龍が如く4 伝説を継ぐもの(Yakuza 4)のネタバレ解説まとめ

『龍が如く4 伝説を継ぐもの』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム「龍が如く」のシリーズの第4作目に相当する作品である。キャッチコピーは「それは熱き男達の、奇跡の記録」。主人公の桐生一馬が東城会で起きた内乱を収めた後からの物語を描いており、従来の主人公である桐生一馬に加え、秋山駿、冴島大河、谷村正義と3人の主人公とその物語が追加されているのが特徴となっている。

冴島とはぐれてしまい、全身傷だらけになりながらも浜崎もアサガオへ流れ着き、そこで桐生と因縁の再会を果たした。

脱獄する際、自分の身の安全を守るために警察との取引材料として刑務所から盗んできた書類を桐生に手渡す浜崎。その書類には、かつて桐生が5年前に経験した「消えた100億事件」に繋がっている秘密が書かれていた。

外出から帰ってきた仲間たちを、浜崎から守ろうとする遥。彼女のその脳裏には1年前、神室町で浜崎が目の前で桐生を刺した光景が今でも深く焼き付いている。

桐生の説得も聞かず、怒りと悲しみを爆発させた遥は、彼をも罵倒すると共に走り去ってしまった。

冴島が沖縄を去ってからしばらくした後、アサガオに驚くべき人物が迷い込んできた。それはなんと、浜崎だった。「よう……久しぶりだな……」と、傷だらけの姿でいきなり目の前に現れた浜崎に、驚きのあまり言葉を失う桐生と遥。桐生はとりあえずひとりで浜崎の手当てをした後、浜崎に脱獄の理由を問うと共に、以前に冴島がここに現れ、浜崎の名前を口にしていたことを教えた。冴島のことを聞いた浜崎は驚くと共に、冴島が生き延びていたことに安堵する。そこで桐生が浜崎と冴島の関係について尋ねると、浜崎は冴島を自分の兄弟分だと言った後、桐生に向かって手をついて頭を下げた。「俺は兄弟を、男にしてやりてぇ……! だから頼む、俺の最初で最後の頼み、聞いてくれ!」と、本気で頭を下げて頼み込んでくる浜崎に不可解になりながらも、桐生がその訳を問うと、浜崎は冴島と自分がいた沖縄第弐刑務所のこと、上野吉春襲撃事件について自分が知っていることの全てを話した。そして浜崎は、襲撃事件で冴島の兄弟分である真島は実は裏切ってはいなかったのを冴島に伝えてなかったことと、冴島は自分が惚れた男だということを打ち明けた。また浜崎は、最初のうちは冴島のことを自分が脱獄するための道具としか見ていなかったが、脱獄する時も冴島が常に自分を信じてくれたことで、その認識が兄弟と呼ぶほどのものに変わっていくのを感じた。裏切りと裏切られの連続だった人生を送ってきた自分を、桐生に続いて信じると言ってくれたのが冴島だったからこそ、浜崎は冴島と共にもう一度極道の道をやり直す決意を固めたのだという。だからこそ浜崎は、頭を下げてでも冴島に真島の真実を伝え、戦いを止めさせるために桐生に協力を頼みに来たのだった。
それから浜崎は、刑務所を脱獄する際、所長室から盗んできたひとつの書類を桐生に見せた。その書類には沖縄第弐刑務所の設立の経緯とそれに使われた資金の流れが書かれており、さらにその資金の提供者の中に東城会と、5年前に桐生と死闘を繰り広げた政治家・神宮京平の名前があった。その二つの名前に目を疑う桐生に、浜崎はこう言った。「今から5年前……アンタも関係したあの東城会の『消えた100億事件』。