12月14日に公開されたゴジラシリーズ第18作目で、東宝創立60周年記念作品。
ゴジラのライバルである人気怪獣キングギドラが再登場し、ゴジラとの戦いを描いた怪獣映画。
概要

「ゴジラvsキングギドラ」は、1991年12月14日に公開されたゴジラシリーズ第18作目で、東宝創立60周年記念作品。
前作の「ゴジラvsビオランテ」(1989年)が一定程度の成功にとどまったので、当初企画されていたモスラ主演の怪獣映画「モスラ対バガン」を没にし、出来上がったのが本作である。
子供達のリクエストにより人気怪獣のキングギドラが、第12作目の「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」(1972年)以来19年ぶりに登場し、さらにギドラの名前が初めてタイトルに出た作品となった。
キングギドラは第5作目の「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964年)で初登場して以来、何度もゴジラと死闘を繰り広げたライバルだが、ゴジラと1対1の戦いをするのは本作のみである。
さらに一度はゴジラに敗れたキングギドラが機械の体を与えられてメカキングギドラとなり、再びゴジラと対決するのが最大の見所である。
スタッフやキャストにも、第15作目の「メカゴジラの逆襲」(1975年)などに出演した佐原健二や佐々木勝彦、第2作目の「ゴジラの逆襲」(1955年)などに出演した土屋嘉男、「ウルトラマン」(1966年)や「仮面ライダー」(1971年)に出演した小林昭二、音楽も創成期の頃からシリーズに何度も関わっている伊福部昭が担当しており、ゴジラ映画や特撮でお馴染みのメンバーが再集結した。
ゴジラの過去を描いた作品でもあり、主人公達が未来人のタイムマシンに乗って、第2次世界大戦中である1944年のラゴス島へ行くシーンでは、後に放射能や核実験によってゴジラとなってしまう、ゴジラザウルスという恐竜も登場している。
しかしこのタイムパラドックスには矛盾が多く、不自然な点が所々するのも事実である。
例えば、過去を変えたものの歴史が改変されたのは「ゴジラが現在地から消滅した」事だけで、歴史が変わったはずなのにこのゴジラが存在していたという人々の記憶には影響していない。
あらすじ・ストーリー
1992年の東京。
ノンフィクションライターの寺沢は、旧日本軍が敗戦直前にラゴス島で見たという恐竜に興味を持つ。
その恐竜が核エネルギーで、ゴジラになったのではと考えたのだ。
ちょうどその頃巨大なUFOが現れて富士山麓に着陸し、世間を騒がせていた。
それはUFOではなく、2204年から来た地球連邦のウィルソンやエミー達が乗っているタイムマシンのMOTHERであり、彼らに23世紀の日本はゴジラによって壊滅すると警告される。
寺沢の仮説は正しく、小型タイムマシンのKIDSに乗って1944年のラゴス島へ行き、後にゴジラとなってしまう恐竜のゴジラザウルスを発見。早速それを核実験が行われる前にテレポートでベーリング海へ移動させた事により、現代海で眠っているゴジラは消滅した。
だが現代へ戻ると代わりにキングギドラが出現し、各地を破壊し始めた。
実は未来人が言っていた事は嘘で、本来の目的は世界一の大国となった日本の国力を消耗させる為に、自分達のペットである3匹のドラットをわざとラゴス島に置き去りにして、そこで起こる核実験や放射能でギドラに変身させたのだ。
一方ベーリング海の恐竜は、沈没した原子力潜水艦の核エネルギーでゴジラに成長。
北海道に上陸したゴジラを始末する為に、未来人はキングギドラを差し向けるが、より強大になったゴジラの敵ではなく、首を吹っ飛ばされた上に海底に沈められてしまう。
向かう所敵なしで、東京に姿を現したゴジラ。
もはや未来人の思惑通りに日本壊滅かと思われたその時、大空にメカキングギドラが出現。
23世紀の科学でエミーが海底に沈んでいたキングギドラを、サイボーグに再生改造してきたのだ。
死闘の末メカキングギドラは、体に付けられたゴジラ捕獲用に開発された巨大なツメ・マシンハンドで、遂に捕らえる事に成功。
そのまま飛び去るが、身動きが出来ないゴジラが暴れ出し、放射火炎を食らって機体が限界を迎え、2匹とも小笠原海溝に墜落した。
パイロットのエミーとM11は、メカキングギドラに内蔵されていたKIDSのおかげで脱出に成功し、寺沢達に別れを告げると23世紀に帰って行った。
ちょうどその頃、海底に沈んだゴジラは息を吹き返し、雄叫びを上げるのだった。
主な登場人物・キャラクター
ゴジラ(演:薩摩剣八郎)

