仮面ライダー1号（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ショッカーを離反した精鋭の改造人間3人を中心に結成された新組織。
「世界最大の企業組織」として、ノバエネルギー装置によって日本中から電気エネルギーを全て強奪するなどの高い技術力と、その後すぐに政府に接触するなどの手回しの良さを見せる。

ウルガ（演：阿部力）

ノバショッカーのリーダーにして、戦闘時はハイエナをモチーフとした改造人間の姿に変身する。その実力は仮面ライダーゴーストらを軽くあしらうほど。
ショッカーから半数以上の戦闘員をノバショッカーに引き入れるカリスマ性も持ち合わせる。
さらに、アレクサンダー眼魂を取り込んであらゆる存在の頂点に君臨しようとするが、その力は彼の人格までも呑み込むこととなる。

バッファル（演：武田幸三）

ウルガに常に付き従う寡黙な男。かつてのショッカー怪人・ゲバコンドルをモチーフとした改造人間の姿に変身する。仮面ライダーゴースト、仮面ライダースペクターらを寄せ付けず、彼らの必殺技を喰らっても僅かにひるむ程度、という高い実力を持つ。
最終的には、仮面ライダー1号のライダーパンチとゴーストのオメガブレイクを連続で受けることでとどめを刺される。

イーグラ（演：長澤奈央）

ノバショッカー幹部の紅一点。改造人間ではあるが怪人態は持たず、サーベルを操って戦う。
ライフラインを絶たれて混乱する人々を嘲笑して楽しむ冷酷な性格の持ち主。
アレクサンダー眼魂の悪しき意思に呑み込まれたウルガによって、その身を切り裂かれることとなる。

藤岡弘、らしい展開の数々

企画段階から藤岡は本作に関わっており、5か月をかけて脚本が作り上げられた。

作中では様々な現代社会の問題の中で、エネルギー問題が描写されている。
ライフラインの基幹を占める電気がノバショッカーに占領された中で、本郷らが自然の中で薪割り、水汲み、火おこしなどを行うシーンがあり、「探検隊シリーズ」などで活躍した藤岡らしい演出がなされている。

作中で藤岡は「生命のつながり」を若い世代に繰り返し説いている。藤岡はボランティアとして様々な危険地域に出向いており、彼の哲学が作中の本郷猛にも反映されている。
そのテーマは、火葬されんとする本郷が、真由らの想いに応えるようにして、炎を不死鳥のように舞い上げて蘇生を果たすシーンで結実している。

シリーズファンに働きかける様々な演出

『仮面ライダーシリーズ』45周年を記念して作られた本作だけに、シリーズファンを喜ばせるような様々な演出がなされている。

本郷と立花藤兵衛の絆

最終決戦に臨もうとする本郷が立ち寄った場所、それは第1作で仮面ライダー1号・2号たちを支えた「少年仮面ライダー隊」本拠があった「立花レーシングクラブ」跡地だった。

そこにあったのは、故人である立花藤兵衛が遺したマシン・ネオサイクロン。ネオサイクロンに跨った本郷の衣装は、45年前を思わせるものに変えられている。

そして藤兵衛の写真を袂に入れ、「おやっさん、一緒に行こうぜ」と呼びかけながら戦地に向かうのであった。

平成第二期仮面ライダーたちの力を借りるゴースト＆スペクター

平成ライダーファンにとってのサービスは、最終決戦で、仮面ライダーゴーストと仮面ライダースペクターが使う「レジェンドライダー眼魂」がある。

これは映画より前から、YouTubeで公開されていた動画の中で、ファンから俗に「平成第二期」（『クウガ』～『ディケイド』が第一期とされる）の主役ライダーの力をゴーストとスペクターが纏い、かつてライダーたちを苦しめた強敵と戦う、というものであった。

スクリーンでも、ゴーストが仮面ライダー鎧武の剣戟、仮面ライダーウィザードの魔法、仮面ライダードライブの必殺キック・スピードロップを使用して強敵であるバッファルに着実なダメージを与えている。

一方のスペクターは仮面ライダーWのジョーカーエクストリームを、仮面ライダーオーズのタトバキックを、仮面ライダーフォーゼのライダーロケットドリルキックの3大必殺技を使用して、ノバショッカー戦闘員を殲滅している。

また、「お前の罪を数えろ！」（W）「ここからは俺たちのステージだ！」（鎧武）「宇宙キターッ!!」（フォーゼ）などの名台詞も再現されている。

地獄大使の活躍