誰ソ彼ホテル(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『誰ソ彼ホテル』とは、2017年12月19日に配信開始された脱出アドベンチャーノベルのゲームアプリだ。開発、販売は株式会社SEECで、対応OSはiOS/Androidである。
株式会社SEECでは今までも脱出アドベンチャーノベルのゲームがリリースされていて、その4本目が本作である。声優によるキャラクターボイス付きで、本作から派生して朗読劇やコラボカフェにコラボホテルなども展開している。すでに韓国語版まで配信されている。ちなみにこのゲームの読み方は『たそかれホテル』である。

『誰ソ彼ホテル』の概要

『誰ソ彼ホテル』とは、2017年12月19日に配信開始された脱出アドベンチャーノベルのゲームアプリだ。
いつも夕暮れ空のどこかわからない世界に佇む「黄昏ホテル」がこのゲームの舞台だ。ここは生きているのか、死んでいるのかも分からない人間たちが集まる場所だ。プレイヤーはこの黄昏ホテルにやってきた、塚原音子(つかはらねこ)を操作してゲームを進めて行くことになるのである。

主人公の塚原音子(つかはらねこ)も黄昏ホテルに来た当初は自分がわからない状態でやって来た。ホテルの部屋はホテルに来た人間の思考が反映された部屋になっているので、そこで記憶の断片を探すことになるのだ。
名前が判明した主人公はホテルに滞在する間、ホテルの従業員として働くことにした。そこで、ホテルにやってくる様々な人間の記憶の断片を一緒に探し、チェックアウトできるよう従業員として手伝うゲームである。様々なお客様、従業員との色々な関わりがありながら、自身の死の真相にも近づいていくストーリーになっている。
人の生死に関わる記憶を探っていく、濃厚なミステリーノベルになっていて、鬼気迫る探索パート、尋問パートを経てマルチエンディングを迎える人気作である。

『誰ソ彼ホテル』のあらすじ・ストーリー

到着した黄昏ホテルの外観

第1章黄昏少女

起きてみると見知らぬところに主人公はいた。夕暮れ時の空に只々地平線が続いている。
どこまで歩いただろうか、突如現れたのは大正ロマンを思わせる建物だ。
中に入ると現れたのは人間ではない、頭が炎の人間(?)だ。ここは黄昏ホテル。この世とあの世の狭間にある世界だった。
黄昏ホテルへやって来た主人公はホテルの部屋に案内されると、何故か部屋には主人公の私物がたくさんある。その私物の数々が自分の記憶を取り戻すきっかけになり、名前を思い出すことに成功した。名前は塚原音子(つかはらねこ)、アイドルオタクの女子高校生だ。ただ、現世での生死が分からない以上、このホテルをチェックアウトはできないので、音子は暇つぶしに黄昏ホテルの従業員になることにした。
いつまでも夜にならない夕暮れ空の黄昏ホテルでは、従業員で接客係の先輩になる阿鳥遥斗(あとりはると)、料理人のルリや、バーのママの瑪瑙、支配人とも関わっていくことになるのである。

第2章博徒と黒電話

死んでいるか生きているのかわからず、自分のアイデンティが確立されず、名前不明、顔も曖昧な状態でやってくるのが、このホテルのお客様の特徴だ。音子の一人目のお客様の頭はパチンコ玉の男だった。頭がパチンコ玉のお客様は来て早々麻雀のメンツを探し始めた。大のギャンブル好きのようで、このお客様の部屋も、競馬新聞やら花札やら、博打に関わる様が多い部屋になっていた。

この章からエンドの分岐も始まるのだが、最初の部屋の探索で金魚鉢の中の鍵を取ろうとすると「毒」エンドでその時点で終了となる。
探索パート中に黒電話が見つかると最初の探索パートは無事終了となる。黒電話からは借金の催促の声が聞こえた。さらに借用書も部屋から出てきて、借金を多く作っていることがわかる。この後の尋問パートではお客様の名前を探っていくのだが、この尋問パートを失敗すると「浅知恵」エンドになってしまう。パチンコ玉のお客様は「安藤淳宏」という名前であることがわかり、どうやら借金で首が回らなくなり、強制労働をさせられたが、そこから逃げ出して生き埋めにされたことが死因らしい。そこまでわかると突然安藤の部屋が土まみれになり、さらに安藤が土砂に埋まってしまった。シャベルで助けようとするが、ここでまた分岐があり、人を呼びにいくと「秘密」エンドへ。このエンドは安藤がホテルで亡くなってのチェックアウトとなる。ここを攻略するには「シャベルを借りる」が正しい。この選択肢を選ぶと、安藤を助け出すことに成功する。現世でもどうやらまだ土の中で息があることがわかり、安藤は生きて母親に会うために黄昏ホテルをチェックアウトすることになった。

