ジョーカー・ゲーム(ジョカゲ、Joker Game)のネタバレ解説まとめ

柳広司が手がけたスパイミステリー小説およびそれらを原作としたアニメ・漫画作品。第2次世界大戦前の大日本帝国期に、世界各地で暗躍するスパイ組織「D機関」の活躍と生き様を描く。原作小説は2009年の第30回吉川英治文学新人賞と第62回日本推理作家協会賞を受賞。「スパイミステリーの金字塔」とも言われる硬派作品である。

あらすじ・ストーリー

昭和12年、秋。帝国陸軍内に、秘密裏にスパイ養成学校が設立された。
精神と肉体の極限を超えた訓練を易々と乗り越えた彼らは、謎めいた軍人・結城中佐が率いるスパイ組織「D機関」の人間として、世界各地で暗躍し始める。
しかし当時の日本は、暗躍するスパイを「軍組織の信条を犯す卑怯な存在」として無下に扱う、大日本帝国軍の統治下にあった。
新たな戦争の火種がくすぶる中、時に軍事よりも巨大な武器となりうる“情報”を陸軍にもたらすD機関員たち。素性も経歴も偽装し、何者にもなり何者でもなくなった彼らを待ち受けるのは、希望とは程遠い「真っ黒な孤独」であると、結城中佐は言う。

登場人物・キャラクター

本作に登場する主要人物の名前は、スパイという性質上そのほとんどが偽名である。スパイたちは任務地ごとに自身の情報を偽装し、D機関員同士でさえ互いの本名を知らない事が前提となる。

結城中佐(ゆうきちゅうさ)/CV:堀内賢雄

D機関の設立者。
冷徹無比で、時にニヒルな笑みを浮かべる人物。基本的に思っている事を口にしないが、D機関によってもたらされた情報を、陸軍上層部が有益に活用できていない現状を嘆いた事がある。

若かりし頃は自身もスパイマスターとして世界各地で暗躍していたが、当時の日本軍に裏切られてしまう。この時ドイツ兵の拷問から脱走した代償として左腕を失い、現在は義手を装着している。
上記の様な経歴のためか、「魔王」の異名を持つ結城中佐は陸軍上層部からも危険視されている。
神出鬼没で、D機関員たちの任務先(中国・フランス・ドイツなど)に現れては自らも情報収集をしていく。

佐久間中尉(さくまちゅうい)/CV:関智一

陸軍との橋渡し役として内偵の任を帯び、D機関に派遣された軍人。

主要回の第1・2話「ジョーカー・ゲーム(前後編)」では「お国のために命を捧げる」という陸軍脳の熱血漢だったが、帝国思想に囚われないD機関員と触れ合う過程で、概念と思考の幅を広げ、スパイ適性の片鱗をチラつかせる。これを理由に結城中佐にスカウトされるが、「自分はあくまでも軍人です」と言いスパイになる事を拒否した。だが続けて「(軍に)使い捨てにされるのは御免だ」という、今までになかった想いを抱くようになる。
なお、彼のその後は描写されていない。

三好(みよし)/CV:下野紘

D機関のスパイのひとり。
敬語口調だがどこか挑発的で、若干ナルシスト気味。前触れもなく佐久間中尉を陥れ、切腹させようとするなど、人を試すような言動を繰り返している。

D機関の中でもとりわけ優秀で、主要回の第11話「柩」では結城中佐のかつての任務地だったドイツに派遣され、協力者を束ねるスパイマスターとして暗躍していた。だが後に不慮の事故に見舞われ、D機関員の中で唯一死亡が確認されている。

神永(かみなが)/CV:木村良平

出典: jokergame.jp

D機関員の一人。
プレイボーイでお調子者に見えるが、一度決めた事は貫き通す、芯のある人物。

主要回の第5話「ロビンソン」では、日本軍の落ち度を内部から立証するべく英国スパイにわざと捕まり、窮地に陥る。だが結城中佐に与えられた僅かなヒントを糧に脱出を果たし、任務を完遂した。

小田切(おだぎり)/本名:飛崎弘行(とびさきひろゆき)/CV:細谷佳正

D機関員の一人。寡黙で生真面目な性格。
カモにされていた佐久間に、助け舟を出した事がある。

主要回第12話「XX ダブルクロス」では、かつて陸軍に所属していた過去が発覚し、次いで仲間を庇って上官に逆らい、懲罰を受けていたところを結城中佐に勧誘された経緯が明らかとなる。
他のD機関員に比べると非情になりきれず、スパイには向かないと判断し、自主的にD機関を去った。軍人に復帰後は、後に激戦地となる満州に配属されている。

甘利(あまり)/CV:森川智之

D機関員のひとり。
社交的で面倒見のいいプレイボーイ。女性の扱いに長け、人心を操り警戒心を解くのが非常に上手いとされる。

主要回第7話「暗号名・ケルベロス」では、船上に潜む敵スパイのケルベロスをあぶり出し、自首を促した後にその娘と愛犬を引き取り、日本へ帰還した。

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