人魚沼(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『人魚沼』とは2013年7月6日公開、Uri Games・うり制作のホラー探索ADV。対象年齢は全年齢となっているが、グロテスク、性的な描写を含む。
大学の夏休み中、旅行に来ていた主人公達4人は山道に迷い、偶然通りかかった男性に自宅へと招かれる。その後霧によって陸の孤島となった館からの脱出を目指す。
得体の知れないものが迫りくるおぞましさ、垣間見える怪異への嫌悪感、恐怖が濁った沼のようにどろりとまとわりついてくる物語。

『人魚沼』の概要

『人魚沼』とは2013年7月6日に公開されたホラー探索ADV。
制作はUri Games・うり。
対象年齢は全年齢となっているが、グロテスク、性的な描写を含む。
2013年11月11日、作中に使用されていた写真が個人サイトのものであったことが判明し、配信が一時停止される。画像の差し替えを行い2014年4月6日に配信が再開された。
2017年8月11日「WOLF RPGエディター」のバージョンアップやグラフィック変更を含めたアップグレードを目指すため、公開停止。
2018年7月23日からボイス付リメイク版が公開され、作者ホームページからダウンロード可能となった。
陸の孤島となった館というクローズドサークルからの脱出を目指すストーリー。

青緑に近い色彩が幻想的ながら、突然現れるグロテスクでインパクトのあるスチル、生理的嫌悪を催す設定など「気持ち悪い」と思わせる構成。選択を間違えれば主人公の仲間達が次々と死亡し、凄惨な最期を迎えてしまい、プレイヤーは「全員生還させたい」と何度もゲームに挑むことになる。
その醜くも美しい物語、魅力的なキャラクター達が好評で、有志によって英語、イタリア語、韓国語へ翻訳されている。
チャンネル登録者215万人を超えるYouTuber・レトルトによって投稿されたゲーム実況動画は、70万回以上再生されている。

作者ホームページでゲームの利用について注意事項・規約が記載されており、個々のゲーム内の規約と相違がある場合こちらが優先される。
二次創作・動画配信についても記載されている。

2style.in

作者によって詳細な設定や後日談なども公開されている。

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『人魚沼』のあらすじ・ストーリー

車内での主人公達。後部座席の金髪の女性が主人公・凛

大学の夏休み中、フィールドワークを兼ねた旅行に来ていた主人公達4人は山道に迷い込んでしまい、さらには原因不明の車の故障によって立ち往生してしまう。
解決策のないままあたりが暗くなり、野宿を覚悟する4人だったが、偶然通りかかった男性に救助され、彼の自宅である山中の館へと招かれる。
主人公達が招き入れられた館は大きく淀んだ沼のほとりに建っており、そこで主人公の凜は館の主土田幸男から、気味の悪い伝説を聞かされる。

”人魚沼伝説”
「彼の者海浜にて横たわりし透き通った葉だと鱗の人魚なるものを攫いて家の生簀にすまわせたり
濁った沼の水は人魚を醜く変えることおびただしくその肌ひどく膨らみて鱗ははげ落ち鈴のような声の音は獣のごとく枯れたり
彼の者の願い空しく人魚は死したり
忍所の恨み深く幾多もの若い女子が消えたり
ここに人魚を弔う―――」

気味の悪い話を、そういったことに興味がない凛は適当に聞き流す。
翌朝になっても車は直らず、さらには仲間の1人、岸田由香が体調を崩してしまう。
もう少しだけ滞在したい、と願った主人公達を受け入れる土田老人。しかし彼は用事があるから数日留守にする、と言い残して館を去ってしまう。
更に次の朝、由香の様子を見に行った凛は異常なものを目撃する。

水死体のように体が膨らんだ由香

ベッドで横たわっている由香の体は不気味に膨らみ、まるで水死体の様だった。
凛は慌てて救急車を呼ぼうとするが、電話が通じない。残された三人の仲間の中から、一番冷静だった若杉清太郎が歩いて助けを呼びに行こうとしたが、霧が出てしまいそれもかなわない。

