椎名林檎(Sheena Ringo)とは【徹底解説まとめ】

椎名林檎は日本のシンガーソングライター。1998年「幸福論」にてメジャーデビュー。有限会社黒猫堂に所属。2004年から2012年にかけてロックバンド・東京事変のボーカルとして活動した。2009年に平成20年度芸術選奨新人賞(大衆芸能部門)受賞。映画「さくらん」では音響監督を務め、リオオリンピック閉会式の演出を務めた。J-POP界を牽引するアーティストの一人である。

経歴

デビューシングル「幸福論」にてセーラー服を着用した椎名林檎

先天性食道閉鎖症(身体に栄養を取り込めない肉体的異常)を持って生まれ、出生後すぐ慶應義塾大学病院で2日間にわたる手術を受ける。
2歳のとき父親の転勤で静岡県清水市(現・静岡市清水区)に移り、11歳で福岡県福岡市早良区に越して18才までを過ごす。
「椎名林檎」として音楽活動を始めた福岡を出身地としている。
中学入学後、友人とバンドを結成。高校進学後軽音部に入部、数多のバンドでボーカルだけでなくあらゆる楽器を担当し、洋楽邦楽問わずコピー演奏していた。自身で曲を書くようになって以降は学外の友人たちとバンドを結成、ライブハウスで演奏する。

1994年「第19回ホリプロタレントスカウトキャラバン放課後の決戦~カラオケ・バトルロイヤル~」に出場。1995年「Marvelous Marble(マーベラス・マーブル)」というバンドで「第9回TEEN'S MUSIC FESTIVAL」に出場し、福岡地区で1位を獲って全国大会に進出、奨励賞を受賞する。このときティーンズ大賞・文部大臣奨励賞(グランプリ)に輝いたのがaikoで、aikoとの友人関係はこのときから始まっている。同年秋、RKBラジオの家村博之ディレクターの推薦で「長崎歌謡祭」に出場、ファイナリストとなる。

高等学校2年3学期が終わると同時に学校を中退。ピザ屋や警備などのバイトをしながらデモテープを作る日々を送る。
1996年「THE 5th MUSIC QUEST JAPAN福岡大会」にバンドで出場し、大会関係者にソロ転向を勧められ、同大会決勝「MUSIC QUEST JAPAN FINAL」に『椎名林檎』として出場。「ここでキスして。」を歌って優秀賞を獲得する。

デビュー前

このことがきっかけでいくつかのレーベルから声がかかり、そのうち特に熱心な推薦をした東芝EMI九州エリアの宣伝マンの紹介で東芝EMI制作ディレクター・篠原雅博(しのはら まさひろ)と契約を交わす。
篠原の紹介した実績のある外部ディレクターと組んで仕事を始めて早々に曲の改変について対立。
1997年イギリスで1月から3月にかけて3ヵ月間ホームステイし、帰国後、新たに紹介されたアレンジャー兼ベーシストの亀田誠治とデビューに向けた楽曲制作を始める。

1998年5月、シングル「幸福論」にてメジャーデビュー。1999年、1stアルバム「無罪モラトリアム」が160万枚のヒットを記録する。
2000年2ndアルバム「勝訴ストリップ」が250万枚を超えるセールスを記録し、トップアーティストとしての地位を確立する。
11月にギタリストの弥吉淳二と結婚。2001年、シングル「真夜中は純潔」を発表した直後、妊娠が発覚し出産のため休業。「真夜中は純潔」のPVの撮影時に既に妊娠していたことがわかり、急遽内容がアニメーションに差し替えられた。そのため椎名林檎自身が出演しているPVは幻となる。
2002年5月、カバーアルバム「唄ひ手冥利〜其ノ壱〜」「唄ひ手冥利~其の弐~」を発表。
2003年2月には「加爾基 精液 栗ノ花」を発表し、ソロ活動を休止。「東京事変」としてバンド活動を始める。

東京事変(左からギター・浮雲、ドラム・刃田、ボーカル・椎名、ベース・亀田、ピアノ・伊沢)

2007年、映画「さくらん」に音響監督として参加、
「さくらん」のために作った楽曲を斎藤ネコとアレンジしたアルバム「平成風俗」を発表し、ソロ活動を再開。
2008年、デビュー10周年を記念して、これまでに発表したシングルのB面を集めたアルバム「私と放電」を発表。
このアルバムは2枚組になっており、これまでのライブでの様子を収めたDVD「私の放電」と同時発売であった。

2009年3月、文化庁主催「平成20年度芸術選奨」大衆芸能部門において、芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞する。
6月24日に「三文ゴシップ」を発表。純粋なソロ名義としては6年4ヵ月ぶりのアルバムであった。
2013年11月13日、デビュー15周年を記念したコンピレーションアルバム「浮き名」「蜜月抄」を発表。
2014年5月27日、数多のアーティストへ提供してきた自身の楽曲をセルフカバーしたコンセプトアルバム「逆輸入~港湾局~」を発表。
全収録曲で異なるアレンジャーを起用し話題に。
11月5日、5年半ぶりとなるオリジナルアルバム「日出処」を発表。
2016年リオオリンピック閉会式の演出を務め、世界各国から高い評価を得る。

