アルスラーン戦記の「主要戦」を徹底追跡/成長を遂げるアルスラーンの姿にも着目!

第2期/風塵乱舞が放送開始となり、ますます広がりを見せているアルスラーン戦記の世界。その主人公・アルスラーンは、若干14歳で大国の王太子から一転して敗残の兵となってしまいますが、これが新たな歴史の始まりでした。黒衣の騎士と呼ばれるパルス最強の騎士をひとり伴い、後の世に「解放王アルスラーン」と呼ばれる事になるひとりの少年の逆転劇は、幕を開けるのです。

そもそも「アルスラーン」とは?

栄華を極めたパルスの王太子にして、国王アンドラゴラス三世が長子。
初陣であるアトロパテネの敗戦から逃れ、ダリューン、ナルサスらとともにルシタニアに奪われた王都エクバターナの奪還のため動き出す。
物語当初は若さゆえ頼りない一面もあったが、生まれ持った感性や様々な出会い、一癖も二癖もある部下に鍛えられ、王としての能力を開花させてゆく。

出典: dic.nicovideo.jp

※ここでの「主要戦」の状況は、TVアニメ版に準した物になります※

arslan.jp

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全ては、この敗戦から始まった。「アトロパテネの戦い」

パルス歴320年。
西北方・マルヤム王国を侵略せしめ、パルス国土に侵攻してきたルシタニア軍と、それを撃破せんとするパルス軍の戦い――後の世に言う「アトロパテネの戦い」が、幕を開けます。
剛勇の国王・アンドラゴラス3世が率いるパルス軍は、無敗を誇る最強軍隊。
対するルシタニアは長らくの遠征で兵力を消耗しきっており、パルスの地理にも不利。尚且つ数で劣っていたが故に、パルス軍の勝利は確実と思われていました。

しかし、事態は一変します。
突如戦場を覆った視界も利かぬ程の濃霧と、万旗長・カーラーンの裏切りが、パルス軍を混乱に貶めていったのです。
至るところに張り巡らされたルシタニアの罠よって、壊滅状態に陥るパルスの前軍…。
これを受けたアンドラゴラスは王都への撤退を決断しますが、その道中で彼の身柄は事実上の行方不明となります。

双軍に多大な戦死者をもたらしたアトロパテネの戦い。
揺るぎない勝利を信じられていたパルスは最悪な形での大敗を喫し、これより暗黒の時代に突入していくのでした。

ちなみに、この時のアルスラーンはというと…

アトロパテネの戦いは、齢14を迎えたアルスラーンの初陣でもありました。

凄惨を極めた前軍から辛くも逃げ延びたアルスラーンでしたが、そこでルシタニア兵を率いるカーラーンと対峙する事になります。
忠臣だと思っていたカーラーンの裏切りに、アルスラーンは衝撃と悲しみを隠しきれません。
ヴァフリーズに鍛えられた剣技によって何とかその場を持ち堪えていたものの、戦場慣れしていないその姿は、いつにも増してひ弱で、頼りなく…。

颯爽と現れたダリューンの登場により、アルスラーンはカーラーンの凶刃から逃れる事に成功しますが、大敗に終わった初陣の疲労は肉体的にも精神的にも彼を追い詰めたようでした。

味方5人、敵1000人「裏切りの騎士・カーラーン軍との戦い」

ナルサスの策により、カーラーンの軍勢を北の山岳地帯へ誘い込んだアルスラーン一行は、ファランギースとギーヴを新たな仲間に加え、闇夜に紛れて作戦を開始。
まさか敵が6人だけだとは思いもしないカーラーンの軍勢は、姿の見えぬアルスラーン一行の奇策に恐怖し、翻弄されて徐々に統率を失っていきます。

「ダリューンだ!!万旗長ダリューンが突っ込んで来るぞ!!!」

混乱に乗じてエラムが放ったこの言葉がトドメとなり、撤退していくカーラーン軍の兵士たち…。
カーラーンだけが怯む事なく馬を駆って断崖を駆け上がり、アルスラーンに一刀を浴びせようとしますが、そこへ黒衣の騎士・ダリューン立ち塞がります。
かつて共に戦場を駆けた2人の万旗長は、敵同士となり、激戦を繰り広げたのです。

