『モンスターズ・ユニバーシティ』の「ロアー・オメガ・ロアー」は「嫌な連中」か?

『モンスターズ・ユニバーシティ』に登場する悪役というかライバルキャラの「ロアー・オメガ・ロアー」。二次創作などで人気を誇っているようですが、作中では「嫌なエリート集団」にしか見えません。でもよくよく考えれば、やっぱり魅力もあるし、憎めないんですよね。
『モンスターズ・ユニバーシティ』及び「ロアー・オメガ・ロアー」とは
子供の悲鳴をあらゆるエネルギーとするモンスターワールドを舞台とした『モンスターズ・インク(劇中で登場する会社の名前にもなっています)』の続編にして前日譚です。子供たちに悲鳴を上げさせる「怖がらせ屋」を多く輩出する名門大学モンスターズ・ユニバーシティ(以下MU)が舞台となります。「怖がらせ学部」は難関中の難関で、子供や学生たちの憧れの的。学内には様々なサークルが存在しますが、「ロアー・オメガ・ロアー」(以下ロアー)は怖がらせ学部でも特に優秀な学生で構成されているようです。
「ロアー・オメガ・ロアー」メンバー紹介
学期末試験以降のメンバーの紹介。
ジョニー・ワーシントン
ロアーのリーダーです。初登場時からエリート風吹かせまくりで、吹き替え版の声もその性格を表しているようでした。前作の主人公の一人、サリーことジェームズ・サリバンを一旦は勧誘しますが、勉強不足による成績不振からロアー象徴ともいえるトレーナーを「預かり」、サリーが怖がらせ学部から追われるやそのまま追放。見た目のかわいいマイクを子馬鹿にしてましたし、彼とサリーが所属する「ウーズマ・カッパ」(気はいいけど、間抜けた連中の集まり。以下OK)をわざわざパーティーに呼んで恥をかかせ、「恥ずかしい写真」を新聞の記事にしたり、シャツにプリントして売ったりしていました。

しかし声はカッコイイ…。

「恥ずかしい写真」です。
チェット・アレキサンダー
ジョニーに心酔してるのか何なのか、しょっちゅう一緒にいては太鼓持ち的な印象を与えます。下衆いことやってる割に、何か子供っぽい無邪気さを感じるんですよね…。サリー再勧誘時の「いつでも声かけてくれよ」セリフとか。根は悪い奴じゃないと思いたいです。「恥ずかしい写真」を撮って、ジョニーと一緒にTシャツ売りまくってても。

彼にとってジョニーは「ヒーロー」です。
ハビエル・リオス
一言もしゃべらなかった&むっつりしたままの…甲殻類なのか虫なのかよく分からないモンスターです。某所では「イケメン」だと人気です。結果を見るためとはいえ、サリーのテスト用紙をひったくったり少々強引なところがありますが。

…。
嫌がらせの際は楽しそうに笑ってたんですけどね。
レジー・ジェイコブス

「俺はやったZE!」的な雄たけびの後の「え?」がかわいい…。
よだれが糸引いてたり、嫌がらせしたりはしましたが、何かかわいい気もするサボテンチックなモンスター。あまり頭良くなさそうに見えますが、このサークルにいる以上、成績はいいんでしょう。新入生の中に彼のそっくりさんがいたんですが、弟か妹か…。
チップ・ゴフ

優しそうに見えますけどね。
あんまり印象に残らなかったんですが、実力は高いようです。真面目にコツコツ勉強してそう。
ランドール・ボッグス
『モンスターズ・インク』にも登場。前作ではサリーに対抗意識を燃やす「永遠の2番手」でしたが、最初は爽やか好青年で、マイクとも仲のいいルームメイトでした。しかし人気者と近づきたい、との願望が叶ったとたん掌返し。

