アカギ〜闇に降り立った天才〜(福本伸行)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

福本伸行による麻雀漫画。「別冊近代麻雀」(1991年7月号)にて連載開始。その後「近代麻雀」に移行した。「天 天和通りの快男児」に登場する「伝説の雀士」赤木しげるを主人公とするスピンオフ作品。若き日のアカギが不良グループ同士の抗争事件の後、身を隠すためまぎれ込んだ雀荘で麻雀と出会い、幾多の名だたる代打ち雀士たちとの勝負を経て、究極の敵、鷲巣巌との決戦に至るまでが描かれる。

山東組傘下・稲田組の若頭。安岡とは馴染みの深い間柄。もともとは鷲巣に高レート麻雀の相手となる若者を紹介するだけの「従順な羊」だったが、猟奇事件をもみ消すため資産をばら撒いたことによる鷲巣の弱体化を契機に、残りの全財産を奪うべく安岡とともにアカギを刺客として送り込む。
その際アカギが敗れて死んだ場合、自分の腕一本を落とすという取り決めを鷲巣と行っている。作中では常にアカギの背後で鷲巣との勝負を見守っており、アカギと鷲巣の理解を超えた闘牌に動揺、一喜一憂する場面も多く、狂言回しの役どころとなっている。

鈴木(すずき)CV:森川智之/演:笠原秀幸(TVドラマ「アカギ」)

鷲巣の部下の一人。鷲巣麻雀では鷲巣の下家に座り、鷲巣へのアシスト役を担う。
差し込み、あるいはなかせるための牌を手に留め置くなど、自分の和了は眼中になく、対局中はひたすら鷲巣へのサポート役に徹する。

岡本(おかもと) / 吉岡(よしおか)CV:三宅健太/演:郭智博(TVドラマ「アカギ」)

鷲巣の部下の一人。鷲巣の後ろで対局の様子を見守っている。アカギとの対局前に鷲巣に杖で殴られたためにできた額の打撲痕が特徴。対局中要所要所で鷲巣に助言をするが、そうした助言が逆に鷲巣の直感を鈍らせ、結果的に裏目に出ることがしばしばある。
初登場時の単行本8巻では鷲巣から岡本と呼ばれるが、単行本11巻のナレーション部分では吉岡とされている。単行本18巻以降の人物紹介では再び岡本と表記される。

山中(やまなか)CV:大塚芳忠/演:水橋研二(TVドラマ「アカギ」)

山東組傘下・倉田組の賭場で丁半博奕の賽振り(壷振り)を務める。角刈りで両方の二の腕から肩越しまで彫ってある刺青が特徴。
客の心理を読みきり、サイの丁半を操ることで賭場の収支が偏らないようにすることに誇りを感じている。しかしそうした心理戦において遥か上を行くアカギに翻弄され、負けを重ねる。積み重なった負け分を補填するためアカギにこれまでの勝ち分全てを賭けた最後の勝負を強要する。ここでも目を読み切られ敗北するが、アカギの当てた丁の目を半と言い張り、他の組員とともに暴挙に出る。

倉石(くらいし)CV:原康義

山東組傘下・倉田組の代貸。角刈りとぶ厚い唇が特徴。それまでの勝ち分全額を賭けた丁半博打に勝利したアカギを組員たちが組み伏せ、出た目と逆の目を口にするよう強要するも黙認。強行突破してきた安岡、仰木と対峙し、仰木に「この細事を組長に知られることは恥」と諭されアカギを引き渡す。

『アカギ〜闇に降り立った天才〜』の用語

鷲巣麻雀

鷲巣との勝負で使用される、鷲巣が考案したオリジナルの麻雀ルール。

アカギが半荘6回戦を戦い抜けばアカギ側の勝利。途中でアカギが絶命すれば、それまでに得た現金も全て没収、鷲巣側の勝利となる。

・レート
1000点=100万円=血液100CC。アカギと鷲巣のサシ勝負。ウマ(1万・3万)・オカを加算したポイント差で半荘ごとに清算。アカギの致死量2000CCは点棒2万点に相当し、鷲巣の現有資産5億円は50万点に相当する。

・ガラス牌
1種4牌のうち3枚が透明のガラス牌を使用する。

・ボーナス払い
半荘清算時以外にも、アカギと鷲巣の間で直接点棒の移動があった場合には、その局ごとに血液or現金をやり取りする。

・鷲巣側の特例
半荘2回を区切りとして勝負を続行するか、途中終了するかを鷲巣側のみ選択できる。

『アカギ〜闇に降り立った天才〜』の名言・名セリフ

「死ねば助かるのに………」

レートに怯え竜崎のリーチに対して勝負にいけない南郷にアカギがつぶやいた台詞。
これにより南郷は自身が死ぬ気で勝ちにいくのではなく、ただ勝負を避け助かろうとだけしていることに気付く。死にたくないという意識を捨てることで逆に助かる公算が高くなるという、アカギのギャンブル観を表している。

「倍プッシュだ...!!」

借金をチャラにする300万円を手に入れ安堵する南郷を尻目に、獲得したばかりの300万円をそっくりそのまま乗せて、更なる勝負を申し出た際のアカギの言葉。
勝ち色が濃い時には守りに入らず躊躇なく「むしれるだけむしる」勝負師としてのアカギの姿勢を象徴している。

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