SAKAMOTO DAYS(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『SAKAMOTO DAYS』とは、『週刊少年ジャンプ』において漫画家・鈴木祐斗が描くバトル・アクション漫画である。2020年から連載がスタートした。次にくるマンガ大賞2021」ではコミック部門では9位に入り、さらに特別賞U-NEXT賞を受賞している。
引退した伝説の殺し屋・坂本太郎が前と変わらぬ強さを武器に、家族と普通の日常を守っていく物語。主人公・坂本太郎のもとに様々な困難が舞い込んでくるが、圧倒的な強さで解決する爽快アクションストーリーでもある。

『SAKAMOTO DAYS』の概要

『SAKAMOTO DAYS』とは、『週刊少年ジャンプ』において漫画家・鈴木祐斗が描くバトル・アクション漫画である。2020年から連載がスタートした。「次にくるマンガ大賞2021」ではコミック部門では9位に入り、さらに特別賞U-NEXT賞を受賞している。

作者の鈴木祐斗は芸大・美大卒で2019年4月に『少年ジャンプ+』で『骸区』で読み切りデビューし漫画家となった。さらに2020年には自身が手掛けた読み切り『ロッカールーム』が『世にも奇妙な物語'20秋の特別編』において『コインランドリー』の題名でドラマ化されている。

元最強の殺し屋の主人公・坂本太郎(さかもとたろう)は殺し屋を引退し結婚し太り、今では一児のパパとして商店を営んでいた。しかしある日、懸賞金がかけられたのをきっかけに、自身を殺しにくる殺し屋とのトラブルに巻き込まれていく。そんな中、自分を殺しにきたエスパー・シンや中国の元マフィア・ルーと出会った。自分を殺しにくる殺し屋を返り討ちにしていくことを通し、自分の家族は死んでも守るという信念を貫き通すアクションストーリー。あるいは、家族や仲間とのコミカルなコミニケーションや坂本の太った見た目とのギャップのある動きで敵を倒していくコメディ漫画でもある。本作の前身でもある『SAKAMOTOー坂本ー』は『ジャンプGIGA』2020 WINTERに掲載された。

2021年11月時点では『SAKAMOTO DAYS』の単行本は4巻まで発行されている。

『SAKAMOTO DAYS』のVOMIC(ヴォミック)は2021年4月9日にジャンプチャンネルで公開された。VOMICとは漫画の絵にパンなどの画面効果を加え、声優が声をあてた動画をサイト内から配信すること。

『SAKAMOTO DAYS』のあらすじ・ストーリー

最強の殺し屋・坂本太郎

坂本太郎(さかもと たろう)は、全ての殺し屋から恐れられる最強の殺し屋だった。しかしある日コンビニで店員をしていた葵(あおい)に一目惚れ。恋をした坂本は殺し屋を引退し、葵と結婚。一人娘・花(はな)を授かり、町の一角で坂本商店という店を営んで、殺しとは無縁の平和な日々を送っていた。

ある日坂本商店にかつての仕事仲間・シンがやってきた。人の心を読むことのできるエスパーのシンは、組織の命令で坂本に殺しの世界に戻ってくるように説得してに来たのだ。しかし坂本に一蹴されて逃げ帰る。坂本に強烈に憧れていたシンは、坂本の平和な生活を守ろうと組織のボスに自分の命と引き換えに坂本を見逃すように進言。しかし組織のボスに坂本を見逃す気はなく、そのまま戦闘に突入した。絶体絶命のシンの元に坂本がかけつけ、シンは一命を取り留める。それからシンは坂本商店で働くことになった。

シンに加えて中華街で助けた中華系マフィアの娘・陸少糖(ルー・シャオタン)もその縁で坂本商店で働くようになる。坂本商店が賑やかになる一方で、坂本の平和な日々が徐々に崩れ始めていく。

懸賞金をかけられた坂本太郎

ある日坂本商店に南雲(なぐも)と呼ばれる男はやってきた。その男は日本殺し屋連盟、通称・殺連(さつれん)に所属する殺し屋で、中でもORDER(オーダー)と呼ばれる殺連直属の特務部隊のメンバーに選ばれるほどの実力者だった。坂本と同期で仲の良い南雲は、坂本に10億円の懸賞金がかけられたことを知らせにきたのだった。