じゃ、俺こっち(人気者)だから…。
Related Articles関連記事
モンスターズ・ユニバーシティ(ピクサー映画)のネタバレ解説まとめ
『モンスターズ・ユニバーシティ』とは、2013年にディズニーとピクサーによって制作された映画である。略称は『MU』。2001年に公開された『モンスターズ・インク(略称:MI)』の続編であり、怖がらせ屋のモンスター・マイクとサリーの大学時代を舞台にしている映画である。夢に向かってひたすら努力をするマイクと才能に頼り、努力を怠けるサリーの出会いから成長への冒険物語。
Read Article
違和感のなかったタレント声優
ここ十数年、いやもっと前から「タレント声優」なる分野がありますね。別に批判じゃないんですけど、声だけの演技と全身での演技はやっぱり違います。何か違和感が出ちゃうんです。しかしたまにいるんですよね、プロ声優並にうまい方が…。
Read Article
カーズ(ピクサー映画)のネタバレ解説まとめ
「カーズ」は2006年6月9日に公開のピクサーによって制作された長編アニメーション映画作品。第64回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞を受賞。車の世界を舞台にした圧倒的なスケールとスピード感溢れる映像、そして温かい物語のラスト。名曲も多いと話題の映画。期待のレーシングカー、ライトニング・マックィーンが小さな町の住人たちとの出会いをきっかけに大切なものを学び成長していく物語。
Read Article
Mr.インクレディブル(ピクサー映画)のネタバレ解説まとめ
『Mr.インクレディブル』とは、ディズニー配給・ピクサー製作、ブラッド・バード監督による長編フルCGアドベンチャー・アニメーション映画。一般市民として暮らしていた驚くべき怪力を持つ元スーパーヒーローが、謎の伝言が届いたことから、再びスーパーヒーローとして同じように特別なパワーを持った妻や子供たちとともに邪悪な敵に立ち向かう。2004年製作・アメリカ作品。
Read Article
トイ・ストーリー(Toy Story)のネタバレ解説まとめ
ピクサー製作、ジョン・ラセター監督による長編アニメ映画。人間の目がない所でおもちゃが動くという設定に、独自の味付けが成されています。古いカウボーイ人形のウッディは、新しくやって来た宇宙飛行士人形バズにより持ち主の「一番のお気に入り」の座を奪われます。その逆恨みが元で様々な困難に見舞われるのでした。厳しい現実をユーモラスに描きつつ、友情や冒険の要素も盛り込んだ、大人も子供も楽しめる作品です。
Read Article
モンスターズ・インク(ピクサー映画)のネタバレ解説まとめ
『モンスターズ・インク』とは、ディズニーとピクサー製作の長編3DCGアニメーション映画。公開前から、ユニークで愛らしいキャラクターが脚光を浴び、2001年、全米で記録的な大ヒットとなった。夜な夜な子どもたちを脅かすくせに実は子どもが大の苦手というモンスターたち。彼らの世界に小さな女の子が紛れ込んだことから巻き起こる騒動を友情と愛情を織り交ぜてコミカルに描く。ベテランアニメーター、ピート・ドクターの初監督作品。
Read Article
カーズ2(ピクサー映画)のネタバレ解説まとめ
2011年7月30日公開の大人気カーズシリーズの第2弾。ピクサー映画で「トイ・ストーリー」シリーズ以外で初めての続編長編作。ジョン・ラセターとブラッド・ルイスの共同監督。カーズの主人公「ライトニング・マックィーン」が仲間たちと一緒にワールド・グランプリに出場する。初めてレースについてきた親友の「メーター」がスパイと間違われ悪の組織と闘うことになる。メーターが大活躍する友情がテーマの物語。
Read Article
リメンバー・ミー(Coco)のネタバレ解説まとめ
「リメンバー・ミー(Coco)」とは2017年に公開されたアメリカのフルCGアニメーション映画作品。ピクサー・アニメーション・スタジオの劇場公開長編第19作目。家族に反対されながらもミュージシャンを志す少年が死者の世界に迷い込み、自身の先祖に関する秘密を知っていくストーリー。家族の絆をテーマとしている。
Read Article
トイ・ストーリー2(Toy Story 2)のネタバレ解説まとめ
