乙嫁語り(森薫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『乙嫁語り』とは森薫によって描かれ、2008年10月から『fellows!!』で連載された、中央アジア、カスピ海周辺の地域が舞台の漫画作品である。作者の長編漫画第2作目。19世紀後半の中央アジア、カスピ海周辺を舞台にイギリスからの旅行者「ヘンリー・スミス」が出会う人たちの物語。古語である「乙嫁」を「美しいお嬢さん」ととらえ、第1の乙嫁「アミル」、第2の乙嫁「タラス」、第3の乙嫁「ライラとレイリ」、第4の乙嫁「アニス」、第5の乙嫁「パリア」とそれぞれの話が進んでいく。

『乙嫁語り』の概要

『乙嫁語り』とは森薫によって描かれ、2008年10月から『fellows!!』で連載された、中央アジア、カスピ海周辺の地域が舞台の漫画作品である。その後同紙が年10回刊行の『ハルタ』に雑誌名変更された。
漫画大賞2014にて大賞受賞。
作品の特徴として、雅で絢爛豪華な衣装や布地、装飾品、工芸品などの綿密な書き込みが上げられる。

『乙嫁語り』のあらすじ・ストーリー

第1の乙嫁

19世紀、中央アジアカスピ海周辺の地方都市に住むエイホン家の末子、「カルクク・エイホン」の元に山を越えて遠くの村から「アミル・ハルガル」という花嫁がやってきた。カルククは13歳。対してアミルは20歳。最初は歳の差から違和感があるものの、少しずつ夫婦としての絆を深めていく。そしてカルククの家族もアミルを家族として受け入れていく。
そんなある日、カルククとアミルは遊牧で生計を立てている遠縁の親戚の家に父からお使いを頼まれる。結婚の挨拶もしたいからと、2人は方々を探しまわるが見当たらない。夕暮れにヤギの子供を見つけ、それを頼りにやっと家を捜し当てた。
しかし20歳になるアミルを見て、面と向かって嫌味は言わなかったが2人が寝床に帰って行ってしまった後、歳のいった嫁には子供はあまり産めないのではないかと親戚たちは複雑な胸中を口にしていた。

そのころ、エイホン家に3人の男が現れる。それは北の半遊牧民であったアミルの実家のハルガル家の長男、「アゼル・ハルガル」と親戚の2人だった。
3人はカルククの父親の前にて「アミルを嫁に出したのは手違いだったから、お返し願いたい」と突拍子もないことを口走る。もうすでに家族の一員として過ごしていたアミルを簡単に返せるわけもなく、特にカルククの義理の兄であるユスフと喧嘩腰になり、見かねた父は一方的にハルガル家との族縁を切る。

ハルガル家は北の山で半遊牧をして生活をしていたが、冬になると厳しい寒さに耐えるために定住をする。そのときに馬や牛の遊牧地を確保するため、有力部族であるヌマジ家に縁を作らないといけなかった。そのためアミルの妹たちを嫁に出していた。
しかしヌマジは女性の扱いがひどく、病気や怪我で皆死んだと言われていたが、実際は蹴られて骨折の末に死んだというのだ。そんな先に父親以外はアミルを嫁には出したくないとは思っていたが、なんとしても領地が欲しいアミルの父はアミルを連れ帰るために父親とアゼル達を連れてエイホン家に出向く。

実の父の強引な要求に戸惑うアミル。そして妹たちが死んだという事実を知らされショックを隠せなかった。
その強引な手法に、今度はエイホン家だけではなく町全体の人たちがアゼル達を追い出そうとしていた。町の人たちとハルガル家の小競り合いの隙を見てアミルの父は隠れていたアミルを強引に連れ出そうと、二階に潜んでいたアミルの元へやってくる。それに気がついたカルククは、急いでアミルの元に駆けつけると父の足を刺して追い出したのだった。

