映像化するならアニメの方がいいと思われる作品

書籍の映像化、結構多いですね。ここで、敢えて実写ではなくアニメになってほしい、むしろアニメでないと無理なんじゃないかと思われる作品を、児童書も含め挙げていきます。

『風の中のマリア』

オオスズメバチの擬人化物語。といって、生態はいたってリアル。しゃべったり、遺伝子構造や計算したりすること以外は普通のハチです。主人公マリアは、あるオオスズメバチのコロニーにいる、ワーカーと呼ばれる働き蜂の一匹。『永遠の0』などで知られる百田尚樹さんの作品です。

内容はクール&ヒート。普段は冷徹というほどでないにしろ、強者特有の価値観を持って虫を狩るマリアはじめとする働き蜂ですが、やはり巣の襲撃シーンは熱いです。舞台化はされているようですが、映像化はまだ。確かに、舞台ならまだしも映像で人間が演じると滑稽に見えてしまいますね。

問題は、擬人化でいくか、リアルハチモードでいくか。『マーヤ』や『ハッチ』のようなメルヘンチックなつくりにはしてほしくないですね。昆虫の生態に基づいた、狩りなどをしているシーンはリアルハチモード、相談、会話をしているところなどは擬人化(ハチっぽい部分はちゃんと残して)でいったらどうでしょう。幼虫時代とか女王蜂の描写も気にはかかりますが。動けませんものね、女王様…。

『角おれカブトの大冒険』

またしても昆虫物の上、何十年も前の児童書です。野生で生まれ育ったカブトムシが人間に捕まってペットショップへ。脱走を試みた際、カブトムシの命ともいえる角が折れてしまった、という話。ある一件で「もう自分には角がない」ことを受け入れて以降彼は自分を「おれづの」と呼ぶようになるのです。これまた熱いです。ラストとか。

親友の「こづの」もまたいいキャラです。ウザキャラになりそうだけど。

友情、努力、勝利などが詰まった作品で、今でも十分鑑賞に堪えます。夏休みアニメ映画にいかがでしょう。カブトムシ特有の格闘シーンもありますし、男の子大喜びかと。ただ怖いのが、声優と改悪。棒読みのタレント声優使われたら何か台無しだし、といって本職だけどイケボすぎる人使われるのもまた…。いらんオリジナルキャラ持ってこられても困りますし、感動の押し売りのような大仰なBGMもよしてほしいです。角が折れる前と折れてしまった後の、さりげないおれづのの心境の変化等や、昆虫も「生き物」であることをしっかり伝えてほしいです。

えどまち
えどまち
@edono78

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