実はあの事件で動いていたあの金も、沖縄第弐刑務所設立の『裏資金』となるはずの金だったんだ」遥と出会うきっかけとなり、さらに遥の母親で恋人だった澤村由美、親友で兄弟分だった錦山彰、育ての親で恩師であった風間新太郎を失った因縁深い5年前の戦いにして事件の名前が出てきたことに、桐生は驚きに目を見開いた。どういうことなんだと尋ねる桐生に、浜崎はこう語り始めた。浜崎は1年前に浜崎組組長として東城会の若頭補佐をやっていた頃、警視庁の上層部が大量の裏資金を溜め込んでいることを突き止めた。そこであるひとりの警視庁幹部が、その裏資金を使って沖縄第弐刑務所を作り、神室町にいる犯罪者たちに刑務所の受刑者を売り渡す、人身売買同然の取引の計画を企てていたのだという。その計画の真の狙いは、犯罪者に買われた受刑者にわざと犯罪を起こさせ、それを警察が取り締まることで警察内部での点数稼ぎを一気に行い、強大な権力を握ることだった。そして当時、神宮が東城会にマネーロンダリングさせていた100億は、さらにその裏で警察に流れようとしていたというのだ。ちなみに浜崎は最初はこの沖縄第弐刑務所の真の目的と金の流れについては知らず、当初、この裏金の証拠となる書類を使って、脱獄した後に身の安全を守るために警察と取引しようとしていた。だがここまでの事実がこの書類に書かれているとなると、警察と取引しようにも逆に口封じに殺される可能性が出たため、浜崎は取引を諦め、桐生に託そうと考えたのだ。しかし桐生はすぐには受け取らず、なぜ忌まわしい5年前の事件を思い出させるこの書類を自分に見せたのかと浜崎に問うた。そこで浜崎は、書類のあるページを開いて「これを見てくれ」と言った。そのページには2010年4月に東城会が壊滅し、さらに東城会の全ての資金が上野誠和会と警視庁に渡ることを示唆する一文があった。「俺らがいなくなっちまった東城会で……今とんでもねぇことが起こってるんだ。俺はな、アンタにもう一度、あの街の頂点に立ってもらいたいんだよ。そうじゃなきゃ俺達が命賭けてきた東城会が……無くなっちまうんだ」同じページの一文を見て浜崎はそう言ったが、桐生は何の答えも出さず、窓の向こうの夜景をただ眺めているだけだった。
そして次の日、学校から帰ってきた子供たちが浜崎の姿に気づいて、桐生が浜崎を紹介しようとした時、「ダメ! 近寄らないで!!」と、遥が明らかな敵意を込めた声と共にその場に割り込んできた。宥めようとする桐生だが、遥は反発する。「私はね……この人のことを許したわけじゃないの!! この浜崎って人は、1年前におじさんのこと刺したんだよ!? 私、それ目の前で見てたんだよっ!?」と、叫ぶ遥に子供たちが動揺する中、桐生はもう終わったことで、浜崎は敵じゃないとさらに宥めようとするが、遥は「もういい……!! もう私、おじさんがどうなっても知らないからっ!!!」とさらに激しく反発し、どこかへ走り去ってしまった。

海岸でひとりたそがれていた遥。追いついてきた桐生に、今度桐生が神室町へ行ったらもう戻ってこなくなるかもしれないという不安を遥は吐露する。

自首を決意した浜崎を沖縄の警察署へと案内した先で、桐生は靖子と出会う。そこで靖子が冴島の妹だと知った桐生は、浜崎と共に彼女から話を聞くことにした。

靖子を追って現れた斎藤ら沖縄第弐刑務所の刑務官たち。彼らは所長から靖子の身柄を確保するよう指令を受けていた。

斎藤たちとの戦いの後、自分、そして冴島を助けてもらったお礼を浜崎に言う靖子。浜崎は礼なんていらないと彼女を桐生と共に神室町へ向かわせるが、この直後、冴島をかばって受けた傷が原因で倒れてしまう。

