デジモンアドベンチャー(DIGIMON ADVENTURE)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『デジモンアドベンチャー』とは、東映アニメーションが制作したデジモンアニメシリーズの第1作目で、ジャンルはSFや冒険といった、少年向けアニメ。本作を皮切りに、多数のデジモンアニメシリーズが生まれた。現実と異なる世界に迷い込んだ子供たちが、仲間やデジモンと関わり合う中で、出会いや別れを経て自分らしさを見つけて成長していく物語。主人公1人だけではなく、子供たち全員に等しく活躍のスポットが当たる群像劇でもある。子供たちの成長を、デジモンたちの進化という形で分かりやすく見ることができるのが魅力。

『デジモンアドべンチャー』の概要

『デジモンアドベンチャー』とは、東映アニメーション制作のフジテレビ系列で1999年3月7日から2000年3月26日まで放送された、デジモンシリーズのテレビアニメ第1作で、SFや冒険といった少年向けのテレビアニメ。全54話。通称は、「初代」「無印」など。少年向けではあるが、家庭問題や環境などの題材を盛り込み、物語が進むにつれて明かされていく謎と、大人でも楽しめるような作品になっている。本作以降、『デジモンアドベンチャー02』『デジモンテイマーズ』『デジモンフロンティア』などのデジモンシリーズが生まれ、『フロンティア』までは1年ごとにフジテレビ系列で放送されていた為「デジモン四部作」とも呼ばれる。

ストーリーは、劇場版第1作『デジモンアドベンチャー』の舞台から4年後の世界を描いている。突如、デジタルワールドに迷い込んだ子供たちが、パートナーデジモンと一緒に数々の困難に立ち向かい、自分らしさを見つけて成長していく物語を描いた作品。事実上の主人公は八神太一だが、均等に見せ場があり、各々にスポットが当たるようになっている。
夏休みの子供キャンプに訪れていた子供たちだったが、飛来していたデジヴァイス(子供たちが所有し、パートナーデジモンの進化に必要な小型のデバイス)によってデジタルワールドへ飛ばされてしまう。そこはデジモンが生息している世界、デジタルワールドだった。子供たちを待ってたというデジモンと共に、ここから現実世界に帰る為に行動を開始する。子供たちを狙う者たちと戦っていく中で、自分たちが選ばれし子供たちとしてこの世界に呼ばれたことを知る。なぜ子供たちは選ばれたのか、この世界で何を成さないといけないのか、デジタルワールドと現実世界との関係性が明らかになる。

子供たちとパートナーデジモンたちの、長くて短いひと夏の冒険が始まった。

『デジモンアドべンチャー』のあらすじ・ストーリー

冒険のはじまり デジモンワールドへ(第1話 - 第7話)

1999年8月1日、夏休みの子供キャンプに参加していた、太一、ヤマト、空、光子郎、ミミ、丈、タケル。突然吹雪に見舞われ、7人は一緒に避難していた。
吹雪が止んで外に出てみると、機械のような何かが人数分降ってくる。子供たちはそれぞれに手に取ってみた。直後、波のようなものが現れ、子供たちはそれに巻き込まれてしまった。

太一が目を覚ますと、そこは見慣れぬ森の中だった。コロモンと名乗る生命体が、太一に「待っていた」と、話しかけてくる。
みんなと合流した太一だが、それぞれに自分と同じようにデジモン(デジタルな生命体、デジタルモンスターの通称。デジモンはすべて「◯◯モン」という名が付く)と一緒にいた。

ここはデジタルワールドと呼ばれており、デジモンしか存在しないと言われても信じられない子供たち。状況が飲み込めていない子供たちに、突然クワガーモン(クワガタのようなハサミを持った昆虫型デジモン)が姿を現し、襲ってきたのだった。

子供たちを守る為に戦うコロモンたちだったが、クワガーモンにまったく歯が立たなかった。ついに崖に追い詰められた子供たちだったが、デジヴァイス(空から降って来た機械。子供たちが所有し、パートナーデジモンの進化に必要な小型のデバイス)が光りコロモンたちは成長期というアグモンたちに進化した。クワガーモンを撃退することに成功する。

この場所が本当に現実でないのかを確かめる為に、一番高い山、ムゲンマウンテンに登ることにした。その道中で、黒い歯車を埋め込まれたデジモンたちに襲われてしまうが、さらに進化した存在である成熟期に進化できるようになったデジモンたちの活躍で危機を乗り越えることができた。そして山の頂上へ登った一行は、そこからの景色を見て、自分達がいるところは孤島だと言うことを知るのだった。

