カレイドスター(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『カレイドスター』とは、佐藤順一による青春サクセスストーリーアニメ作品。舞台はアメリカ、そこには世界的に人気のエンターテイメントショー「カレイドステージ」が存在した。主人公である苗木野そらは、カレイドステージに特例として入団を認められる。そこから、そらが諦めない根性を持ち味に試練を乗り越えるたびに成長していく姿が、感動的に描かれている。エンターテイメントショーを題材にしているだけあって非常に動きの描写が細かく、ステージのシーンも華やかに描かれている。

『カレイドスター』の概要

『カレイドスター』とは、2003年から2004年にかけて放送されたエンターテイメントショーを題材とした青春サクセスストーリーアニメ作品である。監督は第一期である第1話から第26話までを佐藤順一、第二期である第27話から第51話までを平池芳正が担当した。アニメーション制作は「GONZO DIGIMATION」。製作は「テレビ東京」、「テレビ東京メディアネット」、「ホリプロ」。
第二期は、正確には『カレイドスター 新たなる翼』という名称になる。
各和のサブタイトルが特徴的で、一部の例外を除いて必ず「〇〇、すごい、××」の形になっている(例:第一話「初めての! すごい! ステージ」)。
放送終了後も、OVAが制作されたり、インターネットラジオ「カレイドスター そらとレイラの すごい ○○」が2年も続く長寿番組となったりと人気を博した。
また、そらの妹である夢が主人公の漫画、『カレイドスター 〜未来への翼〜』が、『月刊少年ファング』で連載された。
舞台となる「カレイドステージ」は、サーカスでもミュージカルでもマジックでもない、世界的に大人気のエンターテイメントショーとなっている。
物語は、16歳の日本人の少女、苗木野そらが、カレイドステージのオーディションのために単身アメリカへ渡るところから始まる。特例ではあるがなんとか入団を認められたそらは、寮の自室で、ステージの精を名乗るフールと出会う。フールはそらを「ステージに選ばれた人間だ」というが、入団後のそらはレッスンをうまくこなせなかったり、ちょっとした一言から無理な課題を突きつけられたりと試練に見舞われる。持ち前の決して諦めない根性と天性の華、そして仲間との友情と確執によって、そらはステージの花形である「カレイドスター」を目指していく。

『カレイドスター』のあらすじ・ストーリー

第一期

単身、アメリカへ

今は亡き両親と幼い日に見たカレイドステージに憧れ、オーディションのために単身アメリカへ渡った苗木野そら、16歳。カレイドステージは、世界的に人気のエンターテイメントショーである。彼女は、宿泊費を気にして当日の飛行機に乗ったため、迷子になってしまう。さらにはスーツケースを盗まれ、それを取り返すための騒動で事情聴取を受けることになり、オーディションに遅刻してしまう。
オーディションを受けることができなかったそらは、当然入団できず、落ち込む。しかし、スーツケース泥棒との一連の騒動を見ていたカレイドステージのオーナーであるカロスは、そらの才能の片鱗を感じ取り、怪我をしたトランポリンダンサーの代役としてそらをステージにあげる。最初は戸惑い、うまく演技できないそら。しかし、客席の女の子の声援を受け、「できない、ではなく、やらなければいけないのだ」と気持ちを入れ替える。そこからは活き活きと演技をし、なんとかステージを終える。その結果、そらはカロスに認められ、カレイドステージへの入団を果たす。
その夜、寮の自分の部屋で、そらは奇妙なものと出会う。「ステージの精」を名乗る、フールという、クラウンの格好をした人形だった。フールの姿は、そら以外には見えない。フールが見えるのはそらが「ステージに選ばれた人間」だからだとフールは言う。フールは、かつて一度だけ演じられた「幻の大技」を演じられる人間を探していたのだ。
26話までは、この「幻の大技」に挑む過程が描かれる。

だんだんと認められていくそら

初めのうちは、特例での入団のせいで同期からも他のキャストからも冷たく当たられるそら。その上、ひょんなことから、憧れでありトップスターであるレイラの大技「ゴールデンフェニックス」に挑戦することになる。その練習の過程で誤解が解け、ミア、アンナという友人ができる。
また、ディアボロの世界チャンピオンであるロゼッタと出会い、一緒にディアボロのショーを行う。その過程で、ロゼッタに笑顔と、ディアボロが好きでたまらなかった気持ちを取り戻させる。(ディアボロとは、紐で繋いだ二本の棒で独楽を回すジャグリングの一種である)その結果、ロゼッタとも絆を結ぶ。
そして、『人魚姫』で初めて主役を演じ、『アラビアンナイト』でのレイラとの共演するようになる。そのことによってレイラからも周りからも、スポンサーであるMr.ケネスからも認められることになる。

カレイドステージの危機

『アラビアンナイト』の公演の途中から、レイラのパートナーであるユーリによるカレイドステージのメンバー引き抜きという策略が動き出す。それによって、メンバーが次々と退団していく。皆、ユーリの立ち上げる新しい劇団に入団してしまい、カレイドステージは崩壊の危機に陥ってしまう。そんな逆境の中でもそらたちは負けない。もともと物語を書くのが好きだったミアの脚本で、『フリーダム』という作品を作り上げる。『フリーダム』は好評となるが、今度はユーリがカレイドステージのオーナーになるという手で邪魔をしてくる。

