ゾイド新世紀/ゼロ(第2作)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ゾイド新世紀/ゼロ』は、タカラトミーの玩具「ゾイド」をモチーフに、TBS系列で放送されたテレビアニメ。全26話。原作はタカラトミー。ジャンク屋を営む主人公ビット・クラウドが、ライガーゼロと出会い、数多の敵とのゾイドバトルを通じて成長していく物語。前作『ゾイド -ZOIDS-』の直接の続編で、1000年以上経った惑星Ziが舞台。今作では、ゾイドを戦争兵器としてではなく、ゾイドによる対戦競技をメインに据えているのが特徴。また、シリアスだった前作と違い、コメディ要素が強い作品となっている。

『ゾイド新世紀/ゼロ』の概要

『ゾイド新世紀/ゼロ』は、タカラトミーの玩具「ゾイド」をモチーフに制作された、ロボットもののテレビアニメ。TBS系列で2001年1月6日から2001年6月30日まで全26話された。原作はタカラトミー。前作と同じく、登場ゾイドは全てトゥーンレンダリングによる3DCGで描かれている為、ゾイドのリアリティが高く躍動感を感じられる。前作『ゾイド -ZOIDS-』に続く2作目であり正当な続編。舞台は同じ惑星Zi(ズィー)だが、全編に渡ってシリアスだった前作とは異なり、今作では終盤までコメディ要素が強い作品となっている。前作『ゾイド -ZOIDS-』の高い人気を受けて制作された2作目だったが、前作が予定よりも話数が伸びてしまったために、この作品の後に放映が決まっていた『ウルトラマンコスモス』との兼ね合いで、話数が少なくなってしまったというある意味不遇な作品でもある。前作で出演していた多数のキャストが、今作でも引き続き出演している。

もはやゾイドが戦争の道具ではなくなった時代の惑星Zi。そこではゾイドバトル連盟の公正なルールのもと、ゾイド対ゾイドの戦闘競技「ゾイドバトル」が繰り広げられていた。
ジャンク屋を営んでいた主人公のビット・クラウドは、光学迷彩を施したトラックでゾイドバトルのフィールドを周りゾイドパーツを収集していた。ビットは、ひょんなことから自身の最高の相棒となるゾイド、ライガーゼロと出会い、成り行きで加わったチーム・ブリッツの一員としてゾイドバトルに参戦し、数多のライバルたちと戦っていくことになる。

『ゾイド新世紀/ゼロ』のあらすじ・ストーリー

ライガーゼロとの出会い

ジャンク屋を営んでいるビット・クライドは、トラックで各地を周りゾイドパーツを拾い集めていた。そんな中、空から1つのポッドが落下してくる。そのポッドからはゾイドバトル連盟のジャッジマンが現れ、この辺り一帯がゾイドバトルのフィールドになる事を告げる。ゾイドバトル参加者以外はフィールドへの立ち入りが禁止されているが、ビットは新たなゾイドパーツの収穫ができるかもしれないと思い、トラックを光学迷彩で隠して走らせていった。

ビットが出くわしたゾイドバトルでは、チーム・ブリッツとチーム・タイガースが3対3のバトルを繰り広げていた。
チーム・ブリッツはバッファロー型ゾイドである「ディバイソン」、オオカミ型ゾイドである「セイバータイガー」が撃破され、残るはライオン型の「シールドライガー」だけであった。

「シールドライガー」は走行中に何かに当たって、転倒してしまう。パイロットであるレオン・トロスは、その何かがトラックだと気づく。
すぐにレオンは、ジャッジマンに「このバトルシールドに部外者が侵入している」ことを告げ、バトルを無効にするよう依頼する。しかし、チーム・タイガースはそれを嘘だとして「シールドライガー」に攻撃を浴びせて戦闘不能に追い込んでしまう。
そのままチーム・タイガースの勝利かと思われたが、ジャッジマンがトラックの存在を確認し、バトルの無効と後日の再戦を決定した。
取り敢えずの窮地を脱したチーム・ブリッツだったが、問題が残っていた。それは、レオンが負傷によって次回バトルの参加ができなくなってしまったことだった。