そうして一旦町は落ち着いた。
そんなとき、居候のエイホン家に居候をしていたイギリス人「ヘンリー・スミス」が家を出て、アンカラへ行くことになった。アミルとカルククは途中までスミスを送り届け帰途につく。
スミスがエイホン家を出てしばらくして、アミルのことを諦めきれないアミルとアゼルの父は、遠縁だがロシアに寝返っているとあまりいい噂の聞かないバダンの長「オル=タムス」と手を組む。しかしバダンはエイホン家のある町の土地にも目を付け、ハルガル家ごと町も攻め落としてしまおうと企んでいた。
そしてバダンとハルガルは手を組み、町を襲う。バダンにはロシア製の大砲や銃が沢山あり、勝機はないと思われた。しかしいざ戦闘になるとバダンは急にハルガルを裏切り、大砲をハルガルに向けた。その結果アゼルは負傷する。オル=タムスを父ほど信用していなかったアゼルは、偶然残っていた残党を撃ったことで街の人たちを救ったことになり、街の人たちを逃がすことに成功。そして狂気にかられたオル=タムスはアゼルの手で殺される。
しかしアゼルは町の者達に敵だと襲われ、処刑寸前になる。

そのときこの土地を納めていた藩王の直属の部隊がやってきてその場の騒ぎは収束され、街のものたちを逃していたアゼルを見ていた老女たちはアゼルをかばい、一命を取り留める。
アゼルは解放され、地下でアミルの手当を受けていた。そんな2人の元にカルククの祖母、「バルキルシュ」がやってくる。そして彼女はアミルの父が死んだことを伝える。もう二度とハルガルがここに襲ってくることはないのだ。

第2の乙嫁

アンカラを目指すスミスがアンカラまでの案内人と落ち合う約束をしていた町「カラザ」にて案内人を捜している途中、エイホン家からもらった馬とロバの盗難にあってしまう。
途方に暮れていると、一人の女性が泣きながら「馬を捕られた」と訴えてきた。2人は市場の場長に相談する。すると2人の馬はあっという間に2人の手元に戻ってきた。そして女性はスミスに「宿が決まっていないなら、自分の家に泊まりませんか」と誘ってくる。
アンカラまでの案内人が見つからないスミスは、宿のあてもなかったため、その女性からの誘いは幸運だったのかもしれない。女性に案内されるまま、街のはずれにある家にやってくる。そこには彼女の姑が一人いるだけだった。

姑は、スミスにゆっくりと2人で暮らしている理由を語り出した。
姑には5人の男の子供がいた。そこへ16になるタラスという女性が長男の元に嫁に来た。それとともに、彼女が今でも大事にしている白馬を嫁入り道具として父から譲り受けた。
ところがタラスが嫁に来て何年もしないうちに、長男は病気で死んだ。子はいないまま夫と死に別れた妻は、夫の兄弟と結婚するのが習わしであり、タラスも次男と結婚した。しかし次男も毛皮を売りに行く途中の山道で、荷物ごと崖から落ちて死んだ。次は三男、四男、そして五男も長男と同じ病気で死んだ。
跡取り息子5人を一気になくした父親は、見る影もなく気を落とし、そのまま消えるように死んだ。残されたのは姑とタラス、そして父親が結婚祝いにと残した「チュバル」と名付けられた白馬だけだった。

事情を知りスミスは彼女らに同情をするが、それが裏目にでることになる。姑はスミスの好青年ぶりに印象を良くし、このままタラスと結婚してもらえないだろうかと思い始めていたのだ。まだ若いタラスが、血のつながりのない姑とずっと一緒にいるのは良くないと思っていたのだ。
スミスは当初あまり情が移ると悪いと思い早々に出ていこうとしていたが、タラスの願いと姑の願いに押され、数日間滞在することになる。
ある日、親戚の男がタラスの家に乗り込んでくる。自分の息子の嫁にタラスをもらいたいとずっと言ってきていたのだ。しかし男の家は男やもめであり、家政婦代わりに嫁をもらいたいのと広大な土地と羊たちが目当てだと姑は思っていた。そんな所にタラスを渡したくない。
そこで姑はスミスを引き合いに出し、タラスはスミスと一緒になり一旅をする予定だと口走った。スミスは驚いて姑を見るが、姑は本気だった。

