ニセコイ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ニセコイ』とは古味直志による、2011年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』で連載された恋愛漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。ヤクザの二代目という点以外は、ごく普通の高校生である一条楽。そして彼の前に現れた転校生・桐崎千棘。二人は家の事情でニセモノの恋人関係を演じることになる。恋愛や友情、家族を通して二人や周囲の人々が成長していく青春ラブコメディ。

『ニセコイ』の概要

『ニセコイ』とは『週刊少年ジャンプ』にて連載された古味直志による恋愛漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。漫画は全229話。単行本は25巻。2015年に連載が167回を超えたことで『週刊少年ジャンプ』のラブコメディとして、連載期間・巻数ともに歴代最長記録を更新した。作者の古味直志は本作以前、同誌にてファンタジー漫画『ダブルアーツ』を連載していた。2008年に完結した後は、連載獲得できない時期が続いたが、編集者の勧めでラブコメディを描くことを決意。『少年ジャンプNEXT!』2011 WINTERにて読切版『ニセコイ』を掲載。これが好評を博し、2011年48号からの連載につながった。連載当初から小説家、VOMIC化、そしてアニメなど様々なメディアミックスが行われ、2018年には実写映画が公開された。
少年・一条楽は初恋の女の子と約束をする。楽がペンダント(「錠」とも呼ばれる)、女の子が「鍵」を持ち、「大きくなって再会したら開けよう、そして結婚しよう」というもの。10年後、高校生になった楽は帰国子女の美少女・桐崎千棘と出会う。転校初日から最悪の出会いを果たした二人だったが、ヤクザの二代目である楽に対して、千棘はギャングの娘であることが判明。二人は両家の抗争を止めるため、偽物の恋人関係を演じることに。二人の関係を中心に、一条の親友である舞子集、一条が恋慕している小野寺小咲、千棘のボディーガードの鶇誠士郎など、様々な人物が友情・恋愛・家族など、葛藤しながら成長していく模様を描く。同時に「楽の初恋相手が誰なのか」も物語における大きな謎となる。

『ニセコイ』のあらすじ・ストーリー

桐崎千棘との出会い

桐崎千棘との出会い。この時、楽はまだ彼女が同じクラスの転校生であることを知らない(単行本1巻)。

一条楽は家がヤクザという以外は、ごく普通の高校生。その日もいつも通り、家のヤクザに見送られながらの登校で、他の生徒からは好奇な目線を向けられる。校門から教室へ向かう途中、不意に塀を飛び降りてきた金髪の少女と、衝突してしまう。少女は軽く謝ると、すぐその場を去ってしまった。朝から散々な目に合った楽は、教室のホームルームで転校生が来ることを聞くのだった。

↑最悪の出会いだった二人は、クラス中が注目してる中、言い争いをしてしまう(単行本1巻)。

転校生として入ってきたのは先程ぶつかった少女。少女の名は桐崎千棘。楽は彼女が件の転校生だと知る。金髪のハーフ美少女にクラス中は騒然。一方、楽は朝の出来事を思い出し、つい「さっきの暴力女」と叫んでしまう。
喧嘩の場面を見られ、担任に知り合いと勘違いされた二人は、席を隣同士にされる。直後、楽は「初恋の思い出」であるペンダントの紛失に気づく。今朝、千棘とぶつかったことが原因と考えた彼は、千棘に一緒に探すよう要求。彼女も渋々従った矢先、担任から「二人を同じ飼育係にした」と伝えられる。ここでも飼育のやり方で意見の合わない二人。楽はクラスの「美人」という、千棘の評判が腑に落ちない。
転校から7日が経ち、クラスでは、いつも一緒にいる楽と千棘に対して、「二人は恋仲」という噂が。限界を感じた千棘は、ペンダント探しを諦めるように言う。そんな彼女に対し、楽は初恋の思い出を馬鹿にされたと感じて、「もう探さなくていいから、どっか行けよ」と怒鳴ってしまう。
それから4日経ち、楽は千棘に呼び出される。彼女が渡したのは、探していたペンダント。彼女はひっそり、一人でペンダント探しを続けていたのだ。楽は千棘にも「ちょっとは良い所もある」と思い直す。

