櫻子さんの足下には死体が埋まっている(ラノベ・漫画・アニメ・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』とは、2013年から2021年にかけて出版された太田紫織によるミステリー小説(ライトノベル)を原案としたアニメ、ドラマ、漫画作品である。もともとはWEB小説であったが2013年に文庫化、次いで2015年にアニメ化、2017年にはドラマ化までされた人気シリーズ。本作は北海道旭川市に住む高校生・舘脇正太郎と骨を愛する美しい標本士・九条櫻子が様々な事件を解決していく物語。一見繋がりのない事件たちだが、それには裏で糸を引く男の存在があった。

クロヒカゲ

昆虫綱鱗翅(りんし)目ジャノメチョウ科に属するチョウ。北海道から九州にかけて分布、種子島(たねがしま)、屋久島(やくしま)およびそれ以南の南西諸島には産しない。

出典: kotobank.jp

櫻子はクロヒカゲを「死体を好む蝶」として説明しており、作中にもイヌやウサギの死体に群がる姿が描かれている。

蝶形骨

頭蓋底中央部、鼻腔の後上方にある骨。チョウが羽を広げたような形をしており、その中央に下垂体窩がある。幼年期までは体部、翼部、翼状突起などに分離しているが、成長するにつれて癒合して単一の骨となる。

出典: kotobank.jp

スフィーノイダ

複数の遺体から蝶形骨だけを盗み取る男に設楽が名付けた呼び名。事件は未解決のままであったが、その正体は、自らの手を汚すことなく他人を利用して殺人を行わせる花房であった。

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

櫻子「涙は血液から血小成分を抜いた液体だ。泣くと水分だけが失われ一時的に血液が濃くなる、体に悪い。」

涙を流す百合子に飲み物をすすめる櫻子。

第3話・祖父の介護を1人で行う祖母の辛さに気づいていながら、手を差し伸べることをしなかった自らを悔やむ百合子。後悔していることを涙ながらに告白した百合子に、櫻子は「涙は血液から血小成分を抜いた液体だ。泣くと水分だけが失われ一時的に血液が濃くなる、体に悪い。」と水分を摂るように促す。人との関わりを好まない櫻子なりの気遣いが見えたセリフである。

藤岡「馬鹿だなぁ、藤岡!これは一生もんの貸しだぞ!お前はカラスの雛じゃねぇ、お前の巣はここにあるだろ!奥さんと赤ん坊と他に何が必要なんだよ!」

足を負傷した藤岡をおぶる内海。

第5話・事故を装い自らの足を斧で切った藤岡を発見した櫻子たち。急いで救急車を呼ぶも、違法駐車している車に足止めを食らっているのかなかなか到着しない。「このままでは患部が壊死する可能性がある」という櫻子の言葉を聞いた内海は、「馬鹿だなぁ、藤岡!これは一生もんの貸しだぞ!お前はカラスの雛じゃねぇ、お前の巣はここにあるだろ!奥さんと赤ん坊と他に何が必要なんだよ!」と言って藤井をおぶった。幼いころ、負傷したカラスの雛を救えず悲しんでいた藤岡を思い出した内海の言葉である。自分を自殺のアリバイに利用しようとしていた相手でも救わずにはいられなかった、内海の正義感と情の深さが現れたセリフである。

生死を選択する権利

百合子と河原で話し合う磯崎。

第6話・夏祭りで遺書と思わしき文書を残して消えた女性を探す百合子。絶対に彼女を探し出してみせると言う百合子に、磯崎が「自らの生と死を選択し、その責任を持つ。少なくとも彼女にはその権利があると思う。じゃあ僕たちは?果たして僕たちに、彼女の選択を否定する権利はあるんだろうか。」と問う。感情のままに動く百合子とは対照的な、あくまで彼女の意思を尊重したいという磯崎の考えが読み取れる場面である。

愛情故に感情をさらけ出す櫻子

正太郎の前で珍しく感情をあらわにした櫻子。

第8話・学校から消えた猫の骨を盗んだのは櫻子だと言い当てた正太郎に櫻子は、それがかつて飼っていた猫「レイディアス」のものだと話す。盗んでしまった経緯を話す櫻子はだんだんとヒートアップし、「そもそもこれは私の骨ともいえる標本だ!私が持っていて何が悪い!」と感情をあらわにする。ひとしきりして落ち着きを取り戻した櫻子は、「本当にくだらない事だ…、感情的で愚かな人間と同じじゃないか!」と自らの行動を顧みた。櫻子が珍しく感情的になったことで、レイディアスをどれだけ愛していたかが伝わってくる場面だ。

正太郎の祖母が望んでいたもの

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