こんな状況になっては、この家にいるわけにはいかない。スミスはタラスの協力も得て姑の目を盗み、家を出ることに成功する。
しかしタラスの親戚の男の策略にて、スミスは「ロシアのスパイの可能性がある」という罪で投獄されてしまう。身分証などの類は偽造ができると信用してもらえなかった。このまま罪に問われてしまうのだろうかと思ったが、噂を聞きつけたカルククとアミル、そしてアミルの女友達の「パリヤ」が駆けつけた。カルククの書状と案内役である「アリ」が、ハザンというこの辺りの権力者に書いてもらった書状によりにてスミスはやっと解放された。そしてラクダや馬、食料を手に入れ、投獄された時とは雲泥の差の扱いを受ける。

そこへ投獄されたと聞きつけたタラスが、慌ててやってくる。親戚の男から逆恨みを買っているスミスを心配にしてやってきたのだ。しかし、それだけではなかった。彼女は最初からスミスに特別な感情を持っており、一緒に過ごしている間、タラスは本気でスミスを愛してしまったのだ。
アンカラへ行かなければいけないスミスだったが、彼もまたタラスを愛していた。帰国する前、ここに戻ってきてタラスを迎えに来ると約束し、タラスに金でできた懐中時計を渡す。

タラスを家に送るため、スミスはタラスとともに家に戻る。そこには、姑とあの親戚の男がいた。広い土地とそれを放牧している羊の面倒をみることを約束し、姑は親戚の男と結婚することを決めたのだ。
スミスとタラスの結婚をその男が許すはずもなく、スミスは一人で町に戻ってきた。
そしてカルクク達と別れ、アリとともにアンカラを目指す。ペルシャまわりでアンカラを目指すことを決め、その日は野宿をする。
アリが眠ってしまった後、スミスは一人起きだし、姑から突き返された金時計を崖の上から捨ててしまった。

第3の乙嫁

カラザを離れ、アラル海の付近を進んでいたスミスとアリ。
ラクダに乗っていたスミスは、その揺れの心地よさと昨晩の睡眠不足によりラクダから滑り、湖の中に落ちてしまう。
そこで「ライラ」と「レイリ」という双子の女の子達に助けられる。2人の歯に着せぬ語り口と、正直すぎる性格に傷心のスミスは徐々に明るさを取り戻していく。
スミスは旅行者を名乗ると何かと危険なため医者を名乗っていた。それを知りライラとレイリはスミス達を家に連れて帰り、祖父の脱臼の治療をさせる。すると脱臼はあっという間に治ってしまう。
その翌日からスミス達はその町で評判の医師になり行列が出来てしまう。

一方、ライラとレイリは嫁に行く年頃であり、結婚話がぜんぜん無いことに焦っていた。それもそのはずで「二人で一緒に」という条件だけでも話は限られてくるのに、彼女たちはあるはずもない玉の輿をねらっていたからだ。
そんな中、ライラとレイリの父親が昔なじみの同業者から、うちの息子たちと結婚しないかと相談を受ける。彼の息子達にも結婚適齢期の息子がいたのだ。
幼なじみ同士の結婚の話に、ライラもレイリも、そして相手のサマーン(兄)とファルサーミ(弟)も戸惑いを隠せなかった。しかしデートを重ねているうちに、ライラはサマーンとレイリはファルサーミと少しづつ意識をするようになり、結婚することが決まる。

結婚の前に家事が苦手なライラとレイリは、母親と近所に住む妹とともに家事のイロハを習い、投げ出した結婚衣装を必死で仕上げてやっと結婚式を迎える。
わがままでパワフルなライラとレイリに2人の夫は手を焼きながら、何とか結婚式を終えた。その間に、医者として立ち去りづらかったスミスとアリはやっと町を出ることができた。
その後、サマーンとファルサーミは父親からの1艘ずつの船を結婚祝いとして貰い、ライラとレイリとともに漁に出る。大漁の魚に、ライラとレイリの妄想はさらに膨らんでいく一方だった。

