血界戦線(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『血界戦線』は、内藤泰弘の読み切り漫画を基に生まれた、SF伝奇アクション漫画である。2010年から『ジャンプSQ』で連載を開始。その後、幾度もの連載先の移動を繰り返しながらも連載を続けている。舞台は異界と人界が入り混じった元NYの「ヘルサレムズ・ロッド」。そこで世界の均衡を守る為に暗躍する秘密結社「ライブラ」の日々を描く物語となっている。「技名を叫んでから殴る漫画」というコンセプトに加え、無法地帯なんでもアリな突飛な世界観と色濃い性別年齢人種豊かなキャラクター達に、多くの反響が寄せられている。

カプロス人蟲によって血の海と化す、ズールディーズ。

カロプス人蠱を手にしたいキュリアス達とEx-G.I.、それぞれと個々で遭遇し戦うタイクーンブラザーズ。均等する戦闘ではあったが、血界の眷属であるタイクーンブラザーズの力の方が上手であり、キュリアス達とEx-G.I.はそれぞれに強大な被害を出すこととなる。
一方その頃、オークションの方ではカロプス人蠱が競り落とされていた。だがその時、ヴェネランダが現れ、その武器を使って壺を切り割ってしまう。
中から漏れ出たカロプス人蠱の呪いの力。すぐさま会場中に広がり、さらにはヘルサレムズ・ロッド内にまであふれ出ることに。ヘルサレムズ・ロッド諸共大混乱の渦に陥れてしまう。
それを食い止めたのは、リチャード・インセイン・フー。オークションに参加していたマフィアのボスだった。混沌の渦の中、カロプス人蠱と契約を行い事態を収束させたのである。
主を手にしたカロプス人蠱は、元の壺の形に戻る。しかし戻った壺の中には実は3人、人が足らない状態となっていた。タイクーンブラザーズはそれを探し出すように命じられ、ヘルサレムズ・ロッドの街へと繰り出すことに。
一方その頃、レオナルド達ライブラは、混乱の渦中にソニックが見つけてきた謎の生命体の正体を探っていた。人が3人溶けあいくっついたような、奇妙な姿をした生命体。ルシアナにより、その正体がカロプス人蠱の中にいた人間達であったことが判明する。「生命の冒涜だ」というルシアナの言葉に思うところがあったレオナルドは、神々の義眼を通して、彼らがこのような姿になってしまった経緯を探る。すると、そこにはカロプス人蠱の為に潰されてしまった1つの村の人々の姿があった。その光景に涙したレオナルドは、見たままの光景をライブラのメンバーに伝える。それを知ったスティーブンは、レオナルド達に部屋を出るように命じる。スティーブンがこれから目の前の命を消し去ろうとしていることに気づいたレオナルドは、慌てて止めようとするが、それをザップが止める。

スティーブンの行動を止めようとするレオナルドを止めるザップ。

「あれが壺に戻ったら、その万倍人間が死ぬ」「てめぇにその責任がとれるのか」とザップから突きつけられた現実に、言葉を失うレオナルド。しかしその時、生命体がここにいることを突き止めたタイクーンブラザーズが現れる。
タイクーンブラザーズに生命体を取られるわけにはいかない。スティーブン、そしてK・Kが捨て身の覚悟で彼らとの交戦する。しかしそれでもタイクーンブラザーズには敵わない。だが、そこでレオナルドが神々の義眼でタイクーンブラザーズの視界をシャッフルする。その突然の攻撃に耐えられなかったタイクーンブラザーズが呻いてる間に、レオナルド達は生命体を持ってその場から逃げ出す。
とその頃、クラウスの方でも事態に動きが起きていた。なんとアメリカ大統領直々に、地下監獄にいた筈のクラウスの釈放を求めにヘルサレムズ・ロッドにやってきていたのだ。ダニエルの弟であり、彼と同じくしてヘルサレムズ・ロッドの警察であるマーカス・ロウも、タイクーンブラザーズとの戦いで負傷したEx-G.I.のメンバーと共に地下監獄にまでやってきていた。クラウス以外の3人は大統領が直々にこんなところに来るはずがない、と怪しむ。だがEx-G.I.のメンバー、そして獄長による分析、検査によって本当に本人だと認められた為に、クラウスは釈放されることに。
しかし獄長はやはり大統領のことを認め切れず、その場を去ろうとする彼に武器をつきつける。その結果、その正体は実は堕落王フェムトであったことが判明する。

