ドリフターズ(Drifters)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ドリフターズ』とは、月刊誌『ヤングキングアワーズ』にて2009年6月号より連載中の歴史ファンタジー漫画である。作者は平野耕太。
世界中にその名を残す歴史上の人物が、時代も国も超えて集まる異世界。彼らは「漂流者(ドリフターズ)」と呼ばれ、すべてを滅ぼそうとする「廃棄物(エンズ)」たちと壮絶な戦いを繰り広げる。
関ヶ原の合戦に加わっていた島津豊久は、突然その異世界へと飛ばされた。彼はそこで織田信長や那須与一と出会い、武士の本能に従って、血で血を洗う戦へと身を置き、やがて「国盗り」を志す。

かつて存在した国。「カルネアデスの北壁」は強固な要塞だったが、黒王軍の襲撃を受けた。安倍晴明は、ハンニバルやスキピオにその守備の指揮を取らせようと考えていたが、その地の兵士たちに断られ、結果、化物たちになすすべなく破壊されてしまう。菅野直が最初にやって来た場所でもある。現在は黒王配下の化物たちが街を建設し、農耕や商業を行っている。

扉の並ぶ通路

紫とEASYがいる場所。2人のいる場所はつながっているが、紫のいる場所が明るい廊下のような場所であるのに対し、EASYがいる場所は全体的に暗く、彼女がくつろぐ部屋は白と黒の格子模様の壁紙で覆われている。EASYが紫に会いに行くと、紫の部屋もEASYの部屋の雰囲気に変わる。漂流者や廃棄物は、こちらの世界に来る前にいったんここを訪れ、紫及びEASYと会う。

『ドリフターズ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

島津豊久「命捨てがまるは今ぞ!!」

第1話、関ヶ原の合戦から島津義弘を逃がすため、その場に残って戦う覚悟を決めた豊久が言った言葉。マモン間原において、信長らを逃がすために殿をつとめたときにもそう言って戦いに望んだ。この言葉を合図に信長たちは逃亡をはじめ、豊久とドワーフは命がけの戦いに向かった。敵の大群を前にした豊久の背が描かれるという見開きの構図は、第1幕の関ヶ原の戦いと第69幕のマモン間原の戦いにおいて共通している。総大将である豊久が自ら仲間のために命を捨てて戦うという熱いシーンである。

島津豊久「首置いてけ!!」

武勲の証として首を持ち帰るのが誉と考える豊久が、敵の大将にたびたび言う言葉。豊久といえばこれ、というセリフであり、パロディ画像もたくさん作られている。こちらの世界に来たばかりの頃はこればかり言っていたせいで、豊久はオルミーヌに「妖怪『首おいてけ』」と呼ばれた。

黒王「人間世界を非人間世界に(オイクーメネーウーオイクメネー)」

マモン間原の戦いに向かう際、黒王が軍に向かってかけた言葉。人間を滅ぼし、人ならざるものの世界を作り出そうという呼びかけである。この言葉をきっかけに軍はオルテを目指して進み始めた。この言葉はキリスト教のエキュメニズムに関連する言葉であり、まだマントの下が描かれない黒王の正体について重要なヒントを与えていると思われる。

紫「大嫌いだよE・a・s・y」

黒王軍とオルテの軍との戦いが始まる前、紫とEASYが珍しく長めに会話をした際の紫の発言。冷静で表情ひとつ変えない紫が、初めてEASYに対し感情を見せたシーンである。廃棄物を「駒」と呼ぶEASYに対し、紫は露骨な嫌悪感を見せている。彼は漂流者たちを駒とは考えておらず、彼らが自由に考え、世界を変えていくさまを見守っている。このとき同時に「この世に運命などない 宿命などない さだめなどありはしない」「人は自ら陣地を越える珍妙な生き物だ」「合間合間に世界を変える愛しい生体だ」といった名言も残している。ちなみに、このときだけEASYの表記が「Easy」と小文字混じりになる。

『ドリフターズ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

信長の眼帯の左右が変わる

信長は基本的に右目に眼帯をしているが、2巻では左目にしていることがある。

サンジェルミ伯の領土のサイズが変わった

初登場時(第19幕)、サンジェルミ伯の領土はオルテの1/4だったが、豊久らの前に現れたとき(第35幕)は1/3に広がっている。

EASYは略称である

第18幕にEASYが暮らす部屋の扉が描かれているが、小さく英単語が書かれている。読み取れるのは「Eternal」と、次の単語の先頭にある「A」のみだが、何らかの英文の頭文字をとって「EASY」であることは間違いない。

話数のカウントが「話」から「幕」に変わった

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