第一の敵 闇の使者デビモン(第8話 - 第13話)

失意の子供たちに脅威が迫ろうとしていた。その名はデビモン。悪魔のような風貌のデジモンは、黒い歯車で世界を覆い、支配しようとしていた。その為に邪魔になるであろう選ばれし子供たちを抹殺しようとしていた。

ムゲンマウンテンの頂上でオーガモンとレオモンが戦っていた。そんな2体の前に、デビモンが現れる。デビモンは、デジタルワールドに来た選ばれし子供たちを抹殺する為に自分の配下になるように迫った。レオモンはそれに抵抗し攻撃を仕掛ける。デビモンは攻撃を躱し、逆にレオモンに闇の力を浴びせ、支配下に置いてしまった。

デビモン達は太一たちは選ばれし子供たちであり、計画の邪魔だと言う。計画とは、黒い歯車で世界を覆うことだった。デビモンは、すでにファイル島(太一たちが居る孤島)全体に歯車を仕込んでいた。歯車の力で山を除いて、島はバラバラに分解されてしまい、子供たちは島の各地に飛ばされてしまう。

別々の場所に飛ばされてしまった子供たちは、黒い歯車に操られたデジモンと戦って正気を取り戻させる。黒い歯車の力を反転させて、島を元に戻していった。子供たちは合流して、デビモンとの最終決戦が始まった。デビモンは黒い歯車を集結させ、自分に取り込んだ。巨大化し、圧倒的な力を得たデビモンの前に、子供たちもデジモンたちも成す術がなかった。

しかし追いつめられたことで、パタモンが天使型デジモン、エンジェモンに進化した。エンジェモンは闇の力を増大させたデビモンに対し、自分の全身全霊をかけて攻撃した。デビモンは、自分よりもさらに強大な闇の力を持ったデジモンがいることを示唆し、力を使い果たしたエンジェモンを嘲笑しながら消滅していった。そして、エンジェモンもタケルにまた会えると言い残し、デジタマ(デジモンが孵化する卵)に還った。

タケルは、またエンジェモンにまた会うべく、デジタマを大事に育てていくと誓った。

第二の敵 エテモン悪の花道(第14話 - 第18話)

デビモンを倒し、ファイル島の脅威を取り除くことができた子供たちの前に、ゲンナイと名乗る謎の老人の立体映像が現れた。ゲンナイは、海を出た先にあるサーバ大陸へきて暗黒デジモンを倒して欲しいと言う。そして、タグと紋章を手に入れれば、デジモンたちをさらに進化できると教える。彼等は新大陸に向けて出ていくことを決めるのだった。

イカダで航海中、ホエーモンと出会った子供たち。ホエーモンの案内で海底洞窟にあるタグを入手することができた。そして、サーバ大陸に上陸した子供たちは、ホエーモンからコロモンの村が近くにあることを教わる。
コロモンの村はパグモンと言うデジモンに支配されていたが、パグモンを追いだしたことで、歓迎される。そこに新たな脅威、エテモンが現れる。サングラスをかけた猿のような完全体デジモンである。

エテモンは、突如立体映像で子供たちの前に現れた。エテモンが歌を歌うとデジモンたちの戦う力が抜け、パートナーデジモンの進化を差し戻してしまった。エテモンの力を目の当たりにした子供たちは、危機が迫った時にここから逃げろとコロモンの村に伝わる場所に行った。そこには太一の勇気の紋章があり、入手することができた。そして、紋章を得たことで道が開き、子供たちはエテモンから逃れることに成功したのだった。

子供たちはデジヴァイスに導かれてコロシアムに到着した。しかし、そこでもエテモンの魔の手が迫っていた。コロシアムに現れたのは黒いケーブルを巻かれたグレイモンだった。
太一とグレイモンが応戦し、デジヴァイスが反応しグレイモンが完全体スカルグレイモンに進化した。しかし叱咤によって実現したその進化は、本来の進化からはずれた暗黒進化であった。

戦う本能を暴走させ、目に映るもの全てに攻撃をしてしまう。他のデジモンもスカルグレイモンを止めようとするが力及ばず、やがてエネルギーを使い果たしたスカルグレイモンは幼年期のコロモンに退化した。自分の育て方が間違っていたと責任を感じ落ち込む太一。