フェムトの行動の理由に不信感をもつクラウス。

危険人物の登場に、その場に警戒が走る。だが、彼は気まぐれでクラウスを助けにきたのだということを告げる。釈放がなかったことにされる前に、そして自分の機嫌が変わる前に、この場から離れるようにクラウスを扇動するフェムト。しかしクラウスは釈放してくれた事実に感謝はすれど、フェムトから獄長を守る為にこの場に残ることを決める。普段ならばどんな事件もことごとく無視をする筈のフェムトが関与してくるこの事態。尋常ではない、とそうクラウスは思い至ったのである。
己の正義に従い行動を起こすクラウスを前に、フェムトはその場を去る。フェムトが去った後、クラウスは自ら頭をさげて外へ出ることの許しを貰う。事態が事態なだけに許可を出す獄長。そして「他に何かいるものはあるか」と訊ねる。そこでクラウスは同じく地下に収容されていたドグとハマーも共に連れていくことにする。
そうしてドグとハマー、それからついでにその場にいたEx-G.I.のメンバーも1人つれ、クラウスは事態を収束させる為に、ヘルサレムズ・ロッドの街に向けて足を踏み出すのであった。

アニメ『血界戦線』版、オリジナルストーリー

アニメ『血界戦線』オリジナルキャラクターのホワイト(左)とブラック(右)

アニメ『血界戦線』版は上記原作の話に加え、アニメオリジナル展開が行われている。
アニメ追加キャラクターのホワイトとブラック。ある術士の夫婦の子供であった2人は、3年前のNY(ニューヨーク)大崩落をきっかけにその人生を大きく狂わされることとなる。

アニメ『血界戦線』オリジナルキャラクターの絶望王。

第二次大崩落を起こそうと企む13王の1人、絶望王に目をつけられてしまったブラック。そんな兄を助けたい一心で、絶望王に言われるがまま神々の義眼を持つレオナルドに近づくホワイト。けれどレオナルドと交流をしていく内に、次第にレオナルドと本当に友達となりなたいと願うようになってしまう。
それを知った絶望王は、神々の義眼がもつ力を利用した後、用済みだとホワイトを殺してしまう。だが、元々ホワイトは3年前の大崩落で死んでおり、心臓がわりに埋め込んだヘルサレムズ・ロッドを覆う結界をブラックが術士としての力を使うことで、なんとか生き延びている状態だった。ホワイトがいなくなった世界に絶望したブラックと、そんな彼の身体を乗っ取った絶望王により、ヘルサレムズ・ロッドは混乱の渦となる。
街の混乱を抑えようとする、ライブラの面々。クラウスは絶望王と戦闘するも、勝敗はつかない。しかしそこへ駆けつけて来たレオナルドが、絶望王の中に残っていたブラックの意識に気づく。本当は死にたくない、生きたいと願う彼の本心を読み取ったレオナルドは、絶望王に頭突きをくらわせ、神々の義眼を使ってその意識下にいたブラックを浮上させる。

絶望王に頭突きをくらわす、レオナルド。

精神の域で、再会するブラックとホワイト。ホワイトと再び話すことができたブラックは、彼女の中にあった結界を使ってヘルサレムズ・ロッドを救うことを決める。結果ホワイトは、ヘルサレムズ・ロッドの結界の一部となり、今度の今度こそ、その生涯を終えることに。
こうして絶望王によるヘルサレムズ・ロッドの混乱はおさまり、元の非日常的な平穏を取り戻したのだった。

『血界戦線』の登場人物・キャラクター

ライブラ主要構成員

レオナルド・ウォッチ

CV:阪口大助(テレビアニメ版)、逢坂良太(VOMIC版)
愛称はレオ。家族で観光旅行でやってきたヘルサレムズ・ロッドにて、異界の者リガ=エル=メヌヒュトと遭遇。その際、妹の視力と引き換えに「神々の義眼」を己の目に埋め込まれることとなる。
その半年後、妹の視力を戻す為、単身でヘルサレムズ・ロッドにやってくる。その際、ライブラ新人と勘違いされたザップに連れられ、ライブラと接触することになる。直後、堕落王フェムトが起こした事件に巻き込まれ、ライブラの面々と共に神々の義眼を用いて見事事件を収束させる。その功績が認められ、ライブラの仲間入りをはたす。
ヘルサレムズ・ロッドでは珍しい、気弱でお人好しで、素直な性格。それ故か、異形に対しての偏見もなく、異形の友人も数多く存在している。戦闘能力は皆無だが、強靭な精神力をもっている。
一応、新聞記者としてヘルサレムズ・ロットに来たフリージャーナリスト、ということになっているが、作中でその仕事をすることはほぼない。主にピザ配達のバイト等で生活費を稼いでいるらしく、食費もままならない貧乏生活を送っている。ライブラからの給金もあるようだが、その大部分は妹への仕送りにあてている模様。相棒の音速猿ソニックと共に、一人と一匹で暮らしている。