第4の乙嫁

ペルシャにやってきたスミスとアリは、スミスの知り合いの便宜により富豪の家に世話になる。
その家には、「アニス」という妻がいた。儚い印象のアニスだったが、ハサンという子宝にも恵まれ、優しい夫と使用人と何不自由なく幸せに暮らしているように見えた。
しかし不在がちな夫。話し相手は飼い猫と、庭に遊びに来る小鳥達くらいしかおらず、孤独な毎日に何かが足りないと思うようになった。
使用人の「マーフ」にそれを伝えると、彼女はアニスを町のお風呂屋へ誘うことにした。そこではいろんな人がいて、アニスの友達になってくれるような人もいると思ったからだ。

お風呂屋へ行くマーフとアニス。そこでアニスは一人の女性に出会う。それは豊満な肉体と美しい黒髪をを持つ「シーリーン」だった。
シーリーンは貧しい染め物屋の嫁であり、息子が一人いるという。一目見たときから、アニスはシーリーンと友達になりたいと思い、彼女らはやがて「姉妹妻」になる約束をする。
「姉妹妻」は特別な相手であり、夫と子供のいる女性が2人で姉妹妻の儀式を交わすのだ。相手の嫌がることはしない、影で悪口も言わない、嬉しいことも悲しいことも共有し本当の理解者になることだった。

女性だけの部屋の中、アニスとシーリーンは姉妹妻の儀式を終える。そのとき、シーリーンの夫が倒れたという知らせが来る。
急いで駆けつけるシーリーン。しかし時はすでに遅く、夫はもう死んでいた。葬式を終えてもシーリーンは夫を亡くした悲しみと、これからの生活の不安をずっと抱えていた。年老いた夫の両親や幼い子供を抱え、どうしたらいいかわからないでただ泣いている日々を過ごしていた。

アニスはその様子を聞き、ある決断をする。
シーリーンの家に行き、アニスは自分の夫の2人目の奥さんにしてもらうことを提案する。思いやりのある夫だ。反対はしないだろう。
しかし2人目の奥さんをもらうことに夫は戸惑っていた。アニスを心から愛し、1人だけでいいと思っていたのにシーリーンという2人目の奥さんの提案をされたからだ。しかしアニスの説得と慈悲心も手伝い、シーリーンを2人目の妻に迎え入れた。
そしてスミス達がペルシャを出たあと、孤独だったアニスはいつも隣にシーリーンがいることに幸せを心から感じていた。

第5の乙嫁

アミルがこの町に嫁いできて、最初にできた友達が「パリヤ」だった。最初にパリヤとアミルが出会ったのは、街の女性たちが共同で使うパンを焼く竃場にて出会ったのが最初だった。正直ではっきりした性格のパリヤとアミルはすぐに打ち解け合った。しかしパリヤには悩みがある。
率直過ぎる性格が仇になり、年頃になっても縁談が決まらなかったのだ。何人かの人とお見合いをしても結局相手を怒らせてしまい断られていて、すっかり自信を無くしていた。「自分はもう結婚できないのではないか」と自暴自棄になり、それをアミルが慰めることもしばしばあった。

そんな彼女に縁談が持ち込まれた。アミルとカルククとともにカラザにやってきたとき、出会った男「ウマル」だった。家族同士で話し合い、結婚の話も着々と進んでいたときだった。
この町はアミルの実家である「ハルガル」の襲撃にあい、パリヤの家も崩壊してしまったのだ。そこでパリヤ一家はアミルの家に家が元に戻るまで居候をすることになる。
崩壊したのは、家だけではなく嫁入りをする前のパリヤの嫁入り道具として用意していた刺繍を施した日用品も無事なものはほんの少ししかなくなっていた。

パリヤは一からそれを揃えなければいけない状況になっていた。布支度(刺繍を施す作業)は花嫁の必須であり、普段使いの日用品から、花嫁衣装まで花嫁の手で全て仕上げないといけない。その刺繍の手の入れようによって嫁としての第一印象が決まってしまう大事な仕事でもあった。
しかしパンを焼くことや飾り付けは得意だったが、刺繍は大の不得手でありいらいらしながら進めていく。
そんな様子にカルククの祖母、「バルキルシュ」からの「大事な人を思いながら縫う」というアドバイスにより、パリヤはコツをつかむ。元々は不器用ではないパリヤは、刺繍を徐々に仕上げていく。
そんな様子の中、結婚を先延ばしにされたウマルは、父親の薦めからパリヤの町にやってきて町の再建を手伝うことになる。そのお礼にとパリヤは周りの進めもありお礼を毎日するようになり、次第にウマルのことを意識するようになる。