桐生が後を追うと、遥は海岸にいた。桐生が近づくと、「おじさん……また東京に行くんでしょ?」と、遥が背を向けながら聞いてきた。そして遥は、1年前に桐生に重傷を負わせた浜崎のことをなぜ信用できるのかと聞いてくると共に、浜崎を信じて桐生が東京に行ったらもう戻ってこない気がして、不安でならないと言ってきた。その遥の言葉によって、桐生が昨夜の浜崎との会話を遥に聞かれていたことを悟ると、遥は5年前の事件のことなんてどうでもいいと言った。それに対して桐生は、5年前の事件で遥も実の母である由美を失ったことを挙げて、もしあの事件にまだ自分たちが知らない何かがあるなら突き止めたいと思うのが普通ではないのかと聞いた。しかし遥は「でも……でも、私は、こうしておじさんとここにいられれば、それでいい……それだけでいいの!」と、不安な表情をしながらも気持ちを変えようとしない。それに桐生がかけてやる言葉を見つけられないでいると、「安心しな……桐生は東京へは行かない。それに俺も、今すぐここを出て行くよ」と、浜崎が歩いてきた。突然の心変わりに驚きを隠せない桐生と遥に、浜崎は冴島に真実が伝わればいいから、他の誰かに頼んで、自分は自首して刑務所に戻ると言った。そしてあの書類のことは忘れて、アサガオでの新しい生活を大切にしてくれという浜崎の言葉に胸を打たれた桐生は、同じ極道として浜崎のけじめを見届けるべく警察署へ案内する。すると辿り着いた警察署の前で、「どうして取り合ってもらえないんですか!? 兄は、兄は沖縄の刑務所にいるはずなんです!!」と、警官に食ってかかる靖子の姿を見つける。それから靖子が冴島の所在を調べろと叫んだ時、桐生と浜崎は驚きに大きく目を見開いた。そして結局、警官に相手にされず門前払いとなり、肩を落とす靖子に、「……アンタもしかして、冴島大河の知り合いか?」と、桐生が声をかけた。それに今度は靖子が驚いて、冴島は自分の兄だと頷くと、桐生は浜崎と目配せして頷き合ってから、場所を変えて靖子の話を聞くことにした。
その後、1年前に桐生が戦った沖縄の極道組織・玉城組の事務所だったビルへと場所を変えて、桐生と浜崎は靖子から冴島の話を聞いた。靖子は冴島が逮捕されてから25年、何度か東京刑務所へ兄に面会に行ったが許可されず、つい先日に沖縄第弐刑務所へ移送されたという情報を掴んでこの沖縄までやってきた。だが、沖縄の警察に聞いても「沖縄第弐刑務所なんてない」との一点張りで相手にしてもらえなかったという。そこで浜崎は、沖縄第弐刑務所の存在とその実態と共に、冴島もそこに収監されていたが、自分と共に脱獄してもう沖縄にはいないことを教えた。それに驚く靖子に、桐生は冴島が自分の前に現れて、神室町に向かわなければいけないから金を貸してくれと頼みに来て、それから神室町へ向かったことも教えた。完全に入れ違いとなった事実に肩を落としかける靖子だが、自分も神室町に戻ると気持ちを入れ替えた。しかしその直後、外で車が停まる音が聞こえたので、桐生と浜崎が窓の外から様子を見ようとすると、「……探したぜ、浜崎。まさか生きていたとはなぁ……」という暗い声と共に、斎藤が大勢の刑務官を引き連れて現れた。意外な事態に驚きを隠せない浜崎を尻目に、斎藤は靖子を見て「その女か……冴島に会いてえって、警察に飛び込んできた女ってのは」と、言った。それを見た浜崎は、自分は今から刑務所に戻るから桐生と靖子だけは見逃してくれと斎藤に頼むが、斎藤は「そうはいかねえ」と一蹴し、自分たちは所長の命令で靖子を捕まえに来たから、靖子は見逃すわけにはいかないと言った。これを見て話し合いは通じそうにないと判断した桐生は、浜崎に靖子を任せると、斎藤たちに向けて一歩大きく進み出る。「悪いがあんた達の相手はこの俺だ。俺はそこまでヤワにできてねえ。殴り甲斐があるぜ」と、桐生が啖呵を切ると、「あんたには用はねえ。さっさとくたばってもらうとするか……やれっ!!」と、斎藤は傲然と鼻を鳴らした後、刑務官たちを桐生にけしかけた。それから大乱闘の末、桐生は斎藤たちを返り討ちにし、浜崎と共に靖子を守り切った。そこで浜崎は靖子を桐生に託し、「お前たちは先に行け。後の処理は俺がやる……一刻も早く冴島の所へ」と言った。そして理由はわからないが靖子も命を狙われていると浜崎が言うと、桐生は靖子に自分も一緒に神室町へ行くと申し出た。それに浜崎が、遥たちを裏切るようなことをさせてしまってすまないと詫びると、「俺はお前に頼まれてするわけじゃない。神室町へ行くのは俺の意思だ」と、桐生は言った。そして靖子は浜崎に「兄にあなたのような親友がいたこと、誇らしく思います。兄には必ず、あなたのことを伝えます」と、深々と頭を下げ、桐生と共にビルを後にした。その直後、浜崎は急に視界が朦朧としだし、うつぶせに倒れた。見ると浜崎の背中に、赤い血のシミが大きく浮き出ていた。刑務所を脱獄する際、斎藤から冴島をかばった時に受けた傷が開いてしまったのだ。「俺も……ヤワに、なっちまったみたいだな……」と、自嘲気味に笑った後、浜崎は意識を失った。

