逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)のネタバレ解説・考察まとめ

『逃げるは恥だが役に立つ』とは、海のつなみによる同名コミックスを原作に作られ、2016年にTBS系「火曜ドラマ」枠で放送された恋愛ドラマである。星野源演じる津崎平匡と、新垣結衣演じる森山みくりが「契約結婚」という結婚生活のあり方を描いた社会派ラブコメディ。「逃げ恥」の愛称で親しまれ、最終回後も「逃げ恥ロス」など社会現象を引き起こした。また、2019年には朗読劇として舞台化されている。

『逃げるは恥だが役に立つ』の概要

『逃げるは恥だが役に立つ』とは、2016年10月11日から12月20日までTBS系「火曜ドラマ」枠で放送された恋愛テレビドラマ。最終回視聴率は20・8%を記録。略称は「逃げ恥」。原作は、講談社『Kiss』にて2012年22号より連載を開始し、2017年2月号まで連載された漫画家海野なつみによる同名のコミック。その後、人気にこたえる形で2019年3月号から連載を再開し、2020年4月号まで連載された。2015年に第39回講談社漫画賞・少女部門受賞している。2021年5月時点でコミックスの累計発行部数は450万部を突破している。
大学院を出ながらも就職難で内定はゼロ、派遣社員になった森山みくり。見かねた父親のはからいで、独身のSEで高齢童貞、かつ「プロの独身」の津崎平匡の家事代行として働き始める。就職が決まらないみくりと、独身のデメリットが気になる平匡の利害が一致した結果契約結婚を結ぶことになる。結婚式も挙げず、事実婚という体で周囲への挨拶を乗り切ったみくりと津崎。しかし、2人のよそよそしさを風見涼太や沼田、土屋百合らがいぶかしむ。そんな目をごまかすため「ハグの日」を設けるなどして周囲に親近感を醸し出そうとするうちに、2人の間に本当の恋愛感情が芽生えはじめる。夫が妻を従業員として雇う契約結婚で恋愛感情は生まれるのか、というテーマの社会派ラブコメディーである。
主人公・森山みくりの可愛さや、なかなか進展しない2人の恋愛関係に惹きつけられる人が続出し、最終回後も「逃げ恥ロス」を引き起こした。エンディングで、新垣ら出演者が星野源の主題歌『恋』にのせて踊る「恋ダンス」が社会現象になった。2021年1月、スペシャル版が放送された。また、2019年には、脚本・演出を劇団「ロロ」を主宰する三浦直之が担当した朗読劇として舞台化され、第三の「逃げ恥」として注目を集めた。

『逃げるは恥だが役に立つ』のあらすじ・ストーリー

契約結婚生活のスタート

津崎(左)の家事代行として働き始めたみくり(右)。

主人公の森山みくり25歳は彼氏なし。大学院卒だが高学歴にも関わらず、就職難で内定をもらうことが出来ずにいた。仕方なく派遣社員になるも派遣切りにあい、そしてただ今求職中である。誰からも必要とされない辛さを日々感じている。
そんなみくりをみかねた父親は会社員時代の取引相手、津崎平匡(つざきひらまさ)宅の家事代行の仕事を紹介する。見逃しそうな部分の掃除までしっかり行ったり、無駄のない効率的な買い物など、かゆいところに手が届く働きぶりで津崎の信頼を勝ち取ったみくり。
みくりの仕事ぶりを気に入った津崎がみくりとの長期契約を決心した矢先に、みくりの父親である栃男(とちお)が館山への移住を言い出し、母の桜と共に移住を決定してしまう。両親について田舎へ行ってしまうと就職も難しくなるため、なんとか首都圏に残りたいみくり。かといって、一人暮らしするには経済力がない。将来に不安を抱え追いつめられたみくりは、ある日家政婦としての仕事が終わった日に、津崎に 「就職という意味で結婚するのはどうですか?」 と契約結婚を提案してしまう。
最初はみくりの突拍子も無い提案に呆気に取られた超真面目な津崎だが、経済面でのメリットも感じ契約結婚を了承する。こうして家族を含め周囲の人には普通の夫婦のように演じる契約結婚生活がスタートした。

