【村山由佳】甘くて切ない味がするオススメ恋愛小説まとめ【おいしいコーヒーの入れ方シリーズ】

人生には出会いと別れが付き物。その中には、いつも心がときめくような甘いものだったり、胸が痛くなるほどに切ないものがたくさんあります。そんな恋愛を題材にした映画や漫画はいっぱいあるけど、たまには小説で体感してみるのはいかがですか。この記事では、オススメの恋愛小説をまとめました。作家が紡ぎ出す言葉だけで想像する世界には、それはそれでまた違った良さがありますよ。

おいしいコーヒーの入れ方/村山由佳

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キスまでの距離

万人におすすめできる鉄板の青春恋愛小説シリーズ。父の転勤により、従妹のかれんと同棲する事になった勝利。かれんは勝利の高校の美術教師で、5歳年上。血の繋がりすらあるのに、惹かれていく心を押さえられない。やがて柔らかい雰囲気の裏にある、かれんの憂いを知った勝利は……。すれ違ったり、触れ合ったりが堪らなく切ない傑作シリーズ。

年上の美術教師と生徒という関係とか、どちも両親がいない家庭だとか、酔った彼女を介抱したら寝ちゃったけどそのままやさしく寝かしつけたとか、絵に描いたような純愛ストーリーです。

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自然の表現、描写がとても新鮮というか…繊細。主人公の「勝利」の姿がだんだん大人っぽく見えてきて、本を読んでいるというより映画を見ているみたいな気分になる、そんなお話です。

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次第に勝利が「かれん」という一人の女性に惹かれていく…(かれんは女性からもモテるタイプの可愛い人。)先が読めるようで読めない、すべての疑問が最終的にひとつにつながる第一巻。あくまでも「キスまでの」一巻。読み出したら恋がしたくなる、そんな一冊ですね。

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吉祥寺の朝比奈君/中田永一

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吉祥寺の朝日奈くん

「交換日記始めました!」「ラクガキをめぐる冒険」「三角形はこわさないでおく」「うるさいおなか」「吉祥寺の朝比奈君」、以上5編からなる短編小説。どれも設定が生きた珠玉の恋愛譚です。表題作の「吉祥寺の朝比奈君」は、喫茶店で働く美しい人妻に恋をしてしまう、という一見ちょっとオトナな、しかしやっぱりらしいオチのある物語。

すごいアクロバチックなことしてるのに、それを感じさせない軽妙な文章、うまいなあ。

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気持ちよ~く読めて、楽しい青春ラブコメ短編集。ちょっとしたミステリー仕立てだったり、恥ずかしい思い出だったりするシチュエーションの豊富さ、高校生やニートな登場人物が楽天的でキュート。

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甘じょっぱいのが4つとほろ苦いのが1つの、5つのラブストーリー。青春はメンドクサさに満ちているけど、そのメンドクサさを回避していたら、素敵なことはおこらない。

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手を握る泥棒の物語/乙一

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手を握る泥棒の物語

ひょんなことから、ある旅館の壁に穴を空けて金銭を失敬しようとした男。しかし手を突っ込んだ先で掴んだのはトンデモナイもので…。壁を隔てて、泥棒(見込み)と少女の軽妙なやり取りが展開されるミステリ。ではなく恋愛小説。誰が何と言おうと恋愛小説。

「手を握る泥棒の物語」が抜群によかった。「手を握る~」はこの作者はセンスの塊か!と思った。あと、あとがきもおもしろかった。

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主な読者層は10代~20代前半くらいだと思うんだけど、そのあたりの年齢に、すっと入ってくるような、せつなさ、さみしさ、やるせなさがあると思う。「手を握る泥棒の物語」が良かった。

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全編…とても切なくってウルウルしながら読みました…読み終わって改めて『さみしさの周波数』って…素敵なククリだなあってキュンとなりました…さみしいって…せつないんだな…

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冷静と情熱のあいだ/江國香織・辻仁成

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冷静と情熱のあいだ

映画でもお馴染みの(もう古いかな)恋愛小説です。辻仁成先生と江國香織先生が交互に連載しながら組み上げられていった物語(通称青・赤)。イタリア、フィレンツェの工房で絵画修復士を志す順正は、学生時代愛し合っていたあおいへの思いを断ち切れずにいる。一方あおいもやはり順正との思い出に縛られて日々を生きている。もどかしい日々は、昔2人でしたある約束に向かって収束していき…。なんだかんだモヤモヤさせられるものの、最後は最高にロマンチックな結末。

読後はなんというか、感動と温かさ、自分自身も映画を見た当初より人生経験を積んだあとというのもあって、いろんな感情に包まれました。

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江國さんの方がクールって言うか非情で、「えーそうなっちゃうの?」ってちょっとショックを受けるんだけど、それを辻さんがうまーくいいほうへ持っていくって感じです。

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あおいはタイトルを借りるなら、冷静な表面の中に、順正への情熱を隠して生きる女性です。そういう、自分の中の感情を押し殺して淡々と日常生活を送るあおいが描かれている、なにも起こらない赤の前半が好きです。

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肩ごしの恋人/唯川恵

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肩ごしの恋人

るり子と萌は親友同士。萌は妻のいる男と関係を持ち、仕事先のバイトとも一夜を共に。一方るり子は結婚したてにもかかわらず、夫とギクシャク。果てはお互いに不倫し、それがもとで家を飛び出してしまう。やがてるり子と萌、そしてバイト君。3人の同棲生活が始まって…。読後「重いよ!……重いの?」と自問自答。いろいろ考えさせられる恋愛小説です。

恋愛小説なのにすっと爽やかで、しゃりしゃりしている。どんなに辛い話や悲しいエピソードがあったとしても、最後には晴れやかな心で前向きになる。

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女の幸せってなに、家族ってなにという深いところへ行くかと思えば、肩すかしで、平和が訪れる。なんか、著者にやりたい放題やられているって感じ。

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