第3章出会い

次のお客様はパンジー頭の男で、自分は探偵であると言った。部屋を探索すると医大生で副業が探偵の大外聖生という人物であることがわかった。この第3章は尋問パートにエンドの分岐があって、最初の尋問パートに失敗すると「時間の無駄」エンドへ。尋問に成功すると、死因がわかり、大外が死んだ時のことを思い出すことになる。
その後、大外が何か隠していると感じ、音子は大外を尋問してみることになる。この尋問パートで失敗すると「期待はずれ」エンドになる。攻略するには探偵業で使っている被害者リストや、瑪瑙からもらった手鏡を的確に使っていく必要がある。大外を尋問して分かったことは、大外が探偵と名乗ったのは被害者リストを持っている正当な理由が欲しくてついた嘘であったことだ。そして、実のところは婦女暴行殺人犯の犯人だったのだ。それが音子に暴かれると、途端に本性を出した大外は、そこに居合わせたルリを殺そうとした。音子の機転で難を逃れるが、警察に行かれるのを恐れた大外と見合う音子、ルリ、阿鳥先輩だった。そこに支配人がやって来て黄昏ホテルのルールを伝えた。この黄昏ホテルで殺人を犯すと地獄へ行くことになることと、黄昏ホテルにいる人間が現世に戻ってもホテルでの記憶が失われるということだった。大外は休戦を申し出て、ホテルに滞在することにした。

第4章海辺の別レ道

次は仮面のカップルのお客様がやって来た。男性はトオル、女性はキョーコ。本名はわからないが、お互いをそう呼び合っている。彼らは高校の同級生で、大人になって再会して恋人同士になったらしい。彼らの部屋はオーシャンビューのスイートルームの様で、名前や死因の調査に部屋を探索して見ることに。ここで尋問パートを失敗すると「疫病神」エンドへ。尋問に成功するとトオルの名前が判明し、既に結婚していて、赤ちゃんもできていたことがわかる。浮気であったことにショックを受けたキョーコがバーにやってきて、瑪瑙に励まされるのだが、その時キョーコはルービックキューブを忘れてしまっているようだ。このルービックキューブをバーに居合わせた大外に解かせるかどうかでエンドは分岐する。
ルービックキューブを解かずに部屋へ持っていくと、トオルが愛の深さを証明するために部屋のバルコニーから自殺しようとしている。それを止めた後に切子から借りた望遠鏡で二人の現世を見てみるとトオルは生きていて、キョーコは亡くなっていた。途端に父性に目覚めたトオルは現世へ帰り、顔も名前も判明していないキョーコは後に残されたが、フルコースを食べながらトオルの子供として生まれ変わることを祈っていた。これが「凡庸な事件」エンドでこの章を終えることになる。
ルービックキューブを解いて、中にある写真を見つけてからトオルとキョーコの部屋へ行くと、本当の全貌がわかることになる。途中尋問に失敗すると「愉快な推理ショー」や「コレはコレで」エンドに行ってしまうが、尋問に成功するとTRUE END「ラブ&ピース」へ進めることができる。キョーコはトオルの愛する松本今日子ではなく、同じキョーコという名前をもつ高橋京子という人物であることが判明する。さらに高橋京子は現世でトオルのストーカーをしていて、当のトオルは高橋京子の顔を見ても高橋京子のことを全く知らなかった。彼らの現世での死因も、高橋京子はトオルに、トオルと松本今日子の間にできた子供を海に落とされたくなければ、自分と結婚しろと脅迫したことから始まっていた。トオルは子供を取り戻そうと揉み合ったところ、高橋京子と共に海に落ちて亡くなってしまったのだ。音子が切子に借りた望遠鏡を使って彼らの現世の姿を見てみると、トオルは生きていて京子は死んでいた。逆上した京子はトオルを殺そうとしたが、先の黄昏ホテルのルールを聞き、結局自殺した。生きていたトオルはチェックアウトして現世に戻っていった。

