ハヴ・ア・グレイト・サンデー(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』とは『月刊モーニングtwo』(講談社)で連載されていたオノ・ナツメによる、ある男たちの日曜日の出来事を描いたハートフル漫画である。初老の作家・楽々居輪治は、長くニューヨークで暮らしていたが、ある事情を抱え単身東京に戻ってきた。そして、一人暮らしを謳歌しようと思っていた輪治のもとに、息子のマックスと娘婿のヤスがやってきたのだった。『ACCA13区監察課』や『レディ&オールドマン』など人気作品を生み出してきたオノ・ナツメが描く、男だけの週末エンターテインメントだ。

『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』の概要

『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』とは『月刊モーニングtwo』(講談社)で連載されていたオノ・ナツメによる、ある男たちの日曜日の出来事を描いたハートフル漫画である。2016年から2020年まで連載されており、単行本は4巻で完結となっている。オノ・ナツメが描く作品には、バディものやハードボイルド、時代劇など多岐にわたっているが『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』は、現代の日本で展開されるある家族の物語を描いた作品だ。キャラクターは歴代のオノ・ナツメ作品と遜色ないものの、世界観や設定は一風変わった作品となっている。女性作家のオノ・ナツメが描く男性ばかりが登場する作品はいくつかあるものの、『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』は男3人だけの日曜日の出来事を切り取った特別な物語なのだ。

初老の楽々居輪治は小説家だ。長くニューヨークで暮らしていたが、とある事情で単身東京に戻ってきていた。妻と離れ離れになってしまったが、輪治は一人暮らしを謳歌しようと考えていたのだ。しかし、そんな輪治のもとに東京で家庭を持っている息子のマックスと、娘婿のヤスノリがやってきた。3人でご飯を食べたり、お酒を飲んだり、他愛もない話をしたりと楽しい時間を過ごしているのだ。『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』はオノ・ナツメによる、毎週日曜日の出来事に焦点を当てた男だけの週末エンターテインメントだ。

『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』のあらすじ・ストーリー

1巻「気ままな一人暮らしのはずが」

1st weekend

初老の小説家・楽々居輪治(ささい りんじ)は、自宅で取材を受けていた。45歳のときにはじめて書いた小説をなぜアメリカではなく日本の出版社に送ったのか、ニューヨークから日本に戻ってくるまでの経緯はどのようなものなのか、などの質問だ。輪治の妻はアメリカ人のため「妻に小説を読まれるのが恥ずかしく日本語で書いたから」と答えた。そして、日本に住んでいた父親が他界したので、家の世話をするために日本に戻ってきたことも明かしたのである。その取材の途中、息子のマックスと娘婿のヤスノリ(通称ヤス)が輪治を訪ねてきた。二人とも日本で家庭を持っており東京に住んでいるのだ。二人は取材があることを知らなかったため、取材が終わるまで待つことにした。「仲がいいんですね。よくいらっしゃるんですか」とインタビュアーに聞かれたヤスは「ええ、毎週」とだけ答えたのである。このように、毎週日曜日になると輪治のもとを訪ねてくることが定番になっていた。

2nd weekend

マックスは息子のルーカス(通称ルーク)が母親とともに関西に行ってしまい一人になっていた。現在小学生のルークは、飛び級で高校生になるほどの天才児で考古学のセミナーに参加するために毎週末母親と出かけて行くのだ。一人になったマックスはヤスとともに輪治を訪ねた。しかし、新刊のサイン会があったため輪治は留守だった。輪治は夜、出版社の担当者と食事をしたあとマックスから1時間ごとに着信があることに気づいた。一度出た寿司屋に再び戻った輪治は、ヤスとマックスに寿司を買っていくのであった。

3nd weekend

「朝ご飯を作ろうか」とやってきたマックスに呆れ気味だった輪治は、マックスにエッグベネディクトを作ってもらうことにした。「どうして毎週来るんだ」と疑問に思う輪治に対して、ヤスは「子どもがマックスの手を離れたら相手をしてやる」と輪治がマックスと約束したと聞いていると答えた。ルークがセミナーに参加するようになって、マックスは一人取り残され「手を離れた」と気づいたのだ。しかし、輪治はルークが離れる頃にはマックスはいい歳で、自分で遊び方を見つけると思っていたようだった。そんなマックスのことを輪治は迷惑とは思っていないようで「ちょっと困るくらい」とヤスにこぼすのであった

4nd weekend

書店巡りを済ませ、大量の本を持っているマックス

輪治とマックス、ヤスの3人は神保町にやってきた。しかし、マックスは「神保町はダメ」と輪治の腕を掴んで離さなかった。なぜなら、一つの仕事が一段落し資料と部屋を片付け、本屋で大量の本を買って帰ると輪治はソファから動かなくなってしまうからだ。駄々をこねるマックスにヤスは「神保町は本屋だけじゃない。カレー屋もいっぱい」と告げた。すると、輪治は「カレー屋巡りをしよう。時々3人でカレー屋巡りをする日を作ろう」と言い出した。2件ほどカレー屋を巡る予定を立て、お腹をすかせるために散策することになったが結局、書店巡りをすることになったのである。

5nd weekend

掃除を中断しコーヒーを飲むマックス(一番左)、ヤス(左のコマの右上)、輪治(中央のコマ)

いつものように輪治の自宅を訪ねていたマックスとヤスは、輪治が掃除しようとしていることに気づいた。マックスは「掃除はダメ。なんで平日にやっていないの」と輪治を引き留めた。小説家である輪治は好きな時に休みをとれるはずだが、休日だからこそ掃除したくなるのだ。マックス曰く「世間が休みの日は、休みの日であってほしい」と輪治に伝えた。しかし、それに対して輪治は「晴れた日曜日の午前中に掃除をすることが醍醐味」と答えたのである。「醍醐味」の意味がわからないマックスは、「大ゴミ=年末の大掃除に出すもの」だと思ったようだ。輪治は「醍醐味とはこういう漢字でね」と意味を教えた。マックスは意味を理解し結局、醍醐味を味わうために掃除をすることになったのである。

