YELLOW MAGIC ORCHESTRA(イエロー・マジック・オーケストラ/YMO)とは【徹底解説まとめ】

1978年に細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の3名によって結成された日本の音楽グループ。
日本において「テクノポップ」というジャンルを根付かせた、シンセサイザーなどの電子楽器を使用した音楽が特徴。グループ名の頭文字をとって、通称YMO(ワイ・エム・オー)と呼ばれる。
代表曲は「RYDEEN」「BEHIND THE MASK」「君に、胸キュン。」など。

散開した後も度々再結成が噂され、実際にメンバーの周りからのオファーもあったようであるが、それらをすべて細野が断っていた。
しかし、散開ライブツアーからおよそ10年後の1993年2月、一時的に「再生」(再結成)されることが発表された。
その発表と同時に新しいアルバムとツアーも行う事が公表された。

当時YMO「再生」は多く新聞、テレビなどの各メディアの注目を大きく集めた。
新聞は社会面で、テレビではニュースで報道するなど、社会的にも大きく取り上げられた。

そして「再生」から3ヶ月後の同年5月、新しいアルバム「テクノドン」を発表した。
これを引っさげ、東京ドーム2daysの公演も行ったが、その後特にこれといったアナウンスもなく再び活動休止になる。
しかし1度目の「散開」とは異なり、この後は細野、高橋そして坂本のそれぞれのメンバーがソロ活動の合間にお互いにコラボレートするなど交流をもっていた。

2000年から現在まで

出典: cdn2.natalie.mu

2001年1月にNHK-BS2で放送された細野晴臣デビュー30周年記念特番にて3人が共演した。
同期なしの、シンセサイザー、エレキベース、生ドラムのみの簡素な「ライディーン」を披露した。

翌年の2002年に細野と高橋がエレクトロニカユニット「スケッチ・ショウ」を結成し、リリースしたアルバムには坂本も参加したのみならず、スケッチ・ショウのライヴにもゲストミュージシャンとして坂本がステージに立ち、いくつかYMOのナンバーも演奏された。

上記の細野と高橋のスケッチ・ショウ結成以来、坂本を含めた3人での音楽活動が活発化する。
2004年6月にはスペインで開催された「Sonar Music Festival」に細野、高橋と坂本の3名はYMOではなく、「ヒューマン・オーディオ・スポンジ(HAS) 」というグループ名(スケッチ・ショウと坂本という考え方)でステージたった。
3名がバンドとしてステージに立ったのは1993年の再生ライヴ以来およそ11年ぶりにであった。

3名は「散開」そして「再生」以降、長い間YMOとして活動することに否定的な考え方を持っており、HASとして3名で活動する際もYMOとは異なる、という揺るがないものがあった。
しかしとうとう、2007年にビールのテレビCMの企画において、YMO名義が復活する。
3人が揃ってCMに出演し、CMには彼らがCMのために「ライディーン」を新しいアレンジで演奏した「RYDEEN 79/07」が使用された。
この曲はCM公開とともにインターネット配信もされ、数々の音楽配信サイトにおいて、ダウンロード数1位を記録した。

そしてついに同年7月7日、世界同時開催されたコンサート「ライブ・アース」に、「Yellow Magic Orchestra」名義で出演。
サポートメンバーなしの3名での出演だった。
8月には東京の夢の島で開催された夏フェス「WORLD HAPPINESS 2009」に出演しビートルズのカバー曲やYMOの曲も数々披露した。

2012年の8月には「WORLD HAPPINESS 2012」に出演し、ライブでは29年ぶりに名曲「TECHNOPOLIS」を演奏した。

オリジナル・アルバム

イエロー・マジック・オーケストラ (YELLOW MAGIC ORCHESTRA)

01. コンピューター・ゲーム “サーカスのテーマ”/COMPUTER GAME "Theme From The Circus"
02. ファイアークラッカー/FIRECRACKER
03. シムーン/SIMOON
04. コズミック・サーフィン/COSMIC SURFIN'
05. コンピューター・ゲーム “インベーダーのテーマ”/COMPUTER GAME "Theme From The Invader"
06. 東風/TONG POO
07. 中国女/LA FEMME CHINOISE
08. ブリッジ・オーバー・トラブルド・ミュージック/BRIDGE OVER TROUBLED MUSIC
09. マッド・ピエロ/MAD PIERROT
10. アクロバット/ACROBAT

1978年にリリースされたYMOの1stアルバム。
アルバムの制作費は当時の一般的なそれに対して倍にあたる約800万円かかっている。

イエロー・マジック・オーケストラ(US版)

