京騒戯画(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『京騒戯画』とは、2013年に放送された東映アニメーションとバンプレストによるSFアニメ作品である。本作はアニメの放送に先行して計7つのプロモーションビデオから公開されており、その『第0話・予習篇』において映像の美しさやド派手な演出に注目が集まった。
京都の山奥に住む僧侶・明恵上人(みょうえしょうにん)が創り出した世界「鏡都(きょうと)」に迷い込んだ少女・コト。そこで上人の子供・鞍馬(くらま)、八瀬(やせ)、明恵(みょうえ)と出会い、家族の在り方や愛とは何かを追求していく物語である。

『京騒戯画』の概要

『京騒戯画』とは、2013年10月から12月にかけて放送された東映アニメーションとバンプレストによるSFアニメ作品である。原作は『おジャ魔女どれみ』や『プリキュア』シリーズを手掛ける東堂いづみで、監督は同じく『プリキュア』シリーズや『血界戦線』を手掛ける松本理恵。本作はアニメの放送に先行して計7つのプロモーションビデオから公開されており、その「第0話・予習篇」において映像の美しさやド派手な演出に注目が集まった。2011年8月に5分間のプロモーションビデオが公開され、その後、第一弾は2011年12月に全1話、第2弾は2012年8月~12月に全5話が公開された。詳しい説明はなく断片的だったプロモーションビデオの内容を深掘りしていくのがアニメ本編となっている。また『電撃マオウ』より漫画版も出版されており、2012年2月号においてプロモーションビデオ第一弾を再構成した作品が連載、2012年11月〜2013年3月号において第二弾の外伝となる作品『京騒戯画 鏡書院と迷子の栞』が連載。その後2013年11月〜2014年3月号においてもテレビアニメの放送に合わせた作品が連載されている。
物語の舞台「鏡都」は妖怪と人間が共存する街。鏡都を治める「三人議会(さんにんぎかい)」・鞍馬、八瀬、明恵は姿を消した父・明恵上人(みょうえしょうにん)と母・古都(こと)の帰りを待ち続けていた。ある日鏡都に迷い込んできた少女・コトとその式神・阿吽(あうん)が街で大暴れする一方で、鞍馬と八瀬はコトを利用し母を再びこの世界に連れ戻そうと考えていた。
なお本作は、監督を務めた松本理恵が「個々のシーンの説明はしない。」という主旨の発言をしているため、既出の作品(アニメ、漫画など)を見ても謎が多く残る仕様となっている。

『京騒戯画』のあらすじ・ストーリー

予習編

画像右端から順に、明恵、稲荷(明恵上人)、コト、古都、八瀬、鞍馬。

物語の舞台「鏡都」は、京都であって京都ではない。ここには絵から生まれたものだけが存在し、壊れたものも元に戻すことができる。妖怪と人間が共存し、誰も死ぬことはない摩訶不思議な街。鏡都を治める「三人議会」・鞍馬と八瀬、そして明恵。三人は兄弟であり、姿を消した父・明恵上人と母・古都がいつか帰ってくることを長い間待ち続けていた。 黒兎を追ってこの世界に迷い込んでしまったという少女・コトとその式神・阿吽。しかしその黒兎の正体は、すでに姿を消している古都であり、今は街で「みやこ様」として祀られていることを聞かされる。以後、明恵のもとに居候するようになったコトは「アラタマ」と呼ばれる巨大なハンマーを手に、毎日阿吽とお祭り騒ぎの大暴れをしていた。一方で、部下の博士・ショーコを中心に科学の力を従える鞍馬と、鏡都中の妖怪を統べる八瀬は、コトを利用し母・古都を再びこの世界に連れ戻そうと考えていた。

三人議会の誕生

京都の山奥に住んでいた上人一家。

京都にある高山寺(こうざんじ)に一匹の犬と住む僧侶・明恵上人は、絵を具現化する力を持っていた。ある日、上人がふすまに描いた黒兎・古都は仏眼仏母(ぶつげんぶつも)の姿を借り、人間の形で上人の前に現れる。古都が上人に抱いていた恋心が見事に実り夫婦となった二人は、その後、三人の子供・鞍馬、八瀬、薬師丸と暮らし始めるのだった。
薬師丸(鏡都における・明恵)は人間だが、鞍馬と八瀬は上人の描いた絵から生まれた子供である。周囲からは気味悪がられ、ついには京都を追い出されてしまった一家。そこで一家は、上人の描いた世界「鏡都」で暮らすことを選んだ。「誰も死なず、誰も生まれない。」上人が決めた秩序に従い動く世界で幸せに暮らす一家であったが、しばらくした頃古都が「仏さまに姿を返さねばならない。」と涙ながらに明かした。それを聞いた上人は、子供たちを置き去りにして、古都とともに鏡都から姿を消す決断をしたのだった。両親の失踪に泣きじゃくる八瀬と薬師丸に、鞍馬は鞍馬「泣くな。二人はもういないんだ。僕らは僕らでやっていく、大丈夫だ。」と語りかけた。そうして取り残された三人の子供に鏡都のすべての決定権が受け渡され、誕生したのが「三人議会」である。