陸の孤島となった屋敷から脱出しようと試みる主人公達に、次々と不気味な出来事が起こり始める。

新館

館から脱出するため、地図を探す3人。
その中で凛は土田家で起こった不気味な出来事や、土田老人の別れた家族が水死したことを知っていく。
家探しをする凛と清太郎。しかし、故障した車の運転を担当していた仲間、高橋雄太の様子がおかしく、探索をせず壁に飾られた絵ばかりを眺めているようになり、どこかへ走り去ってしまう。
館を大体探し終わった頃には日も暮れ、疲れを感じた凛だったが由香のことが心配で眠ることが出来ない。探索で入手したランタンとライターを使い、探索を続けようとし、まだ捜索していない旧館へ向かう。

この際、旧館玄関前横の物置で入手できる薪によってルートが分岐する。

旧館

妻と娘を水の事故で失った土田老人が過去に蓋をするために鍵をかけた旧館。
その中を捜索し、土田家の不気味な秘密に更に踏み込む凛。
旧館の広間を調べている時に妙な音を聞き、窓の外を見た凛は沼のほとりに誰かが立っているのを目撃する。
旧館を出て、沼まで確認に行く。しかしそこには誰もおらず、気のせいだったかと思った所で、背後から声を掛けられる。
そこに立っていたのは雄太だった。雄太は頑なに凛が同行することを拒み、部屋に戻るよう命令する。
いきなり高圧的になった雄太の態度を訝しみながら、凛は自室に戻り、休むことにする。
その夜凛は土田家の女達、土田老人の母である祖母と、その孫である双子が会話する夢を見る。
夢の中で凛は、「余所者は人魚に祟られてしまう」「決してこの家に余所者を入れてはいけない」と言い聞かせる場面を目撃してしまう。

凛に助けを求める由香(人魚)

翌朝目が覚めた凛は、人魚伝説や祟りを馬鹿馬鹿しいと思い夢を否定する。
その後由香の様子を見に行き、相変わらず膨らんだ体のまま、ベッドに横たわる姿を確認する。
朝食後、旧館の探索を続ける凛。書斎を探索しているときに誤って足を滑らせ落下、気絶してしまう。
意識を取り戻した凛の目の前にいたのは、ベッドで寝込んでいるはずの由香。親友が治ったと喜ぶ凛だったが、その姿は人魚が化けた偽物だった。
由香に化けていた人魚は由香が人質だと語り、凛に逃げないで自分達を助けるよう訴える。

恐怖で意識を失う凛。今度は清太郎に起こされる。
清太郎の手を借り、探索を続ける凛。旧館2F東の廊下の穴を渡り、その先の部屋を調べていると、突如電話が鳴り始める。
電気が切れているはずなのに鳴り響く電話に怯えながら凛は電話を取る。

この後ルートが分岐する。

ルート分岐(由香・雄太)

旧館1F玄関左のドアで「鍵」(物置)を使用することで物置の中に入ることが出来るようになる。そこで、薪を入手する・しないの選択肢が現れる。
薪を入手することによって、由香の部屋を暖めるイベントが発生。その結果由香・雄太両名が死亡する。
薪を入手しなければ2人は生き残ることが出来る。

由香・雄太死亡時

薪を入手し、部屋を暖めていた場合のルート。
由香・雄太が死亡する。

旧館で電話を取ると、受話器から由香の「ごめんね」という声が聞こえる。
凛は慌てて新館に戻るが、由香はすでに死亡している。
由香の死体は腐敗が進んでおり、皮膚が破れ、内臓や脂肪までもが露出してしまっていた。
部屋が暖められたから腐敗が進んでいたのではないかと推測する清太郎。自分が余計なことをしたせいだと取り乱す凛。由香の部屋の前の廊下で失意にくれる2人の元へ隣の部屋にから雄太が現れる。
2人の姿に「由香に、何かあったのか?」と尋ねる雄太。言葉を濁す清太郎を押しのけ、雄太は由香の部屋へと飛び込む。
部屋から出てきた雄太は「ヤブレタヤブレタ」と狂ったように繰り返し、叫びながら走り去る。清太郎が追いかけるが、雄太はそのまま食堂に飛び込み、自分の喉を包丁で切り裂き、自殺する。
2人の死後、居間で話し合う凛と清太郎。凛は友人の死体に取り乱し外へ助けを呼びに行くと主張する。清太郎は山道の複雑さを説き、無理に動かず休んでいるようにと伝える。しかし凛はこれ以上友達の死んだ屋敷にいる事に耐えられず、「迷ってもいい」と屋敷から一人で飛び出してしまう。
森を彷徨う凛。その凛の後を追うように現れる黒い影。1人で森を彷徨う凛だったが、山道を抜けることは出来ず、道の途中で力尽きてしまう。