クラウス・V・ラインヘルツ

CV:小山力也 (テレビアニメ版)、新垣樽助(VOMIC版)
ライブラのリーダー。血法「ブレングリード流血闘術」の使い手であり、ラインヘルツ公爵家の三男坊という、名門貴族の出でもある。その為、彼の近くにはいつも執事のギルベルトが仕えている。尚、ラインヘルツ家は牙狩りとはなんら関係のない貴族の家だが、あるきっかけ、からクラウスだけが牙狩りになったのだという。
巨体であること、鋭い三白眼とメガネ、口を閉じても目立つ下顎の犬歯が特徴。一見すると恐ろしい見た目をした人物であるが、穏やかで紳士的な人柄と正義漢のある人物となっている。しかし、良家育ちなせいか世間慣れをしていない面もあり、それゆえ時折、子供っぽい一面を見せることもある。さらに園芸を趣味としてもおり、園芸サークルにも入っていることが作中で明かされている。
並の化け物相手ならば、少し触れるだけでも倒せるような剛腕の持ち主。加え、どんな極限状態でも、体力の続く限り奮い続ける、驚異的な胆力と集中力と忍耐力を備えてもいる。ライブラの副官的存在のスティーブンからも「驕りも謙遜も無く、世界で最も盤石」と称されているほど。しかし反面、人柄の良さが災いし、人心の掌握に関しては甘い面もあり、部下であるザップに騙され、借金返済のための利用されたりなどもしている。

スティーブン・A・スターフェイズ

CV:宮本充(テレビアニメ版)、浜田賢二(VOMIC版)
ライブラの副官的存在の男であり、「NY(ニューヨーク)大崩落」の時からクラウスと行動をしている、ライブラ最古参メンバーでもある。「エスメラルダ式血凍道」の使い手。目元に傷があるスーツを着込んだ色男、といった容姿になっており、「スカーフェイス」といった異名で呼ばれてもいる。頭の回転が速く、観察眼にも優れている為、優しいクラウスの代わりにライブラを厳しく取りまとめたりとしている。事件解決を担うメンバーの差配や計画を立てたりするのも彼であり、参謀としての役割も担っているといってよい。無論、本人の戦闘力も高い為、他のメンバー同様に前線で戦うことも多い。そんなさまから、ザップからは「番頭」という呼称で呼ばれていたりする。
その他にも、独自の私設部隊を抱えており、諜報活動やスパイ排除などを行ってもいる。いささか非道的な方法を取ることもあるせいか、これらの活動はクラウスにすら告げられていないものとなっている。しかし、親しい相手に裏切られた時には心を痛めるさまも見せており、ただの非道で冷たい人間ではないことが窺える。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

テイルズ オブ ジ アビス(Tales of the Abyss)のネタバレ解説・考察まとめ

RPG『テイルズオブ』シリーズの本編作品8作目で、シリーズ10周年記念作品。 キャラクターデザインは藤島康介。 キムラスカ公爵家の一人息子・ルークが、屋敷に不法侵入してきた謎の刺客・ティアと共に突如、見知らぬ場所に飛ばされてしまう。屋敷に戻るためにティアと行動したルークは、その長い旅路の果てに多くの人々と出会い、様々な経験をし、自分の『生まれた意味』を知ることになる。

Read Article

ボールルームへようこそ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

「ボールルームへようこそ」とは、「竹内友」による漫画作品。2011年より「月刊少年マガジン」にて連載を開始し、2017年夏に「Production I.G」製作でアニメ化。なんの取り柄もなく日常をただ過ごしていた気弱な少年「富士田多々良」は、ある日偶然にも社交ダンスに出会う。プロダンサーの仙石や同年代のダンサー兵藤・雫達に影響され、多々良は社交ダンスに没頭していく。

Read Article

TIGER & BUNNY(タイバニ)のネタバレ解説・考察まとめ

2011年4月〜9月にかけてMBSほかで放映された、サンライズ制作のヒーローアニメーション。シュテルンビルドと呼ばれる街で、ベテランヒーロー・ワイルドタイガーとキザでクールな新人ヒーロー・バーナビーのコンビがW主人公で活躍する。アメコミと日本のヒーローものの良いところが満載の大ヒットアニメである。実在の企業がヒーロー個人のスポンサーになっており関連企業はタイバニとのコラボイベントを数多く実施した。