コトと家族

稲荷の面を外すコト。

コトは以前「神社」と呼ばれる世界で、神社世界の管理人・宮司(ぐうじ)の直轄部隊兵(ちょっかつぶたいへい)・稲荷(いなり)に拾われ生活を共にしていた。いつも狐の面をかぶっている稲荷に育てられ、その狐面男と同じ赤い瞳をしたコトは周囲から陰口を言われるが、稲荷はそれでも「強くなれ。」とコトに教え続けた。友達と呼べるのは阿吽だけだったが、稲荷の教え通り日々強くなり、相手が由緒正しき貴族の子・八幡(はちまん)であろうと売られたケンカは必ず買った。 ある夜コトは、涙を流しながら眠る稲荷とそれに寄り添う黒兎を見てしまう。壁にある黒兎と見知らぬ街の絵、そして仮面を外した稲荷の顔を見たコトは、稲荷と自分は親子であると直感的に理解した。しかしコトはあえてそれを口にするでもなく、「神社で一番になってママを探しに行く。」とだけ稲荷に伝えたのだった。

鞍馬に茶室へ案内されたコト。

話は現在に戻り、鏡都のシステムを管理している「鞍馬寺(くらまでら)」に呼び出されたコトは、神社世界から持ってきたアラタマを解析するため、それをショーコに手渡した。その後コトを茶室に案内し「外の世界を見てみたい。」という幼いころからの野望を話した鞍馬は、別れ際に「我々の母は父の描いた黒い兎だ。」と打ち明る。これを聞いたコトは、三人議会の面々と自分が兄弟だと悟るのであった。

八瀬のトラウマ「駅開き」

鬼と化し暴れる八瀬。

鏡都には、不要なものを鏡都の外に流す行事「駅開き(えきびらき)」がある。過去、駅開きで大切な人形を鞍馬に流されてしまった経験のある八瀬は、この行事が嫌いだった。しかし不幸なことに、妖怪のいたずらでまた思い出の品であるカップを駅開きに流されてしまった。このカップには大好きな母との思い出が詰まっており、それをなくした悲しみから八瀬は鬼の姿となり暴れまわる。居合わせたコトたちがカップの代わりになるものを探しに鞍馬のもとを訪れ、鞍馬が大切にしているという碗を預かるが、それを渡された八瀬は「鞍馬に大切なものをなくした気持ちがわかるわけがない!」とさらに激怒。しかし、そんな自分を宥めるコトに母の面影を見た八瀬は落ち着きを取り戻し、「カップの代わりに鞍馬の碗を大切に使わせてもらうわ。」と礼をした。

明恵と家族

死んだ薬師丸を連れて帰った上人。

話はさかのぼり、明恵がまだ「薬師丸(やくしまる)」だったころ。人間の子供・薬師丸はまだ幼いながらに、両親が殺害された現場を目の当たりにする。後を追うように自らの腹を刺し命を絶った薬師丸だったが、意識を取り戻すと目の前には見知らぬ男女・上人と古都がいた。というのも、すでに亡くなっている薬師丸を見かけた上人が独断で蘇生を行い、不死の体にしてしまったのだ。「これからはうちに住めばいい。そのうえで、できれば息子としての役割を期待したいね。」と話す上人と、初めは戸惑っていたものの上人と同じくこの家に住むよう説得を始めた古都をしぶしぶ受け入れた薬師丸は、二人の家族となるのだった。

コトと楽しげに会話する明恵の幼馴染。

駅開きの季節になると、両親が汽車に乗って帰ってくることを淡く夢見てしまう明恵。しかし今回の駅開きも両親が帰ってくることはなく、やり場のない気持ちを抱えた明恵は気が立っていた。気持ちを落ち着かせるためか幼馴染の女の子に会いに行く明恵だったが、そこには幼馴染と楽しげに話すコトの姿があった。「いつか外の世界に連れて行ってあげる!」というコトの言葉に明恵の怒りは頂点に達し、八つ当たりをしてしまう。これはコトへの怒りではなく子供を置いて去った父への怒りだと気づく明恵だったが、時すでに遅く、コトは明恵の彼女のもとに家出していた。明恵への不満を話すコトは、彼女に「明恵を救ってあげてね。」と伝えられる。一方明恵は、昔父から数珠と「明恵上人」の名を受け継いだ頃の夢を見ていた。夢から覚め、コトを探す明恵。ようやく再会したコトから「阿吽とは始まりと終わりのことである」と聞き、父が去り際に言っていた「いつか始まりと終わりを連れて帰ってくるからね。」という言葉を思い出す明恵。コトが鏡都に迷い込んだのは偶然ではないと悟り、「コトの黒兎探しを手伝う代わりに、母親が見つかったらお前が俺を殺してくれ。」と提案をする明恵。人は死なず、壊れたものは元に戻る鏡都。しかしコトの持つ「アラタマ」による損傷だけは、そのルールが適応しないと判明してからの話である。コトが自分の妹であると確信した明恵はコトから稲荷の写真を見せられるが、自分の覚えている父、つまり上人より幾分も若く見受けられることに違和感を覚えた。

コトと母の再会

異空間でコトと再会し、抱きしめる古都。

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