スウィングガールズ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『スウィングガールズ』とは、2004年に公開された「ジャズやるべ!」をキャッチフレーズに掲げた青春コメディ映画である。監督・脚本は『ウォーターボーイズ』で一躍有名になった矢口史靖が手掛け、主演には上野樹里を迎えた。山形の田舎を舞台に、ジャズや音楽とは無縁だった田舎の女子高生達は、ひょんな事からビッグバンドを組みある日突然ジャズの世界へ。落ちこぼれ高校生達が、ビッグバンドをきっかけに次第にジャズに魅了されていく様が描かれている。

『スウィングガールズ』の概要

『スウィングガールズ』とは、2004年に公開された女子高生達がジャズを演奏する青春コメディ映画。脚本・監督には『ウォーターボーイズ』も手掛けた矢口史靖を迎え、主演は上野樹里が務めた。
東北・山形の片田舎で毎日何のやる気もなくダラダラと過ごしていた鈴木友子達落ちこぼれ女子高生。夏休みの補習を免れようと野球応援に行った吹奏楽部へ弁当を届ける提案をした友子達だったが、友子達のとある行動が原因で吹奏楽部は食中毒により救急搬送されてしまう。唯一無事だった吹奏楽部員の中村拓雄は、翌週に控えた野球部の残りの試合で友子達にも演奏させようと考える。しかし何の音楽の経験もない友子達13人の他に集まったのはリコーダー経験しかない者や、ロックバンドで活動していた者。吹奏楽とは程遠いメンバーしかおらず、また吹奏楽をやるには人数も足りない。そこで唯一音楽経験や知識のある拓雄は吹奏楽ではなくビッグバンドを組むことを提案。やる気のなかった女子高生達は、ここから音楽、そしてジャズにのめりこんでいくことになる。
「シング・シング・シング」や「A列車で行こう」など数々のジャズの名曲が劇中に流れ、劇場には音楽ファンが殺到。興行収入は25.1億円を記録し、全国各地の劇場ではロングラン上映された。また、楽器店では管楽器の売上が上がるなど社会現象が起き、本作ヒットをきっかけに日本には一時ジャズブームが起こった。

『スウィングガールズ』のあらすじ・ストーリー

夏休み

かったるそうに数学の補習を受ける友子

季節は夏。東北、山河高校では夏休みの暑い日に1学期の補習が行われていた。その日数学の補習を受けていたのは1年1組の鈴木友子、2組の斉藤良江、3組の田中直美ら総勢13名。良江はメイクに勤しみ、直美はお菓子をただただ頬張り、友子はあくびが止まらない。全員出席し数学教諭の小澤忠彦により補習が行われていたものの、真面目に聞いている生徒はほぼいなかった。友子がふと外を眺めると、校庭では野球部の応援演奏に向かう吹奏楽部が楽器を積み、歌いながらバスへと乗り込んでいた。男子部員の中村拓雄は、顧問の伊丹弥生へ退部届を出そうしていたが、もたもたしている間に伊丹もバスへ乗り込んだため慌てて後を追い拓雄もバスへと乗り込んだ。吹奏楽部のバスを見送った直後、校庭へ弁当屋の車が入ってくる。外を眺めていた友子と目が合った弁当屋は、友子から吹奏楽部のバスがもう出発してしまったことを聞くと、「まだ配達が残っている」とあたふたし始めた。教室内でも何事かと小澤や生徒達が窓際に押し寄せ、友子は「届けた方がよくないですか?」と提案する。少しの間を置き、小澤はうちわで仰ぎながら補習を休みにすることを許可したのだった。

補習をさぼるための口実

弁当にむらがる友子達

野球部の試合会場へと電車で向かう友子達は、にぎやかに使い捨てカメラで記念撮影をするなどはしゃいでいた。ふと魔が差し、弁当の1つを開けてしまった友子だったが、良江がつまみ食いしたのを皮切りに続々と生徒が集まり弁当は食べられてしまった。その後車内で居眠りしてしまった友子達は、本来降りるべき駅で寝過ごしてしまいおり損ねてしまう。

やる気のない拓雄

一方野球部の試合会場では、伊丹がビールを片手にハワイ旅行のパンフレットを眺める横で必死に演奏する吹奏楽部。拓雄はシンバルを担当していたが、上の空で演奏していたためかシンバルの片方を落としてしまう。グラウンドまで響いたその音に他の吹奏楽部員も驚き演奏は止まってしまい、野球部の井上はグラウンドから吹奏楽部部長へアイコンタクトを送る。それを受けて部長は拓雄を怒り、ついでに拓雄は他の部員から弁当が届かないことも怒られてしまう。

