荒川アンダー ザ ブリッジ(AUTB・荒川UB)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『荒川アンダーザブリッジ』とは、2004年から『ヤングガンガン』で連載された中村光原作の漫画。2010年にはテレビアニメ化、その翌年にはテレビドラマ化、さらにその翌年には豪華俳優陣により映画化された人気作品。市ノ宮カンパニーの御曹司・市ノ宮行はひょんなことから命を救ってくれた女の子ニノと恋人になり、河川敷に移住する。そこに住む個性的な住人たちに翻弄されながらも、ニノとの絆を深めていくギャグロマンスとなっている。

服を憎み河川敷を全裸の楽園だと思い込んでいた亀有。星やラストサムライのおかげで河川敷には興味がなくなったのかと思っていたリクの前に、夏の日にも関わらずタートルネックやマフラーを巻いた厚着の亀有が謝罪に来た。甘えていただけだということに気付いた亀有は今までの分も着ようと思った、と厚着をしているようだ。せめてものお詫びに橋の上でいいから河川敷のファンのために路上ライブを執り行いたいと懇願する。しかし、高井から彼程の芸能人が路上ライブなんてしたら騒ぎにならないはずがない、と叱責される。そんな亀有にリクは「橋の下だったらいいだろ!亀有さん最後の思い出に河川敷に来てください!」と助け船を出した。河川敷に来た亀有を歓迎した住人は特設会場を設置、特製衣装も用意したが、亀有は住人の抱くイメージを壊したくないからこのままでいさせてくださいと特製衣装も身に纏う。P子から衣装の下の着てきた服を脱ぐよう言われたことで、実は着ていた服は全裸にペイントしているだけだったことが判明。さすがの住人も皆引いている。そこでリクは亀有を住人にするべきかどうか多数決を行うことにした。亀有は必死の抵抗により「今日から僕はイースト菌の妖精になります!!!」と言ったことで、河川敷の住人全員から受け入れられてしまう。

金星人の幽霊

時は遡り、亀有がリクに謝罪に行く前の事。亀有は高井から「会わせたい人がいる」という電話をもらう。「局部に結界を張り視認不可能にする事で服を不要にした画期的超技術…モザイク追尾発生装置」が欲しくないか、と言う。マネージャーの運転する車の中に突如「金星人の幽霊」だと名乗る全裸の男が現れる。マネージャーには見えないようだ。「モザイク追尾発生装置」はこの金星人の幽霊が持っているもので、亀有に本当の自由をあげる代わりに体を貸してほしいと言う。
金星人の幽霊が乗り移った亀有に連れられて河川敷の外に出たニノ。ニノが外に出た途端、他の皆にも幽霊の姿がはっきりと見えるようになった。金星人の幽霊がニノに「おいで!」と言うと、ニノが見たこともない表情でなぜか犬種を連呼する。金星人の幽霊曰く、金星語だそうだ。2人の関係を聞くと「元カレ」だと言う。更に「ちょっと違うか?元サヤ?」と言われたことで、リクの心臓は長めに一時停止してしまった。心臓が止まっているリクを横目に2人は更なる盛り上がりを見せる。東京観光したいからとお勧めスポットを聞かれたリクが「外に出るのはだめだ」と言うと、「暗くなる前には金星に帰るつもりだから教えてもらわないと困るな」と言われ、いよいよ気絶してしまったリクだった。リクが気絶している間、東京観光を楽しむ2人だったが、どうも周囲の人からは2ノと亀有しか見えていないようだ。ニノは金星人の幽霊に「ユウレイってなんだ?」と聞く。金星人の幽霊は「金星に帰る時には教えるから 久しぶりだから今はただ君といたいんだ」と言うと、ニノの行きたい所へ行こうと誘った。ニノは涙を流し、「レインボーブリッジ…高級ホテルでゆうごはん へりこぷたーから花火を見るんだ」と答えた。

ニノの過去

金星人は対で生まれ、常に満たされている代わりに恋人の死に耐えられない。1人きりになったことを知れば死ぬ体質だった。
かつて村長が金星人の娘を殺したと嘘をついたことで、息子が死んだ。両親はそのことで、娘の方も死ぬかと思ったが、生きている。しかし、娘の対の存在となる息子の死を知れば、娘が死んでしまうのも時間の問題だと考えた両親。「1人ぼっちしかいない地球なら大丈夫かもしれない」と、地球に置いていった娘が、幼き日のニノだった。
金星人の幽霊は、ニノに自分が死んでしまっていることを告げた。村長によってずっと隠されていた半身の死をようやく知ったニノは、金星人の生態通り、死んで魂が抜けて霊体になってしまう。そこでようやくニノの元へたどり着いたリク。霊体となったニノには気付かないままに「俺に恋をさせてくれてありがとうございました どうか金星でずっとずっと…お幸せに」と笑顔を向けて走り去っていった。