神室町へ戻るや否や、警察に逮捕され連行されていく戦友・真島の姿を目撃する桐生。

宗像と密談している大吾。大吾は東城会の立て直しの協力と引き換えに、宗像に真島を引き渡す取引をしたのだ。

上野誠和会の襲撃を受けた賽の河原。そこでは葛城に捕らえられた冴島の姿があり、さらに城戸の姿もあった。

連れ去られた靖子を追って下水道に入った桐生。そこで秋山と谷村と出会い、彼らに敵と誤解されて一戦を交える展開となってしまう。

その後、靖子を連れて神室町へと戻った桐生は、馴染みのバーで自分の活動の拠点であるニューセレナへと向かった。そこで協力者のひとりで元刑事の新聞記者である伊達真と再会し、彼に靖子を任せた後に冴島の行方を追うべく単独で神室町の探索を始めた。その矢先、桐生はミレニアムタワーの前に大勢の野次馬と報道陣の人間が集まっているのを目撃する。何事かと思って見に行ってみると、ミレニアムタワーの中から手錠を嵌められた真島が現れ、警官たちにどこかへ連行されていこうとしていた。「真島の兄さん……!? 何があったんだ?」と、桐生が呼び止めると、真島は桐生に気づき、彼を振り返って「うまいことハメられてしもた……これでしばらくは身動きが取れへん」と溜め息をついた。そのハメた人間は誰だと桐生が問うと、真島は大吾の名前を答えた。それに桐生が愕然となると、「急げや桐生ちゃん。全部の事件は繋がっとる。このままやと、俺らの東城会が潰されてまう……それに、今は靖子ちゃんが危ない。お前しかおらん。後は頼んだで……」とだけ真島は桐生に言い残し、警官たちに連行されていってしまった。同じ頃、東城会本部の会長室で、大吾が宗像と会っており、そこには新井の姿もあった。真島を逮捕したという部下からの報告を電話で聞いた宗像は、「あなたのおかげで真島を逮捕することができましたよ。これで真島組の邪魔は入らない。感謝します」と、大吾に言った。そして宗像は上野誠和会の打倒と東城会の立て直しの協力と引き換えに、自分の部下である新井を東城会の若頭に据えて警察との窓口に置く形で、自分との協力関係を結ぶよう大吾に要求した。しかし大吾は重苦しい表情をするばかりで、その要求に対する答えを出すことはなかった。そしてまた同じ頃、賽の河原で、上野誠和会の構成員に拘束された冴島が葛城と対峙していた。「25年ぶりの再会だな……冴島。歳は取ったが、その目は変わらないな」と、からかうように会釈してくる葛城に、「何でお前が……ここにおるんや? 俺のこと拉致して何になるんや!?」と、冴島は叫んだ。葛城は意味ありげな笑いを浮かべながら、自分は冴島を殺すつもりはなく、冴島にはまだ生きていてもらうとはぐらかした。それに対して冴島は「どうせ殺すんやったら……早よやれや。25年前のあの日、18人も殺した時から覚悟はできとる!」と、威勢を張るが、葛城はその冴島の威勢を笑い飛ばした。何がおかしいと気色ばむ冴島を面白そうに見つめながら、葛城は囁くようにしてこう言った。「あの25年前の事件、俺なんだよ……18人殺したのは。お前は誰ひとり殺すことすらできなかった、ただの間抜けだ」その葛城の告白に冴島がどういうことだとさらに気色ばむが、そのことは後でゆっくり教えてやると葛城はまたはぐらかした。それから葛城が、最初は宗像と共謀して神室町ヒルズを奪うつもりでいたが、その目論見を新井に狂わされたと言った。城戸の兄貴分である新井の名前が出てきたことに訝しげになる冴島だが、葛城はその冴島の疑問に答える様子はなく「まあ事情はゆっくり話すとして……アンタと、アンタの妹さんには、また協力してもらうよ」と、挑発するように言い放った。