敵のグレイモンと戦闘中、自分の紋章を発見した丈。砂漠を横断中にコカトリモンと出会う。コカトリモンは友好的な振りをしていたが、実際はエテモンの部下で、隙をつかれた子供たちとデジモンたちは石に変えられてしまう。残った空とミミが、なんとかコカトリモンを倒し、みんなの石化を解くことができた。そして無事に、ミミの紋章を見つけ、手に入れるのだった。

子供たちに対し、クワガーモンが襲いかかってくる。クワガーモンは以前にファイル島で戦った個体よりも強く、さらに太一が正しく進化させることに臆病になっていたことで、危機的状況になる。そこに、ピッコロモンと名乗る完全体デジモンが現れ、子供たちの危機を救う。

ピッコロモンは、精神的にも肉体的にも未熟な子供たちとそのデジモンたちに修行をつける。そしてヤマトと光太郎は紋章を手に入れ、太一は怯えを克服し、アグモンをグレイモンに進化させることができた。

ついに到達した完全体進化 エテモンとの決着(第19話 - 第20話)

修行を終え、旅を続ける子供たち。光子郎のパソコンに一通のメッセージが届く。それは、紋章の在処を教える代わりに自分を助けてくれというものだった。タケルの希望の紋章を入手した子供たちは、送り主を信用し、助けに行くことを決意する。指定された砂漠の中にある上下が逆さまのピラミッドに到着した。

ピラミッドの内部で待っていたのは、マサイボーグ型の完全体デジモン、ナノモンだった。彼は、昔エテモンと交戦したが敗れ、思考能力を奪われホストコンピューターの管理という役目を与えられていた。時間の経過と共に自我を取り戻すことができたが、記憶の大部分は失われたままだった。そこで助けてもらうために子供たちを呼んだのだ。
しかしその動きを察知したエテモンが現れる。エテモンは、ナノモンと子供たち両方を始末しようとしていた。入り乱れて戦闘する中、ナノモンは空とピヨモンを人質に逃亡していった。驚愕する子供たちだったが、撤退せざるをなかった。

ナノモンはピラミッドの隠し部屋に、逃げ込んでいた。準備を整えた子供たちは、救出班と陽動班に別れて行動を開始した。太一は、光子郎と共に空の救出に向かう。無事に空を救出した太一たちだったが、そこへエテモンが姿を現した。

太一たちは逃げ出し、ナノモンは、ダークネットワークの中心部に引きずり込んでエテモンごと消滅しようとする。ネットワークに飲み込まれそうになるエテモンだったが、逆に吸収し、一体化する。そして、逃げて外に出てきた子供たちの前に現れる。それに対し、勇気を持って挑む太一の体は聖なる光を纏っていた。そして、デジヴァイスと紋章が呼応し、グレイモンは完全体メタルグレイモンに進化することができた。
しかし、2体の激突で空間が歪んでしまう。太一とメタルグレイモンは、その歪みに引きずり込まれていってしまった。

二人が辿り着いた場所、そこは現実世界の東京だった。そして、自分たちがデジタルワールドに飛ばされた日にちと同じであることに驚愕する。太一が自分の家に帰ると、そこには病み上がりのヒカリ(太一の妹)がいた。ヒカリの話から、世界各地で起こっている異常気象とデジモンが関係していることがわかる。デジタルワールドの歪みは現実世界にも影響していたのだ。現実世界を救うため、太一はデジタルワールドに帰還するのだった。

第三の敵 ヴァンデモンの策略(第21話 - 第27話)

太一が消えた後、他の子供たちは太一を探す為に歩き続けていた。しかし、強いリーダーシップを発揮していた太一がいない為、少しずつみんなの和が乱れはじめていた。そして、子供たちはバラバラになってしまった。太一がデジタルワールドに戻ると、すでに何ヶ月も経過していた。

デジタルワールドに戻った太一。彼のデジヴァイスはデジモンが完全体に進化したことで、他のデジヴァイスの位置がわかるようになっていた。その機能を使って他の子供たちと合流する。ヤマト、タケル、丈の三人と合流できた。そしてヤマトは友情の力で、パートナーのガルルモンを完全体であるワーガルルモンに進化させる。四人は他の子供たちを探すため、二手に別れる。

ヤマトとタケルは、光子郎とテントモンが退化したモチモンをみつける。合流前に、光子郎とモチモンは、ベーダモンに捨てさせられた探究心と特性である知識を取り戻していた。そして、テントモンの進化であるカブテリモンをさらに完全体のアトラーカブテリモンへ進化させ、ベーダモンを撃退していた。

