逃げるは恥だが役に立つ（逃げ恥）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

朝を迎えたみくりと津崎。ようやくお互いへの本当の気持ちをぶつけ合うことができた2人は、恋人同士の甘い生活がはじまる。しかしそんな幸せも束の間、津崎は沼田からリストラの候補に挙がっていることを伝えられる。みくりも親友の田中安恵の実家の八百屋がある商店街の活性化活動の準備に忙しい日々を送っていた。
ある日、津崎に外食に誘われたみくり。津崎が予約した高級レストランでみくりはプロポーズを受ける。しかしこのプロポーズのきっかけは津崎のリストラであった。経済的にみくりに本物の専業主婦になってもらったほうが将来の貯蓄に回せるという理由を聞いて落胆するみくりは、このプロポーズを断ってしまう。

一方、百合のことが気にかかる風見。良い飲み友達となっていたところで、百合が弱みを見せたことをきっかけに2人はお互いを意識するようになる。17歳も年下の風見に対し「甥っ子にしか見えない」と距離をとった百合に対して、風見は「僕は百合さんを抱きたいと思ってるのに」と直球に告白する。百合もこうした風見の一面に触れ、お互いを徐々に意識し始める。

みくりと津崎の新しい未来

高級レストランでのプロポーズ以来、みくりと津崎はギクシャクした雰囲気に戻ってしまった。さらにみくりは親友の田中安恵に頼まれた商店街活性化のための青空市の準備で忙しくなり、次第に本職である主婦の仕事が手につかなくなってしまった。心の余裕の無さから、津崎の家事のうっかりミスにもみくりは冷たく当たってしまい、自己嫌悪からみくりは津崎に心を閉ざすようになってしまう。そんなみくりを見て以前の自分を思い出した津崎は、雇用関係ではなく夫と妻は共同経営責任者だと指摘して励ますのであった。

一方、17歳の年の差がある百合に対して、「年齢なんて関係ない」と自分の気持ちを伝えた風見。その告白を受け、戸惑いを隠せない百合であったが、その愛を受け入れて2人は交際を始める。
みくりは家事も仕事も両立できていないことにジレンマも感じていた。心に余裕のないみくりを見た津崎は、みくりに2人で居ることの意味を伝える。いろいろなことが面倒になるのは1人でも2人でも同じで、だったら一緒にいるのも手だと言う。その言葉はみくりの心に響き、2人で新しい関係を築いていく決心をさせる。みくりが企画した青空市は見事成功し、改めてお互いが大切だと気づいた彼らは周囲の目を気にせずハグをする。思わず津崎に抱き着き「大好き」と言うみくり。 2人はやっと本物の夫婦となったのだった。

『逃げるは恥だが役に立つ』新春スペシャル

みくりは現在、ホームセンターの会社でサービス統括課の一員として働いていた。一方、津崎は以前働いていた会社と取引のある会社で、システムアーキテクトとして働いている。2人は良きパートナーとして幸せな日々を送っている。そんな中、みくりの妊娠が発覚する。嬉しそうに津崎に報告するみくりだが、津崎は「産婦人科に行かないと確実なことは分からないのでは？」と冷静な反応を見せたため、みくりは津崎の塩反応に困惑する。
津崎は、出産にあたり、まずは籍の問題をクリアすべきだと主張する。当初2人は選択式夫婦別姓制度が決まったら入籍しようと考えていたが、制度は遅々として進まない。みくりは津崎が一人っ子であること、フリーランスとして働いていることを考慮し、自分が苗字を変更することにした。津崎がしっかりと妊娠に向き合っている印象を受けたみくりは一安心である。
後日、みくりと津崎は産婦人科で妊娠2か月と判明し、喜びを分かち合う。しかし「子供が生まれるにあたって、僕は全力でみくりさんをサポートします」と宣言する津崎に対し、みくりは「手伝いなの？一緒に親になるんじゃなくて？一緒に勉強して、一緒に親になって、夫婦ってそういうことじゃないんですか？」と反論し、空気が悪くなるのであった。その夜、沼田会で、津崎は子供を持つことに対してどこか他人事のように思っていた自身の意識の低さを反省する。つわりが始まったみくりは体調が悪かったが、津崎の献身的なサポートを受けたみくりは津崎と抱き合い、喜びを分かち合う。

津崎は育休を取得しようと考えていた。ところが、津崎の会社の上司・灰原はいい顔をしないのであった。一方、みくりの伯母・百合は、風見と破局していた。そして後日、百合は病院で子宮体がんと診断される。家族の立ち会いを求められる百合だが、妹・桜はぎっくり腰で歩けず、みくりはつわりがひどい状態だった。立ち会ってくれる人が誰も見つからず、独り身の苦労を感じるのであった。
津崎は、なんとか家事と仕事を両立しながらみくりのお腹に向かって「おなかちゃん」と呼んで話しかけ続ける。そんな時、みくりから「トイレットペーパーが切れたから買ってきて」という内容のメッセージを受け取り、買って帰宅するとすでに宅配で頼んだトイレットペーパーが用意されていた。それが原因で言い合いになってしまう2人。しかしみくりは母親になる不安と、父親になる津崎の不安の共有と理解、安心が大事だと気づき「周りの力を借りながら今後もやっていこう」と提案して仲直りする。