01. COMPUTER GAME "Theme From The Circus"/コンピューター・ゲーム “サーカスのテーマ”
02. FIRECRACKER/ファイアークラッカー
03. SIMOON/シムーン
04. COSMIC SURFIN'/コズミック・サーフィン
05. COMPUTER GAME "Theme From The Invader"/コンピューター・ゲーム “インベーダーのテーマ”
06. YELLOW MAGIC (TONG POO)/イエロー・マジック(東風)
07. LA FEMME CHINOISE/中国女
08. BRIDGE OVER TROUBLED MUSIC/ブリッジ・オーバー・トラブルド・ミュージック
09. MAD PIERROT/マッド・ピエロ

前述の1stアルバムをアメリカのマーケット向けて全曲リミックスし、多少の手直しを加えたアルバム。
リミックスはハリウッドで行われた。
日本版との違いは6曲目の東風 - TONG POOがイエロー・マジック(東風)- YELLOW MAGIC (TONG POO)に改題され、ボーカルが加わったことと、10曲目のアクロバット - ACROBATが削除されたことである。

ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー (SOLID STATE SURVIVOR)

01. TECHNOPOLIS/テクノポリス
02. ABSOLUTE EGO DANCE/アブソリュート・エゴ・ダンス
03. RYDEEN /雷電/ライディーン
04. CASTALIA/キャスタリア
05. BEHIND THE MASK/ビハインド・ザ・マスク
06. DAY TRIPPER/デイ・トリッパー
07. INSOMNIA/インソムニア
08. SOLID STATE SURVIVOR/ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー

1979年にリリースされた2ndアルバム。
前作のUS版をミックスした直後に制作が開始され、テクノポップというジャンルを日本に定着させ、のちのミュージシャン達にも多大な影響を与えたアルバムになった。
代表曲「TECHNOPOLIS (テクノポリス)」、RYDEEN (雷電/ライディーン)を収録。

増殖 (X∞MULTIPLIES)

01. JINGLE "Y.M.O."/ジングル“Y.M.O.”
02. NICE AGE/ナイス・エイジ
03. SNAKEMAN SHOW/スネークマン・ショー
04. TIGHTEN UP (Japanese Gentleman Stand Up Please!)/タイトゥン・アップ
05. SNAKEMAN SHOW/スネークマン・ショー
06. HERE WE GO AGAIN ~ TIGHTEN UP/ヒア・ウィー・ゴー・アゲイン
07. SNAKEMAN SHOW/スネークマン・ショー
08. CITIZENS OF SCIENCE/シチズンズ・オブ・サイエンス
09. SNAKEMAN SHOW/スネークマン・ショー
10. MULTIPLIES/マルティプライズ
11. SNAKEMAN SHOW/スネークマン・ショー
12. THE END OF ASIA/ジ・エンド・オブ・エイジア

1980年にリリースされた3rdアルバム。
曲の間にコントユニット、スネークマンショーのコントが挿入されているアルバムである。
YMOはこの頃、レコード会社からライブアルバムの制作を要請されていたが、メンバーがそれを拒否し、代替案としてこのアルバムを企画した。YMOのメンバーもコントに参加している。

BGM

出典: assets.boomkat.com

01. BALLET/バレエ
02. MUSIC PLANS/音楽の計画
03. RAP PHENOMENA/ラップ現象
04. HAPPY END/ハッピー・エンド
05. 1000 KNIVES/千のナイフ
06. CUE/キュー
07. U・T/ユーティー
08. CAMOUFLAGE/カムフラージュ
09. MASS/マス
10. LOOM/来たるべきもの

1981年にリリースされた4thアルバム。
前年にリリースされた坂本のソロアルバム「B-2ユニット」に影響されて出来たアルバム。
この頃から細野と坂本の間に軋轢が生まれ始め、レコーディングにどちらかが現れないなどのことがあった。
細野と高橋はYMOのベストアルバムとしてこの作品を挙げている。

テクノデリック (TECHNODELIC)

出典: 103tommy.com

初回盤

通常盤

01. PURE JAM/ジャム
02. NEUE TANZ/新舞踊
03. STAIRS/階段
04. SEOUL MUSIC/京城音楽
05. LIGHT IN DARKNESS/灯
06. 体操/TAISO
07. GRADATED GREY/灰色の段階
08. KEY/手掛かり
09. PROLOGUE/前奏
10. EPILOGUE/後奏

前作「BGM」と同年1981年にリリースされた5thアルバム。
当時はまだ珍しかったサンプリング音源が多く使われた先鋭的なアルバム。
アルバムジャケットはメンバーの写真が使用されている初回盤と女性の肖像が描かれている通常盤の2種類ある。

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