B.O.D.Y.(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『B.O.D.Y.』とは 2004年に作者の美森青が集英社が発刊する『別冊マーガレット』で連載していた恋愛漫画である。コミックスは全15巻。2006年にはドラマCDが発売されている。主人公の女子高生・佐倉凌子は、同じクラスの男子高生・藤龍之介に恋をする。しかし彼は出張ホストクラブで働く訳あり男子だった。佐倉と藤が様々な困難を乗り越え、結ばれる姿を描いた作品である。

『B.O.D.Y.』の概要

『B.O.D.Y.(ボディ)』とは、美森青が『別冊マーガレット』にて2004~2009にかけて連載していた恋愛漫画である。単行本では全15巻。2006年にはドラマCDが発売されている。
主人公の佐倉凌子(さくらりょうこ)は、同じクラスで席が隣になった藤龍之介(ふじりゅうのすけ)に恋心を寄せていた。佐倉は藤を好青年だと思っていたが、藤はホストクラブでバイトをしていた。その事を知ってショックを受けた佐倉は、藤への気持ちを諦めようとする。しかし藤からの熱烈なアタックを受け、佐倉は藤と付き合い始める。恋人のためにホストを辞めようとする藤だったが、そこには様々な壁が立ちはだかるのだった。

『B.O.D.Y.』のあらすじ・ストーリー

気になる存在

女子高生の佐倉凌子は、同じクラスで隣の席の藤竜之介に恋心を抱いていた。担任から手伝いを頼まれたことがきっかけで、初めて藤と会話を交わし、彼の笑顔を見てますます藤の事が好きになっていく。学校の帰り道、藤が男たちに絡まれているところを目撃した佐倉は、何とか助けようとして彼の腕を掴んで走り出す。しかし助けてくれたお礼にと藤から渡されたのは、ホストクラブの名刺だった。藤が「リュウ」という名でホストをしていることを知り、彼を誠実だと思っていた佐倉はショックを受け、「こんなものいるか」と藤を殴る。
翌日、佐倉は親友の三宅 アスカ (みやけ あすか)諸星 雪 (もろぼし ゆき)に藤のことを話そうとするが、結局話すことを辞める。そのやりとりを隣の席で聞いていた藤は、佐倉をからかうために偽りの気持ちを彼女に告げる。自分の反応を楽しむための嘘だったと気付いた佐倉は、怒りを露わにする。その姿を見た藤がふざけて「好きになりそう」と言うと佐倉は「あんたみたいな男絶対好きにならない」と宣言。その発言に火がついた藤は「絶対に俺を好きにさせる」と言うのだった。
藤に幻滅してから、佐倉はマラソン大会で出会った稲葉 慎吾 (いなば しんご)が気になっていた。藤から「あの男はやめておけ」と忠告される。放課後、アスカに頼まれて委員会の集まりがある教室へと向かった佐倉は、そこで稲葉と再会。運命だと思い浮かれる佐倉は稲葉から藤との関係を聞かれ、彼も自分の事が気になっていると思い込む。委員会の仕事で、放課後の図書室で一緒に本の整理をしながら話をしていると、佐倉はスカートに飲み物をこぼしてしまう。「こっちにきてスカート脱いで洗いなよ」と言う稲葉。警戒する佐倉に構わず、稲葉は無理やりスカートを引っ張った。そこに藤が現れて佐倉を助けると、稲葉への怒りをぶつけた。すると稲葉は泣き出し、「俺が好きなのは藤だ」と呟いた。稲葉は同性愛者だったのだ。佐倉と藤の関係に嫉妬して酷いことをしたと、稲葉は佐倉に謝罪をした。
翌日、藤からの電話を受けた佐倉は、いつもと様子が違う事に気づき藤の家に行く。藤は風邪をひいて熱を出しており、玄関で倒れ込んでしまう。そんな藤を懸命に看病した佐倉。目が覚めた藤からお礼の言葉を言われ、雰囲気に負けて藤とキスをしてしまう。ファーストキスを藤に捧げてしまったことに気が付き落ち込むが、佐倉の頭は藤の事でいっぱいになるのだった。