トラックが大破してしまったビットは、食料を調達するために、ゾイドの格納庫に忍び込む。ゾイドに見入っていたビットだったが、侵入者用の警報が鳴り、捕らえられてしまった。
ビットが入り込んだのは、なんとチーム・ブリッツの本拠地だったのだ。バトルを台無しにしたビットに詰め寄るチーム・ブリッツだったが、ビットの事情を聞いて食事を提供する。そして、ビットにライオン型ゾイド「ライガーゼロ」についての話をする。

「ライガーゼロ」は誰も乗ることのできない、乗り手を選ぶゾイドだった。ビットは、格納庫で埃を被っている「ライガーゼロ」に、自分の境遇を重ね合わせる。すると、「ライガーゼロ」が起動し、コックピットを開けた。
それはまるで、自分の乗り手としてビットを認めたような仕草だった。
ビットは、「ライガーゼロ」に応えてコックピットに乗り込む。しかし、「ライガーゼロ」はビットの指示を無視して、格納庫の壁を突き破り、外へと飛び出してしまう。
ビットに憤りを露にするチーム・ブリッツのメンバーもいる中、レオンは、ビットが誰一人として動かすことのできなかった「ライガーゼロ」を動かすことができる人物だとして、ビットの可能性について期待を抱いていた。

その後、チーム・ブリッツとチーム・タイガースは再び対戦した。しかし、チーム・ブリッツは「コマンドウルフ」と「ディバイソン」の2体だけでのエントリーとなった。
バトルが始まると、またしても劣勢に立たされ、「ディバイソン」が攻撃を浴びて転倒してしまう。すると、そこへビットと「ライガーゼロ」が現れる。そこへジャッジマンからの通信が入る。それは、チーム・ブリッツの登録ゾイドである「ライガーゼロ」のゾイドバトル参加を認めるというものだった。

ビットは、早速高台から狙撃をしていた「セイバータイガー」を1体撃破すると、残り2体に突撃していった。武装を確認するビットだったが、「ライガーゼロ」の唯一の武装は、ストライクレーザークローという両前足の爪のみであった。
それに驚くビットだったが、「ライガーゼロ」の考えを読み取り、ストライクレーザークローで「セイバータイガー」の足を切り裂き戦闘不能に追い込んだ。そして残りの1体は、「コマンドウルフ」が隙をついて仕留めた。
蓋を開けてみれば、チーム・ブリッツは長らく遠のいていたバトルの勝利を手にしていたのだった。

バックドラフト団との闇バトル

ある日、ビットは誤って、同僚であるリノンの入浴中に風呂場に入ってしまう。激怒したリノンは、車で逃げるビットを追跡する。
しかし、リノンは何者かの攻撃を受けて連れ去られてしまった。

その夜、チーム・ブリッツにある人物から通信が入る。その人物は、バックドラフト団と名乗り、リノンの身柄を拘束していることを告げる。そして、リノンを人質にチーム・ブリッツに闇バトルを迫ってきた。
闇バトルとは、勝てば相場の数倍の賞金が支払われるが、負ければ所有するゾイドを全て奪われるという高リスクのバトルだった。そのバトルを受けざるをえないチーム・ブリッツ。

指定されたポイントに到着したビットたち。するとそこへ、空から黒いポッドが落下。そこから出てきたのは、ジャッジマンに酷似したダークジャッジマンだった。
ダークジャッジマンは、バックドラフト団が開発したロボットであり、バックドラフト団との闇バトルを取り仕切る。しかし、ダークジャッジマンはバックドラフト団に有利になるような判定をするイカサマ審判だった。

ビットたちは、ゾイドバトルの規定以上の数のゾイドを出してきたバックドラフト団に追い詰められるが、ダークジャッジマンはそれを黙認する。しかし、徐々に形勢が逆転し、ついにビットたちがバトルに勝利するのだった。
ダークジャッジマンは、肩を落として空へ飛び去っていった。一方リノンは、捕らえられていた基地を脱出し、無事チーム・ブリッツに帰還するのだった。

