月刊少女野崎くん(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『月刊少女野崎くん』とは橘いづみによるラブコメ4コマ漫画作品及び、それを原作としたアニメ作品である。少女漫画家の野崎梅太郎とアシスタントの佐倉千代を中心に繰り広げられる勘違いコメディ作品だ。高校生活と漫画執筆という離れた2つのジャンルがうまくミックスされた独自の世界観が魅力である。物語は佐倉千代が野崎梅太郎に愛の告白をするシーンから始まるが、気がついたら野崎梅太郎の漫画のアシスタントになってしまう。各キャラのボケとツッコミの入れ替わりが激しいテンポの速さが視聴者を引き込む作品である。

『月間少女野崎くん』の概要

『月間少女野崎くん』とは椿いづみ原作の4コマ漫画作品で『ガンガンONLINE』(スクエア・エニックス)にて2011年8月25日より連載している。月2回(第2、第4木曜日)更新。単行本は2021年2月20日までに12巻が刊行されている。単行本は2018年8月時点で700万部を突破している。2014年7〜9月にはアニメ化し動画工房の制作により全12話が放送された。
浪漫(ろまん)学園に通う佐倉千代は勇気を振り絞り、片想いをしている隣のクラスの野崎梅太郎に告白をする。実は野崎は男子高校生でありながら女性漫画雑誌に連載を持つプロの漫画家というもうひとつの顔を持っている。千代の告白は野崎に愛の告白ではなく、ファンとしての告白と勘違いをされてしまい野崎に自身のサインを手渡されてしまう。野崎の勘違いは解消されず、千代の片想いは継続される。その後、野崎に千代の美術部としてのベタ塗りの技術を買われ、アシスタントとして野崎と漫画の仕事を手伝うようになる。無愛想で漫画の題材探しにしか興味のない野崎の数々の一般人離れした言動に振り回されながらも、千代は持ち前の社交力で野崎のアシスタント仲間や出版業界の関係者と親睦を深めていく。千代は野崎と過ごす時間が増えたが、野崎が自分をどう思っているのかわからずに悶々とする日々が続いてく。野崎が連載している『恋しよっ♡』のヒロインのマミコの外見のデザインは実は千代が参考にされているが、千代本人には明かされていない。『月間少女野崎くん』の作品としての魅力は勘違いコメディにある。互いの認識の違いから発言内容を勘違いし、思わぬ方向へ物語が転がる展開と、各キャラのボケとツッコミの入れ替わりが激しいテンポの速さが視聴者を作品に引き込む。

『月間少女野崎くん』のあらすじ・ストーリー

佐倉千代と野崎梅太郎

TVアニメ第1話冒頭、佐倉千代が野崎梅太郎へ告白するシーン。

浪漫学園(ろまんがくえん)に通う高校2年生のヒロインの佐倉千代(さくら ちよ)は、隣のクラスの野崎梅太郎(のざき うめたろう)に勇気を出して告白する。しかしあまりの緊張に佐倉は野崎に「好きです」ではなく、「ファンです」と言ってしまう。野崎は何を思ったのか、色紙を取り出すとサインして佐倉に渡した。ファンとは言ったがそうではなく、異性として好きだということを何とか佐倉は伝えようとするが、野崎の勘違いは進んでいく。野崎はその場で佐倉を家に誘って連れて行くと、原稿用紙を手渡して指定の箇所にベタ塗りをするように言った。佐倉はワケがわからなかったが、とりあえず野崎の指示通りベタを塗る。4時間作業をした帰り際に、佐倉はようやく野崎が漫画家であることに気がついた。野崎は月刊誌で少女漫画を連載している今をトキメク売れっ子漫画家・夢野咲子(ゆめの さきこ)だったのだ。野崎は前から美術部員である佐倉の塗りの上手さに目をつけていたという。

こうして佐倉は野崎のちょっとした勘違いから、ベタ塗り担当アシスタントとして漫画製作を手伝うことになる。佐倉は野崎や野崎のアシスタントを通して、個性豊かな生徒達と交流を持つようになっていくのだった。

広がる佐倉の交友関係

最初に出会ったのが、少女漫画に欠かせない可愛らしい花・小物・効果を担当する御子柴実琴(みこしば みこと)だった。目つきがやや鋭いイケメンである御子柴に佐倉は怯えたが、御子柴が少し怖い見た目とは違って、意外と女子っぽい性格をしていることから徐々に仲良くなっていく。佐倉が野崎を好きなことに気づいており、なんだかんだ2人のことを気にかけている。