藤がホストをやめる

藤が風邪で学校を休んでいるためプリントを届けに自宅に向かったところ、二人組の男につかまり、拉致される。連れて行かれた先には蘭(らん)という女性が立っていて、藤を呼び出し蘭は「ここでキスしてくれたら無事に返す」と言った。佐倉は藤が蘭にキスする場面を見て、泣きながら家を出た。自宅に帰って携帯に入っている藤の番号を消去した。
次の日学校に行くと校門で藤が待っていた。藤は佐倉に「もう佐倉を落とすのやめた。」と言った。もやもやした気持ちのまま気づけば藤の事を目で追っていた。その場面を稲葉に見られ、藤がホストをやっている事を相談する。すると稲葉からのアドバイスを聞き、佐倉は藤が好きだと事を確信してそれを藤に伝えようと決心し、二人は付き合う事になる。
翌日、佐倉は藤の自宅に向かう途中で男に絡まれるが、通りがかった男性に助けられる。お礼を言う佐倉に手を出して「5万」と冗談まじりに笑った。藤の自宅についてゲームをしていると藤はホストをやめると話した。しかし、バイト先から電話がきて、出て行った。気になっていた佐倉は藤が働くホストの名刺を元に近くまで行くと、助けてくれた男性と偶然会った。そこで彼氏がホストをこれからやめる事を話していると「俺はそんなに甘くない」と名刺を出された。その男性は藤が働くホストクラブの社長だったのだ。そして社長は佐倉の彼氏が藤だとわかると「簡単にはやめさせない」と言った。佐倉「100万円稼げるならやめさせてあげる」と言い、佐倉は夜のお店で働く事になる。
次の日、放課後に社長から電話で出勤要請がかかり、お店で働いていると、アフターでホテルに連れて行かれそうになり、泣いている佐倉を社長が慰めた。そこに現れた藤は社長の顔を知らなかったため、殴りかかろうとした。しのぶが「社長!」と叫ぶと、藤は戸惑いと怒りで何も言わず自宅へと帰った。次の日佐倉はキャバクラをやめるため社長の元に行ったが、佐倉と社長が言い合いになる。そこに藤が入ってきて「佐倉になんかしたら殺す」と言って出て行った。
佐倉は社長の事を恨んでいる男に会い、話を聞く事になってしまう。その男はかつての社長の彼女である加世(かよ)の話をした。加世は社長に借金の保証人をお願いしそのまま姿をくらました。佐倉はそれを聞いて社長に同情をし、加世を探したが、加世は結婚して子供を授かり幸せな暮らしをしていた。加世は社長の目の前で謝った。加世の謝罪を受けた社長は、何かが吹っ切れたように昔の事を許すと決めた。その後外に出た社長は、恨みを持った男に後ろから刃物で刺される。病院で手当を受け、藤と佐倉に向かって「お前らといるとろくな事が起きない。解雇だ」と言い、藤は見事にホストをやめる事ができた。

ライバルの登場

佐倉は親友であるアスカとゆきに藤と付き合っている事を話すと、驚いた2人だったが応援すると言った。その日の放課後、二人でいると白井光介(しらいこうすけ)と名乗る青年が現れ、藤に声をかけた。白井は同じ高校の後輩で藤と同じホストクラブで働いている。そして藤がホストをやっていた事を知っていた。藤に懐いたフリをした白井だったが、白井は自分と藤を比べていただけだった。その事に藤は気づいており、白井に対して「くだらない」と言い放つと白井は怒って「絶対許さないからな」と言い、去って行った。
数日後、白井はアスカと付き合い始めた。しかし、白井はアスカを騙し、貢がせようとしていたのだった。それを知った佐倉はアスカに「白井はホストをやっていてアスカは利用されているだけ」と話すが信じてもらえず、二人の仲は険悪になる。
アスカの机に怪しいバイト募集の雑誌があり、佐倉はアスカを探す。面接をしようとしているアスカを発見し、それを止めようとしたがアスカは聞く耳を持たず佐倉の頬をビンタし、面接へと向かってしまう。そこに白井が現れて「助けて欲しかったら見返りが欲しい」と言い佐倉にキスをし、アスカを助けに向かった。
白井にキスをされて動揺した佐倉は藤に対して不自然な態度をとった。一方、アスカからは「色々心配してくれていたのにごめん」と言われ仲直りをする事が出来た。佐倉は白井にキスされた事を言えないままでいた。
次の日学校へ行くと何も知らないアスカから旅行を提案される。断ろうとした佐倉だったが藤が行くと言い、4人でスキー旅行に行く事になる。旅行中も、白井は何かと佐倉に突っかかってくる。佐倉に言い返された白井は、1人で上級者コースへ向かい怪我をする。助けに向かった佐倉に再び無理やりキスをすると、佐倉は泣きながらその場を去った。無事に救出された白井だったが、佐倉は戻っていなかった。藤は白井を問い詰め、今までの事をすべて聞いた。そして佐倉を助けに向かい無事に佐倉と合流し、二人は抱き合った。藤は白井に対してとても怒り、白井は一人でバスに乗って旅行先から帰っていった。一方アスカは白井に騙された事を知り、ショックをうけるが、白井の事を嫌いになれず白井にアプローチしていた。そんなアスカの献身的な態度に白井もアスカを好きになり、また二人は付き合う事になる。その後白井は佐倉と藤に謝り蟠りはなくなる。

