耽美系オールジャンル漫画『パタリロ!』のメインキャラ

ギャグ、オカルト、ミステリー、アクションに落語…あらゆるジャンルを耽美的に描く『パタリロ!』。どんな状況であろうとも決して崩れることのない強い個性、キャラクターの中でも主要キャラをご紹介します。こってり濃ゆい印象、なのに何でか癖になるのがこの作品の凄い所です。

アフロ18:最初の恋人ロボット。「ビー」という電子音しか発せず、食事もとれないプラズマを軽視し相手にしていませんでしたが、彼が偶然見つけた恐竜と仲良くするあまりやきもちを焼いたことも。結局結婚に至り「子供」を授かってからは、厳しくも優しいママになりました。パタリロを恨む組織ピョートル大帝の策によって、金属にだけ付着するカビが全身に回り「死亡」。娘のプララと喧嘩したままでしたが、「本当はママが大好きだった」という謝罪を聞き、二コリと笑って亡くなります。両手から発するビームが武器。

プララ:スカンキーの作った女性型ロボットスクン1の知能回路を使用した、プラズマとアフロの娘。当初は赤ん坊の姿でしたが後に10歳ほどの少女のボディを与えられました。後述のマンドラ絡みで苦労を強いられますが、最終的に家族関係は回復しました。

αランダム:プララの「友達が欲しい」という要望で作られた「兄」です。スカンキーの陰謀で知能回路をすり替えられ当初はスカンキーの刺客として動いていましたが、「同じ者が作った知能回路を持つ以上、お前たちは実の兄妹」とのパタリロの言葉で改心。一家に加わります。プララに惚れられたこともありましたが、パタリロの策でバンコランに夢中になったことも。

エレクトラ=マンドラ:いわばプラズマの後妻。ピョートル大帝による策で、陰湿な性格をプログラミングされました。事件解決後、アフロの頭脳回路で唯一無事だった「優しさ」を植え付けられて優しい母親となり円満解決します。

「娘」のプララ。「P」の部分からビーム発射可能です。

長官

警察長官。面長の中年と言った感ですが、恐らくパタリロの周囲の中でもトップクラスの不幸な人物かと。パタリロの仕事を押し付けられる、監禁されるなど、あまりにむごい仕打ちを受けています。一時真面目かつまともな性格になったパタリロが札束を渡して家族の元に帰るように言った時も「何か企んでる」と疑うほど。それまでは「楽しんで仕事をしよう」と大荷物を頭に担いだり、遣わされた先で希望のお茶やお茶請け、夕食の内容(焼きさんま定食)を述べるといった堂々とした人物でした。

素顔は美形だったりします。家族に「長官は死んだ」との報せを届けた回もありました。

家族は妻と5人の子供ですが、長男、四つ子含め、皆長官と同じ顔。

スーパーキャット

パタリロの親友で、猫。その正体は宇宙人ならぬ宇宙猫とのこと。ある事情でスーパーパワーを手にし、悪党退治をしつつCM出演を果たすなどしてぼろ儲け。若干態度も大きくなり「よかったらそこの灰皿持っていきたまえ」とのたまうようになりました。一度人間に恋をし、パタリロの力で人間となったこともあります。「スーパーキャットに戻ったら、二度と人間になれない」という条件付きでしたが、彼女の飼い猫を救うために恋を捨てるのでした。

間者猫

スーパーキャットの兄です。その名の通り諜報員。報酬は鰹節500本。いわゆる冷戦の後フリーの間者としての仕事がなく身を持ち崩したことも。調子に乗るのは弟同様らしく、スイスで格闘試合に出場し、勝ち上がるたび傲慢になって美女猫を侍らせ豪遊。結局優勝には至らなかったものの格闘技戦の中身に着けた整体術を駆使してマリネラの鉱山で整体師をしています。