それに冴島は「妹やと……!? お前、靖子をどうするつもりやぁっ!!?」と怒りを爆発させ、葛城に食ってかかろうとするが、構成員に押さえつけられてしまう。その冴島の威勢に肩をすくめながらも葛城は、冴島と靖子は自分たちの生命線だから殺しはしないし、冴島たちと例の書類と軍資金さえ手に入れれば宗像にもう用はないとさらにからかうように言った。そんな葛城を冴島がさらに睨みつけていると、どこからか靴音が聞こえてきて、その場にひとりの白いスーツを着た男が現れた。その男の姿を見て冴島が目を疑う中、葛城は男に向かって「どうだ? 金の方は準備できたのか?」と、言った。その葛城の問いに頷いて「スカイファイナンスの隠し金庫にあった現金1000億……無事、強奪に成功しました」と答えたその白いスーツの男は、城戸だった。
その頃、「靖子が危ない」という真島の言葉が気になって、ニューセレナへ急いで戻った桐生だったが、店内に靖子の姿はなく、あるのは倒れている伊達の姿だけだった。桐生が伊達に駆け寄り、何があったのか尋ねると、店のカウンターに置かれていた酒を靖子と共に飲みながら話をしていた途端、急に意識が遠のいて、気がついたら靖子がいなくなっていたと伊達は言った。桐生は誰かが店の酒に睡眠薬を仕込んで伊達を眠らせ、その隙に靖子を連れ去ったのだと踏んで、すぐさまニューセレナを飛び出した。その矢先、秋山と谷村と一緒にどこかへ走っていく靖子の姿を桐生は目撃する。後を追っていくと、靖子たちがとある公園のマンホールの中へと入っていくのが見えた。そこで桐生も後を追って、マンホールの中にある地下道へと入り込んだ。そして、下水道を靖子と共に先に行く秋山と谷村は、「待て! 誰かいるのか!?」と、後を追ってきた桐生の声を聞いて、上野誠和会か宗像が差し向けた追手が来たと踏んだ。そこで谷村は護身用として拳銃を靖子に手渡し、下水道の奥にある賽の河原へ彼女を行かせた後、秋山と共に足止めを買って出た。そこへ桐生が追いついてきて、秋山と谷村と対峙する。「上野誠和会のヤツか? それとも、宗像の使いのヤツか?」と、桐生に尋ねる谷村。しかし、話が見えない桐生は、靖子はどこに行ったと二人に尋ね返す。それに秋山が「リリちゃんならとっくに行っちゃったよ」と、下水道の奥を振り返る。驚いた桐生が奥へ向かおうとするが、秋山と谷村がその行く手を阻む。ますます話が見えず困惑しながらも、自分は靖子を守る必要があると桐生は二人に言った。だが桐生の事情を知らない秋山と谷村も、彼を靖子を攫いに来た追手だとさらに疑い、道を開けない。そうして互いを疑い合うあまり事情を理解できない桐生、秋山と谷村は、ついに話し合いは無駄だと理解して拳を握り合った。「……説明は後回しだ。お前らは悪いヤツには見えないが、少し痛い思いをしてもらうぜ」と、桐生が啖呵を切ると、秋山と谷村は二人がかりで桐生に挑みかかってきた。激しい戦いの末、桐生は秋山と谷村をひとりで圧倒し、これを突破したのだった。そして桐生が賽の河原へ向かうと、そこには傷だらけのサイの花屋がいて、その周りには彼の部下たちが倒れていた。「来んのが遅いんだよ……桐生……」と、駆け寄ってくる桐生に向かってそう吐き捨てる花屋。そこへ回復して後から追いついてきた秋山と谷村も、辺りの様子に愕然となりながらも、花屋と桐生に靖子はどこだと尋ねる。それに花屋がこう答えた。「連れて行かれちまったよ……葛城、それに……城戸ってヤツに」その花屋の答えに秋山が誰よりも驚き、事態の展開についていけない谷村は、一体何がどうなっていると舌打ちした。