時を同じくして、太一と丈はミミと再会していた。しかしミミは、自分を敬い世話を焼くゲコモンとオタマモンに気を大きくし、横柄な態度を取るようになっていた。そして、連れて行こうとする太一たちと自分の態度に注意したパートナーのパルモンを牢屋に閉じ込めてしまう。その夜、ミミは現れた空に諭され過ちに気づく。そしてミミは自分の特性である純真を取り戻すことができた。しかし、空はいつの間にか居なくなっていた。ミミは、太一たちを牢屋から出して今までのことを謝り、パルモンとも和解することができた。

そして、6人が合流するが、空だけが未だに見つかっていなかった。ミミは、自分を諭してくれた空は夢だと思っていたが、もしかしたら本物の空だったかもしれないと話す。なぜ空がみんなの前に姿を見せないのかを本人に聞く為、デジヴァイスが反応する方向へ向かうのだった。

そんな中、紋章を光らせないように暗躍していたピコデビモンが現れ子供たちを襲う。逃げる子供たちの前にピヨモンが進化したバードラモンが現れてピンチを救う。バードラモンが飛び去った方向に走ると、そこに空がいた。
逃げようとする空を引き留める太一たち。

空から、ピコデビモンが誰かと連絡をとり子供たちの邪魔をするように言われているところを目撃した、と言う話を聞く。そして彼女は、ピコデビモンに自分が親に愛情を注がれずに育った為、愛情を知らないと言われたことを吐露した。そして、そんな自分がみんなの前に顔を出すことができないと考えるが、知らないふりをすることもできずに陰ながらサポートをしていたと言う。泣き出す空をなんとかなだめ、みんなが合流できたことに揃い安堵していた最中、ついにこれまで暗躍していた黒幕が正体を現す。その名はヴァンデモン。吸血鬼のような完全体デジモンだった。ヴァンデモンは、ピコデビモンを操り子供たちが持つ紋章の力を封じようと動いていた。

ヴァンデモンとの戦いの中で空は、自分が母に十分に愛情を受けていたことに気づく。そして、空の愛情の紋章が光り、完全体のガルダモンに進化させることができたのだった。ガルダモンに乗り窮地を脱することができた子供たちだったが、ヴァンデモンの声が響き、子供たちが7人だけでは闇の力の拡大を止めることはできないと言う。

愕然とする子供たちの前に、再びゲンナイが立体映像で姿を見せる。ゲンナイは、選ばれし子供は全部で8人いること。最後の一人は東京にいること。そして、これはヴァンデモンも知っており、現実世界に侵攻して8人目を倒そうと兵隊を集め準備をしていることを告げるのだった。

ヴァンデモンを追い日本へ 8人目の子供との邂逅(第28話 - 第33話)

現実世界へ侵攻したヴァンデモン。ゲンナイから異界へのゲートを開けるカードを受け取り、太一たちも現実世界へ戻る。

現実世界に戻った子供たちは一先ず自分たちの家を目指す。しかし、その道中でヴァンデモンの配下のデジモンたちと交戦する。彼らは、8番目のタグと紋章のコピーを持ち、最後の選ばれし子供を探していたのだった。襲いかかってくるデジモンをなんとか退けた子供たち。

8人目の子供を探していたテイルモンが、道ですれ違った時に、自分のことをアグモンの仲間だと言ったヒカリのことを8人目の子供ではないかと疑う。ひと思いにやってしまおうかとも思ったが、なぜかできなかった。その少女のことが気になっていた。

ヒカリのことが気になり監視をするテイルモンのもとに、デジヴァイスを見つけてきたウィザーモンがやってきた。彼は、以前テイルモンに命を救われ、それ以来彼女の為に動いてきた。ウィザーモンは、テイルモンが気になっているヒカリのもとへ訪れる。そして、ヒカリとテイルモンがデジヴァイスに触れると反応した。

テイルモンは、ヒカリを長い間待っていたことを思い出した。そして、ヒカリも自分が8人目の子供だということを認識した。その場に合流した太一にデジヴァイスを渡したウィザーモンとテイルモンは、ヴァンデモンが持つ本物のタグと紋章が必要だと言い、飛び去って行った。

究極体×究極体 ヴァンデモンとの最終決戦(第34話 - 第39話)

テイルモンとウィザーモンは、ヴァンデモンの住処に行き、ヒカリのタグと紋章を入手する。しかし、そこへヴァンデモンが現れる。圧倒的な力の前にウィザーモンはタグと紋章とともに海に消え、テイルモンは捕らわれ8番目のデジモンであると知られてしまう。ヴァンデモンは、誰も逃げることができないようにお台場を霧の結界で囲み、配下のファントモンが結界内の人間を集め始める。