スーパー・キャット、間者猫ともに吹き出しなしで話します。

ジャック・バンコラン

第一話でパタリロの護衛を仰せつかった、イギリスはMI6の凄腕捜査官。階級は少佐。世界の優れた諜報員、殺し屋ほど彼を敵に回すことを避け、「あいつのスポンサーは死神」「バンコランの恨みを買うことは自殺行為」と表現します。黒髪長髪の絶世の美貌の主ですが、それだけにとどまらない魅力を持ち、若い青少年を虜にする「美少年キラー」。狙った美少年を必ず「仕留める(惚れさせる)」眼力を持ちますが、女性には効かないようです。何故なら「女性には興味がない」から。容姿と能力のため、モテることはモテます。職場の女性陣の熱い視線を一身に受けながら全く意識すらせず、押し付けられたラブレターは職場の「未処理書類」の棚に放り込んでいました。食事にも興味を持たず、「エネルギーが取れればいい」との考えのようで600gのステーキをワインで流し込むなど偏食家。一人暮らしをしていた時はワインを朝食代わりにし、その後もアルコール飲料で「エネルギー補給」をする場面が見られます。。野菜は嫌いだそうです。ついでに言うとヘビースモーカー。パタリロやタマネギが彼の一日を監視した際「一日に100本は吸うんじゃないか」と推測されていました。

真面目な顔で面白いことを言います。「パタリロが繊細だというなら、ナウマンゾウは神経衰弱で絶滅した」など。

マライヒ(男性)とは愛人関係にありましたが、子供も生まれたため事実婚状態です。それでも美少年に目をつけナンパをしては、マライヒからの制裁を受けるのが一つのパターン。第一話よりパタリロにとって格好のいじり相手でしたが、美少年関係でもよくおちょくられます。本人たちは否定していますが、周りからは「いいコンビ」と称されることも。「バルバロッサ」というミドルネームがありましたが、母やバンコランを愛人にしたがっていた初老男性に呼ばれていたこともあって名乗ることはありません。「5万ポンドを母に与える代わりに」自分の身を犠牲にして、逃げ出した矢先にグローブナー将軍に拾われてMI6入りした模様。殺人許可証を所持しています。

『西遊記』での役割:盤古羅漢(ばんこらかん)というオリジナルの羅漢の役で登場。相変わらずの美少年好きで、劇中の美少年キャラを次々篭絡。「自分が盤古羅漢の恋人」と主張する哪吒三太子と紅孩児をうまくなだめるなどプレイボーイぶりを発揮。マライヒ演じる三蔵法師には深い恋愛感情を抱くのですが、それは彼が師匠である全禅老師(初恋の相手のようです)の生まれ変わりだから。

『源氏物語』での役割:光源氏役。恋愛対象が女性に変わったことに異議を唱えるファンもいましたが、他の部分は『パタリロ!』本編と基本変わらないようです。波多利郎の名を聞いた途端錯乱し、「何か前世で因縁があったのかもしれない」と呟いていました。

マライヒ・ユスチヌフ

元殺し屋。少年時代より殺し屋としての才能の片鱗を見せ、訓練を受けてきました。当初は敵として登場するものの、色々あってバンコランの愛人に。バンコランやパタリロと協力して作戦に当たることもあります。容姿が女性的であるため女装をしても全く違和感がなく、登場時も女装していました。バンコランの浮気癖に悩まされており、「人のやきもちで首を吊る」という表現をされるほど嫉妬深い性格に変貌。過去の恋愛関係でさえ怒り狂うさまも見受けられました。

殺し屋としての技術、胆力は健在で、パタリロと同等以上の頭脳を有し、パタリロでさえ解けなかったトリックを暴いたこともあります。色々な意味でバンコランの良きパートナーと言った所でしたが、完全な男性であるにもかかわらず二度妊娠。一度目は産むことができませんでしたが、二度目は帝王切開で「出産」。「ママ」としてすっかり家庭に入っています。彼自身元々世話女房型のようで、朝食をとりたがらないバンコランを説得し、こっそり抜け出された時は怒っていました。

えどまち
えどまち
@edono78

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