桐生は早速、浜崎から受け取った書類を、冴島と靖子と1000億円とで交換する取引を持ちかけるが、葛城は「伝説の極道ってのも、交渉事は不得意なようだな」と一蹴する。

屋上に辿り着いた桐生を待ち構えていた葛城と城戸。葛城は最初から桐生の取引に応じるつもりはなく、自分の部下全員を捨て駒にしてまで弱らせた桐生の始末を城戸に命じた。

桐生ではなく、なんと葛城に銃口を向けた城戸。驚きを隠せない葛城めがけて、城戸は躊躇いもなく引き金を引く。

新井の突然の凶弾に倒れる城戸。その後何の言葉もなく新井に昇降機を下げられ、その中の1000億ごと姿を隠されてしまった。

その後、秋山と谷村と和解した桐生は、二人を連れてニューセレナに戻った。また、スカイファイナンスに戻った秋山によると、店の本棚の向こうにある隠し金庫にあったらしい1000億円が全部奪われてしまったという。これまで頑張ってコツコツ貯めた金が奪われたのと、親友同然の付き合いだった城戸が葛城と繋がっていたことが信じられず、秋山はがっくりくる。だが一方で、秋山は桐生に出会えたことを喜んでいた。実は秋山がホームレスになって路頭に迷った頃があの「消えた100億事件」が起きたのと同じ時期で、桐生と神宮の死闘に決着がついたのと同じ頃に起きたミレニアムタワーでの爆発で、100億がばらまかれた際、秋山はそのばらまかれた金を必死に集めてホームレスから這い上がり、金貸しの職業にありついて人生をもう一度やり直せたというのだ。そんな奇妙な運命の巡り合わせに胸を打たれるものを感じた後、桐生は冴島と靖子、1000億円を取り戻すべく秋山と谷村との共闘を決意。そこで桐生は、浜崎から渡された書類を秋山たちに見せ、この書類には襲撃事件における上野誠和会との取引も含めた警察内部の全ての不正が書かれていると言った。ゆえに葛城や宗像が喉から手が出るほど欲しがっており、これなら葛城と取引ができると桐生は言い、谷村の携帯を借りて、その着信履歴を辿って葛城に連絡を取った。電話の向こうで連絡してきたのが谷村ではなく桐生だということに「これはこれは……驚きです。それで、私に何か用でも?」と、葛城はおどけながら応じた。桐生は早速、浜崎から受け取った書類を渡す代わりに、冴島と靖子とスカイファイナンスの1000億円を返す取引を持ちかけるが、葛城は「そんな取引じゃ俺は動かない」と一蹴する。そこで葛城が提示した条件は、「今夜22時に取引場所である神室町ヒルズの屋上まで桐生ひとりできて、その屋上までの道中で桐生には上野誠和会の構成員全員と戦って倒してもらう」というもので、その条件ならば例の書類を冴島と靖子と1000億で取引する。つまり桐生の余力を削げるだけ削いで、自分にも有利な状況で取引をするというものだった。これに桐生は従うしか他になく、葛城からの挑戦状と見て取れるその条件を呑んで、例の書類を手に神室町ヒルズへと向かった。