後日、みくりと津崎が子供の名前を考えていると、破水してタクシーで病院に運ばれる。麻酔を打たれて楽になるとみくりの陣痛が早くなっていき、1時間後、みくりは無事に元気な女の子を出産する。子供の名前は”亜河”に決定した。
みくりと津崎は亜河の育児に奮闘していると、灰原から津崎に出社するように電話がかかってくる。津崎がテレビをつけると、新型コロナウイルス発生のニュースが流れていた。コロナを初めて知った津崎は、館山の実家に亜河と共に疎開することをみくりに提案し、みくりも賛同した。こうして2人は別々に生活することになった。
緊急事態宣言の発令により、不要不急の外出ができない状態になり、不安になる津崎。すると、みくりから亜河の写真がたくさん送られてきた。写真を見た津崎は「大丈夫だ。世界はまだ、こんなにも美しい」と希望を感じる。後日、津崎は風見の車で館山へ向かっていると、公園にみくりと亜河がいるのを見かける。遠くからお互いの姿を確認した2人は、道路や川を隔てて、2人は大声で互いの名前を呼び合う。再会を誓って手を振るのであった。そして月日が経ち、津崎はみくりと亜河に久しぶりに再会し、津崎は亜河を抱えるとみくりともハグをするのであった。

『逃げるは恥だが役に立つ』の登場人物・キャラクター

主要人物

森山みくり（もりやま みくり／演：新垣結衣）

就職活動で内定が貰えず就職浪人の道を選んで大学院へ進学。しかし、大学院を出ながらも就職難で内定はゼロ、派遣社員になった25歳。自分の現状を『徹子の部屋』や『情熱大陸』などテレビ番組風に妄想する癖がある妄想女子。臨床心理士の資格を持っているのもあって、人の思考を深読みしたり分析しようとするが、大学時代の彼氏に「お前小賢しいんだよ」と言われたのがトラウマで恋愛には及び腰になっている。
求職中の娘を見かねた父に紹介されたのをきっかけに、父の元部下の津崎平匡の家政婦として働くことになる。両親の引っ越しを機に、上司と部下という関係で津崎平匡の家に住み込む「契約結婚」の道を選ぶことになる。次第に恋愛関係に発展していった二人だったが、津崎のリストラをきっかけに普通の結婚について話し合い、入籍を考えるも事実婚を続けている。

津崎平匡（つざき ひらまさ／演：星野源）

36歳のIT会社に勤める地味なサラリーマン。一見クールなメガネをかけた男性で、性格は超真面目。36年間、彼女がいたことがない「プロの独身」。みくりの父に、求職中のみくりを強引に押し付けられ、家事代行を頼むようになる。距離も適度に保ちつつ、仕事を真面目にこなし、また高熱の時には看病してくれたみくりを信頼するようになる。その後彼女から「契約結婚」の申し出を受け、話し合いの末に住み込みの家政婦として雇用するになった。周囲には普通の結婚をしたと周知してある為、気苦労が絶えない日々が続く。みくりと一緒に生活するうちに恋愛関係へと発展し、現在は事実婚を続けている。

土屋百合（つちや ゆり／演：石田ゆり子）

独身のキャリアウーマンで52歳。 みくりの母である森山桜の姉で、みくりからは「百合ちゃん」と呼ばれている。外資系化粧品会社に勤務し、仕事はやり手だが結婚に対して否定と憧れの入り混じった複雑な感情を抱いている。 みくりとは友達でもあり、母でもある関係で、よく一緒に食事をしたり飲みに出かけたりしている。最初はイケメンの風見を毛嫌いしていたが、徐々に惹かれて行き、年の差を超えて交際するに至った。

風見涼太（かざみりょうた／演：大谷亮平）

津崎の会社の後輩でイケメン。豊富な話題と振る舞いで異性にはモテるが、イケメンであるがゆえに女性から反感をかうことも多い。自分の理想とする結婚の姿が津崎平匡と森山みくりの結婚生活であること気づき、その後みくりに自分の家の家事代行も頼むようになる。自分の役に立つ相手であれば結婚してもいいと思っていたが、みくりの伯母である百合に本気の恋をして結ばれた。

沼田頼綱（ぬまた よりつな／ 演：古田新太）

津崎の会社の同僚でゲイである。料理が上手。津崎や風見のよき相談相手でもあるが、津崎に好意を抱いており、隙あらばと狙っている。風見と共に新婚の津崎家を訪問した際、こっそり覗いた寝室がシングルベッドだったことから津崎とみくりの契約婚関係を疑うようになる。

3Iシステムソリューションズ社員