未来人によってベーリング海にテレポートされたゴジラザウルスが、沈没した原潜の核エネルギーを浴びて変身した姿。
現代の核の威力は1954年に最初のゴジラを誕生させた水爆の200倍で、さらに別の原潜も破壊しそのエネルギーを吸収したので、前回の体長80メートル/体重5万トンから、100メートル/6万トンへと成長した。
北海道でキングギドラを叩きのめした後、東京で猛威を振るうが、その時出現したメカキングギドラと激突する。
ゴジラザウルス(演:福田亘)

1944年のラゴス島に生息していた恐竜。
本来はとても大人しい性格だが、自分の島を勝手に戦場にしている人類に怒り、先に攻撃を仕掛けたアメリカ軍を敵と見なし暴れ出した。
アメリカ軍を壊滅させた為、結果的に新堂率いる日本軍のピンチを救い、彼らから救世主として感謝された。
本来なら1954年にそこで起こる核実験でゴジラになる運命だったが、未来人によってベーリング海へテレポートされ長い眠りについていた。
だが沈没した原潜の核エネルギーによって、ゴジラに変身し復活する。
キングギドラ(演:破李拳竜)

未来人の手先として暴れまわる、黄金の三つ首竜。
1944年のラゴス島へ行った時、ゴジラザウルスをベーリング海へテレポートしたと同時に、自分達のペットである3匹のドラットを置き去りにした結果、1954年にそこで起こった核実験でドラット達が合体して変身した姿。
ゴジラが復活をした事を知った未来人の命令で、北海道に向かいゴジラと死闘を繰り広げる。
最初は有利だったが、未来人達が寺沢達に倒された事で形勢逆転され、ゴジラによって中央の首を吹き飛ばされただけでなく、逃げようとしたところを放射火炎で撃墜され、海底に沈んだ。
ドラット

未来人が遺伝子操作で作り出した、ペット用の小動物。
専用の笛で、飼い主と心を通じ合わせる事が可能。
劇中では3匹登場し、1944年のラゴス島に行った時に置き去りにされたが、1954年に起こる核実験で3匹が合体しキングギドラになった。
メカキングギドラ

ゴジラに敗れて海底に沈んだキングギドラを、エミーが23世紀の科学でサイボーグに再生改造した姿。
失われた中心の首と両翼が完全に機械化しており、胴体や脚部もほぼ機械化している。
体の中央部に小型タイムマシンのKIDSが内臓されており、これに乗り込んでメカキングギドラを操縦する。
ゴジラを倒す為に、23世紀からタイムワープして現代にやって来た。
後に第20作目の「ゴジラvsメカゴジラ」の冒頭にもその残骸が登場し、これを参考にしてメカゴジラが開発される様子が描かれている。
エミー・カノー(演:中川安奈)

ウィルソン達と共にタイムマシンMOTHERに乗って、23世紀の未来から1992年の日本にやって来た日本人の女性。
最初は現代人の警告としてウィルソン達に同行し、ゴジラ抹殺作戦に協力していた。
しかしキングギドラの登場で、現代の日本の国力を消耗させようとしているウィルソン達に反発し、寺沢などの現代人に協力するようになる。
最後はゴジラとの戦いで敗れたキングギドラをメカキングギドラへと復活させ、ゴジラに戦いを挑む。
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目次 - Contents
- 概要
- あらすじ・ストーリー
- 主な登場人物・キャラクター
- ゴジラ(演:薩摩剣八郎)
- ゴジラザウルス(演:福田亘)
- キングギドラ(演:破李拳竜)
- ドラット
- メカキングギドラ
- エミー・カノー(演:中川安奈)
- 寺沢健一郎(演:豊原功補)
- 三枝未希(演:小高恵美)
- 森村千晶(演:原田貴和子)
- 新堂靖明(演:土屋嘉男)
- ウィルソン(演:チャック・ウィルソン)
- グレンチコ(演:リチャード・バーガー)
- M11(演:ロバート・スコット・フィールド)
- 裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- SF映画オマージュ
- 重すぎるメカキングギドラ
- 名言・名セリフ
- 「我々を救ってくれた者を残して、この島を去ることになるのはまことに忍びないが許してほしい」
- 「自分達にはどうしてやることもできない。傷を直すことも、ここから運び足すことも…。一刻も早く傷の癒えることを祈っとる!」
- 「我がラゴス島守備隊一同、この恩は生涯忘れない…!忘れない…。」
- 「ヤツはもう一度…われわれのために戦ってくれる。」
- 「まぁ良いじゃないか。好きにさせてくれ。どうせわしの人生は、ラゴス島で終わっていたんだ」
- 「恐竜に救われ、生き延びた、わしが築いたこの国の繁栄を…同じ恐竜がゴジラになって、壊しに来たかと思うと… 皮肉なものだ…はっはっははは…」
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