換装パーツによる新形態の獲得

ビットは、格納庫に見慣れぬ巨大な箱を見つける。それは「ライガーゼロ」を購入したトロス博士が、「ライガーゼロ」の為に開発した換装パーツだと言う。
換装パーツには、超高速戦闘形態の「イェーガー」、格闘戦用形態の「シュナイダー」、砲撃形態の「パンツァー」の3タイプがあった。ビットが換装パーツに興奮している中、チーム・ブリッツの次なる対戦相手が決まった。
それは、以前勝利したチーム・チャンプだった。しかし、チーム・チャンプは新たに助っ人を雇っていた。助っ人はジャック・シスコという、超高速戦闘を得意とする凄腕のゾイドウォーリアーだった。

バトルが開始すると、ビットたちはジャックのチーター型ゾイド「ライトニングサイクス」の速度についていけず、砲撃の的になっていた。
ビットは、換装パーツに高速戦闘用のものがあったことを思い出す。「ライガーゼロ」は、超高速のスピードを得てライトニングサイクスに肉薄する。ジャックは、自分のスピードに付いてくるビットに歓喜する。
そして、2体のゾイドが交錯した後に立っていたのは「ライガーゼロ」だった。チーム・チャンプの残るゾイドも倒されてしまい、チーム・ブリッツの勝利が確定したのだった。

チーム・ブリッツが連勝を続ける中、チーム・ブリッツと以前戦ったチーム・タイガースは敗北を重ねていた。かつては強豪チームとして名を馳せていたが、負けが続いて弱小チームに成り下がっていた。
そんな彼らに一人の男が接触してきた。その男はラオン博士と言い、高い技術力を持つ技術者だった。ラオンは、チーム・タイガースに自分の持つ技術を提供することを申し出たのだった。

後日、ビットたちはチーム・タイガースのバトルを見ていた。パッとしなかったチーム・タイガースだったが、ここ最近はバトルに勝ち続けており、かつての人気を取り戻していた。
しかし、チーム・タイガースのバトルの時は、なぜか雷雲が発生し、対戦相手のゾイドが雷に当たり操縦不能になっていることが不可解だった。

そして、チーム・ブリッツとチーム・タイガースのバトルが始まった。
案の定、雷雲が発生してビットたちを雷が襲う。さらに、チーム・タイガースの周りに竜巻が発生し、リノンが新しく乗り換えた「ガンスナイパー」が吹き飛ばされ戦闘不能になってしまった。
仲間のバラッドは、ビットに「考えがある」と言ってとある場所へ走る。そこは、地面が干からびて隙間が空き、重さを加えると地面に沈んでいく場所だった。
そこに敵を誘き寄せたバラッドとビットは、地面に脚を沈ませてしまった「セイバータイガー」2体を戦闘不能にした。しかし、残り一体となった時、セイバータイガーの周りに巨大な竜巻が発生。近づくことができなくなってしまった。

ビットは、新たな換装パーツ、ジュナイダーで竜巻ごと「セイバータイガー」を切り裂くことを思いつく。そして、橙色のシュナイダーに換装した「ライガーゼロ」は、7本のブレードを全て展開し、竜巻を切り裂いて進み、中心にいた「セイバータイガー」を戦闘不能にしたのだった。

バトルはチーム・ブリッツの勝利で終わったが、雷雲の中からクジラ型ゾイド「ホエールキング・ザ・グレート」が現れ、ラオンが姿を見せた。チーム・タイガースのバトルの時に発生していた雷雲や竜巻は、全てラオンが開発した装置によるものだった。
ラオンは、トロスに「久しぶりだな」と言う。トロスとラオンはかつての旧友であり、とある事情から、ラオンはトロスに恨みを抱いていたのだった。ラオンはトロスたちにまた会うことになると伝え、飛び去っていった。

バックドラフト団から迫り来る刺客

ある夜ビットが格納庫で寝ていると、コウモリ型ゾイド「ザバット」が音もなく飛来し、格納庫の天井に穴を開けて「ライガーゼロ」を強奪していった。翌朝、ビットは車で「ライガーゼロ」の行方を追っていた。トロスと通信している中、突如としてビットの車を「ザバット」が襲ってきた。トロスがビットに話かけるが、ビットが応答することはなかった。