両家の顔合わせ

津崎家(左列)と森山家(右列)の顔合わせ。

専業主婦として就職することになったみくり。雇用主である夫の津崎平匡との契約結婚が周囲にバレないようにするには、細心の注意を払わなくてはならない。結婚式や披露宴を避けたい2人だが、早速「結婚式を挙げないことを周囲にどう説明するか?」という問題が浮上する。
そして最初の試練である両家顔合わせを行うことになった。みくりの伯母の土屋百合をはじめ、みくりの父・森山栃男、母・桜、兄のちがや、その嫁の葵など森山家の人々と、津崎の父・津崎宗八、母・知佳ら津崎家の両家が集まる。契約結婚がバレないように両家顔合わせを執り行うという作戦は上手くいき、両親を納得させることができたみくりだが、嘘をついたことで罪悪感を感じてしまう。そんなみくりに対し津崎は、「嘘だとしても結婚することにより両親を安心させることができた」と言い、「逃げるは恥だが役に立つ」ということわざを教えて励ますのであった。

そんな中、会社で津崎は後輩の風見涼太、同僚の沼田頼綱(ぬまたよりつな)、日野秀司(ひのひでし)らに新婚生活についての質問攻めに合う。そして津崎家に興味津々の沼田と風見がみくりに会う為にお宅訪問することになってしまう。その際に沼田が寝室を覗き、シングルベッドを目撃したことから仮面夫婦である疑いをかけられてしまうのだった。

ブドウ狩り

ブドウ狩りを楽しむ5人(左から沼田、風見、津崎、みくり、百合)。

沼田・風見ペアを欺くため、みくりは津崎のベッドで眠った。しかし、みくりを意識し出してしまい、プロの独身のポリシーが保てなくなることを恐れた津崎は、急にみくりに対して心を閉ざしはじめる。プロの独身とは、津崎がこれまで女性との交際もなく、そういったことには縁がなかった自分を揶揄する言葉である。
異性であるみくりとの距離をおくため、2LDKの部屋に引っ越そうとまで言い出し、態度が急変した津崎の心理がわからずみくりは頭を抱える。食卓での会話も徐々にぎこちなくなっていき、家では緊張感が漂いはじめる。
一方、勘の鋭い津崎の同僚・沼田はみくりたちの夫婦生活に疑いの目を向けはじめ、風見もその意見に同調する。

そんな時、沼田・風見ペアとみくりの叔母、百合と一緒にブドウ狩り行くことになった。津崎とみくりは互いに気持ちの整理がつかないままであった。旅の間もイケメンな風見に劣等感を抱き落ち込む津崎であったが、みくりの「私は平匡さんがいちばん好きですけどね」の言葉で気まずかった2人の関係が修復された。しかし、元々2人の結婚を怪しんでいた風見に、津崎が「契約結婚ですよね?」と突っ込まれて契約結婚がバレてしまう。

みくりのシェア開始

突然「恋人になって欲しい」と言い出すみくり(右)。

風見にみくりとの契約結婚がばれてしまった津崎は、自分たちの契約結婚について風見に説明する。結婚にメリットを感じていない風見は彼らの関係に理解を示し、自分の家にもみくりに週一で家事代行として来てほしいと提案する。津崎はその話を断ることができず、みくりにも言い出せないまま気まずい時間を過ごす。
一方で、津崎からは何も聞かされないまま、風見から直接自分をシェアすることを聞き、津崎も同意済みと聞かされるみくりであった。歯の治療費というまとまったお金が必要になったみくりは、津崎の「どうするかは自由意志」だという言葉を聞いて風見の家でも働くことを決意する。
風見宅での家政婦シェアがスタートすると、さらにみくりへの態度が閉鎖的になる津崎であった。津崎宅とは逆に、会話も進み益々距離が近づいてきたみくりと風見。対して津崎は自分の抱えるむずがゆい感情が何かわからないまま、みくりから距離を置くことを心に決めていた。しかし、家の中でぎくしゃくせずに済む最適な解決法として、急にみくりから「恋人になって欲しい」と言われる津崎であった。