それからというもの坂本は殺し屋に命を狙われるようになる。家族で遊園地に行く日も殺し屋に襲撃されてさんざんだった。葵と二度と殺しをしないと約束していた坂本は、シンとルーと協力してなんとか葵にバレないように殺し屋を撃退するが、最終的に葵に殺し屋に狙われていることがバレてしまう。離婚を切り出されるかと坂本は戦々恐々としていたが、葵はさっさとケリをつけてくるようにと坂本を送り出した。

殺し屋から自分を狙う組織が、どんでん会という組織であることがわかった坂本達は、どんでん会の本部に侵入する。そして組織のボスがいるであろう部屋に辿り着く。しかしそこには死体の山とその真ん中で佇む南雲の姿があった。坂本はそこで最近X(スラー)と名乗る人物によって殺連所属の殺し屋が大量に殺されていることを知る。さらにスラーによる殺し屋殺しが始まった時期と、坂本に懸賞金がかけられた時期がほぼ同じであることも南雲に教えてもらった。

それからも坂本のもとにたくさんの殺し屋が訪れる。その中の一人、インコを連れたスナイパー・眞霜平助(ましも へいすけ)と縁ができ、以来お金のない平助は坂本商店の廃棄品をもらいにやってくるようになった。

シンの過去

エスパーの力を持つシンは、ある日ルーと店番中にケンカをする。怒ったシンが坂本商店を出ていき、ルーが一人で店番をしていると、坂本商店は何者かの襲撃を受けた。ルーはシンと間違われて連れ去られる。そのことに気がついた坂本とシンは急いでルーを取り返しに向かった。辿り着いたのはシンが幼少期に過ごしたラボと呼ばれる政府非公認の科学組織・地下科学研究施設だった。

その時ラボは何者かによって制圧されており、研究員達は鹿の頭のかぶりものをした鹿島(かしま)という怪しい人物に協力を強要されていた。顔見知りもいるラボがそのような事態に陥っていることを知り、シンは坂本と共にラボを解放するために敵の殺し屋と戦う。一方攫われたルーは、シンにエスパーの力を与えたラボの所長・朝倉(あさくら)と同じ牢に入れられており、単独で脱出を試みていた。

坂本はラボの中でORDERのメンバー神々廻(ししば)と大佛(おさらぎ)が鹿島と戦っている現場に遭遇する。今回ラボ制圧をした鹿島がスラーの関係者ではないかと踏んで調査に来ていたのだ。坂本はそのまま鹿島の相手を請け負い、圧倒的な力でねじ伏せた。ラボが爆発することを知った坂本はシンに連絡。シンはルーや朝倉と合流し、逃げ遅れた職員を助けながらラボから脱出しようとする。その途中でシンは、見知らぬ不気味な男に、「坂本によろしく」と囁かれた。

死刑囚との戦い

坂本はルーの実家の中華系マフィアからスラーに関する情報を仕入れる。スラーは凶悪な死刑囚4人を刑務所から逃し、計画に利用しようとしていた。死刑囚に接触すればスラーの情報をつかめるかもしれないと思った坂本は、死刑囚を探すことになる。しかしORDERもまたスラーの情報を仕入れるために死刑囚を探していた。ORDERに先を越されると得られないと考えた坂本は、南雲達よりも先に死刑囚を探す。

その頃シンとルーは坂本商店のお使いでホームセンターを訪れていた。そこで死刑囚の一人と対峙し、戦闘になる。格上だった死刑囚相手にシンとルーはピンチに陥るが、そのおかげでシンはさらなるエスパーの力を開花させ、ルーは得意の酔えば酔うほど強くなる酔拳で死刑囚を撃退した。逃げた死刑囚はその後ORDERに殺される。

4人の死刑囚の内3人ははそれぞれORDERのメンバーに倒されてしまった。坂本は平助の協力で最後の一人・アパートを東京タワー付近で見つけることができた。坂本は激闘の末アパートを倒すことに成功。アパートからスラーの次なる行動が殺連潰しであるという情報を聞き出した。