ビットは、バックドラフト団の建物の中にいた。そこでビットは、アルタイルと名乗るバックドラフト団の幹部と出会う。アルタイルは、闇バトルを指揮し、違法な賭博をしていた。そして、ビットの「ライガーゼロ」に目をつけ、今度の闇バトルによる賭博の対象にしようとしていた。
アルタイルは「ライガーゼロ」こそが、自身が探している「アルティメットX」と呼ばれるゾイドではないかと推測し、「ライガーゼロ」が持つ潜在能力を見極めるためにビットに戦いを持ちかけた。

闇バトルの対戦相手は、バックドラフト団の一員であり、ゾウ型ゾイド「エレファンダー」を操縦するストラであった。
ビットは、エレファンダーの前に為す術なく一方的にやられていた。しかし、エレファンダーは「ライガーゼロ」に止めを刺すことをしなかった。アルタイルは、自分の言うことを聞かない「エレファンダー」のパイロットを叱咤する。

その時、ビットたちがいる建物が爆撃された。それは、ビットの行方を追ってきたチーム・ブリッツによるものであった。ビットは、爆撃によって空いた穴から外へ脱出し、シュナイダーへと換装した。そして、再びエレファンダーと対峙した。勝負は一瞬だった。シールドを展開したエレファンダーにブレードを展開したライガーゼロが突進。ライガーゼロはブレードを一つ折られたが、エレファンダーはシールドを破壊され脚にダメージを負った。
ストラは、自分の負けを認め、ビットとまた戦うことを約束して去っていった。

バラッドの新たなる力

ある夜、バラッドは森の中にいた。
バラッドはあるゾイドを探していた。そして、ついに探しているゾイドを発見する。そのゾイドは、木々の中を走り抜け、崖をも軽々と降りていける身体能力を有していた。

そのゾイドを追いかけ、崖を降っていくバラッドだったが、バランスを崩して地面に落下。さらに、降ってきたミサイルを受け、バラッドの乗っていた「コマンドウルフ」が大破してしまう。
なんとか脱出したバラッドだったが、そこで意識が途絶え、次に目を覚ました時には見知らぬ施設の中だった。

そして、バラッドをここまで連れてきたのがラオンだったことを知る。ラオンは、バラッドに遠心加速装置による実験をする。
スピードに耐えられなくなったバラッドが気絶すると、ラオンは職員にバラッドの回収を命じる。しかし、バラッドは気絶しておらず、職員が装置から拘束具を外した瞬間に襲いかかり逃走していった。
そして、施設内を逃げている途中、格納庫でバラッドが探していたキツネ型ゾイド「シャドーフォックス」を発見する。

バラッドは、「シャドーフォックス」に乗り逃走。ラオンはバラッドを逃すまいと追ってを差し向けるが、バラッドはそれらを次々と撃破する。その様子を見たラオンは、バラッドが「シャドーフォックス」の性能を十分に発揮できると評価する。そしてラオンはバラッドに、「シャドーフォックス」の譲渡を条件に、バックドラフト団への参加を要請するのだった。

チーム・ブリッツ内では、戻ってこないバラッドを心配していたが、次の戦いの為にバトルフィールドに赴いていた。しかし、そこには対戦相手の姿がなかった。
すると、空からダークジャッジマンが飛来し、ジャッジマンのポッドを上から押しつぶしてしまった。そして、「ホエールキング」が姿を現し「シャドーフォックス」を投下。バラッドが、バックドラフト団側としてバトルに参加してきたのだった。

驚くビットたちだったが、バトルがはじまってしまう。バラッドは、「レイノス」と「ガンスナイパー」を戦闘不能にし、「ライガーゼロ」に襲いかかる。
両者譲らず、格闘戦で互いにダメージを受けたところで、押しつぶされたかに見えたジャッジマンが傷を負いながらも姿を表す。ジャッジマンは、「同じチーム同士の戦いは認められない」と言う。