ゼロからのスタート

カレイドステージを追われ、そらたちはゼロからスタートすることになる。住む場所も仕事もない状態から、『フリーダム』を共に演じた仲間たちと「フリーダムライツ」を結成して、遊園地のショーに出るようになる。しかし、ユーリが今度はそらたちのショーの中止を条件に遊園地のチケットを買い占めるという形で邪魔をする。それによって、遊園地の契約は切られてしまう。
ロゼッタの発案で「バンクーバー世界パフォーマンスフェスティバル」に出場することを決めるそらたち。しかし、彼女たちは、そのフェスティバルにユーリが関わっていることを知らなかった。
そのことを知っていたレイラは、それまでも「仮面スター」として「フリーダムライツ」のショーに参加していたが、フェスティバルにも参加することを決意する。
フェスティバル当日、レイラは仮面スターとして演技している最中に、ユーリに仮面を剥がされる。そのせいで、レイラは秘密にしていた仮面スターの正体であることがばれてしまう。正式メンバーではないこと、レイラがその時はプロのパフォーマーではなくなっていたことから、「フリーダムライツ」は失格となってしまう。

「幻の大技」へ

パフォーマンスフェスティバルの後、レイラは、その強い意志と決意から、フールの姿が見えるようになる。レイラと二人で「幻の大技」に挑戦したいというそらだったが、フールはまだその資格はないと言って、どんな技かを教えない。
けれども、レイラから幻の大技のことを聞いたユーリが、二人が幻の大技に挑むと勝手に宣伝する。その上、幻の大技の公演のチケットまで完売させてしまう。そのことによって、そらとレイラは幻の大技に挑戦せざるを得なくなる。そこで、そらとレイラは唯一幻の大技について知る人間であるカロスの教えの下で、特訓を開始する。

本当のパートナーとなるそらとレイラ

幻の大技の特訓は想像以上に厳しく、そらは負けてしまいそうになる。そんな時、そらたちの様子を見に来たMr.ケネスから、「じぶんがレイラのパートナーだと自信を持って言えるのか」と問われる。言い返せなかったことや、特訓の厳しさに今更逃げ出したくなってしまったことが許せないそらに、ケンはレイラの秘密を明かす。
レイラは、そらと幻の大技を完成させるために、すこしでもそらの負担を減らそうと特訓しながら減量していたのだった。
泣きながらレイラに謝り、そらはもう迷わないことを誓う。

レイラのラストステージ

レイラは、練習の中で右肩をぶつけて怪我をしてしまう。けれどもそれをそらにも皆にも黙って隠し通すが、本番前日診察中に倒れてしまう。それによって、レイラの怪我が想像以上にひどいことが皆に知られてしまう。
「今回は見送ったほうがいい」と言うそらに、レイラは「もうショーは始まっているのだ」と言う。また、レイラは「自分のせいで誰かを落胆させるのはもう嫌なのだ」とも言う。
レイラの覚悟を今一度目の当たりにして、そらも幻の大技に挑むことを改めて決意する。
ようやく、フールに資格を認められ、とうとう幻の大技に挑むそらとレイラ。そして、そらとレイラは幻の大技を無事に演じ切ることができた。しかし、レイラは練習中に負った怪我が原因で、もうカレイドステージで演技ができなくなってしまう。
それを知ったそらはこころが折れてしまいそうになるが、レイラは「私の夢になってよ」とそらに「真のカレイドスター」になる夢を託す。それによって、そらは「真のカレイドスター」を目指すことを決意する。

第二期(『新たなる翼』編)

レオンとメイの加入

レイラが去ったあとの新たなるスターとして、レオン・オズワルドがカレイドステージに迎えられる。しかし、彼は「観客のために自分がいるのではなく、自分のために観客がいるのだ」と、身勝手な態度ばかりとる。
初日のステージの途中で帰ろうとするレオンを引き留めるために、そらは一人でレオンの役と自分の役をこなす。けれども、レオン目当ての客にブーイングを受けてしまう。
さらに、その年のオーディションにトップの成績で入団したメイ・ウォンがステージに乱入してきて、「そらを追い出して自分がカレイドスターになる」と宣言する。
二人の様子を見ていたレオンは、どちらかが自分のパートナーになれる可能性があるのではと感じて、ステージに戻って演技を再開する。レオンは、自分のパートナーになれる存在をずっと探していたのである。
その後の三人の演技は、まるで戦っているかのようだった。

自分の道を見失うそら

新しい演目「ドラキュラ」で、メイと主役の座を争うものの、そらは負けてしまう。それでも、自分のするべきことは、「ドラキュラ」を最高のステージにすることだと頑張る。
ロゼッタが正式に「カレイドステージ」に入団するなど、悪いことばかりではなかった。
そんなとき、新しい道を歩き始めていたレイラから、そらを自分のステージにゲストとして出演させたいという依頼が舞い込む。そこで、レイラにはもう新しいパートナー、新しい夢があることを知る。そらは、自分はもうレイラのパートナーではないのだと心細くなる。
レイラがいたときは、レイラの後を必死に追いかけていればよかった。そらはそれに気がつき、自分がしたいことが何かわからなくなってしまう。そんなとき、『ドラキュラ』が怖いと子どもたちに不評なことを知る。それによって、そらは「子どもも大人も、皆が楽しめるステージ」が自分の夢なのだと気づく。
そこで、子どもたちに楽しんでもらうべく、キッズステージを企画する。しかし、レオンが「下らない」と一蹴したことで、他のメンバーは協力に後ろ向きだった。結局、ミアやアンナたちいつもの仲間以外からは協力が得られなかった。

サーカスフェスティバル

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