灼熱カバディ(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『灼熱カバディ』とは、2015年7月2日より漫画アプリ『マンガワン』、同年7月9日よりウェブコミック配信サイト『裏サンデー』にて連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。作者は武蔵野創。中学時代はサッカーの一流選手だった宵越竜哉が、高校でカバディというマイナースポーツと出会い、強敵との闘いや仲間との連携を通して成長していく物語。選手一人ひとりの感情、過去が丁寧に描かれており、『マンガワン』の看板漫画として人気を博している。

『灼熱カバディ』の概要

『灼熱カバディ』とは、2015年7月2日より漫画アプリ『マンガワン』、同年7月9日よりウェブコミック配信サイト『裏サンデー』にて連載している漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。作者は、『裏サンデー』の「連載投稿トーナメント」で第2回(2013年)、第3回(2014年)の2年連続で4位を獲得した武蔵野創。連載初期は月間連載だったが、2016年2月から隔週、2017年6月から週間連載となった。週間連載となると同時に『マンガワン』の火曜日看板連載作品となり、『マンガワン』の代表作と評されたこともある。2017年に「WEBマンガ総選挙」に初ノミネートされ、「このマンガがすごい!2017オトコ編」第19位獲得、2020年には「第66回(2020年度)小学館漫画賞 少年部門」に初ノミネートされた。2021年4月から6月までテレビ東京他にてテレビアニメが放送された。
持ち前の身体能力と才能で中学時代まで「不倒」の異名で有名だったサッカーの天才選手宵越竜哉が、能京高校でカバディ部副部長井浦慶の策略によってカバディを始める。初めはマイナースポーツだとバカにしていたが、同学年で同じくカバディ初心者の畦道相馬に倒されたことや最強の攻撃手である部長王城正人との出会いによってカバディの世界にのめり込んでいく。サッカーとの違いに困惑しながらも、持ち前の精神力と身体能力を活かし、他校からも一目置かれる存在となっていく。練習試合や大会を通して、各選手の葛藤や様々な感情を描いているスポーツ漫画である。

『灼熱カバディ』のあらすじ・ストーリー

宵越竜哉カバディ部入部

生配信主として活動する宵越。

勝利目前で畦道に倒されカバディ部に入部することになる。

能京高校1年宵越竜哉は、中学時代まで「不倒」の異名で知られるサッカーの一流選手だったが、高校ではサッカーどころかスポーツ全般を辞めて動画配信サイトの生放送主として活動していた。サッカー部からの勧誘も全て断っていたが、ある日、同じく能京高校1年畦道相馬がカバディ部の勧誘にやってくる。その時は偶然部屋の鍵がかかっておらず畦道に玄関に入られてしまう。追い出そうとするも物凄い力で踏ん張る畦道を倒せず、宵越はその力に驚く。畦道のあまりに必死の勧誘を受け渋々カバディ部の練習を見学することになる。そこで能京高校3年副部長の井浦慶、2年生の水澄京平、伊達真司と出会い、カバディの基本ルールを説明される。宵越が生放送主であることを知っている井浦は、学校にそのことを広めるという脅しをかけ、畦道と勝負して勝てば神生主、負けたら入部という交渉を持ちかける。宵越は神生主に惹かれて勝負を受ける。
勝負のルールは2点先取。相手に倒される前に、相手にタッチして自分の陣地に戻ることができると点が入る。先取点は宵越が取ったが、それはカバディは格闘技という言葉を鵜呑みにしていきなり殴りかかって取ったものだった。周りから反則だと抗議が入ったが、温厚な畦道は油断していたとこのポイントを承認し、1対0となる。続く畦道の攻撃で宵越は畦道にタックルすることに成功するも倒すことが出来ず、掴んだまま自陣に戻られ畦道の得点となる。畦道の実家は高い山にある窯元で、生活の全てが筋トレのような環境で育ったため、小柄ながらに人並外れたパワーがあるのだった。対するスポーツの天才の宵越はこのわずかな時間でカバディのゲーム性に気づき、勝負に勝つために真剣になる。観戦していた水澄と伊達も顔が変わったと気づくほどであった。自らのリーチの長さを活かしたフェイントで畦道にタッチすることに成功し自陣に戻ろうとするも、足元を掴まれ勝利目前で引き戻されてしまう。結果、2対1で畦道が勝利し、宵越のカバディ部への入部が決まった。