「ホエールキング」に乗っていたラオンはそれを否定する。しかし、バラッドはいつもの癖で、普段使っているゾイドギアを「シャドーフォックス」にセットしていた。そのため「シャドーフォックス」はチーム・ブリッツに所属するゾイドとして登録されてしまっていたのだった。バラッドも、「シャドーフォックスに惚れた。バックドラフト団に戻る気はない」と宣言し、このバトルは無効となった。ラオンは、失意の中この場から去っていくのだった。

現れた最強の敵

バックドラフト団の幹部アルタイルは、チーム・ブリッツとの戦いでの敗北により、団での立場を悪くしていた。アルタイルは自らの復権の為に、存在すると信じ探し続けている、「アルティメットX」の捜索を拡大することにした。

チーム・ブリッツの次の対戦相手が決まった。それは、ジャックのいるチーム・ライトニングだった。
しかし、ジャッジマンがバトルスタートのコールをしている中、黒いポッドがジャッジマンの上に落ちてきた。そして、バックドラフト団の「ホエールキング」が現れ、中から一体のゾイドが飛び出してきた。

そのゾイドはティラノサウルス型の「バーサークフューラー」であり、アルタイルが海から引き上げることに成功し、探し続けていた「アルティメットX」と呼ばれるゾイドだった。バーサークフューラーは、なぜか「ライガーゼロ」の素体(装甲を外した状態)のような外見をしていた。そして、バーサークフューラーに乗っているのはベガという少年だった。

ベガは、まだ10歳弱でありながら天才的な操縦技術を持っていた。ベガは、チーム・ライトニングの3体の「ライトニングサイクス」と、チーム・ブリッツの「ガンスナイパー」と「シャドーフォックス」を一蹴してしまった。「ライガーゼロ」とは互いの攻撃を交錯させ、「ライガーゼロ」は脚にダメージを受けて起き上がれなかったが、「バーサークフューラー」は胸にダメージを負っただけだった。ベガは動けなくなった「ライガーゼロ」に荷電粒子砲を打ち込もうと発射準備をした。

しかし、ベガの母親代わりであり、バックドラフト団幹部であるサラから引き上げるように言われ、不機嫌になりながらもその場を後にするのだった。

開幕!ロイヤルカップ

ロイヤルカップが開幕した。
ロイヤルカップとは、4年に1度開催される、ゾイドバトル連盟主催の大規模なバトルロイヤル。Aクラスの全チームと、Bクラス以下の選ばれた数チームが参加し、優勝チームには莫大な賞金とSクラスへの昇格権が与えられる。
今回は、広大なデカン半島を舞台に全チームが半島各地に散らばり、出会った敵チームとバトルを行いながら進んでいく。バトルに勝つとゴールへ到達するためのヒントが手に入る。ヒントを5つ集めて、ゴールへ一番最初に辿り着いたチームの勝利となる。

チーム・ブリッツが最初に出会ったのは、チーム・ライトニングだった。
以前「ライトニングサイクス」と戦った時手も足も出なかったリノンとバラッドだったが、今回はひと味違っていた。バラッドは「シャドーフォックス」から黒い霧を噴出して目を眩ませ、霧から出てきたところをリノンが「ガンスナイパー」で討ち取った。
ビットは、ジャックと1対1で戦っていた。以前と同様イェーガーを装備した「ライガーゼロ」は、「ライトニングサイクス」とスピード勝負をしていた。すると、目の前に森が迫ってきた。
「ライトニングサイクス」は、森ギリギリで急ブレーキをかけるが、「ライガーゼロ」は森へ突っ込んでいき、そのまま反転して「ライトニングサイクス」を強襲した。それが決定打となり、チーム・ブリッツがチーム・ライトニングに勝利したのだった。

ヒントを元にゴール地点へ来たチーム・ブリッツ。そこにいたのは、チーム・ベガの唯一のゾイドウォーリアーにして、天才的なゾイドの操縦技術を持つベガと「バーサークフューラー」だった。
最後にして最大の敵が、ビットたちの前に立ちはだかったのだ。ビットはパンツァーに換装して「バーサークフューラー」と対峙するが、まったく攻撃が効かなかった。