やっと届いた弁当

電車が迫り、慌てて線路の両脇へ逃げる友子達

当初降りる予定だった駅の次の駅で降りた友子達は、吹奏楽部の弁当片手に呆然。田舎の為、次の列車が来るまで1時間以上あるのだ。仕方なく線路の上を元の駅へ向かって歩き出す友子達は「暑い」「日焼けする」「化粧が落ちる」など、それぞれ愚痴をこぼしていた。ふと背後から列車が来ていることに気付き、慌てて避けた友子達はそれぞれ線路の両側の田んぼへと弁当もろとも落ちてしまった。近くの川で制服を洗ってなんとか試合会場へ到着した友子たちだったが、拓雄から到着が遅いと文句を言われてしまう。しかし、13名もの女子生徒から言い返された拓雄はしおらしくなり、なんとか友子達に弁当を配ってもらうことになった。

1つ足りない弁当の行方を聞かれ、しらを切る友子の頬には米粒がついている

やっと弁当にありつけた吹奏楽部だったが、部長が弁当を頬張った瞬間、何か異様に硬いものを噛んでしまう。それは友子達が田んぼや線路に弁当をぶちまけたあと適当に拾った際に入った石だった。弁当を配り終わった友子達の前に拓雄が現れ「1つ足りねぇけど」と言う。「え?知らねぇよ」という友子の頬には米粒がついていた。その後、カラオケに行こうと騒ぐ友子達を後目に売店で軽食を買う拓雄。その時、吹奏楽部の部員達は続々とトイレへ駆け込んでいき、更にトイレの前にはぐったりとする部員で溢れかえっていた。

一人残された拓雄

クラスメイトから「吹奏楽部が食中毒だって」という電話を受け取る友子

その日の夜、家のリビングでくつろく友子。友子の母が、祖母に買ってもらったパソコンで町内会のチラシを作るよう友子に頼んだが、「それ使い方わかんねぇ。説明書の書き方が下手なんだもん」と拒否した。隣で晩酌していた父は「お前本当に飽きっぽいな」と呆れていた。その時、家の電話に友子のクラスメイトからの電話が入るのだった。「いいからテレビ見て」と言われ、妹の亜紀がテレビゲームをしていたにも関わらず無言でチャンネルを変える友子。テレビには、吹奏楽部の部員が食中毒で倒れ病院へ搬送されたとニュースが流れていた。クラスメイトからの電話の内容は、吹奏楽部が全員ダウンしたものの野球部の試合が翌週にもあるため代わりに演奏する生徒を募る連絡網だった。翌日音楽室で、唯一無事だった拓雄は絶望していた。そこへ現れたのは、リコーダー経験しかない関口香織だった。そして次に現れたのは、所属していたバンドが解散してしまい演奏する場所が欲しいというギターの渡辺弘美とベースの山本由香。絶望する拓雄は、ちょうどその時音楽室の前の廊下を通る友子達を発見した。慌てて友子達を追いかけた拓雄は「お前らよく笑ってられんな!」「なんで僕だけこんな目に合わないといけないず!」と怒りをぶちまける。弁当を腐らせた責任を取るよう迫る拓雄だが、良江から「最初っから腐ってたかもしんねぇべ」と反論されてしまう。しかし、拓雄は友子達が途中で1つ弁当を食べていたことを知っており、吹奏楽部の代わりに演奏するよう脅した。ちょうどその時チャイムが鳴り、補習をしようと現れた小澤に友子達はわざと猫なで声で泣きつくのだった。

吹奏楽部の代わりに

楽器を使ってふざけ合う良江達

応援演奏をする代わりに数学の補習を受けずに済むようになった友子達は、音楽室でいつものようにふざけあっていた。「この中で楽譜を読める人いる?」「吹奏楽って25人以上が必要なんです」と必死にまとめようとする拓雄だったが、好き勝手に演奏する弘美と由香や、普段手にすることのない楽器にテンションが上がり走り回ったりふざけあう友子達。香織もトロンボーンを片手に、ああでもないこうでもないと楽器を色々な方向へ傾ける。そうこうしているうちに香織の背後の棚にあった大量のレコードが落ち、その1枚が教室の外へと転がって行ってしまった。それをキャッチした野球部の井上が音楽室へレコードを持ってくると、激怒した拓雄が怒りに任せて「猫ふんじゃった」を演奏していた。井上は「シンバル下手くそなのにピアノは弾けんだな」と言いながら入ってくると、吹奏楽部の代わりに生徒が集まっていることに喜ぶ。そして拓雄へ「全ての人間は2種類に分けられるって知ってっか?やり遂げる者と諦める者だ。お前どっちや?」と迫った。そしてギターやベースがいることに不審がった井上に、拓雄はとっさに「ちょうどこんな感じでやろうと思っていて」と井上が拾ったビッグバンドジャズのレコードを指さしたのだった。

きついきついトレーニング

1人だけマウスピースで音が出たためにやける香織

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