知る人ぞ知るファミコン周辺機器 「光線銃」「ファミリーコンピューターロボット」

1983年7月15日に任天堂よりファミリーコンピューターが発売されますが、意外なことに横井軍平氏はこの開発にはあまり関わっていません。しかし彼らしいユニークな周辺機器がつくられました。

光線銃シリーズ

「光線銃シリーズ」は横井軍平氏により考案され、1970年に任天堂から発売された玩具です。着想は「太陽光パネルには光を受けて発電する性質がある。ならば光センサーとして使えるのではないか」と考えたことから生まれました。標的に太陽電池を感知器として組み込み、銃口に仕込まれた豆電球から発する光を当てると、ボトルが吹き飛んだり、ガンマンが倒れたり、ライオンが鳴くといった仕掛けになっています。当時の太陽光パネルは高価でしたが、電極をはんだ付けする工程を省略する方法を開発するなどして、低コストに抑えました。これは当時の玩具の売り上げトップとなるほどの大ヒット商品となりました。

ファミコン用光線銃シリーズ

ワイルドガンマン 1984年2月2日発売

1984年にシューティング用コントローラーの銃と、専用ファミコンソフトが「光線銃シリーズ」の名で発売されます。
テレビゲーム用の光線銃は、先のおもちゃの光線銃とは構造が逆転しており、「標的が信号を発し、銃が光を感知する」という仕組みになっています。これは世界初の家庭用ゲーム機「ODYSSEY」を発売したマグナボックス社によって考案されました。
その原理は、トリガーを引くと肉眼では感知できないほどの一瞬に、命中を判定する識別用の画面に切り替わっており、銃口のセンサーがその光を読み取り判定を表示するというものです。これは横井氏がこの後に開発するファミリーコンピューターロボットにも応用されます。

ファミリーコンピューターロボット

開発者は横井軍平氏。1985年7月26日に発売。9800円。単3乾電池4本使用。
専用のファミコンソフトのゲーム画面から遠隔操作をすると連動するロボット。
原理は光線銃シリーズと同じように、テレビ画面から送られる光信号をロボットの目で受信し、内蔵モーターで動かします。動作は胸部の6段階の垂直移動、5段階の水平回転、そして腕の開閉をし、これによりブロックを重ねたりコマを操ったりします。

ファミコン周辺機器はもう遊べない?!

走査線のイメージ

残念ながら「光線銃シリーズ」や「ファミリーコンピューターロボット」を入手しても、現在の環境では遊べないかもしれません。その理由はどちらも「光信号をブラウン管独自の電子線の走査で読み取る」という方法に依存しているからです。現在主流であるプラズマディスプレイや液晶ディスプレイには走査線が無いので、ブラウン管テレビをセットで用意するしかありません。

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