ニセモノの恋人関係

一条家で、ニセモノの恋人相手がそれぞれ楽、千棘と知り、呆然とする二人(単行本1巻)。

ペンダントが見つかったその日、楽は父から「大事な話がある」と聞かされていた。その内容は「自分達ヤクザとギャングがいよいよ全面戦争になりそう」でそれを防ぐため、楽に「ギャングのボスの娘と偽の恋人になってくれ」というものだった。楽は気が乗らなかったものの、戦争を防ぐべく一応了承することにする。いよいよ相手とご対面となった時、目の前に現れたのは千棘だった。彼女こそギャングの娘だったのだ。
楽も千棘も予想外の事態に呆然とする。その時、千棘を攫われたと勘違いしたギャングが一条家を襲撃。ヤクザ・ギャングの争いを目の前にし、二人はニセの恋人関係を演じることを決意。翌朝、両家の組員に押されるようにして、二人は休日デートに行くことに。街中で二人きりになると、楽も千棘も速攻別れて、適当に時間を潰そうとするが、二人の様子を両家の組員が、バレバレの尾行をしているのに気づく。観念した二人は、デートを続行することにする。楽はカップルらしいデートを試みるが、カフェでは「なにコレまっず」と発言、食事の店では大食い、映画鑑賞中には爆睡と、ことごとく理想を打ち砕く千棘に辟易するのだった。
デートの翌々日、登校した楽と千棘を待っていたのは、異常なクラスの盛り上がり。デートの様子をクラスメイトが目撃し、二人の恋人関係は既に公のものとなっていた。恋人関係を否定できない二人は、諦めて学校でもカップルを演じることとなった。

初恋相手の謎

一条は幼少期、女の子と「再開したら結婚」の約束を交わす。女の子が誰なのかを、高校生の一条は覚えてない(単行本1巻)。

一条は幼少期、女の子と約束をする。「ザクシャ イン ラブ(愛よ永遠に)」と誓いを立て、女の子は「鍵」、一条は「錠」を持ち、成長して再会したら錠を開けて中の物を取り出す。その時に結婚しよういう約束。10年経っても、その錠は開かないままだった。

小野寺は約束の女の子と同じような、鍵を持っていた(単行本1巻)。

林間学校で千棘の初恋相手を彷彿とさせる「額の傷」、一条の初恋相手を彷彿とさせる「鍵」にお互いが気付く(単行本3巻)。

林間学校の前日、千棘は自室のクローゼットから幼い頃の絵日記を見つけ、そこには初恋の男の子との思い出が綴られていた。それによると男の子は千棘を野犬から守った際、額に傷を負ったらしく、更に日記には「鍵」が挟まれていた。翌日の林間学校で、班が同じの楽と千棘はお互いに、楽には額の傷、そして千棘は「鍵」と、初恋の相手を思い起こさせる特徴があることに気づく。

幼少期に会っていた楽と千棘、小咲

楽は千棘の父・アーデルトから、自分が10年前に、千棘や小咲と会っていることを知る(単行本4巻)。

千棘の誕生日会で、千棘の父・アーデルトから10年前、千棘と小咲、楽の三人は既に顔を合わせていることを知る。「初恋の女の子」の思わぬ手がかりを得ることになる。後日、ふと「当時の写真はないだろうか」と思い、楽の父・一征に聞くと倉の奥に残っているとの情報を得る。しかもそれは当時、楽がせがんで「鍵を持った女の子」と撮った写真であり、楽は「大事な約束」という言葉を発していたという。遂に約束の女の子が分かると思い、必死で捜索する楽。やっと掘り当てた一枚の写真には、千棘でも小咲でもない、錠を持った短髪の少女が写っていた。

新たな女性、万里花

デートの翌日、小咲や千棘の前で、万里花が幼少期のことやデートの模様を話す(単行本5巻)。

写真に写った少女が誰なのか、判然としないまま、相変わらず千棘と偽物カップルを演じる日々。そんな時、楽は突然一征から「許嫁がいる」という告げられる。旧友と飲みの席で、自分たちの子供同士で、結婚するという約束を交わしたのを、一征は忘れていたのだ。更にその相手が「写真の女の子」ということも知らされる。翌日、ホームルームで橘万里花という転校生の美少女がやって来て、いきなり楽に抱きつく。クラス中が騒然とする中、楽は彼女が許嫁の子だと察する。
楽の方では、万里花のような少女と知り合った覚えはなく、彼女に流されるようにして、デートをすることになる。しかしデートを終えた後も、彼女のことは思い出せなかった。万里花と別れた後、楽は彼女が鞄を忘れているのに気づく。届けようと、彼女の姿を探しているうちに、付き人・本田の会話から、彼女が持病持ちであること、それでも楽とのデートを優先したかった気持ちを知る。彼女と本田の会話終了を見計らって、楽は声をかける。そして彼女の容態を心配しながら、どうしても万里花の事を思い出せず、「どうしてそれ程、自分を好きなのか?」と尋ねる。するといきなり「そげん事まで忘れとっとか?」と、それまでとは打って変わった口調となった万里花。それによって彼女が幼少期に、仲良くなった女の子「マリー」である事に気づく。彼女は子供の頃、何気ない会話で楽に「どんな女の子が好みか?」と聞き、彼が「女の子らしい人とか、髪の長い人とか」という言葉を真に受け、髪を伸ばし、言葉遣いを変えたのだった。
後日、楽は学校の屋上に千棘と小咲、万里花を集め、皆に「自分たちが10年前に一度会っている」旨を話す。そして鍵は三人が皆、持っていたが、万里花は「約束」の詳細は覚えていないという。結局、約束の女の子が誰なのかは、まだ不明のままだった。

羽の証言と思い

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