攻殻機動隊シリーズ(原作漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』は士郎正宗によるSF漫画。1巻は草薙素子こと少佐が公安9課で事件を追う中人形使いと出会い融合するまで、1.5巻『攻殻機動隊1.5 HUMAN-ERROR PROCESSER』は少佐が去った後の公安9課の活躍、2巻『攻殻機動隊2 MAN MACHINE INTERFACE』は荒巻素子がテロ事件を追う内に草薙素子と邂逅するまでを描いている。

『攻殻機動隊2 MAN MACHINE INTERFACE』の主人公。
ポセイドンインダストリアルの考査部長にして、草薙素子の11番目の同位体。同位体とは1巻にて人形使いと融合した後の“草薙素子”のコピーのことであるが、荒巻素子は物語当初すでに4体のゴーストと融合を果たしており、草薙とは異なる自我を持つ。草薙を彷彿とさせる、世界屈指の義体操作技術と超ウィザード級の電脳技術を保持する。

世界各地に自らが操作できるデコット(遠隔操作できる義体)や兵器を数多く配置しており、次々とデコットを乗り換えて事件を追う。マックスやムサシ、コナンなど複数の支援AIを従えている。

魂合 環(たまい たまき)

霊能局の審霊官。荒巻素子と彼女の周りに起こる事象を確認する為、荒巻に霊体で付いて回る。
荒巻素子にはタヌキか植物と融合した様な姿で視認されている。

“草薙素子”

衛星軌道上にある托体施設「眠れる宇宙」に身体を預けている1巻の主人公草薙素子と同一名義の人物。
人形使いと融合した後の新しい生命体としての“草薙素子”であるので、1巻の草薙素子とは完全な同一人物ではない。「眠れる宇宙」の設立メンバーであり4つ目のデカトンケイルを保有している。

人形使いと融合後の“草薙素子”は事あるごとに自分の変種(子供)を残しており、荒巻素子は11番目、ミレニアムは20番目の“草薙素子”の同位体である。荒巻素子と接触した時はスピカとアンタレスという二つの存在に分かれていたが、彼女が持っていたあるファイルを発見したことで意思統一がなされ一つの存在となる。

『攻殻機動隊2 MAN MACHINE INTERFACE』の用語解説

デカトンケイル

本作におけるスーパーコンピューターの略称。世界に三体存在すると言われており三体の内一体はポセインドンインダストリアルの本社にあり、荒巻素子が無断使用する。実は三体以外にも、“草薙素子”が「眠れる宇宙」にて一体所有している。

宇宙へと広がりを見せる、壮大な世界観

これまでの攻殻機動隊作品とは異なり、霊能局(存在だけは示唆されていた)や霊能力者が登場する他、電脳空間の中に存在する「宇宙」が物語の重要なテーマとなっている。1巻でも人形使いと少佐の対話で宇宙という言葉は登場し、「ネットワークは超宇宙サイズで無限の深さを持ち成長する樹の様だ。」というセリフから、攻殻機動隊の作品の中ではネットの中には宇宙が存在するとされている。
2巻は更にその宇宙観を突き詰めたものになっており、荒巻素子の観る事のできる最も広い電脳網の概念図は樹状構造になっていて、その遥か彼方には北極星の様に輝く三つの光がありそれがこの樹の中心であると表現されている。この、宇宙を現す樹の存在と三つの光は、2巻の重要なキーワードであり、霊能力者の環が霊視しているものでもある。

“複雑成る者”とは一体何なのか?

作中冒頭で、今後千年間で大きな影響力を持つ何か、“既知宇宙で最も複雑成る者”が誕生すると言われており、魂合環がこの親の一人である荒巻素子を監視するところから物語は始まる。この“複雑成る者”とは一体何なのだろうか?

“複雑成る者”とは生命工学で著名なラハムポル博士が設計図を書いた、珪素ベースの知的人工生命のことであり、不死のAIと違って生老病死を持ち、なおかつ模倣子(ミーム。遺伝子の様に、人から人へと受け継がれる文化、思想、経験などの情報のこと)は完全に継続性を保つことができる、新しい生命体のことである。霊能局の見立てでは、人類がそれに向き合うことは、鏡の中の自分を見る様に人類自身と対峙することになり、文化・環境・政治・科学技術・宗教などにあらゆるレベルで衝突が起こると言われている。(荒巻素子は人類に牙を剝く可能性を指摘したが、“草薙素子”は人類とその生き物は二つで一つであるとしその可能性を否定した。)

“草薙素子”の望みはこの新しい生命体と融合することで認識宇宙を一気に拡大させることにあり、これは1巻で人形使いと融合し新しい上部構造(生命体)へとシフトしたことを彷彿とさせ、また攻殻機動隊の世界観が新たな広がりを見せる予感を感じさせつつ終わっている。

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