別れ

放課後佐倉と藤は本屋で買い物をしていた。二人で仲良く本を見ていると藤の顔を覗き込む女性藤が、「りゅうのすけくん?」と声をかける。藤は女性の顔を見てびっくりしたような表情を見せたあと、佐倉の手をとり逃げるように店を後にした。その女性はいずみという名前で藤の元家庭教師で藤が好きだった相手だったのだ。いずみは藤と佐倉のいる学校へ教育実習生として二人の前に再び現れた。佐倉は藤のいずみの関係についてモヤモヤしていたため、藤に「いずみちゃんの事好きだったの?」と質問した。藤は「一瞬な」と答えた。今は佐倉の事が好きだし、過去の事だからと佐倉を安心させる。しかし、佐倉はいずみとの会話でいずみと藤が過去に体の関係を持った事を知る。学校の帰り道、佐倉は藤に対して普通の態度がとれず、言い合いになってしまうが、藤が謝る事で解決する。佐倉はモヤモヤが完全に消えたわけではないが、藤を信じる事を決意する。
ある日の放課後、佐倉は一人で帰ろうとバスを待っていた。そこに蔵馬(くらま)と名乗った男性が現れ、佐倉に告白をする。驚いた佐倉だったが、「彼氏がいる」と断った。一方藤は放課後の教室でいずみに告白されるのだった。藤はいずみに告白された事を佐倉に話した。翌日佐倉はいずみから「藤をもらう」と宣戦布告される。
蔵馬は自分が趣味で行っているバンドのライブに佐倉を誘おうと、チケットを強引に渡した。蔵馬に返そうと蔵馬の学校を訪れるが、そこで蔵馬の友達シュウに見つかり、ライブにきてあげて欲しいと説得されるのだった。佐倉はそのチケットを学校で落としてしまい、いずみがそれを発見して藤に報告する。藤は佐倉は行かないと信じていたが、佐倉は蔵馬の学校の生徒たちに無理やり連れて行かれてしまい、そこで蔵馬にまた告白される。藤はいずみに連れられてライブ会場に向かい、佐倉が告白される場面を目撃する。
蔵馬とシュウが街中を歩いているとホスト集団の中にいる藤を発見し、二人は後をつけて藤がホストだった事を知り、その事実を学校にバラそうとする。それを知ったいずみはシュウの元に行き、「なんでもするから言わないで」と服を脱ぎ出した。それを見た二人はドン引きし、藤を呼び出した。佐倉と一緒に来た藤に対してシュウは「おまえらおかしい」と言った。その言葉を聞いた藤は自分は佐倉に辛い思いをさせていると感じ、佐倉に別れを告げる。そして藤は学校・自宅から姿を消した。

再会する二人

藤は佐倉と別れ、学校を休学して父親の元に行き、親戚の元でお世話になる事になる。そこにいたいとこのかえでは、藤に恋心を抱く。一方佐倉は藤がいなくなってから、藤を忘れようと努力していた。藤が姿を消した事を知った蔵馬は責任感を感じ、協力すると言った。佐倉は友達の後押しもあり、藤を探す事を決意するのだった。佐倉の元に藤の母親が現れる。母親は藤と佐倉が別れた事を知り、藤がいる別荘へと向かう。佐倉を見つけたかえでは、二人がヨリを戻してしまうと焦り、「藤が会いたくないと言っていた」と嘘をつく。帰り道に佐倉は藤を見つけ、プレゼントされた指輪を藤に返しその場を後にする。佐倉は今度こそ本当に藤を忘れる事を決意するのだった。
ユキは佐倉を元気づけようと佐倉をたくさん遊びに誘った。そこには蔵馬とシュウの姿もあった。蔵馬は4人で遊んだ帰り道に藤とかえでを発見する。蔵馬はかえでと藤が付き合っていると勘違いし、怒りがこみあげ藤の胸ぐらを掴んで行方をくらました事に関して「最低だ」と罵った。それを見たかえでは佐倉に嘘をついた事に罪悪感が湧き、佐倉に電話して謝罪し、藤が学校をやめようとしている事を伝えた。それを聞いた佐倉はいずみに藤を説得してくれと頼む。
新学期になり、藤は学校へ登校するが、佐倉とは気まずいままだった。佐倉は蔵馬を好きになろうと頑張ったが、どんなに頑張っても佐倉の心は藤にあった。蔵馬もその事を気づいており、佐倉に八つ当たりをしてしまう。
佐倉と藤の仲を取り持とうと、友人たちが行動を起こした。海浜公園に佐倉と藤を別々に呼び出し、蔵馬が嫌な役を引き受け、佐倉に藤の本当の気持ちを知らせようとしたのだ。蔵馬は後から現れた藤をわざと挑発し、藤に本当の気持ちを言わせた。
佐倉が現れたのを確認した蔵馬は「お元気で」と言って立ち去った。その後ユキから電話があり「うまくいったありがとう」と涙した。
佐倉は藤がきた理由がわからず混乱していた。そして「藤がいなくても全然大丈夫だから」と無理して笑ってみせた。それを見た藤は佐倉を抱き寄せて「佐倉を忘れるなんて一生できない」と気持ちを伝えて、二人はまた付き合う事になった。

『B.O.D.Y.』の登場人物・キャラクター

主要人物

佐倉 凌子 (さくら りょうこ)

B.O.D.Y.の主人公。同じクラスで隣の席の藤のことを好きになるが、藤がホストクラブで働いている事を知り、ショックを受ける。しかし、藤の熱烈アプローチを受けて付き合う事になる。

藤 竜之介 (ふじ りゅうのすけ)

佐倉の彼氏。高校生ながら内緒でホストのバイトをしていた。中学生の頃に家庭教師のいずみに失恋した事をきっかけにホストクラブで働き始める。普段はクールで冷静だが、佐倉の事になると一生懸命になる。

友人

三宅 アスカ (みやけ あすか)

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