リクの失恋死

リクを追いかける霊体のニノ。しかし、次の瞬間、リクも霊体となってしまう。失恋をして死んでしまったようだ。霊体であるリクにニノが話しかけて、ようやくリクはニノも死んでしまっていることを知る。リクはニノに「これからやっと元カレと楽しい人生を送っていくから死んではだめだ」という。すると、「それは…お前もだって言ってるだろう!!!」と生き返ったニノが叫び、ペットボトルで霊体のリクを殴った。ニノが生き返ったことに喜ぶリクだったが、ニノは「全部お前とじゃないといやだ!!」と涙する。

河川敷の住人の解散

ニノを取り返そうとする金星人の幽霊から必死にニノを守ろうと逃げるリクの元へ、村長や皆が助けに来てくれた。村長は金星人の幽霊を過去に殺してしまった償いのために、一緒に宇宙船に乗って金星まで行くと言う。荒川の橋は実は宇宙船だった。無事に帰れる保証もないが、村長は自分がやりたいからやると言う。そこへ亀有がやってきて、「服に打ち勝つ力を持ち…僕の唯一の理解者であり尊敬できる人…あなたを着ぐるみなんかに渡してたまるか!!!」と言い、亀有と金星人の幽霊は一緒に金星に旅立っていった。河川敷の住人が帰るところが宇宙船として飛んで行ってしまったため、皆それぞれ別の場所に帰っていき、バラバラになってしまった。
数年後、「GOSE宇宙開発事業部」では、リクはニノのご両親に挨拶するために、金星へ飛ぶロケットを開発したのだった。

『荒川アンダー ザ ブリッジ』の登場人物・キャラクター

河川敷の住人

市ノ宮 行(いちのみや こう/演:林遣都)

CV:神谷 浩史、斎藤 千和(幼少期)

『荒川アンダー ザ ブリッジ』の主人公。世界トップ企業の「市ノ宮カンパニー」の御曹司で次期社長。T大現役合格した大学生。「Gose」という会社を経営している。市ノ宮 積と市ノ宮 春子の長男。身長172cm、体重56kg、乙女座のA型。22歳。家訓である「他人に借りを作るべからず」を守って生きてきたが、川に落ちて溺れそうになったところをニノに助けられる。借りを返すため、ニノの恋人となり、河川敷に住むことになる。橋の下に住むには、村長に新しい名前をつけてもらうことが条件になる。村長は「リクルート」と名付けるがかっこいいとまでは言わないがせめて名乗れる名前を望むリクは、和名の候補をお願いするが、和名の「内定とれ太」で決まりそうになったため、「リクルート」で妥協した。皆からは縮めて「リク」と呼ばれる。非常識な住人たちの中で貴重な突っ込み役であり、常識人。橋の下での職業は「教師」。ニノが鉄人兄弟に泳ぎを教えていたのを見かねたリクルートが代わりに泳ぎ方を教えたことがきっかけとなり、始めた。参加者はニノ、鉄人兄弟、ステラ。星が邪魔をしに来たり、アマゾネスが参加することもある。バレンタインにもらうチョコレートの数は3ケタのリクだが、女性との交際経験はなく、高井曰く、ビジネスでは超天才的だが、恋愛に関しては中学生レベルにも達していない。21歳でニノとキスをしたのがファーストキスとなった。少女漫画を参考資料にしている。

ニノ(演:桐谷美玲)

CV:坂本真綾

河川敷に住むホームレスの少女。自分は金星人だと名乗る。金髪のワンレンでいつも青いジャージを着ており、胸には2-3と書かれたゼッケンをつけていることから「ニノ」と呼ばれている。身長159cm、体重43kg。1日顔を見なければ忘れてしまうという理由からリクルートを河川敷に住まわせる。河川敷での仕事は住人全員分の魚をとること。話が進むにつれ、ニノが本当に金星人であることが明らかになる。

村長(演:小栗旬)

CV:藤原 啓治

河川敷に住む河童。首は肌色が見え、背中にチャックが付いている。江戸時代辺りから生きているらしい。身長176cm、体重85kg(甲羅含)ムダにいい声で本人曰く呪われた星の元に生まれ、最凶妖怪の血が流れているらしい。河川敷に住むためには村長が名前を付けなければいけないというルールがある。いつもふざけている村長だが、実は市ノ宮グループに事業を停止させる程の力を持つ大物で、ニノの過去を知る人物である。

星(演:山田孝之)

CV:杉田 智和

元・売れっ子ミュージシャンで河川敷のトレーラーに住んでいる。身長179cm、体重61kg。牡牛座のB型。24歳。星型のマスクをかぶっており、素顔(すっぴん)は見せない。マスクは低反発ウレタン製。ヘビースモーカーでセブンスターを好む。ニノが好きでリクルートとは犬猿の仲。

シスター(演:城田優)

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