さらに、「ライガーゼロ」は自身の攻撃によって機体に負荷がかかり動けなくなってしまった。ベガは、その隙に荷電粒子砲のチャージを開始する。しかし、荷電粒子砲を発射しようとした時、空からジャッジ衛星が落ちてきた。
ベガは、瞬時に照準を変え、ジャッジ衛星を撃ち抜いた。衛星は爆発したが、まだその破片が残っていた。ビットは、なんとか「ライガーゼロ」を動かし、パンツァーの一斉射撃を撃って破片を一掃した。

破片が降り注ぐことはなくなったが、パンツァーを装備した「ライガーゼロ」が限界だった為、装備を強制的に解除した。無防備になった「ライガーゼロ」。しかし、換装する時間を稼いでいたバラッドがやられてしまった。ビットは、時間を作ってくれたバラッドに感謝し、「バーサークフューラー」に飛びかかっていくのだった。

ビットと「ライガーゼロ」は、ベガと「バーサークフューラー」の反応速度を超えて攻撃を仕掛ける。「ライガーゼロ」に搭載されたオーガノイドシステムが、これまで蓄積した戦闘データを学習し進化していたのだった。その為、まだ覚醒して間もない「バーサークフューラー」のポテンシャルを凌駕していった。
「ライガーゼロ」の猛攻に、装甲や武装を次々に破壊されていく「バーサークフューラー」。その衝撃で、ベガが気を失ってしまった。

ベガの操縦が無くなったことで、「バーサークフューラー」の眠っていた闘争本能が暴走し、ひとりでに動き出してしまった。そして、「ライガーゼロ」へ向けて荷電粒子砲を発射しようとするが、「ライガーゼロ」が「バーサークフューラー」の喉に爪を突き立てて口を上に向けたことで直撃を免れる。
しかし、「バーサークフューラー」は力任せに「ライガーゼロ」を押し倒そうとする。駆動系が限界にきていた「ライガーゼロ」は、「バーサークフューラー」の力にギリギリ耐えていたが、それももう長くは持たなかった。
しかし、そこで気を失っていたベガが回復。ベガがコクピットから強制脱出したことで、「バーサークフューラー」はまるで電池が切れたかのように倒れ込むのだった。その瞬間、ビットの勝利が確定したのだった。

ビットは、ゴールである「ウルトラザウルス」のコクピットへ行き、ゾイドギアをセットした。するとコンピューターが起動し、その場にいるビットへこう語るのだった。
「かつてここに、自由と勇気…そして飽くなき探究心を持つ者が立っていた。彼は、戦争の嵐吹き荒れるこの星で、平和のために立ち上がった。そして彼は、戦いを集結へと導いた後、旅立っていった。彼の愛したものは、空と、雲と、冒険だった…」
ロイヤルカップが終結し、戦いを終えたビットは、ライガーゼロと共に夕焼けに染まる空と雲を見上げるのだった。

『ゾイド新世紀/ゼロ』の登場人物・キャラクター

チーム・ブリッツ

ビット・クラウド

CV:櫻井孝宏
搭乗ゾイド:ライガーゼロ
本作の主人公。16歳。ジャンク屋を営み光学迷彩を施したトラックに乗ってゾイドバトルのフィールドに侵入し、ゾイドパーツを集めて回っていた。食料目当てでトロスファームに忍び込んだところをチーム・ブリッツに捕まってしまう。その時、格納庫で埃を被っていたライガーゼロと出会う。今まで誰にも乗りこなせなかったライガーゼロを操縦できたことで、チーム・ブリッツのゾイドウォーリアーとしてゾイドバトルに参戦することになる。
性格はマイペースでいい加減なところがある。人の言うことを聞かずに手痛い失敗をすることも。だが、ことゾイドに関しては、誰にも心を開かなかったライガーゼロと心を通わせることができるほど親和性が高く、本人の秘めたポテンシャルもあって、ゾイドバトルを重ねるごとに一流のゾイドウォーリアーとして成長していく。
夢は、「最高のパーツをつけた最高のゾイドに乗る」こと。まずはパーツを集めていたが、最高のパーツを見つけるよりも早く最高のゾイドに出会ったと作中で語っている。

リノン・トロス

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