由香・雄太生存時

薪を入手していなかった場合のルート。
由香・雄太が生存する。

旧館で電話を取ると、受話器から由香の「たすけて」という声が聞こえる。
慌てて新館に戻る凛。由香の元へと駆けつけると、枕元に雄太が立っていた。
様子のおかしい雄太を問い詰め、由香から離れるように求める凛だったが、雄太は包丁を持ち出し凛を追いかけてくる。
雄太の乱心の原因はオフィーリアの絵にあると思った凛は、彼から逃げ回りながら館中の絵を叩き壊していく。
最後の絵を叩き割ると雄太は倒れ、正気を取り戻す。
その後凛は館を飛び出し、迷った道の先で由香の姿をした人魚に出会い、意識を失ってしまう。

由香・雄太の分岐後

1人で山へ飛び出した凛が倒れた後、土田老人とその妻が家を出ていった時の回想がはじまる。引き留める夫に、妻は祟りで死ぬことよりも土田家のとある秘密を抱えて生きていくことの方が恐ろしいと言い、土田家にいては子供達がまともに育つわけがないと土田に別れを告げる。
妻は姑である土田の母にも別れを告げる。姑は自分も何度も逃げようと思ったこと、しかし妻とは違い死ぬのは怖く、秘密を抱えて生きていく方がマシだったことを打ち明ける。姑は妻に出来る限り遠く、土田家の妄執が届かない程遠くへ逃げるようにと伝える。
そうして土田老人の妻は双子の娘を連れ、屋敷から去っていった。

清太郎は凛がいないことに気が付き、山へと探しに行く。以前にはたどり着けなかった集落へ辿り着く。助けを求めて1軒1軒戸を叩いて回るが、どの家からも返事はない。途方に暮れる清太郎は背後からやってきた1人の老婆を見つけ、地主の家に泊まっているものだと助けを求める。友達がいなくなった、と訴える清太郎だったが、老婆はその言葉を無視するように語り掛ける。
「教えてあげようかい?あそこにはね――――」と土田の家について語る老婆。その言葉を遮るように、家から飛び出して来た男性が清太郎に冷たい言葉を吐き、老婆を連れて行ってしまう。
余所者として集落から締め出されてしまった清太郎が進んだ先は土田家の墓地だった。”怨念””人ならぬものへと””変化す”など不気味な言葉の並ぶ看板のたてられた墓地。その先で清太郎は凛を発見する。

清太郎に背負われて、凛は屋敷に戻る。ベッドの中の凛は、由香や雄太に起こった異変は人魚の呪いだ、余所者の自分達を狙っていると主張する。凛を宥める清太郎だったが、頭痛を訴え、部屋から立ち去る。
1人部屋に残された凛は人魚の呪いについて考える。その中で凛は沼と伝説の関係に思いいたり、1人で沼に飛び込んでしまう。
沼の中で「かんざし」を見つけた凛。しかし沼から脱出しようとして、溺れてしまう。
そんな凛を救ったのは清太郎だった。凜を助けた清太郎は、無謀な行動を咎めるが、突然頭痛を訴え去っていく。
その後旧館の探索を続ける凛だったが、暖炉から降りた先の隠し部屋で人魚と出会い気を失ってしまう。
朝になり、意識を取り戻した凛は旧館の玄関で清太郎と合流する。地図を見つけた、と差し出す凛だったが清太郎はそれを無視して彼女を抱きしめる。
震える清太郎は恐怖を訴える。凛が無事でよかった、ずっと一緒にいて欲しい、離れたくない。突然清太郎に求められた凛は彼を突き飛ばし、拒絶する。
清太郎もまた、雄太のようにおかしくなっていた。斧を振り回し、拒む凛を追いかける。
逃げる凛だったが、旧館の2F西右端の部屋へと追いつめられてしまう。
凛を追いつめた清太郎は様子のおかしいまま、彼女へと斧を振り上げる。

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