Read Article

BUMP OF CHICKEN(バンプ・オブ・チキン)の徹底解説まとめ

BUMP OF CHICKENは日本の4人組ロックバンド。通称バンプ。 星や宇宙を題材にした曲やMVが多く、音楽性のスタイルはエモーショナル・ハードコアに分類され、デビュー以来一貫している。 抽象的で物語性のある歌詞も魅力で、独特の世界観を構築。その世界観はファンを虜にしてやまない。 デビュー時には若い世代を中心に人気を集め、今もそのファンたちは熱狂的なファンとして定着している。

Read Article

UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾン・スクエア・ガーデン)の徹底解説まとめ

3ピースロックバンド・UNISON SQUARE GARDEN(ユニゾン・スクエア・ガーデン)は、アニメ『TIGER & BUNNY』のテーマ曲でアニメ好きの間で有名となり、結成10年を超えた今ではミュージックステーションに出演するなど、一般的な知名度も高くなってきた。 2013年からは毎年オリジナルアルバムをリリースするなど精力的に活動している。

Read Article

DAOKO(だをこ)の徹底解説まとめ

DAOKO(だをこ)とは、1997年3月4日生まれ東京都出身の人気ラップシンガー。ニコニコ動画で注目され、2012年高校生のときにインディーズレーベルから歌手デビューした。2015年にメジャーデビューし、2017年にはアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』の主題歌となった、米津玄師とのコラボ曲「打上花火」が大ヒットした。国内外でライブを成功させている注目の若手である。

Read Article

Fate/Grand Order(FGO)のネタバレ解説・考察まとめ

「Fate/Grand Order」とは2015年に配信を開始したスマートフォン用アプリゲーム。原作は2004年に発表されたゲーム「Fate/stay night」で、Fateシリーズのキャラクターや今作のオリジナルキャラなどを召喚して戦うRPG。2016年の年末に第一部のストーリーが完結し、大きな話題となった。その後も動きがあるたびに話題を呼ぶ大人気ゲーム。

Read Article

Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-(FGOバビロニア)のネタバレ解説・考察まとめ

『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』とは、スマホアプリゲーム『Fate/Grand Order』から派生したアニメ作品である。魔術王ソロモンによって奪われた人間の歴史を取り戻すため、「聖杯」と呼ばれる万能の力を持った杯を探し求めて時代を渡り歩く魔術師の少年・藤丸立香が、紀元前2700年の古代メソポタミアの世界に降り立って、人類の滅亡を目論む「三女神同盟」に立ち向かう姿を描いた物語となっている。

Read Article

【カラオケ】一般人の前でもOK!アニソンっぽくないアニメソング【ドライブソング】

「急にカラオケに行くことになったけれど何を歌えばいいか分からない!」「普段アニソンしか歌わないから、オタクじゃない人の前で歌える曲がない」「ドライブなど数人で共有できる音楽ってどんなのがあるの?」という人へ……アニメを知らない人とも盛り上がれる、アニメ色のないアニソンをまとめてみました。

Read Article

【血界戦線】両作品に登場する声優まとめ【銀魂】

『血界戦線』とは、異界と人界が交わる街「ヘルサレムズ・ロット」で、様々な超常的事件に挑む秘密結社ライブラの活躍を描いた内藤泰弘の漫画作品である。 2015年にアニメの放送が開始され、その高いクオリティと声優陣の熱演が話題となった。特に声優陣は人気と実績のある者たちばかりで、アニメ版『銀魂』にも参加している者が多い。両作品で演技を披露している声優を紹介する。

Read Article

【あつ森】Fate/Grand Order絶対魔獣戦線バビロニアの世界を再現したマイデザインがすごい!【マイデザインIDまとめ】

大人気ゲームシリーズ「どうぶつの森」のニンテンドーSwitch専用ソフト『あつまれ どうぶつの森』では、服やタイルを自由にデザインして作る「マイデザイン」という機能があり、人気を博している。Switchオンラインで公開されているマイデザインは自由に使うことができるので、大好きなあのキャラになりきることも可能だ。ここでは大人気スマホゲーム『Fate/Grand Order』のストーリー『絶対魔獣戦線バビロニア』を再現したマイデザインを紹介する。

Read Article

目次 - Contents