ヴァンデモンの魔の手は、子供たちの周囲にも伸び始めていた。目の前で家族や一般の人達が危機に陥り、それに対する憤りでミミの紋章が光る。トゲモンは完全体のリリモンに進化し、その場の窮地を脱することができた。
一方、結界の外に居た丈とタケル。丈がタケルを守るべく奮起し、その誠実さに応えるように紋章が光り、イッカクモンは完全体のズドモンに進化した。二人は、脅威を退け、そのまま霧の結界に突入していく。その途中、海で漂流しているウィザーモンを発見する。

奔走する子供たちだったが、ヒカリは、自分の為に誰かが傷ついていくのを見ていられなかった。そしてついに、ヴァンデモンに自分が8人目の子供であると打ち明けてしまう。
ヒカリを連行し、テイルモンとともに始末しようとするヴァンデモン。そこへ子供たちが駆けつけるが、完全体のデジモンすら次々とやられてしまう。しかしヒカリとテイルモンを庇い、ウィザーモンが消滅したことによってヒカリの感情が発露する。それに呼応して彼女のデジヴァイスと紋章が反応。テイルモンは完全体エンジェウーモンへと進化し、ヴァンデモンを倒す。

しかし、なぜか霧は晴れず、捕らえられて眠らされていた人たちは目が覚めなかった。そこでゲンナイからメッセージが届く。そこには、古代遺跡で見つかった予言の詩が書かれていた。
「はじめにコウモリの群れが空をおおった 続いてアンデッドデジモンの王の名を唱えた そして、時が獣の数字を刻んだ時 アンデッドデジモンの王は獣の正体を現した 天使たちがその守るべき人の最も愛する人へ光と希望の矢を放った時奇跡が起きた」

霧が晴れる方法が分からなかった子供たちは、一先ずその場を離れる。ヤマトとタケルそしてヤマトたちの父は、霧を突破するべく車で移動する。その道中、次々と予言の通りのことが起こる。そして3番目の予言である獣の数字、ヨハネの黙示録に出てくる666、6時6分6秒にヴァンデモンは復活した。巨大な姿と理性を失ったがさらに強大な力を得た究極体デジモン、ヴェノムヴァンデモンに進化したのだった。

圧倒的な力の前になす術のない太一とヤマトたちは、最後の予言に望みを託す。そして、エンジェウーモンの光の矢とエンジェモンの希望の矢を受けた太一とヤマト。ついに、アグモンとガブモンに奇跡が起こり、2体は究極体に進化した。
1体は竜人型のウォーグレイモン、もう1体はサイボーグ型のメタルガルルモン。究極体となり力を増大させた2体は、死闘の末ヴェノムヴァンデモンを倒すことに成功した。人々が目覚め、霧が晴れていく。しかし、子供たちが目にしたのは、空に映るデジタルワールドだった。

デジタルワールドの歪みを正さずに現実世界にきてしまった為、その影響が出てきていたのだ。その歪みを正す為、子供たちは再びデジタルワールドに行くのだった。

魔の山の四天王 ダークマスターズ登場(第40話 - 第52話)

デジタルワールドに到着した子供たち。陸と海は全て螺旋に組み込まれ、スパイラルマウンテンとして再形成されていた。そして、ダークマスターズと名乗る4体の究極体デジモン、メタルシードラモン、ピノッキモン、ムゲンドラモン、ピエモンが子供たちを襲う。
その力に対し、アグモンとガブモンが究極体に進化し立ち向かっていくが、実力の差が激しく手も足もでなかった。絶体絶命の中、ピッコロモンが現れ、自分の命と引き換えに子供たちを逃がすことに成功する。子供たちは、犠牲となったピッコロモンのことを思い涙するも、逃げることしかできなかった。

子供たちはファイル島の浜辺に辿り着く。しかし、そこへ海を支配するメタルシードラモンが迫る。そこへホエーモンが現れ、子供たちを救出した。追手を振り切り逃げ延びたと思ったが、メタルシードラモンは再び子供たちの前に現れた。太一たちは、ウォーグレイモンに勝機を見出し、辛くもメタルシードラモンを倒すことができた。しかし、その勝利の代償に、今度はホエーモンが犠牲になってしまった。