椎名林檎のエピソード・逸話

「椎名林檎」の名前の由来はビートルズのリンゴ・スターから

「椎名林檎」という名前はビートルズのドラマー、リンゴ・スターからつけた。
幼少の折、恥ずかしがり屋ですぐに頬が赤くなる性質であったことも由来のひとつとして挙げている。
高校1~2年生の時、自身の楽曲「茜さす帰路照らされど」「ギブス」「虚言症」「ここでキスして」といった楽曲をJASRACへ著作権登録しようとした際に筆名が必要だったために考え、以来『椎名林檎』として音楽家活動を続けている。

過去にピアノとバレエを習っていた

ピアノとクラシックバレエを10年にわたって習っていたが生まれてすぐに受けた手術の後遺症で身体の左右に均等に力を入れることができなくなり断念している。

「新宿系」というオリジナルのジャンルは口から出まかせだった

デビュー後しばらく「新宿系」を名乗っていたが、後に「取材などで常に『ジャンルは何系?』と聞かれるのが面倒臭いので口から出まかせを言った」「本当は意味などなかったが何か理由づけをしないと悪いと思って聞かれたことに対して一生懸命答えたのだろう」と当時の心境を明かしている。

トレードマークのほくろ

左の口元のほくろがトレードマークだったが、2003年に手術をして除去。
また、同年そのほくろをタイトルとしたシングル「リンゴカタログ~黒子時代再録纂~」を発表している。
ほくろに関して「小学校時代に女優の沢口靖子やマドンナのように口元にほくろのある女性に憧れて、ペンで書いていたら本物になった」と述べている。

辞書を読むのが好き

歌詞に旧仮名や旧字体を多用するため、読者家だと思われることが多いが実際は小説よりは辞書を読むのが好き。
使用する旧仮名についても自分の美意識に沿うもの優先であるためすべてが正規のものとは限らない。

イチローの大ファン

イチローの大ファンであることを公言しており、ロックバンド・東京事変として発表した楽曲「スーパースター」はイチローのことを想い書いた曲である。2007年2月23日フジテレビ系音楽番組『僕らの音楽』内でのイチローとの対談で、イチローに「その才能にジェラシーを感じる」と発言されている。

東京オリンピックの開会式を危惧している

2014年11月8日(土)23:00~23:29(NHK総合)で放送された『SONGS』内で「もっとも不安な事柄」として「東京オリンピックの開会式」を挙げ、秋元康による「JAPAN 48」で彩られる開会式にならないかを心配する発言をしている。

「NIPPON」騒動

shinchan6
shinchan6
@shinchan6

Related Articles関連記事

東京事変(Tokyo Incidents)とは【徹底解説まとめ】

東京事変(Tokyo Incidents)とは【徹底解説まとめ】

東京事変(とうきょうじへん)とは、シンガーソングライター椎名林檎を中心に2003年に結成された日本のロックバンドである。2012年2月29日の武道館公演を最後に一度活動を終了したが、2020年より活動を再開した。ポップス、ロック、ジャズ、ファンクなどあらゆる音楽ジャンルを網羅し変幻自在に活動している。圧倒的な演奏力と徹底的に作り込まれたコンセプトが話題となり、多くの音楽ファンを魅了し続けている。2020年にはNHK『紅白歌合戦』に初出場を果たした。

Read Article

レキシ・セカンドアルバム「レキツ」におけるコラボレーションとレキシネームについてのまとめ

レキシ・セカンドアルバム「レキツ」におけるコラボレーションとレキシネームについてのまとめ

歴史をフィーチャーし、独自の路線を突き進む人気のアーティスト「レキシ」 そんなレキシがコラボレーションしたアーティストはいつも豪華。 そして、コラボレーションする際にアーティストには”レキシネーム”という名前がつけられ話題になっています。 今回は、レキシのセカンドアルバム「レキツ」でコラボレーションしたアーティストとレキシネームについてまとめました。

Read Article

物議を醸した?椎名林檎のNHKサッカーテーマ曲NIPPONとは【ブラジルW杯】

物議を醸した?椎名林檎のNHKサッカーテーマ曲NIPPONとは【ブラジルW杯】

2014年にブラジルで開催されたワールドカップ。各放送局が試合中継や関連番組を放送するなど盛り上がりを見せる中、椎名林檎が歌うNHKサッカーワールドカップのテーマソング『NIPPON』が議論を呼びました。ここでは歌詞に関する批判的な声や、背中を押される、気持ちが昂るといった肯定的な声、椎名林檎の曲に対する思いなどを紹介していきます。

