対極とギャップという観点から見る『シュガー・ラッシュ』

快進撃のピクサーですが、いつも見る前は期待せず、見てから感心というパターンです。主人公がゲーム世界の住民で、しかも「悪役」で皆から嫌われていて。そんな導入から始まるこの物語、色々な場面で「対極、対比」そして「ギャップ」というものを感じます。

物語の世界観

あるゲームセンターが舞台。閉店後、ゲームのキャラクターたちは「ゲームセントラル」と呼ばれる駅のような場所に行ったり、それぞれのゲーム世界で寛いだり。何か『トイ・ストーリー』のゲーム版といった感じですが、当然連中には連中の「掟」などが存在します。

①ゲーム稼働中はプログラム通りに動くこと。勝手な行動をとった場合は人間から「故障」したとみなされ場合によっては破棄される。
②他のゲームに入り、邪魔をすることは「ターボする」と表現され決して許されない行為とされる。
③他ゲームのアイテムの持ち出し禁止。(パックマンのチェリーなど)
④自分のゲームで「死んだ」場合は復活できるが、他のゲームで「死ぬ」と復活できない。理由はプログラムがないから。
⑤プログラムを初期化するリセット機能がある。多少のことが起きても対処可能なのはこの機能のおかげ。バグ、不具合に対する根本的な解決策でもある。

出典: ja.wikipedia.org

ギャップ・悩める「悪役」

閉店後いつもやってるのか知りませんが、「悪役の会」というのが存在します。ゲームにおける悪役たちが集会やるんですが、「悪役なのは悪いことじゃない」と自分を励ますかのような唱和で終わるのが常。皆いい奴に見えるのがギャップ萌え…いやさ哀愁を感じます。

クッパ様も大変なんですよね、分かります。あとパックマンのグズタ、イケボすぎ。

ギャップ・かわいらしい『シュガー・ラッシュ』というゲームの舞台裏

お菓子をモティーフにした国を舞台としたレースゲーム。様々なアイテムが存在します。

カート破壊シーン、何でか『シンデレラ』思い出しますわ。意地悪姉さんに色々むしり取られるシーン。

キャラクターも頭身が低くてかわいいんですけど、ヒロインヴァネロペに対する処遇がひどいです。カート破壊するわ、「お前はいちゃいけない、レースに出るな」とか言うわ、出てもいろいろ邪魔しようとするわ。このゲームの「支配者」キャンディ大王も諫めません。

対極的なキャラ・主人公

ラルフ(本名レック・イット・ラルフ)

ゲームの設定では元々彼の住んでいた辺りにアパートが建てられたそうです。

主人公は「悪役」のラルフ。『フィックス・イット・フェリックス』というゲームでアパートを破壊するのが役目です。いい奴なんですが、ゲームの中では嫌われ者。アパート破壊は物語上のことなんだし、人間の目が届いてないところではみんなと仲良くやっているかと思いきや、思いっきり嫌われていて30周年記念パーティーのことは知らされもしない始末。どうもこのゲームセンターでは「ヒーローだけがもらえるメダル」というものがあるようで、ターボしてまでメダル獲得を狙うのです。アパートの、一番眺めのいい部屋をゲットするために。

パックマンやマリオはパーティーに呼ばれても、ラルフは呼ばれない。

ラルフのギャップポイントとして、大柄で怪力、大概のものは壊せるけれど「最新ゲームの残酷度」に怯えまくるなどの「視聴者目線に割と近い」点でしょうか。自分よりずっと小さく非力な少女にいいように使われたり、同じく小さく非力なキャンディ大王に言いくるめられたり。

フェリックス(本名フィックス・イット・フェリックス)

ゲームのヒーローはフェリックス。彼は彼でいい奴なんですが、ラルフの孤独も悩みも何も理解していませんでした。ラルフが嫌われているのを知ってパーティーに呼ばなかったのは、アパートの住民を思ってのことなんでしょうけども、もうちょっと配慮があってもよかったんじゃあ、と思うと同時にある言葉が浮かんできます。「自覚を持たない嫌な奴」。何でも直せるハンマーがあるからと自己犠牲する場面もありますが、少々配慮に欠けている部分も無きにしもあらず。

そー言えばラルフの中の人って破壊神の役もやってたなあ、と。

役割も能力も正反対の二人ですが、彼らの計算されつくした活躍ぶりは必見です。

対極・二大ヒロイン

ヴァネロペがメインヒロインなんでしょうけども、カルホーン軍曹も十分ヒロインしていたので。この二人も対極的な存在です。

ヴァネロペ

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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