今度は佐倉が野崎に友達を紹介した。野崎は自身の漫画に登場させるキャラクターを身近な人物たちをモデルにして描いているからだ。佐倉が紹介したのは同じクラスの瀬尾結月(せお ゆづき)という女の子。顔はかわいいのだが、靴下を履かないなどガサツな面が目立ち、どうしようもなく場の空気や人の気持ちを読み取れない。

佐倉はある日御子柴を通して「学園の王子様」の異名を持つ鹿島遊(かしま ゆう)と出会う。スラッとした長身の、中性的な顔立ちをしている鹿島は、異名は「王子様」だが実は女子である。制服も普通に女子の制服を着ているにも関わらず、溢れ出る王子様オーラで周りの女子生徒を魅了する。

そんな鹿島は演劇部に所属しており、3年生に堀政行(ほり まさゆき)のことが大好きだ。堀のほうも鹿島の演技力に惚れ込んでおり、さらに鹿島の顔が一番カッコいいと可愛がっている。しかし二人の”好き”には恋愛要素はない。堀にはよく部活をサボる鹿島を力づくで部活に連行するなどバイオレンスな面もある。ちなみに堀は野崎のアシスタントをしており、背景を担当している。

野崎はある日体育館でバスケットボールの練習をしている若松博隆(わかまつ ひろたか)に会う。野崎は中学生の時バスケットボール部で、若松は後輩だった。犬のように人懐っこい性格の若松は野崎にとても懐いており、ひょんなことから野崎のアシスタント、主にトーンを貼る仕事や消しゴム掛けを任されるようになる。

野崎が漫画家であることを知らない瀬尾、鹿島。野崎のアシスタントをしているのに、お互いがアシスタントをしていることを知らない御子柴、堀、若松。野崎と佐倉をきっかけに出会った個性豊かな面々がお互いに勘違いに勘違いを重ねて、恋愛したり、青春したりしながら物語が進んでいくのであった。

佐倉の恋のゆくえ

TVアニメ最終話で夏祭りの花火大会を一緒に見る佐倉(左)と野崎(右)。

佐倉が野崎を好きなことは、ほぼ周りの人間全てが知っている。佐倉の野崎に対する態度を見ていれば、すぐに好意がわかるのだが、その好意を向けられている野崎だけは一向に気が付かない。佐倉は瀬尾や鹿島、周りの人間に助言をもらいながら、野崎の気を引こうと頑張るが、それでもやっぱり野崎は気づかない。

佐倉は入学式の日、遅刻をした。そこで締め切り明けの野崎に出会う。野崎は寝不足で頭が朦朧としている中、門が閉まって学校に入れないでいる佐倉を助けた。野崎はその時の佐倉とのやり取りを覚えていなかったが、お礼を言って佐倉が去っていく後ろ姿が脳裏に焼き付いていた。その佐倉の後ろ姿が、野崎が月刊誌で連載している『恋しよっ♡』のモデルになっているのだが、それについては誰も知らない。

いつまで経っても野崎が佐倉の思いに気づくことはないが、たまに「一緒に帰りたかっただけ」など、佐倉を意識している発言をすることがある。佐倉の恋が本当にゆっくりだが、徐々に進展していることを表している。

堀と鹿島の関係

鹿島のイケメンすぎる顔が大好きな堀。そしてそんな堀を大好きだと豪語する鹿島。お互い”好き”だが、そこには前述した通り恋愛感情はない。

ある時鹿島が女装することになり、そのトータルコーディネートを堀が担当した。鹿島は元々女性なので女装というのは少し不適切かもしれないが、ショートカットと周りからの王子のイメージが強くてスカートの制服を着ていても”女子”というかんじがしない。だがセミロングのウィッグをかぶり、ヘアアレンジやメイクも全て掘がやった結果、”女子”に変身することに成功する。堀はそこで一人の後輩に、「ああいうのが先輩の好みなんですねー」と言われる。堀はただ鹿島に似合うようにアレンジしただけだと弁解した。しかしその後輩が続けて言う。「先輩の一番好きな顔を好きなように作ったアレが 一番好みのタイプってことじゃないんですか?」と。

