寄生獣(岩明均)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『寄生獣』とは、岩明均による漫画作品、及びそれを原作とするアニメ、実写映画。人間に寄生し、人間を食らう寄生生物。そんな生物(ミギー)が右手に寄生してしまったため、数奇な運命に翻弄されることになった泉新一。単なるモンスター物、ホラー物ではなく高度な哲学性、テーマ性が物語を彩っており、今なお根強い人気を誇っています。

出典: blog.goo.ne.jp

後藤との戦いに際して。

ミギー

新一の右手に寄生したパラサイト。彼のことは「シンイチ」と片仮名で呼びます。右掌から潜行しますが、コードで腕を縛られたため右腕と同化、成熟。初めこそ「失敗だ」と悔やんでいたようですが、すぐさま順応し、旺盛な好奇心を発揮。読書家・勉強家であり戦闘の作戦を立てるのも大概ミギー。また、本の影響か固い口調で話します。一人称は「私」。飽くまでパラサイトであり自分の命を最優先するため、生きる為ならと劇中でスリまで行っています。(この時、長々と説教めいた言葉で新一を説得し、「でも、ドロボーでしょ?」と言われてあっさりと「そうだよ」と返しました)1日で日本語をマスターするほど学習能力も高く、車の運転も可能。

お勉強ミギー

この名前は「右手で育ったから」と自分で付けました(初めは「人間でもペットでもないから、名前はいらない」としていましたが、不便だからとの新一の言葉で命名)。ある時期から夢の中で新一と交信していました。パラサイト掃討作戦後、後藤との戦いの際弱点であり命綱でもある新一の体から離れて、またも分業で後藤を討とうとしますが失敗。

出典: soz.matchupp.com

アニメミギー

新一に逃げるよう促し、心の中で新一に友情を抱き、共に過ごした時間を楽しい思い出と認識していたこと、そして死を意識します。傷を負った後藤に取り込まれており、新一と後藤の戦いの際、彼の右腕にわずかに残った細胞と結合し復活。後藤の一部だった時のことを「居心地が良かった」とし、外部情報を一時シャットダウンして別の方向に歩くと夢の中で宣言。右手の形をし、その後変形しませんでしたが、最終回で新一が気付かないうちに、彼の恋人、村野里美を助ける為変形しました。

【固有の弱点】新一の心臓を修復した際全身の30%ほどが細かく散ってしまい、他のパラサイトにはない弱点として、一日のうち四時間の完全なる睡眠が必要な体になってしまいました。それまでの睡眠との違いは、新一が驚いたりパラサイトが300メートル以内に入るとすぐに起きるということができなったこと。ただ眠りに落ちる直前の姿はキープしておけるようで、武器の形に変形したまま眠ったこともあります。この四時間はランダムにやってくるため、作戦が狂うことも。ミギー曰く「谷底に落ちていくような気分」。

泉一之

新一の父。職業はフリーライター。当初は息子の変化に気づきませんでしたが、妻の死後は皮肉交じりに息子の強さに言及するなどしました。妻が殺される瞬間、そしてパラサイトを見たものの息子に対しては「母さんは行方不明」としていましたが、後にはっきりと妻の死を伝えました。

泉信子

新一の母。お嬢様育ちで、息子がゴキブリを素手でつかんだと言っては泣くような人物でしたが、諸々の変化に尋常でないものを感じ、涙ながらに「何があったのかを教えて」と聞くなど母親らしい勘の鋭さを見せます。旅行中、女性から男性の体に乗り換えたパラサイトにより、異性の体では合わないとの理由で首を刎ねられて乗っ取られました。右腕にやけどの痕がありますが、これは数年前、アクシデントで、新一の頭上に落ちた煮えたぎる油の鍋を受け止めた時のもの。

信子を乗っ取ったパラサイト

美女の姿で男性を釣り、車に乗りますが、シートベルトの存在を知らず脇見運転事故を招いてしまいます。劇中のモノローグによれば目立たぬ無個性派でしたが、シートベルトの不使用により肉体が死にかけ、軽傷だった男性の体に移動。当初は異性の肉体に戸惑い失禁などをしましたが、拒絶反応で信子を乗っ取るのでした。ミギーが四時間の睡眠に入ったため、刃物化したミギー、新一と交戦。首から下は信子のままであり、例のやけども残っているため、母から怪物を切り離すと躍起になっていた新一に攻撃をためらわせました。二度の乗り換えに成功した稀有な例ですが、後述の宇田、ジョーにより殺害。信子の肉体は海へ落下しました。

村野里美

新一のクラスメイトでヒロイン。中学時代から同じ学校でしたが、新一が認識したのは高校合格後(受験の時、新一は緊張していたそうです)。当初は友達と言えるかも分からない微妙な間柄でしたが、次第に恋仲になっていきます。島田秀雄の一件でクラスの大半が殺された上自身も危うく死にかけたものの新一に助けられました。天真爛漫な言動が多いですが、Aや島田秀雄、そして加奈の件が心に暗い影を落としていた様子。また、新一の変化を指摘、心配していました。

討伐作戦後精神が不安定になっていた新一の心情をおぼろげながら理解し、「今日は誰もいないから、うちで話そう」と家に誘い結ばれます。このことは新一に改めて生きる意思を与えるきっかけになりました。しかし同時に新一の胸の穴を見たということでもあり、最終話付近で浦上から「恋人ならあいつ(新一)の体を見ただろう。化け物のもぐりこんだ痕があったんじゃないか」と聞かれた際胸の穴を思い出すことに。それでも新一は化け物なんかじゃないと強く言い返し、殺されかけ、ビルから落とされますが、眠っていたはずのミギーによりどうにか生還。先の犬の死骸を埋めたことを聞き、「そうしたんじゃないかと思ってた」とほほ笑むのでした。

加奈

新一の中にある野性味(ミギー?)を感じ取り、恋をした女子高生。原作ではいわゆるスケバン(不良女子生徒)。ただの人間ながらパラサイトを感知する能力を持ち、正確ではないもののパラサイトの数、居場所を言い当てました。パラサイトの信号を新一と思いこんで出かけることもあったため、新一をやきもきさせ、「あんただけを見分けられる」との嘘も。ミギーが眠っている間にすべての真相を聞きますが、自分を嫌っていて、遠ざけるための方便ととったり一筋縄ではいかない所もあります。性格自体は親しくなればフレンドリー。いい子ぶったお坊ちゃんは嫌いだそうです。やがて集中すると微弱ながらパラサイトと同じ信号を発するようになりました。しかしその探知能力はミギーだけでなくパラサイト全てに反応するため、新一に教えた場所にいたパラサイトと遭遇、あっさり殺されました。

出典: www.ainimei.cn

白馬に載った新一に助けられるという夢を見て、恥ずかしさのあまり爆笑していました。

【アニメ】ちょっと突っ張った感はあるものの不良という程ではなく、自室もより少女的になっていました。抜いた新一の髪を指に巻き付けるなど、若干原作よりも恋愛感情の描写が重い印象。時代の関係上、携帯電話はどうするんだとファンから心配されていましたが、新一との絆を信じるとの演出で、部屋に置いて行きました。冬ということもあって外出時は常に耳宛てをしていましたが、これは「人の意見を聞かないことの暗喩ではないか」との考察あり。

出典: www.suyongso.com

光夫

原作光夫。

えどまち
えどまち
@edono78

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