そして神室町ヒルズの各所で、葛城が用意した大勢の上野誠和会構成員との激闘を繰り広げ、その全てを打ち倒した桐生は、葛城と城戸、そして囚われの身の冴島と靖子が待ち、アタッシュケースの山に収められた1000億円が置かれた屋上へと辿り着く。「まさか本当にここまで来るとは。伝説の極道ってのはこういうもんなのか」と、葛城は鼻を鳴らしながらも、条件通りここまで辿り着いた桐生との取引に応じた。最初に城戸によって靖子が解放され、続けて桐生が城戸に書類を渡した。そして葛城が書類の中身を確認し次第、冴島と1000億を解放する流れとなるはずだったが、そこで城戸が突然拳銃を引き抜き、桐生と靖子に向けてきた。驚きを隠せない桐生と靖子に、「おめでたいヤツらだ……! まさか本当に生きてここから帰れると思っていたのか、あぁ!?」と、葛城が傲慢に高笑った。葛城は最初から桐生との取引に応じるつもりはなく、部下全員を使って桐生を弱らせ、取引に応じるふりをして彼をここで葬り、書類も奪うつもりでいたのだ。勝ち誇った葛城が城戸に桐生を撃てと命じた時、城戸はなんと葛城に銃口を向け、その引き金を引いた。突然の事態の急変に驚きを隠せず、その場に崩れ落ちる葛城。「どうして……?」と、葛城が問うた時、城戸は拳銃を投げ捨て、1000億のアタッシュケースを載せた昇降機を下げて「こういうことです」と葛城に言った。その昇降機の向こうから現れたのは、新井だった。新井の登場に目を見張る葛城と冴島と靖子。それを尻目に城戸は、新井に書類を手渡した。「さすが俺の兄弟分だ。良くやったな、城戸」と、新井はそう褒めながらも、なんと城戸に向けて拳銃を発砲した。今度は城戸が事態の急変に驚きを隠せず、新井の名を呼びながら昇降機の上に崩れ落ちた。そして新井は城戸に一瞥もくれず、もう役目は終わったとばかりに昇降機のボタンを押して、城戸と1000億が乗った昇降機を降ろしてしまった。「お前……自分が何をしているのか分かってんのか? お前は今、自分の兄弟を裏切ったんだぞ!」と、桐生が問うと、「分かってます。十分なほどにね」とだけしか新井は答えず、その場を去ろうとする。その新井の後ろ姿に桐生は「東城会はお前にわたさねぇ。何があろうと、俺が食い止めてやる……!」と呼び止めるが、新井は振り返って「……遅すぎるんですよ。あなたはいつも、遅すぎる。だからこうなるんです」と言い返し、書類を手にしたまま悠々と歩き去っていった。

最後の悪足搔きとして、冴島に向かって銃撃する葛城。

葛城の悪足搔きの銃撃から、身を挺して兄をかばう靖子。

最後まで悪足搔きを続けようとする葛城に、谷村から渡された拳銃でとどめを刺す靖子。今まで自分の手駒として使い続けた彼女に葬られるという、因果応報の最期を葛城は迎えた。

葛城にとどめを刺した直後、靖子も眠るように冴島の腕の中で息を引き取った。

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