ベネチア国際映画祭金獅子賞作品! コメディ映画「さよなら、人類」がシュール過ぎる!

ここまで好き嫌いが分かれる映画というのも珍しい。ハマる人にはハマるし、ハマらない人には一向に面白さが理解できません。計算しつくされた笑いを楽しむもよし、ただそこに流れる独特の間合いを楽しむのもまたこの映画の楽しみ方の1つでしょう。シュール&ブラックなコメディ映画「さよなら、人類」をご紹介致します。

あらすじ・ストーリー

パッとしないセールスマンコンビのサム(ニルス・ヴェストブロム)とヨナタン(ホルゲル・アンデション)は、面白グッズ販売を目的にさまざまな人々を訪ね回っていた。その際に彼らは、ワインを開けようとして心臓発作を起こしてしまう夫と異変に気付かない妻、天国まで持っていくと宝石入りのバッグを手放さない亡くなる直前の老女など、切なくもこっけいな人生模様を目の当たりにする。

出典: movies.yahoo.co.jp

独特すぎる空気感と、深くて浅そうな人生の数々

ここまで個性がくっきりと表れている映画も最近では珍しいのではないでしょうか。他の人には真似できない、唯一無二の作品。完成に4年を費やしたという話も、内容を見て納得しました。深い作品というのは一見浅く見えるものなのでしょう。気付けば独特の世界観にのめり込んでしまっています。起承転結なんてあったものではないし、強いて言うなら全てのシーンが結だけれども、それがまた滑稽で面白い。

ストーリーはあってないようなもので、コメディと言ってもいわゆるギャグを飛ばして笑いを誘う類のものではありません。空気感と間合いだけで視聴者を笑いに誘ってきます。笑いってこういう風にも生まれるんだよ、と教わってる気分になりました。異色というか、この作品はロイ・アンダーソン監督にしか作れないものでしょう。

意味が分からない人には分からないだろうし、好きな人はとことん好きな映画

私はこの映画をかなり好ましく感じたのですが、世間の評判を見ると正反対の感想を抱いている方も多い様子。好きか嫌いか。分かりやすいくらいに評価が分断されます。この作品に批判的な人はこの映画を「意味不明」だと言います。確かに意味不明です。でもその意味不明さが私にはかなり面白かったので、その辺りは個々人の感性の違いと言うしかありません。

また、この映画を深く考察している方も中にはいますが、残念ながら私自身はそんなに深く考えてこの作品を観てはおらず、むしろ上辺だけを滑るような感覚で観賞していました。この映画は極論を言えば、雰囲気を楽しむものであって、ストーリーを楽しむものではないと考えます。なんだか「好き勝手に作ったから、君たちも好き勝手に観て、好き勝手に論評してくれ」とでも言われているような、そんな気になる映画でした。

まとめ

言葉に表せない魅力がこの映画にはあります。小説でも、マンガでも、舞台でも、音楽でも、この空気感は表せず、映画だからこそこの作品は完成したのでしょう。どうやらこれは3部作の最終章であるらしいのですが、この作品単体でも十分楽しめます。観賞した後、残りの2作を観たくなるかどうかはあなた次第です。自分の感性、試してみませんか。どうかご観賞ください。

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@keeper

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