ヒメゴト〜十九歳の制服〜(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ヒメゴト〜十九歳の制服〜』とは峰浪りょうが2010年から2014年に描いた漫画作品。全8巻。
キャッチコピーは「ヒメゴト」を持つ3人の19歳が繰り広げる「ヨクボウ」と「セイフク」の物語。惜しげもなく描かれる裸、マイノリティな性の悩みを赤裸々に語る登場人物たちが魅力的。ジャンルは青年漫画、LGBT。マイノリティな性の悩みを世間に訴えている。
由樹は男っぽい19歳の女子大生だが、本心では女の子らしくなりたいと願っていた。女装が趣味の佳人と売春を繰り返す未果子との出会いで成長していく物語。

永尾未果子(ながお みかこ)

19歳の女子大生。童顔で華奢、おしとやかで清楚な美少女。
髪を染めたり、化粧をせず、服装はスカートスタイルを好む。
彼女の秘密は年齢を15歳と偽り、売春していることだった。売春する際、憧れだった地元の名門私立高校・清花女子大学院の黒いセーラー服を着ておこなう。

友人には実家から通っていると嘘をついているが、実際は目白で一人暮らしをしていた。
過去に血のつながっていない父親に強姦されたことをきっかけに男性不信になり、少年のようなユキに初恋のような恋心を抱くが、その感情がレズビアンの恋なのか、なぜ性的興奮がないのか疑問に思っていた。

ミカコの母親は彼女が父親に強姦されたことを知ると蒸発してしまう。
その後母親方の祖母と生活するが、部屋は荒れ果て、母親のように淫乱な女になるなと女の子らしい髪形や服を一切許されずに過ごす。転機が訪れたのは彼女が中学生のとき教師が、生活保護を利用すれば高校に行くことができると祖母を説得したときだった。
祖母はミカコが教師を誘惑していると思い込み、もみ合いになる。
そのとき初めて力で祖母に勝つことができたミカコは、祖母の命令に怯えなくとも一人で生きていけると確信するのだった。壮絶な辛い過去は彼女の人格を大きく歪ませるのだった。

相葉佳人(あいば かいと)

右のコマが相葉佳人。左のコマは女装時のもの。

学内で有名の美形のオシャレ男子。

中性的な外見をしていてファッション雑誌にたくさんのったことのある。

学内では彼が歩くだけで黄色い声と熱い視線が飛び交うのだった。
しかし彼もまたマイノリティな秘密を抱えていた。彼の趣味は自分が憧れる女の子と同じ格好をして、町を歩き、羨望のまなざしをおくられることだった。

しかし、19歳になったカイトはいつまで自分は女装して女の子になることができるだろうかと悩んでいた。そのため女の子であり、実は美人なのにオシャレを楽しまないユキにいら立ちを感じていた。
ミカコにを完璧な美少女と憧れて、彼女が着ている服をお揃いで買うなどしていたが、その本性を知ってしまったことで苦悩する。
ユキに女友達の友情を抱き、男性として恋愛感情も抱くが、ミカコの売春に協力してしまったことから、ユキにはもっとふさわしい人がいると考えている。

年上の女性相手に売春をしていて、もらったカードで服を購入していた。その際、女性のことをオバさんと心の中で呼び、自分が女装した姿のほうが綺麗だと思っている。

根本祥(ねもと しょう)

ユキの中学時代からの男友達19歳。
ユキにヨシキと愛称をつけた名づけ親。
「こいつは男っぽいじゃなくて、男なの」とユキを男扱いし、少しでも彼女が女の子らしい行動をとると否定していた。
物語序盤でユキがカイトと付き合っていると勘違いしたとき、激怒する。
ユキが初めて手に入れた女の子の私服を引き裂く。ユキより成績がいいが、彼女と離れたくないため同じ大学に入学した。ユキに絶交を言い渡されてから自暴自棄になる。
ミカコに誘惑され関係をもち、荒れた生活を送るうちに髭をはやし、髪もボサボサになる。
終盤はカイトとミカコの売春行為を大学に暴露する。
ミカコから自殺を仄めかされ、カイトの代わりに美人局の手伝いをさせられるが、最終的にはユキと和解し、地方の大学に入学しなおす。成人式の際、ユキを車で送った。

杏(あん)

ミカコの大学の友人。髪型はボブカット、服はボーダを好んで着る。好きなモデルとお揃いのファッションアイテムを集める。
カイトのことは大学以前から雑誌で知っていた。
メイクが得意で、女の子らしくイメージチェンジするユキの髪を上手にカットした。
ミカコが偽りのお嬢様であることは気づかなかったが、ミカコには心の底から楽しめるものはないのだろうかと疑問に思っていた。

莉奈(りな)

ミカコの友人。額をだしたセミロングにエスニック系の服を好む。
洞察力が高く、ミカコの振る舞いは「お嬢様であることにステータスを感じている」から、ユキの男性的なふるまいは模擬であることを見抜いていた。

章雄(アキオ)

カイトの大学の男友達。カイトのプロデュースで女の子らしくイメチェンしたユキのことを気に入って、ランチやバーベキューに誘う。
ユキのことを本命と言いながら、学内で簡単に他の女子生徒と身体の関係をもつ。

桃(モモ)

カイトの売春相手のひとり。年齢は30歳。
カイトと知り合ったのは4年前で、この頃のカイトはモモのファッションを真似て女装していた。
カイトによると出会ったときより老けていて、心の中で「オバサン」と呼んでいる。
カイトにとって女の子の可愛い旬の時期が残酷なまでに儚いものであることを痛感させる存在となってしまった。

柚香(ユズカ)

カイトのもう一人の売春相手。33歳バツイチ。ファッション雑誌の編集者。
モモとはヨガ教室の仲間であるが、モモよりもお金を出すからとカイトに持ち掛け身体の関係をもつ。
カイトにモモからまだ電話がかかってくるか聞いたり、モモとのセックスにカイトが満足していないことを聞くと嬉しそうに笑ったりなど、モモにライバル意識をもっている。

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