しかし、不幸に見舞われたカーラーンは戦いの最中に死亡。
アルスラーンの一行は見事6人で1000の軍勢に勝利しますが、この戦いによって得られたのは、国王アンドラゴラスが存命している事と、彼が正統の王ではない――つまり、アルスラーンがパルス王家の正統の後継者ではない、という2つの情報で…。

この時のアルスラーンはというと…

カーラーンとの対峙を控え、緊張を隠しきれない様子のアルスラーンでしたが、覚悟を決めて敵軍の前に姿を現します。
殺到するカーラーンの兵達に向かい、エラムから借り受けた弓矢で応戦するアルスラーン。
その腕前は見事な物でしたが、やはりアルスラーンの表情には緊張と恐れが入り混じり、時には死角から現れる敵兵に不意を突かれて危険な場面に陥ることも…。

アトロパテネの戦いよりは度胸が据わっていたにしても、この時点では”仲間の助力を得て無傷で戦況を掻い潜るのがやっと”という印象が強かったですね。

味方1万、敵5万「シンドゥラ(ラジェンドラ)軍との戦い」

パルス歴320年、12月。
王位継承問題の最中にあるシンドゥラ国第2王子・ラジェンドラは、第1王子に先んじて武勲を立てるべく、パルス王太子の首を討ち取らんと、弱体化したパルス領土に攻め入ります。

東方国境の要であるペシャワール城にあったパルス軍1万は、5万から成るラジェンドラ軍に応戦しなければなりません。
出陣の中にあって、「少数の兵で大軍を破るのは邪道ではないのか?」というダリューン。
しかし、天・地・人の3つの理を全て犯しているシンドゥラを相手取り、ナルサスはパルス軍の勝利を確信していました。

ますは「天」の利。
南国のシンドゥラで生まれ育った敵軍にとって、雪降るパルスの現在の気候は行動を鈍らせます。
次に「地」の利。
見ず知らずの敵地に乗り込んだラジェンドラ軍に対し、パルス軍は地形を詳細に把握していました。
最後は「人」の利。
王位継承問題によって第1王子軍とも敵対関係にあるラジェンドラ軍は、内部からの襲撃にも敏感になっており、暗闇の戦乱に紛れ、アルフリードとエラムが流言を流しただけで、人の和は容易く崩れ去ったのです。

こうしてパルス軍に捕らえられたラジェンドラですが、ナルサスの罠に嵌ってアルスラーンと同盟を結ぶ事に…。
ラジェンドラ軍との戦いの成果は協力関係にあり、この後両軍は共に、第1王子の居るシンドゥラ王国への出陣に動き出すのです。

この時のアルスラーンはというと…

「自分だけただ座っているだけでは皆に申し訳が立たぬ」として戦場に赴こうとしたアルスラーン。
しかし、彼は今や1万の兵を束ねる身でもありました。
アルスラーンは、戦場に出るだけが王太子の役割ではない、とナルサスに諭され、ペシャワール城で吉報を待つ事となります。

戦場で勇ましい姿を見せる事はありませんでしたが、臣下に寄り添えるアルスラーンの優しい心がまた垣間見えた瞬間でしたね。
「本当に心優しいお方だ」とダリューンが口にしたのが何よりの証拠ですし、ナルサスの助言によって、少しずつではありますが将たる者の役割を理解し、心得て来ている様にも見えました。

味方6万、敵15万「シンドゥラ(ガーデーヴィ)軍との戦い」

パルス歴321年、初冬。
チャンディガルの野にて、シンドゥラ国第1王子・ガーデーヴィ率いる15万の軍勢と、ラジェンドラ・アルスラーンの連合軍6万は、戦いを繰り広げます。
連合軍が挟み撃ちの策を講じても、数で圧倒するガーデーヴィの軍が相手では、戦況が不利なのに変わりなく…。
さらに、アンドラゴラスさえも正面から戦おうとしなかった戦象部隊を駆使するガーデーヴィ軍の猛攻を前に、ラジェンドラ軍は次第に追い詰めらていきます。

そこへ到着したのが、パルスの援軍でした。
パルス騎馬隊の柔軟な機動力と戦術、さらにナルサスの機転を利かせた策により、連合軍は戦象部隊を壊滅せしめることに成功するのです。
敵将ガーデーヴィは辛くも戦場を逃れますが、これによりラジェンドラとアルスラーン連合軍の勝利に終わります。

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