殺連関東支部襲撃

殺連関東支部は、精鋭部隊であるORDERが死刑囚の相手に出払って守りが手薄になっていた。そこにスラーとその仲間の楽(ガク)が襲撃をしかける。殺連にスパイとして潜り込んでいた仲間と共に、殺連関東支部にいた殺し屋や職員を蹂躙し始めた。アパートからの情報を得てかけつけた坂本達はそこでスラーに出会う。スラーの名前は有月(うづき)という男で、坂本の顔見知りの男だった二人の会話から何やら坂本のスラー/有月の間に何やら因縁があることがうかがえる。

坂本と有月はそのまま戦闘に入る。有月は最強と呼ばれた元殺し屋の坂本を圧倒した。坂本に傷を負わせ、一緒にいたシンやアパートを殺そうと手を出す。坂本は間一髪のところ二人を救うことに成功した。有月は坂本を弱くなったと評し、「娘がいるそうだね 坂本くん」と挑発する。家族が何よりも大事である坂本は有月の言葉に激昂し、有月を殺そうとした。しかしシンの呼び声で我に返り、踏みとどまる。

そこへ有月と別行動をしていた楽が飛び込んでくる。ORDERの謎の老剣士・篁(たかむら)から逃げてきたのだ。分が悪いと踏んだスラーは楽と共に逃走。殺連関東支部は大打撃を受けた。

JCC編入試験

有月に逃げられて追う術がなくなった坂本。そんな坂本はORDERの豹(ひょう)という男からJCCのデータバンクに情報があるかもとそれとなく告げられる。JCCとはプロの殺し屋を養成する学校のことであり、プロの殺し屋の多くがJCCの卒業生だ。ちなみに坂本や南雲もJCCの卒業生で、在学中は実力者として有名だった。

OBであってもJCCに簡単に入ることはできない。どうやって侵入するか考えていると、葵が店に落ちていたとJCCの編入試験のチラシを持ってくる。坂本とシンはJCCに侵入するために、編入試験を受けることになるのだった。

『SAKAMOTO DAYS』の登場人物・キャラクター

主要人物

坂本太郎(さかもとたろう)

CV:深澤純(VOMIC)

本作の主人公・元最強の殺し屋。今では結婚し子供も1人おり「坂本商店」を営んでいる。家族と普通の日常生活を守るために殺し屋を引退した。ルーを守るためにシンと弾商会を潰したことで、殺し屋界から悪目立ちしてしまう。そのため、1巻の終わりに懸賞金がかけられるも、引退しても変わらない強さで、数々の敵を返り討ちにしていく。
もともとは、殺しに対して何の感情も抱いていなかったが、奥さん・葵に人を殺すことの罪深さを教わり、これからは人を助ける人生を歩むことを決めた。
だからルーの身に危険が起きたり、女警察官を助けたり、シンのラボを助けたりなど数々の人を助けていく。

殺し屋時代は、全ての悪党に恐れられ、全殺し屋の憧れであった。対殺し屋専門の殺し屋集団である『ORDER』に所属していた。

シン

CV:伊藤節生(VOMIC)

1話から登場し、坂本の相棒のようになってくるキャラクター。人の考えや思考が分かるという能力を持つエスパー。なぜエスパー(人の心が読めるようになったのか)その生い立ちなどは3巻〜4巻で描かれる。
坂本の元部下であったシンは、組織を抜けた坂本を殺すようにボスに命令され坂本に挑む。しかし坂本の強さと優しさに、歯向かうことができずにボスに坂本を見逃す代わりに自分が死ぬと伝えるが、ボスは心の中では認めていなかった。心の中を読めるシンは組織と交戦し、絶体絶命の状況になるが坂本に助けられた。それ以来、坂本商店で店員として働いている。
3巻からはシンが育ったラボから狙われるも、シンに間違ってルーが拐われた。ルーを助けるために里帰りと称して坂本とラボに向かうが、そこにはラボの科学者ではなくそこを占領した、殺し屋たちが待ち受けていた。シンを育てた所長と色々あったが助け出した末、仲直りすることができた。

坂本商店

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