寄生獣(岩明均)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『寄生獣』とは、岩明均による漫画作品、及びそれを原作とするアニメ、実写映画。人間に寄生し、人間を食らう寄生生物。そんな生物(ミギー)が右手に寄生してしまったため、数奇な運命に翻弄されることになった泉新一。単なるモンスター物、ホラー物ではなく高度な哲学性、テーマ性が物語を彩っており、今なお根強い人気を誇っています。
後藤
田村玲子が実験で作り上げたパラサイト。曰く「か弱いが最強」。一つの体に五体のパラサイトが寄生しており、眠った状態のパラサイトを文字通り手足として使役。つまり触手の数では圧倒的に有利であり、新一、ミギーも倒せずに撤退。目や手の動きから弾道を読むことができるので銃も基本的に効きません。またほぼ全身を寄生細胞で覆ってはいますが、その鎧は完全なものではなく隙間が存在。二度目の戦闘の際はミギーと新一を別離させることになります。その後比較的緑ある山中で人間を狩って暮らしていましたが、都会の人間が捨てていく廃棄物の中から毒物の付着した鉄棒を鎧の隙間に差し込まれた上、取り込んだミギーが新一の体に戻ったために形勢逆転。毒を感知し逃げようとする他の寄生体を強制的に抑えつけ、支配下に置こうとしますが、それはいわばピンと張った綱引きのようなもの。わずかな切れ込みだけで破裂します。
出典: m-uroko.com
しぶとく生き残るものの、細胞同士が細かく飛び散りすぎたせいで完全復活は五分五分。それまで戦っていた新一でさえ哀れを感じる姿となりました。一度は天に任せると決めた新一でしたが、泣きながら露出した内臓を破壊。「この種を食い殺せ」という本能が数匹分集まり出来上がった戦闘マシンでしたが、田村玲子の言う通り、最強ながら弱いキャラクターでもありました。
三木
後藤と同じく、五体のパラサイトの統率者となれる個体。無口無表情なパラサイトの中にあってわざとらしいくらい饒舌で表情を変えるのは、餌を釣る為。しかし中々に好戦的で、新一の始末を買って出ました。ただ完全に統率できておらず、ミギーは最初三体分の脳波を感知していました。右手が定位置らしく、名前の由来も恐らくそこから。ミギーを示して曰く「皆呼び名に工夫がない」。
浦上
大量殺人鬼。普段は軽口が多く、警官を小馬鹿にするような言動もとっていましたが本性はパラサイト並みに冷酷。本人曰く「人間で遊んだ」おかげで人間とパラサイトの見分けがつくという貴重と言えば貴重な人物。実際後藤を見た途端怯えて逃げだし、「あれが人間に見えたのか?」と聞くなど、見分けの能力は高いようです。新一のことも初見からパラサイトが混じった人間と見抜いていましたが、「ただの人間」とだけ証言。掃討作戦で駆り出されますが後藤が暴れている混乱の中逃走。最終話付近で里美を人質に新一に殺人行為の正当性などを説きますが、里美から「あんたの方がバケモノ」と言われた上、新一に殴り倒されます。生死は不明。
出典: wikimatome.org
宇田守
脳以外の場所に寄生された、新一と同じ境遇の人物。離婚歴あり。ジョーに寄生されたのは、妻とよく見に行った海が望める崖の上でした。新一も呆れるほどに涙もろい人物。ジョー曰く映画が好きで、ビデオを見ては泣いているそうです。同じ境遇だからと協力を買って出ますが、体型、気質いずれも戦闘には向かず、ジョーの寄生部分が呼吸器官とも一体化しているため早々に心臓部分を貫かれます。
出典: anipla.net
しかし、ジョーの能力で生存。信子を乗っ取ったパラサイトを始末した後、「確かにこいつは君のお母さんじゃない。でも、君がやっちゃいけない気がする」と、パラサイトを殺そうとしていた新一の目を覚まさせてもくれました。その後も倉森関連で協力してくれるなど人のいい性格です。ジョーのせいでパラサイトと疑われたこともありますが、頭部は人間なので、髪の毛による見分けでボロが出ることはありませんでした。職業はホテルの清掃員。
ジョー
宇田に寄生したパラサイト。ミギー同様失敗して脳を奪えなかった一例です。寄生部分は口元から胸の辺りまで。水中に落下した宇田の命を救う為、呼吸器官付近で成熟したというわけです。話し方はフランク。これはテレビや映画で言葉を覚えたため。元はパラサイトと呼ばれていましたが、世間でのパラサイト騒動のこともあってあごを意味するジョーに改名。
能天気そうな口調ですが、信子の体を乗っ取ったパラサイトと臆せず戦い、冷静に戦い方や自分の方が不利であることを分析。寄生部分が胸元にまで達しているため、宇田の重要器官をずらすことが可能。やられたと見せかけ、信子を乗っ取ったパラサイトを撃破しました。次第に口が悪くなり、最終的には宇田を「上あごの野郎」と称するようになります。
美津代
ミギーを失った新一をしばし家に泊めた老婆。はじめは泥棒と思ったようですが、泣き腫らした目や頭部の怪我、新一の態度から泥棒ではないと判断。新一が礼を言って帰ろうとするたび、長話などで引き止めていました。未成年に酒を飲ませる一面もありますが、近辺に後藤がいることを知った新一が自分の命と引き換えに戦う決意を口にするや激しい怒りも見せます。夜中こっそり出て行こうとする新一に、考えを巡らせることなどのアドバイスを送り、武器として新一自身が選んだナタを持たせ、送り出しました。死んだ夫に新一の無事を祈るなどしていましたが、「化け物の死体が見つかった」という近隣住民の騒ぎ、庭に刺されたナタを見て新一がやりおおせたことを確信。
犬
新一、ミギーが初めて接触したパラサイトですが、失敗型。犬に寄生し、犬を食べていました。知性は人間並みなので言葉は話せます。ただミギー曰く「勉強不足」とのことで、本体を翼に変形させて飛行。注意力が散漫になった所をミギーに心臓を抉り出されました。原作では中型犬でしたが、「あの翼では中型犬を飛ばすことはできない」との声もあったためか、アニメ版では小型犬になっています。
『寄生獣』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
ミギーのモデル
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