Read Article

【Mステ】まるでアベンジャーズ!椎名林檎の豪華すぎるサポートメンバーとは【田渕ひさ子など】

【Mステ】まるでアベンジャーズ!椎名林檎の豪華すぎるサポートメンバーとは【田渕ひさ子など】

2019年に放送された『ミュージックステーション2時間SP』に登場した椎名林檎のサポートメンバーが、「豪華すぎてまるでアベンジャーズのようだ!」とファンの間で大きな話題になりました。ギターはナンバーガールの田渕ひさ子、ベースをRIZEの初代メンバーだったTOKIE、ドラムはくるりなど人気アーティストのサポートを数多く行うbobo。ここでは番組を見たファンの興奮が伝わるツイートをまとめました。

Read Article

歴代最低の視聴率!紅白歌合戦2015年の舞台裏まとめ【ももクロ落選!?】

歴代最低の視聴率!紅白歌合戦2015年の舞台裏まとめ【ももクロ落選!?】

水樹奈々やももクロなど、人気も実力も申し分ないアーティストが落選したことも話題となった2015年紅白歌合戦。前評判の悪さ通り、視聴率は史上最低を記録してしまいました。そんな評判の悪かった2015年紅白歌合戦の裏側をまとめました。司会者・出場者予想で盛り上がっていた頃から、当日の舞台裏まで、徹底的に紹介していきます。

Read Article

椎名林檎の「NIPPON -紅白ボーダレス篇-」が美しい…永久保存版な画像まとめ!

椎名林檎の「NIPPON -紅白ボーダレス篇-」が美しい…永久保存版な画像まとめ!

2014年の『NHK紅白歌合戦』に出場した椎名林檎(しいなりんご)。そこで彼女が披露した楽曲は、「NIPPON -紅白ボーダレス篇-」でした。パフォーマンス中の椎名林檎の姿は、ただただ息を呑む美しさでしたよね。この記事では、そんな彼女の画像をまとめています。永久保存版ですよ!

Read Article

【椎名林檎】NIPPONなど名曲揃い!NHKのFIFAワールドカップ歴代テーマ曲まとめ【ポルノグラフィティ】

【椎名林檎】NIPPONなど名曲揃い!NHKのFIFAワールドカップ歴代テーマ曲まとめ【ポルノグラフィティ】

サッカーの祭典であるFIFAワールドカップ。その2014年のブラジル大会の放送において、NHKでは椎名林檎の「NIPPON」をテーマ曲としていました。過去にはポルノグラフィティやSuperflyなども楽曲を担当!この記事で、そんなFIFAワールドカップの歴代テーマ曲を振り返っていきます。

Read Article

紅白2014 椎名林檎の妖艶さに視聴者クラクラ!CMで共演のダンサーAyabambiも登場

紅白2014 椎名林檎の妖艶さに視聴者クラクラ!CMで共演のダンサーAyabambiも登場

2014年の『NHK紅白歌合戦』にミュージシャンの椎名林檎が出場し、サッカーワールドカップのテーマソングとして起用された「NIPPON」を披露した。真っ赤な着物姿でギターをかき鳴らし、視聴者を魅了した。また、過去にCMで共演したことのあるダンサー、Ayabambiが参加していたことも話題になった。

Read Article

椎名林檎プロデュースの引継ぎ式がすごい!安倍晋三がマリオに!

椎名林檎プロデュースの引継ぎ式がすごい!安倍晋三がマリオに!

リオデジャネイロオリンピックの閉会式で行われた「引継ぎ式」では、世界的に有名な日本のキャラクターが次々と現れる中、最後には当時の首相安倍晋三がマリオの姿で登場し大きなインパクトを残した。このイベントのプロデューサーの1人が椎名林檎だ。彼女は以前から、東京オリンピックに対する強い想いを明かしていた。

Read Article

【糸】劇場版『名探偵コナン』主題歌は東京事変!2020年春の映画・ドラマ主題歌が豪華すぎると話題!【コンフィデンスマンJP】

【糸】劇場版『名探偵コナン』主題歌は東京事変!2020年春の映画・ドラマ主題歌が豪華すぎると話題!【コンフィデンスマンJP】

2020年春の映画&ドラマの主題歌が豪華すぎると話題になった。劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の主題歌を担当したのは、再始動した東京事変(椎名林檎)。その他にも『コンフィデンスマンJP プリンセス編』ではOfficial髭男dism、『糸』では中島みゆき、NHK連続テレビ小説『エール』ではGReeeeNが主題歌を担当している。

Read Article

コロナ禍で復活ライブを決行した東京事変!ネットの様々な声をまとめました

コロナ禍で復活ライブを決行した東京事変!ネットの様々な声をまとめました

2020年の元旦に復活をした椎名林檎率いる東京事変は、予定通り復活ライブを行いました。コロナ禍でのライブにネット上では賛否両論の嵐でしたのでまとめました。 東京事変は、2003年から活動している日本のバンドである。2012年2月29日の日本武道館公演をもって活動を終了したが、その後2020年に「再生」と称して解散時のメンバーで再始動することが発表された。所属レコード会社はユニバーサルミュージック。愛称は「事変」。

Read Article

目次 - Contents