死亡遊戯(香港映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『死亡遊戯』とは、1978年に公開されたロバート・クローズ監督、ブルース・リー主演の香港映画である。
スター俳優のビリー・ローはシンジケート組織からの契約を迫られるが、それを頑なに断る。ある日の撮影中に、ビリーは銃弾を浴びて銃弾を受けて殺害されたと思われたが、実はビリーは死んでおらず、単身でシンジケート組織へ戦いを挑む。
1972年にアクション場面を撮影後、ブルース・リーが急逝。
数年後に代役スタントマンを起用して追加撮影したうえで1978年に制作された。

スタイナー(演:ヒュー・オブライエン)

出典: stat.ameba.jp

CV:森山周一郎
ランドの側近。ビリーの控え室に向かい、彼に契約を迫る。その後も、手下達と共にビリーを襲撃するも、ビリーに契約を頑なに断られ、ランドからビリーを消すよう命じられる。撮影スタジオに侵入し、撮影中のビリーを銃撃しその場を立ち去る。ビリーは「事故死」として、彼の葬儀が執り行われた。ビリーの葬儀に多くのファンが出席するなか、アンの姿があり、カールと共に彼女のもとへ向かう。すると自分達に詰め寄ったアンにより、唾を吐きかけられる。そんな彼女に激昂するも、近くにいたジムがアンの腕を引っ張りその場を去る。
また、病院で療養中のアンのもとを、ランド達と向かう。ランドがアンの力になりたいと告げるも、アンは全く聞く耳を持たずに帰れと言うだけだった。仕方なく、ランド達とその場を立ち去る事となった。屋敷に戻ったランドの下へサングラスに髭面の男が現れ駆け寄る。カールや手下達がランドを護衛するなか、スタイナーは現れた男に対して威嚇発砲をし、男は逃亡する。更に空手選手権後、ロッカールームにて出場選手であるカールが何者かに殺される。
これらの行動を起こした男がビリーだと考えたランドから、ビリーの墓石を掘り返す様に指示される。そして実際に墓を掘り返した結果、中にあったビリーの遺体が偽物であった事が分かり、彼の死が嘘である事が判明する。また、ビリーとアンの居場所を突き止めた後に、手下達にアンを人質として捕まえる。ビリーはアンが捕まっている倉庫へ向かい、手下達と戦い彼女を助け、組織のアジトに向かう。アジト内でビリーが手下である格闘家達を倒していくなか、格闘家の一人であるハキムを下の階にいるハキムを呼ぶが返答が無く、自ら降りて様子を見にいく。するとうつ伏せで倒れているハキムのそばに、ビリーもいた。ビリーに対し槍を用いて攻撃を仕掛けた後、羽交い絞めにする。しかしビリーにより腕を解かれ、彼の足技で首を絞められた挙句、蹴り技で階段から突き落とされその場で倒れる。
スタイナーを演じたヒュー・オブライエンは、1949年に俳優デビューした後、テレビドラマ『保安官ワイアット・アープ』(1955~1961年)や映画『折れた槍』(1954年)等に出演、西部劇俳優として人気を誇る。晩年も、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『ツインズ』(1988年)といった作品にも顔を出す。2016年9月に死去。

カール・ミラー(演:ボブ・ウォール)

ランドの手下の格闘家である。ランドの指示のもと、ビリーが叔父のもとを訪ねていたところを、手下達と襲撃しビリーを痛めつける。ビリーがスタイナーにより銃撃された後、彼の葬儀が行われた際にアンの前に現れる。すると、激高したアンにより唾を吐きかけられる。それに対し自分も怒るが、ジムがアンの腕を引きその場を去る。
屋敷へ帰ったランドのもとへ、サングラスに髭面の男が現れ駆け寄る。手下達と共に、ランドの護衛に携わる。スタイナーが威嚇発砲したところで男が逃亡、彼を追いかける。路上まで追跡するも、獅子舞の練習をしていた集団に行く手を阻まれ、男を取り逃がす。後日、空手選手権が開催され、選手として参加する。相手に容赦ない拳や蹴りを浴びせ、最後は相手の胸部に膝を乗せた事で勝負がつく。試合で勝利し、控室で祝賀会が開催される。一同にシャワーを浴びてくると話し、ロッカー室へ向かう。ロッカー室に入ると、一人の老人が待ち構えていたので、カールは彼に早く出ていく様に話す。老人はカールの前で鬘と髭を取り、正体がビリーだと明かす。その場で一対一の決闘が行われるが、隣の部屋では盛り上がる祝賀会によりビリー達の戦いの様子には気付いていない様子。やがて二人がロッカーや壁を叩く音に、祝賀会に参加していた一人が違和感を感じ始め、部屋のドアに耳を近付ける。一方、中ではカールがビリーの腕を取り羽交い絞めにする。しかし、ビリーの空中蹴りで腕をほどかれ、ビリーから連続蹴りを浴びせられる。フラついたところで、ビリーは怪鳥音を叫びつつ、カールは開いていたロッカーへ蹴り飛ばされる。一同が入ってくるのをみてビリーはその場から逃亡。一同が見たのは、ロッカーのなかで倒れ込んでいるカールの姿だった。
カール・ミラーを演じたボブ・ウォールは、1972年の映画『ドラゴンへの道』で俳優デビューを果たし、翌1973年には『燃えよドラゴン』では用心棒・オハラ役で出演し、ブルース・リーファンからもお馴染みの顔として知られる。1970年代終盤以降、目立った活動はなかったが、ブルース・リーのドキュメンタリー作品のプロデューサーとして活躍。