第5章媒体少女の憂鬱

黄昏ホテルのお客様にアイドル「365シスターQ」のチームAutumnの永遠のセンター金子このみが来ていた。音子は彼女の大ファンで俗にいうオタクであった。金子このみに部屋からポーチを持って来てもらうよう頼まれ、部屋を探索することができた。ポーチの中身は大量の薬で、どうやら服薬自殺が死因の様である。
顔も死因もわかっている金子このみだが、ホテルに滞在することにしたので、音子はホテルのバーで歌ってくれることを頼んだ。そこで幻のソロ曲、「酩酊」を歌ってくれることになったのだが、その曲を披露するための演奏者集めに音子が奔走する中、阿鳥先輩がプロを目指すサックス奏者であったことがわかるのであった。
その後金子このみは、現世のラジオを聞くことができ、今現在のメンバーの声を聞くことができた。メンバーの中に、元々親友だったゆりりんの声が聞こえて来た。売り出すための設定でライバルになった金子このみとゆりりんは、プライベートでも仲違いしてしまった間柄だった。ゆりりんの声が聞こえた金子このみは感情を露わにし、昏倒する。ここでこの章初めてのエンドの分岐が起こる。選択肢を二回失敗すると「消失」エンドになってしまい、金子このみは亡くなる。音子が大外に助けを求める選択肢で先へ進むことができる。この後、金子このみを救助することができ、休んでいる金子このみを待つ間、部屋をもう一度探索することになる。この後の尋問パートで、探索中に見つけたゆりりんとのツーショット写真を突きつけると、ゆりりんとの楽しかった思い出を胸に金子このみはチェックアウトすることができ、TRUE ENDへ進めるが、ここで別のアイテムを突きつけると「失意」エンドに進み、TRUE ENDと違って自暴自棄になってホテルを後にすることになる。

第6章長い一日

この章の始まりは音子がアイドルのライブの帰り道に刺されていた記憶、すなわち死んだ時の様子から始まる。場面は変わって現在の黄昏ホテル内になるのだが、他の従業員たちと会話をしていくノベルパートの途中、手伝う仕事の選択がある。この分岐でフロントでの仕事を選んだ場合、「槍が降る」のエピソードへ進み、大外の部屋へ阿鳥先輩を探しに行くと、大外と車椅子に座った阿鳥先輩がいることになる。阿鳥先輩が音子に逃げろと必死で伝えているシーンの後、大外も阿鳥先輩もいなくなる「空き室」エンドになる。
大外の部屋を掃除する仕事を選んだ場合、大外の部屋に隠し部屋があることが発覚する。部屋には昔の手術台や腐ったシチューに、片付いていない木片や古い本、あろうことか壁から白骨遺体まで出て来た。大外の隠し部屋を探索してみたところ、犠牲者リストには音子もいたのだが、理由は無いに等しく通り魔的に殺されていたのである。さらに大外のターゲットには阿鳥先輩まで入っていたことがわかったのである。
大外は、現世で行った阿鳥先輩への犯行に後悔の念があった為、今この世界でも阿鳥先輩に危害を加えようとしていることがわかったのだ。今までの大外は休戦中とはいえ、力になってくれたり、話が会う場面もあったりしたが、この章では大外の異常性が浮き彫りになっている。
大外の隠し部屋から出ると選択肢があって、そこでもエンド分岐があり、大外を止めるを選ぶとTRUE ENDでこの章が終わり、次の章に進むことができる。知らせに行くを選んだ場合、部屋に隠れていた大外にやられ、大外も阿鳥先輩も行方不明になる「黄昏ホテルにようこそ」のエンドで終わる。やめておこうを選ぶと、そのままホテルから逃げ、現世に戻った音子が再び大外に殺される「デジャヴ」エンドになる。

第7章暴力による解決

5hhumi896
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