死亡遊戯(香港映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『死亡遊戯』とは、1978年に公開されたロバート・クローズ監督、ブルース・リー主演の香港映画である。
スター俳優のビリー・ローはシンジケート組織からの契約を迫られるが、それを頑なに断る。ある日の撮影中に、ビリーは銃弾を浴びて銃弾を受けて殺害されたと思われたが、実はビリーは死んでおらず、単身でシンジケート組織へ戦いを挑む。
1972年にアクション場面を撮影後、ブルース・リーが急逝。
数年後に代役スタントマンを起用して追加撮影したうえで1978年に制作された。

出典: i.ytimg.com

本作品でカットされた、ジェームス・ティエン(写真右)、チェン・ユアン(写真中央)出演場面。

本作品は1978年に『死亡遊戯』という題で公開されるも、主演のブルース・リーが生存中、かつ撮影時の題は『死亡的遊戯』だったとの事。何故その後、『死亡遊戯』という題となったかは不明だが、2000年に未公開フィルムを用いて編集し制作されたドキュメンタリー作品では『死亡的遊戯』という題(『Bruce Lee in G.O.D 死亡的遊戯』)となっている。
「塔の各階で待ち構える格闘家と対戦する」というシンプルで漠然とした内容の原案で撮影を始めると同時に、台本執筆も行われていたと言われる。そして『燃えよドラゴン』(1973年)の撮影終了後に完成したとされる台本の所在は明らかとなっていない。またブルース・リーの他に、ジェームス・ティエンとチェン・ユアンらと共に三人で塔内での場面が撮影された。その5年後にジェームス・ティエンとチェン・ユアン(前年である1977年に死去)が、再開となった本作品の撮影に参加不可となった為、ブルース・リーが塔内での戦いを行ったかの様に編集処理(ジェームス・ティエンは本作品にて「組織により殺された俳優」として設定のうえ、1シーンのみ登場)された。

ロケ地に使われたレストランが2020年に閉店

香港の「南北楼(ザ・レッドペッパーレストラン)」。

本作品にて、組織のアジトのロケ地として使われたのが、香港の銅鑼湾(コーズウェイベイ)にある「南北楼(ザ・レッドペッパーレストラン)」であり、多くの観光客からも知られていた。しかし、2020年の大みそかをもって閉店、その約40年の歴史に幕を閉じる事となった。

ブルース・リー代役の壮絶な人生

スタイナー(写真左)と格闘するビリー(写真右)。

本作品におけるビリー役(ブルース・リーの代役)のドラマ、及びアクション場面の多くは、韓国出身のタン・ロン(本名:キム・テジョン)が演じた。彼はオーディションを通して役を獲得するも、8ヶ月に及ぶ撮影期間中はスタジオと宿泊ホテル以外を一切出かける事ができなかったうえ、ブルース・リーの撮影済みフィルムや台本すら見せてもらえなかったとの事。
また1980年に制作の『死亡の塔』でも、ブルース・リー役と、リーの弟役の二役を演じる。しかし、「ブルース・リーの亡霊に苛まれた」という理由で、スキンヘッドにして撮影を6ヶ月間ストップさせた。
その後は、故郷である韓国で制作されたアクション映画に幾つか出演した後、単身アメリカに渡り永住権を取得する。1986年の『シンデレラ・ボーイ』でブルース・リーの亡霊役として久々に映画出演し、キレのあるアクロバティックなアクションを披露した。
以降は目立った活動記録が無く、長らく沈黙を守ってきたものの、2010年に韓国で開催されたブルース・リー生誕70周年記念イベントに出席し、多くのファンを驚かす。またイベントにて、『死亡之路/THE WAY OF DEATH』という作品の準備をしており、この作品で引退すると告げた。しかし作品の脚本が完成していた矢先の2011年8月、54歳の若さで病により死去。

『死亡遊戯』の主題歌・挿入歌

主題歌:ジョン・バリー『死亡遊戯メインテーマ』

本作品のメインテーマを、映画『007』シリーズ等を手掛けた作曲家ジョン・バリーが制作した。

国際版主題曲:コリーン・キャンプ『Will This Be The Song I'll Be Singing Tomorrow』

本作品にも出演したコリーン・キャンプが、国際版の主題歌も歌唱した。

香港版主題曲:ロマン・タム『死亡遊戯』

香港公開版の主題曲を、香港の歌手で俳優のロマン・タムが歌唱している。

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