森へとやってきた子供たちをピノッキモンが襲う。ピノッキモンは森を操り子供たちを分断した。そして一人になったヤマトの前にジュレイモンが現れる。ジュレイモンは、ヤマトが強くなる為に親友の太一を倒さなければならないと告げる。
その言葉に、ヤマトは太一と戦うことを決意し、決闘を申し込む。それに応じる太一。二人は互いの不満をぶつけながら殴り合い、メタルガルルモンとウォーグレイモンも互いに全力を出して戦い始めてしまった。

戦いが激化する中、デジタルワールドの安定を望む者と名乗るものが、ヒカリの身体を借りて語りかけてくる。その存在は自分たちの目的と正体、そしてなぜ子供たちが選ばれたのかを話した。
自分たちのやるべきことを再確認した子供たち。しかし、ヤマトだけは、自身が成長できていないのではと言う葛藤に囚われていた。そんなヤマトのもとへ現れるピノッキモン。太一たちに再び攻撃を仕掛けるように言うがヤマトはそれに応えず、憤慨し攻撃してくるピノッキモンを逆に倒した。

ミミと丈は、デジモンたちが犠牲になっていくこの戦いに疑問を抱き、他の子供たちと別れた。お互いの気持ちがずれ、分裂していく子供たち。
そんな中、ヒカリが熱をぶり返してしまう。薬を探すべく、一行は街に向かう。しかしそこでムゲンドラモンが現れる。ムゲンドラモンは光子郎が操作したネットワークを逆探知し、子供たちの居場所を突き止めていたのだ。それに気づいた光子郎はネットワークを撹乱させるが、ムゲンドラモンは街ごと壊滅させるべく無差別に攻撃を開始した。逃げ道のない中、アグモンはウォーグレイモンへ進化し、一騎打ちの末ムゲンドラモンを打ち倒した。

太一たちは、最後の1体、ピエモンが待つスパイラルマウンテンの頂上へやってきた。ピエモンと対峙する太一。自らの心の弱さを克服したヤマト、丈とミミが合流する。
ピエモンの、子供たちとデジモンを人形に変えてしまう攻撃に追いつめられるが、タケルがヒカリを守るべく勇気を振り絞りピエモンに立ち向かう。そして、ついにエンジェモンは完全体のホーリーエンジェモンに進化した。

ホーリーエンジェモンは、ピエモンから人形を奪い返すと、聖なる力でみんなを元に戻す。ウォーグレイモンとメタルガルルモンが協力し、ホーリーエンジェモンの必殺技、ヘブンズゲートで開けた異次元の穴に封印することに成功したのだった。

根源にして終焉 最後の敵とのラストバトル(第53話、第54話)

ピエモンを倒した子供たち。そこへゲンナイからメッセージが届く。
本当の敵はダークマスターズではないと告げられる。それはただ存在するだけで時空を歪ませ、ダークマスターズもこの存在によって力を得たに過ぎないのだと言う。かつて、火の壁の向こうから強大な力を持った何かがやってきた。その何かにデジモンたちでは太刀打ちできなかった。しかし、異世界からやってきた子供たちの力で打ち倒すことができたのだと。そして、いつの日か再び火の壁を超えてやってくるものが現れると言うのだった。

そして現れる最後の敵、その正体はアポカリモン。究極体で全てが闇に包まれていて、全ての元凶であり最後の暗黒デジモンである。アポカリモンは進化する過程で消えて行ったデジモンの無念の蓄積だった。その恨みから世界を支配しようとする存在である。
アポカリモンは、全てのデジモンの技を使い、デジモンの進化を強制的にリセットさせた。さらに紋章を壊し、進化できない悔しさを味わわせ、子供たちとデジモンたちをデータに分解してしまった。絶望しかけるが、自分たちはこれまで、何度も絶望を乗り越えてきたことを思い出す。

みんなが一人の事を、一人がみんなの事を想う気持ちが強くなった時、子供たちは自分の持っていた紋章が輝く。進化を取り戻し、再び世界に帰還することができた。そして、子供たちは協力してアポカリモンを倒すことに成功したのだった。

一度闇に飲まれたデジタルワールドは再生し、新たに生まれ変わった。デジタマも次々と生まれ、デジタルワールドは正常な姿を取り戻していった。しかし、大きな変化もあった。今まで時間がずれていたデジタルワールドと現実世界の時間が同じになったのだ。長く留まることができなくなった子供たちは、デジモンたちとの再会を約束し、現実世界に帰っていった。

『デジモンアドベンチャー』の登場人物・キャラクター

選ばれし子供たち

八神 太一(やがみ たいち)

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