一色まことの感動作、「ピアノの森」ついに完結。涙活しよう!

ピアノの森は2015年秋最終話が『モーニング』2015年49号に掲載され、その物語の幕を下ろすことになりました。天才ピアニストであるカイの幼少期からの成長の物語を描いています。
2015年12月に最終巻が単行本で発売され、感動の名作である本作を一気読みできるようになりました。まだ読んだことがない方のために、簡単にまとめてみたいと思います。

物語として確実に面白い

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「ピアノの森」は、一色まことさんによる青年漫画です。

ピアノの森は、2007年7月には、アニメーション映画化され、2008年には、(第12回)文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞し、一気に人気が上がりました。物語として確実に面白いです。

ここでは、物語の最初から最後までのエピソードをまとめて、巻数と概要を書きます。

長期連載でしたし、途中休載などもあったので、読み逃している方も多いと思われます。
ここでまとめたエピソードから何巻くらいから読もうかなと見定めていただければ幸いです。

物語の始まり

複雑で過酷な成育環境に育つ「一ノ瀬 海(いちのせ かい)」は森に捨ててあるピアノをおもちゃとして触れて楽しんでいました。
かつて名ピアニストとして名を馳せた「阿字野壮介(あじの そうすけ)」は、その側の小学校で音楽教師をしています。「雨宮 修平(あまみや しゅうへい)」は、カイと阿字野のいる「森脇小学校」に転校してきます。修平の父は、有名なピアニスト「雨宮 洋一郎」であり、修平は幼少から英才教育を受けていました。修平と阿字野がカイの才能に気づくところから物語が始まります。

時代ごとのエピソードは3部

物語は、小学校時代でのカイを阿字野が育てられるようになったエピソード、カイが世界への挑戦ができるようになるまでの成長期エピソード、実力をつけたカイが、海外でショパン・コンクールを戦うエピソードの3部に別れています。

1. 少年時代と森のピアノ

第一巻から第七巻まで

小学校時代のエピソードでは、自由なカイがだんだん本気でピアノを触るようにりピアノを奏でる喜びを得ていく過程が丁寧に描かれています。阿字野壮介の過去の事故のエピソードや、森のピアノがじつは、阿字野壮介の使っていたピアノであったこと、森の端という風俗街に住むカイの過酷な生育環境やそれにも関わらず温かく見守ってくれる周囲の人々の人間模様に感動させられます。
「全日本学生ピアノコンクール」から、一生ライバルとなっていく友を得る様や、ピアノを一生弾いていく決意が得られるまでの葛藤に非常に心動かされます。

2. カイが世界に出る準備まで

第8巻から第11巻まで

海外留学した修平が海のピアノにとらわれてしまいスランプに陥るがカイのピアノでもう一度ピアノに向き合う決意を得たり、阿字野壮介がカイを静かに確実に大事に育てていく様子に、才能に惚れ込んだ阿字野の本気が伝わってきます。
誉子、修平、海の努力している姿とともに、ピアニストが最も大事にする手や指、手首についての故障についての話も並行して伝えられており、物語の深みが添えられていました。

3. ショパン国際コンクール

第13巻から第26巻まで

ギリギリの予選通過。海を応援する、セローの友人たち。セローの紹介するバーでバイトをしながら、ショパンコンクールに備える海。登場人物も、パン・ウェイ、レフ・シマノフスキ、雨宮修平、アダムスキ―など個性豊かな演奏者とショパンコンクールの審査や裏舞台の話を交えながら、ショパンコンクールでの物語が進んでいきます。もちろん、佐賀や誉子も登場します。
それぞれの人生の苦悩やそこからの脱却を求めて生きる姿が、それぞれのピアノとともに描かれており、物語に非常に深みのある表現を添えます。
この辺りはもっとも盛り上がっていくところで、読み逃している方も多いかもしれませんので、詳しく書くのは控えておきます。

最後に

1999年の連載開始、2002年から連載休止、2005年の復帰。そこからさらに10年かけてやっとの完結。途中で連載掲載誌が休刊になったり、一色まこと氏本人も大変苦労して作り上げたであろうこの作品。長い時間がかかっていたので、途中で追いかけるのをやめていた方もいらっしゃったかもしれません。少年時代、成長期、ショパンコンクールとその後、全てのエピソードで、ピアノの音が聞こえてくるような素晴らしい表現力と優しく物語の登場人物を見な幸せにしていってくれる一色まこと氏のものたがりの作りに、非常に魅了させられ、涙が乾く暇がありません。
最後の最後まで泣かせられました。涙活にはピッタリの漫画ですので、この完結を機にぜひ一気読みしましょう!

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@ardbeg001s0

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