善悪の屑(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『善悪の屑』は、作者の渡邊ダイスケにより『ヤングキング』で連載され、シリーズ累計発行部数が460万部を突破した人気漫画である。2014年10号から第一部として連載開始。同作品の第二部では『外道の歌』にタイトルを変更。悲惨な事件を起こしたにも関わらず、様々な理由で十分な裁きを受けない犯罪者達に対し、被害者やその家族に代わって復讐を代行する「復讐屋」の鴨ノ目武と島田虎信の物語である。胸糞悪い事件の加害者たちがさらなる酷い復讐を受けるという、エグサと共にすがすがしさをもたらす作品だ。

この作品の主人公。坊主頭で常にサングラスをかけ、ゼブラ柄のパーカーを着用している。額に切り傷を縫った傷跡がある。語尾に「~だねえ」をつける口調に特徴がある。「カモメ古書店」の店主で、普段は店番をしている。裏稼業の「復讐屋」として被害者の復讐を代行する。無表情で口数も少なく、加害者に対して残酷な拷問も躊躇うことなく実行できる冷酷さがある反面、被害者遺族に対して前向きになれる言葉をかける優しさもある。居間に妻と幼い娘の遺影が飾られている。事件の全容は明らかにされていないが、ある未成年加害者により妻と娘が惨殺された過去があり、類似した事件の加害者に過剰ともいえる拷問を加えたり、未成年であっても容赦しない節がある。また、作中で娘を抱き上げている描写があり、その際にはサングラスもかけておらず、笑顔もみられていた為、無表情でサングラス姿となったのは事件を境にしてのことと思われる。

島田 虎信(しまだ とらのぶ)

カモの相棒。セミロングのくせ毛で、黒いタンクトップを着用、背中から両肩にかけて派手な刺青がある。身体能力が高く、格闘技を極めており、過去には地下格闘技大会「アングラ」で2度の優勝経験もある。関西弁が特徴の話し方。身体能力を活かし、暗闇で加害者を待ち伏せて襲い、拉致する役割を担当。復讐の際には、冷酷なカモに若干引いてしまうこともあるが、被害者の無念を晴らしたい気持ちは熱い。普段は、ひょうきんな性格で、カモと奈々子に鍋や飲み会を持ち掛けたりすることも。母子家庭で母親と二人暮らしをしていたが、ひったくり被害で亡くしている。自身が母親の反対を押し切って参加したアングラで、大けがを負って入院し、母親がその入院費を下ろしに行ったことがきっかけでひったくり被害にあり、運悪く頭をガードレールに打ち付けて死亡したという過去がある。

開成 奈々子(かいせい ななこ)

練馬区一家殺人事件の被害者で、事件発生時に同じ家の中にいた。異変を察知したことで難を逃れるが、両親と遊びに来ていたいとこは殺害されてしまう。犯人は練馬区の殺人鬼として犯人は有名になるものの、逮捕されておらず、手掛かりも少ない。両親といとこの無念を晴らすために依頼人としてカモメ古書店を訪れ、自身がおとりとなって犯人をおびき寄せるも、寸前のところで逃げられてしまう。以降、犯人から匿われる形で同居人となり、また、同居することで犯人の手掛かりが得られないか探っている。眼鏡をかけたオタク気質で、普段は引きこもってゲームばかりしている。カモとトラの復讐屋の仕事に協力することもある。

園田 夢二(そのだ ゆめじ)

練馬区の殺人鬼であり、奈々子の両親といとこを殺害した犯人。普段は、人当たりの良い好青年で、漫研一年生として学生生活を送る傍ら、出版社「ゴアゴアコミック」の編集部で仕事もしている。人が亡くなる瞬間に美を感じており、その描写がしたいが為に殺人を繰り返す。殺人を行った後も、平然としており、殺害現場でカップラーメンを食べたりする異常性の高い殺人鬼。日常に紛れ込んだサイコパスといえる。

榎 加世子(えのき かよこ)

座っている女性が榎。

朝食会で、被害者の復讐を支援する。黒髪のロングで、若くて美人な女性。復讐屋と異なり、復讐を代行するのではなく、被害者たちに復讐をさせることに重きを置き、そのための手助けをしている。高飛車な性格で、上から目線でものを言う。

『善悪の屑』の用語

復讐屋

悲惨な事件を起こしたにも関わらず、大した処罰も受けずにのうのうと生活する加害者に対して、カモとトラが被害者の無念を晴らすために復讐を代行するという裏稼業。身体能力の高いトラが加害者を捕獲し、カモが考え出した拷問を行っていく役割分担が多い。

カモメ古書店

カモが店主である古書店。表向きはただの古書店であるが、その中の古本を手に取り、店番をしているカモのところへ持っていき、「これ、いくらですか?」と値段を尋ね、カモが「いくらなら出せるの?」と問い返し、「(毎月の収入)の3ヶ月分」と言うやりとりを行うと、裏稼業である「復讐屋」への依頼が行える。

朝食会(ブレックファストクラブ)

復讐屋の同業者とみなされている団体。復讐を代行するのではなく、被害者たちに復讐をさせる支援をしているという点に違いがあり、復讐屋と対立する。

『善悪の屑』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

カモ「おまえさんの精子工場は本日をもって閉鎖だ」

強姦目的でアパートに押し入り、被害者の女性に強姦と傷害を加え、さらに被害者女性の幼い息子を窓から投げ捨てて殺害した残忍な加害者。その加害者に対しての復讐場面で、カモが、加害者の陰嚢を切り取り、加害者の目の前に提示して「おまえさんの精子工場は本日をもって閉鎖だ」と発した。そして、カモはその陰嚢を加害者の口の中に詰め込むというグロテスクな方法で復讐を遂行する。単なる暴行ではなく、強姦をしたことを後悔するような内容で、陰嚢を取り除くことで再犯が行えなくなるという意味を含んでいる。

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