ハグの日スタート

火曜日はハグの日となった。

みくりの発言により、半ば無理矢理恋人にされてしまった津崎。しかし「百合がみくりと風見の不倫を疑ったり、沼田に契約結婚ではないかと勘繰られたりするのは、新婚らしさがないからなのでは?」という考えに至る。そのため、新婚らしい雰囲気を出す努力を始めるのであった。プロの独身である津崎にとってはハードルが高いことだが、毎週火曜日を「ハグの日」に設定したり、週末2人でピクニックに行きお互いの考えや過去の話をしたりする。こうして、心の距離は少しずつ近づき2人の関係も進展する。

ある朝、百合が偶然風見を笑顔で送り出すみくりの姿を目撃してしまい、津崎との生活がうまく行っていないがために不倫をしているのではないかと疑いをかける。そして何故か怒りの矛先を風見に向け、風見に対して憤りを隠せないでいる。みくりと津崎の2人は百合が抱いている不倫疑惑を払拭するべく、目の前でハグを見せつけようと試みるも失敗が続いていた。

はじめての社員旅行

修善寺に社員旅行へやって来た2人。

ハグの日とスキンシップにより、恋人っぽい空気をかもし出すことに慣れてきたみくりと津崎の日常には平和なムードが漂っていた。一方、百合は職場の上司の加茂中(かもなか)や重盛、また部下の梅原ナツキや堀内柚(ほりうちゆず)との関係に悩んでいた。パワハラの疑いをかけられて、同期でコンプライアンス室の里中仁美に呼び出されたりと、仕事もうまくいっていない様子である。

そんなある日、百合からクレジットカードのポイントで手に入れた修善寺の温泉旅行をプレゼントされる。姪想いの百合の気持ちを無下にできない2人は、新婚旅行という名の社員旅行に出かけることになった。仲居さんに旅館の部屋へ案内されたみくりと津崎は一つしかないベッドに大慌てする。ツインベッドで予約した部屋は、百合によってダブルベッドに変更されていたのであった。

そんな突然のアクシデントにも冷静に、自分が床で寝ると温厚に対応する真面目な津崎の姿に、みくりは昔交際していた元カレのカヲルを思い出していた。津崎とは正反対のタイプで、価値観が合わずに振られた思い出が脳裏をよぎる。
すると、そこに同じ旅館に来ていたカヲルとその彼女リリカに偶然遭遇する。そしてカヲルはみくりに対して「お前は昔から小賢しかったよな?」と言われてしまい、「小賢しい」と言われていた過去を津崎に知られてしまう。
さらに結婚の提案も恋人になる提案も、いつも自分からばかり発信しているみくりは、2人の関係に対し疲れと諦めを感じ始めていた。

そんな中、帰りの電車の中で、職場に着いたら津崎への想いを捨てようと決心したみくり。一方の津崎は、以前のみくりの事を知ることによってこれまで以上に愛おしくなっており、津崎はみくりに突然キスをするのであった。

すれ違う2人

ラブラブ期に突入した2人。

新婚旅行の帰りに突然キスをした津崎だったが、その後はまるでキスがなかったかのように振る舞いはじめる。そんな津崎にみくりはモヤモヤしっぱなしである。一方、津崎はみくりへ抱き始めた恋愛感情を必死で消そうとしている。さらにキスを従業員へのセクハラだったのではないかと後悔していた。

そんな中、みくりの誕生日が1ヶ月も過ぎていることに気づいた津崎は、既にみくりにプレゼントを渡したという風見に動揺する。ただの雇用関係ではあるものの、妻の誕生日を夫である自分だけが気づいていなかったという現実に動揺した津崎は、初めての女性へのプレゼント選びに奮闘する。しかし津崎は結局、プレゼントを買うのをやめ賞与として金銭を贈ることにした。そんな中、みくりがキスについてメールで問い詰める。そしてお互いの気持ちが無事に通じ合い、みくりと津崎はラブラブ期に突入する。

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