6th weekend

マックスは「日曜日の味ってなんだろう」と疑問を口にした。掃除が晴れた日曜日の風物詩なら、日本の日曜日の味とはどのようなものなのだろうと思ったのだ。ヤスは日本に来てまだ半年しか経過していないため、思いつかなかったが「作ればいいんじゃないかな」と提案した。各々が日曜日の味を持っており、マックスは輪治と行った教会の帰りに食べたソーダ・ファウンテンだ。ヤスは家族そろって食べた山盛りのミートボール・スパゲッティだった。それを聞いていた輪治は「家庭によりけり。日曜日の味は様々なんじゃないかな」と告げた。そして、その日の昼ごはんはヤスの日曜日の味「ミートボール・スパゲッティ」に決まったのである。

7th weekend

ホームシアターシステムでホームビデオを観るヤス(左)、輪治(中央)、マックス(右)

今日も今日とて、マックスとヤスは輪治の自宅に来ていた。頼んだ覚えのない荷物が届いたことに疑問を持っていた輪治だったが、マックスが輪治の自宅に届くようにしていたというのだ。ホームシアターシステムを購入したらしく、電化製品に詳しいマックスはてきぱきと配線をつないでいった。マックスは映画化された輪治のデビュー作を観ようと思ったいたらしいが、マックスやヤスにDVDをあげてしまったため、輪治はないと言った。「いいものがある」と言って輪治が代わりに持ってきたのは、輪治の妻が撮影した幼い頃のマックスが映ったホームビデオだった。3人は仲良く並んで観るのであった。

8th weekend

輪治(左)に、惑星地質学について尋ねるルーク(右)

毎週参加している考古学のセミナーが中止になったためマックスはルークを連れ、輪治のもとにやってきた。後楽園のコースターに乗ってくればよかったのにと輪治はマックスに尋ねるが、「コースターではなくグランパとお話がしたい」とルークが答えた。ルークは自分が研究している「惑星地質学」についての意見を輪治に求めたが、それを見ていたマックスは「子どもらしいことをしようよ」と驚いた様子だった。その夜、手巻き寿司パーティをするために、輪治はマックスとルークに卵焼きを作ってもらい、男4人で楽しむのであった。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

ACCA13区監察課(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ACCA13区監察課(オノ・ナツメ作)』とは『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス刊)にて2013年~2016年まで連載された漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。ACCA本部監察課副課長のジーン・オータスの過ごしていた平和な日常が少しずつ世界の陰謀に巻き込まれていく。その軸となるのは巨大統一組織「ACCA」と「タバコ」を巡る男たちの’’粋’’様だ。食えないキャラクターたちが勢ぞろいする大人な雰囲気の作品となっている。

Read Article

レディ&オールドマン(LADY and OLDMAN)のネタバレ解説・考察まとめ

『レディ&オールドマン』とはオノ・ナツメが『ウルトラジャンプ』で連載していた男女バディ・エンタテインメント漫画作品。連載時期は2015年~2019年までで全8巻で完結。オノ・ナツメ原作の『ACCA13区監察課』や『BADON』とはまた違ったかなりハードボイルドな内容だ。舞台は1963年のロサンゼルス郊外。父親譲りのおせっかいな性格のシェリー・ブライトと100年間刑務所に入っていたというロバート・ウィンツ。この二人の出会いが全ての始まりだった。

Read Article

さらい屋 五葉(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『さらい屋 五葉』とは『月刊IKKI』(小学館刊)で連載されていた時代劇漫画、およびそれを原作としたテレビアニメである。時は江戸時代、藩主から暇を出され江戸にやってきた侍・秋津政之助は、誘拐組織「五葉」の頭である弥一の用心棒をすることになった。渋々、弥一の仕事を手伝う政之助だったが、この出会いをきっかけに人として成長していくのである。『ふたがしら』や『ACCA13区監察課』など人気作品を生み出してきたオノ・ナツメが描く、かどわかしを生業にした個性豊かな登場人物たちの時代劇エンターテインメントだ。

Read Article

ふたがしら(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ふたがしら』とは、『月刊IKKI』(小学館刊)また増刊『ヒバナ』(小学館刊)で連載されていた時代劇漫画、およびそれを原作とした連続テレビドラマである。時は江戸時代。盗賊「赤目一味」の頭目だった辰五郎が死去。その際に、手下である弁蔵と宗次二人に一味のことを託したことからすべては始まった。『ACCA13区監察課』や『レディ&オールドマン』数々の人気作品を生み出してきたオノ・ナツメが描く、巧妙な駆け引きと巧みな騙しあいが織りなす時代劇盗賊エンターテインメントだ。

Read Article

つらつらわらじ(備前熊田家参勤絵巻)のネタバレ解説・考察まとめ

『つらつらわらじ』とは『月刊モーニングtwo』(講談社)で連載されていたオノ・ナツメによる時代劇漫画である。時は寛政、備前岡山藩主の熊田治隆は参勤交代のために江戸に向かうことになった。そして、隠居して江戸で暮らす計画を立てているため、江戸までの旅を楽しもうと考えていたのだ。しかし、江戸までの道のりは波乱の連続だった。『ACCA13区監察課』や『レディ&オールドマン』など人気作品を生み出してきたオノ・ナツメが描く、2年に1度の参勤交代エンターテインメントだ。

Read Article

目次 - Contents