ハキム(演:カリーム・アブドゥル=ジャバー)

出典: pbs.twimg.com

CV:田中崇
2mはあるであろう巨漢の持ち主で、ランドの手下である。組織に背いたとして、新聞記者ジムの知人である俳優のチャーリーを締め殺す。
また物語終盤、組織のアジトへ侵入したビリーと遭遇、椅子に座り彼を待ち構える。ビリーが駆け寄った瞬間、彼を長い足で蹴りあげる。ビリーの胸部には、鮮烈に足跡が残っていた。そこから、容赦なく蹴りをビリーに浴びせた後、彼を割れたガラスの破片に突き付けようとする。するとビリーに頭部を叩かれ、ビリーが攻撃し始める。最後はビリーにより首を絞められ、その場で倒れ込む。
ハキム役を演じたカリーム・アブドゥル=ジャバーは、NBAのバスケットボール選手としてその長身と高い技術で注目され、1970~1980年代にかけて活躍した。俳優としても、コメディー映画『フライングハイ』(1980年)等に出演、観客に強い印象を与えた。
またブルース・リーがアメリカにいた時に拳法を教えていた弟子でもあり、彼が休暇で香港にいた時に本作品への出演依頼を受けたとの事。

棒術の達人パスカル(演:ダニー・イノサント)

CV:寺田誠
組織のアジトにやって来たビリーと遭遇し、持っている棒で小気味良く音を鳴らしたのに対し、ビリーも自分が持つ棒で、同じリズムを鳴らす。そのビリーがタイミングで攻撃を始めたのに対し、対抗する。そしておもむろにヌンチャクを取り出し、ビリーに攻撃を仕掛ける。するとビリーもヌンチャクを取り出し、振り回す。間が空いて、話しかけた瞬間、ビリーにヌンチャクを叩きつけられ、連続蹴りを浴びせられる。最後は、スキを突いたビリーによりヌンチャクで首を締められ絶命。
棒術の達人パスカルを演じたダニー・イノサントは、ブルース・リーが編み出した截拳道(ジークンドー)の弟子である。ブルース・リーの死後、截拳道の正式な継承者となった。またアメリカにて軍や警察での指導も行っている。

合気道の達人(演:チー・ハンツァイ)

出典: i.ytimg.com

ビリーが棍棒使いパスカルを倒した後、次の階へ上がって来た際に待ち構えていた。優れた投げ技でビリーを投げ落とすが、ビリーもまた絞め技で対抗する。更にビリーにより体を持ち上げられた挙句に、腰をへし折られてしまう。そして、その場で倒れ込み起き上がれなくなる。
合気道の達人を演じたチー・ハンツァイは、実際に韓国合気道の有段者である。韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領のボディガードといった大役を務め、『アンジェラ・マオの女活殺拳』(1972年)といった作品等に出演し、あらゆる分野で活躍した。また本作品への出演の際、塔内での戦いの末、「主人公ビリーに倒されて絶命」という自身の設定に異議を唱えた。これは彼の「韓国人武闘家としての強いプライド」だと言われており、結局ビリーとの戦いの後、倒されるが「絶命」かどうか分からない状態で終わる描写となった。

カールの試合相手(演:サモ・ハン・キンポー)

空手選手権でのカールの対戦相手で、筋骨隆々とまではいかないが、キレのある拳や蹴りでカールに対抗する。カールにリング外へ飛ばされても、直ぐに這い上がり激しく抵抗。結局、カールの容赦ない猛攻を受け、リング上で倒れる。
カールの試合相手役を演じたサモ・ハン・キンポーは、1970年代頃より数多くのカンフー映画にてアクション指導やスタント・監督を務める。俳優としても『デブゴン』シリーズや、『プロジェクトA』(1983年)、『スパルタンX 』(1984年)等のジャッキー・チェンとの共演作品で人気を博す。2000年代以降も、『SPL 狼よ静かに死ね』(2005年)、『イップ・マン 葉問』(2010年)等で、そのキレッキレのカンフーアクションで多くのファンを魅了する。一方で『霊幻道士』シリーズといった作品にて、制作を手掛けた。

ヘンリー・ロー(演:ロイ・チャオ)

CV:藤本譲
ビリーの叔父で京劇俳優である。ビリーが楽屋に訪ねて来て、組織に狙われて契約を迫られている事を話す。それに対し、役者にとって何より大切なのは客だと話し、ビリーはその言葉を胸に組織と戦うと答える。またビリーが、恋人のアンも組織からの危険が及ぶ可能性があると告げたのに対し、暫く彼女と距離を置いた方がいいと助言を述べる。ランドの手下達の襲撃があり、ビリーを逃がしつつ他の劇団員達と共に手下達に対抗した。
ヘンリー・ロー役を演じたロイ・チャオは、1960年代から俳優として注目される。映画『燃えよドラゴン』(1973年)での少林寺の高僧という印象的な役や、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984年)のギャング役等、中華圏にとどまらずハリウッドにも進出し活躍の場を広げた。1999年4月に死去。

『死亡遊戯』の用語

ヌンチャク

出典: eiga.k-img.com

ヌンチャクを持ち構えるビリー。

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@huduki0919h2

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