ある日のことだった。眉墨用の葉を取りに行くように母親から言いつけられたパリヤは、ウマルとともにそこへ向かう。その道中何を話していいかわからない不器用なパリヤと、怒っているのではないかと思っているウマルは、不器用な気持ちが錯誤していた。
しかし帰途の道中、二人は倒れている女性を助け、そのお礼にと一泊一食の世話になる。次の日、引いていた馬車の車軸が折れる。そこで二人は力を合わせて借り軸を入れることに成功する。しかし馬車はうまく走ることはできず、結局2人で馬車を弾きながら徒歩で帰ることになる。
家族に心配させてしまったが、ウマルは本来のパリヤを見ることができて嬉しかった。

そしてパリヤは水車の前で、ウマルに「布支度が終わるのがいつになるのかわからない。だけど終わるまで待ってくれないか」と自分の想いを伝える。。するとウマルは軽く「わかった」と言っただけだった。
自分の想いが本当に伝わっているのかわからなかった為、パリヤはウマルに本当に待ってくれるのかとしつこく聞く。するとウマルは彼女の肩を抱き、キスをすることで責任をとると言いくるめたのだった。

その後、助けた女性が夫とともにウマルたちにお礼をしたいとウマルたちを訪ねて歩いていた。しかし名乗らなかった2人は見つけることも難しかった。しかもウマルたちを「兄妹」だと思っていたのでさらに捜索を困難にしていた。
結局ウマルたちを見つけ夫婦はお礼にやってきたが、家族でもない男女を一緒に泊まらせたと後悔をしていた。しかしパリヤの父が「婚約者です」といったことにより、事前交渉段階だった縁談が正式に決定する。

『乙嫁語り』の登場人物・キャラクター

第1の乙嫁の登場人物・キャラクター

アミル・ハルガル

カルクク・エイホンの妻。物語開始時点では20歳。
出身は北の方のある半遊牧民のハルガル家。厳しい冬のみ定住するため、土地の問題は切実である。
馬に乗りながら弓を使い狩りをすることもできるし刺繍も上手。
20歳で嫁入りという、この時代のこの土地ではかなりの行き遅れであった。夫のカルククは12歳であったことから、被保護者的な対応をしていたが、徐々に男らしくなるカルククに純粋に魅力を感じ、恋心をもつ。
普段はしっかり者だが、過去に思わぬ病気で身内を失ってしまった経験があり、それ以来エイホン家の誰かが病気をしても必要以上に焦ってしまう。
この時代の人にしてみては珍しいくらい羞恥心がないらしく、風呂上がりに下着姿で表に出ようとして何度も止められている。

カルクク・エイホン

妻はアミル・ハルガル。物語開始時点では12歳。
ハルガル家の末子であり、跡継ぎ。(この土地の人は末子相続が一般的)同居しているのは、祖父マハトベク、祖母バルキルシュ、父アクンベク、母サニラ、姉セイレケ、姉の夫ユスフ、姉夫婦の子供達にティレケ(長女)トルカン(長男)チャルグ(次男)ロステム(三男)。カルククとセイレケの間には兄弟が沢山いるようだが、みんなよそで自立している。
優しい性格であり、物腰は柔らかい。しかし、いざとなれば身を持って妻を守る強さも兼ね備えている。最近は、いざというときにアミルを守るためアミルに弓を習っている。

バルキルシュ

カルククにとっては祖母。
気迫に満ちた女傑であり、アミルを返せと言って家の中でユスフとアゼルとで小競り合いになったとき、弓一本で二人を黙らせた。
山羊を乗りこなし、馬が上れない崖も軽々と上ることができる。
ハルガルとエイホンの戦いにて、アミルの父が恨み言を言っているとき後ろからこっそりつけて弓で刺殺している。

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