そのことをきっかけに堀が女性としても鹿島が好みであることを自覚。もともと大爆発していたお互いの”好き”が恋愛感情に変わり、二人は相思相愛になった。ただ相変わらず堀は鹿島にバイオレンスな面があるのは変わらなかった。

若松と瀬尾の関係

TVアニメ第10話でデートに行く瀬尾(真ん中)と若松(左)。

若松はバスケットボール部に時折現れる瀬尾のことが苦手だった。しかし瀬尾は若松のことを気に入っており、何かと若松に構ってくる。瀬尾は若松のことが好きなのだが、人とズレた性格から好意の伝え方がわかりづらく、天然な若松はそれを嫌がらせだと受け取っていた。若松はそのストレスから不眠症へとなってしまう。

ある時、若松が野崎の家で漫画の製作作業をしている時、佐倉が持ってきていた瀬尾の歌った曲をかけてしまった。野崎の家はBGM持ち寄り可なので、佐倉が瀬尾に歌ってもらった曲を以前持ち込んでいたのだ。瀬尾は声楽部に所属しており、学園内では「声楽部のローレライ」と呼ばれるほど美しい歌声の持ち主だった。嫌いな瀬尾の歌声をかけてしまい、野崎は若松に謝ろうと振り返る。しかしそこには瀬尾の歌声に癒やされて寝落ちした若松の姿があった。

これをきっかけに若松は誰ともわからない「声楽部のローレライ」に恋をする。大好きなローレライの正体が大嫌いな瀬尾だということを若松は知らない。もともと若松が好きな瀬尾は、ローレライと自分が同一人物であることを知らない若松の様子を楽しんでいた。十分すぎるほど若松をからかった瀬尾は自分がローレライであることを若松に明かそうとするが、普段の自分勝手で空気を読まず、人の不幸を楽しむ性格の瀬尾が言ったところでそれは信じてもらえなかった。瀬尾は自分がローレライであることをなんとか若松に知ってもらおうと奮闘するが、若松は若松で天然なので気づかない。瀬尾の正体がローレライだと若松が知る日はまだ遠い。

『月間少女野崎くん』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

野崎梅太郎(のざきうめたろう)

CV:中村悠一(アニメ版)/安元洋貴(ドラマCD)

本作の主人公で高校2年生。無愛想な男子高校生だが、少女漫画家の「夢野咲子」として女性誌で連載を持つ、売れっ子漫画家というもうひとつの顔を有する。身長190センチで無愛想な見た目に反して、繊細な心理描写に定評がある。しかし自身に関わる恋愛感情を察知することは苦手な様子。やや天然な気質があり、漫画の執筆や日常会話で一般人と少しズレた言動がある。その度、千代をはじめ周りの人にツッコミを入れられる。仕事一筋で学校やオフの日でも漫画の題材探しを行うほど。常に漫画のことを考えているため感情表現は少ないが、内面での感情は豊かな人物として描かれている。学業と漫画家を両立するために父親を説得し学校近くのマンションでひとり暮らしをしている。母親の手伝いをしていることもあり料理上手で、みんなに弁当を作ってきたこともあり千代曰く自身より上手らしい。プロの漫画家であるが、背景を描くのが苦手で堀政行に頼ることが多い。中学時代はバスケ部に所属しており若松博隆は当時の部活の後輩である。

佐倉千代(さくらちよ)

CV:小澤亜季(アニメ版)/西明日香(ドラマCD)

本作のメインヒロイン。ツッコミ役がが多いが時折ボケることもある。身長145センチ。隣のクラスの野崎に片思いをしている。頭の両側に赤い水玉模様のリボンがトレードマーク。野崎に告白するが「ファンです」と言ってしまい恋愛ではなく、漫画のファンと捉えられてしまう。その後は野崎のアシスタントとなりベタ塗りを担当する。無邪気で社交的な性格だが全体的にどんくさい。野崎への片想いが長く野崎が使用したストローやチョークを収集するといったストーカー気質を時折見せるが、周りの人に指摘されるほどではない。野崎のアシスタントをしていくうちに、野崎が行き詰まった時に最初に相談されるような右腕的なポジションになっている。そのため野崎に「佐倉に逃げられたら一番ショックかも」と言わせたこともある。美術部に所属しており、メインは水彩画。追加の設定で弟がいることになったがアニメでは未登場。

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