ジョン・ラセター監督による、生きたおもちゃたちの冒険を描くアニメ映画の2作目。アンディ少年の親友、カウボーイ人形のウッディは、実はプレミア人形。おもちゃ屋の社長にビジネスの道具として持ち去られた上、オフィスのおもちゃ達からいずれ持ち主から忘れられると聞き、帰るべきか迷います。一方、アンディの部屋では捜索隊が組まれてウッディの救出に向かうのでした。前作以上に見せ場もメッセージも盛り込まれています。
Read Article
カーズ/クロスロード(ピクサー映画)のネタバレ解説まとめ
2017年7月15日に公開されたピクサー映画。ブライアン・フィーの初監督作品。大人気カーズシリーズの第3弾。ベテランレーサーとなったライトニング・マックィーンがシーズン最後のレースで最新テクノロジーを追及した次世代レーサーたちのスピードに圧倒され大クラッシュをしてしまう。「人生の岐路(クロスロード)」に立たされ仲間や新しい相棒に支えられながら運命の決断を迫られる物語。
Read Article
トイ・ストーリー4(Toy Story 4)のネタバレ解説まとめ
『トイ・ストーリー4』とは、ピクサー・アニメーション・スタジオ製作、ディズニーの大人気シリーズ『トイ・ストーリー』の第4作目である。ある少女のおもちゃ・ウッディとその仲間たちが新しく加わった、プラスチック製フォークで作られたおもちゃ・フォーキーと一緒に冒険するという物語。キャッチコピーは「あなたはまだ─本当の『トイ・ストーリー』を知らない。」。『トイ・ストーリー2』を最後に登場が無かったボー・ピープとウッディたちの再会なども描かれている。
Read Article
トイ・ストーリー3(Toy Story 3)のネタバレ解説まとめ
ピクサーによる生きたおもちゃの物語3作目です。おもちゃで遊ばなくなったアンディと、遊んでほしいおもちゃたち。大学に同行するカウボーイ人形のウッディ以外は、捨てられたと思い込んで保育園に寄付される道を選びます。そこが、おもちゃの楽園に見せかけた地獄だとも知らずに。容赦ない展開と冒険に手に汗握る、それでいて爽快にして感動の物語です。ジョン・ラセター製作総指揮、リー・アンクリッチ監督。
Read Article
長編だけじゃないんですよ!?ピクサーの傑作短編アニメーション4選
作品発表するごとに大ヒットを飛ばすピクサーですが、短編でも傑作アニメを世に送り出してるんです。『ティン・トイ』『ニック・ナック』『ゲーリー爺さんのチェス』『ワンマンバンド』の4作をご紹介します。
Read Article
隠れたテーマ?『モンスターズ・ユニバーシティ』が連想させる様々な「ライン」(ネタバレあり)
映画作品を色々な角度から見るにつけ、「おや…?」と思うことがありますね。『モンスターズ・ユニバーシティ』という作品を見ていて、「ライン」「線」という言葉が浮かびました。
Read Article
思わず「あ」と叫んでしまった、ピクサーの「ピンチ」シーンまとめ(ネタバレあり)
映画でなくとも創作においてピンチシーンは必要不可欠。ピクサー作品の場合、それが顕著に思えます。「いや、どうやっても助からないっしょ、どうすんの!?」と思ってしまったシーンをまとめました。
Read Article
ヒット作連発、世界中が魅了されるディズニー・ピクサーの世界観。
トイストーリーをはじめとしたディズニー映画を代表作としている「ピクサー」。夢と希望溢れる映画を世界に向けて発信している同社ですが、その制作現場とはどのような場所なのでしょう。さらにディズニーとの関係性、その世界観に注目してみました。
Read Article
物語ごとに違った顔を見せてくれる、バズ・ライトイヤーというキャラ
『トイ・ストーリー』シリーズの人気キャラ、バズ・ライトイヤー。リメイク作品で主役を張るほど人気の彼ですが、3部作では各々違った面を見せてくれてました。
Read Article
熱帯魚、亀、その他諸々『ファインディング・ニモ』に登場する海洋生物元ネタまとめ
2003年公開の『ファインディング・ニモ』。カクレクマノミの親子を軸に、愛情、友情、冒険、成長などを描いたこちらの作品。全海洋キャラの「元ネタ」となる生物をまとめました。
Read Article