何度やっても井浦、伊達、水澄に倒されてしまう。

カバディ部に入って2日が経ったが、宵越は一度も先輩達を相手に攻撃を成功させることが出来ずにいた。井浦に守備練習もやるように言われるが、男同士で手を繋がなければならないため宵越は頑なに拒否する。カバディの守備は仲間同士で手を繋ぎチェーンを作るのが定石なのだ。攻撃に失敗した宵越は、続いて攻撃練習に入る畦道の様子を見ていた。スポーツ初心者でカバディ歴もほとんど変わらない畦道を下に見ていたが、畦道はギリギリで攻撃で成功させる。自分に出来ないことを畦道がやってのけたことを信じられず、井浦に手抜きをしたんじゃないかと問い詰める宵越。井浦は手を抜いていないこと、畦道は無駄が多くてやりづらいことだけを伝える。この言葉の意味が理解できない宵越は一人で帰り、落ちていた空き缶でリフティングをしながら、サッカーの経験と照らし合わせて考え始めた。汗をかくほど思考を続けた宵越はチェーンを躱す方法をひらめく。

宵越のハットトリック宣言に燃える先輩組。左から井浦、伊達、水澄。

通常練習中、宵越は真剣な眼差しで先輩組を観察する。過去の経験からスポーツが嫌いな宵越だったが、負けるのはもっと嫌いだった。伊達はスピードがないが、パワーが高く単独勝負では勝てない、水澄は伊達ほどのパワーはないがリーチが長い、井浦はパワーもスピードもないが先読みしてきてやりづらいなど、それぞれの選手の特徴について分析を始める。通常練習が終わり実戦形式の練習に移る。今までと同じ形式の練習だが、宵越は「決めてやるよ、ハットトリック!!」と宣言する。この宣言を受け守備の3人は警戒し、宵越を倒しに行くのが少し遅れることになる。さらに井浦に言われた「畦道は無駄が多いからやりづらい」の意味を理解していた宵越は、意図的に不安定なキャントを行い井浦にフェイントをかけた。そのフェイントを見抜いていた井浦だったが、宵越の狙いは井浦ではなく伊達であり、右足を使って伊達の足先をタッチする。そのまま足を滑らせて水澄もタッチし、井浦のキャッチを抜け自陣へと戻る宵越だったが、もう少しのところで靴紐がほどけてコケてしまう。自陣に帰れていたかどうか、審判をしていた畦道は「入ってたべよ。やっとな、少しずつ...。入ってきた感じだ。」と意味深な判定をする。真相は定かではないが、宵越は宣言通りハットトリックを達成した。

美人の彼女をお姫様抱っこする畦道の写真を見て宵越は嫉妬で狂う。

宵越入部の歓迎も兼ねて、部員全員でカバディ用のシューズを買いに行くことになる。立ち寄ったスポーツショップでカバディの試合の映像が流れており、マイナースポーツだからこそ必死な人間が多いことを知る。先輩たちに全国レベルであったサッカーを辞めた理由を問われた宵越だったが、答えをはぐらかす。宵越がサッカーを辞めた理由は、周囲との温度差があったためだった。自分がどんなに努力して強くなっても、周りの人間は宵越の力に頼るばかりで協力しようとしない。そのため宵越は仲間との連携や絆というものを否定し、スポーツを辞めていたのだった。買い物途中、小柄である畦道をバカにするバスケ部員を見かけた宵越は、畦道を背筋力を測定できるマシンの前に連れてきてバスケ部に畦道のパワーを見せつける。高校1年生の平均が100kgと言われている中、200kgという驚異の数値にバスケ部はビビり、追い払うことに成功する。続けて宵越もやるように求めてきた畦道に対し、今までのチームメイトと違って同じ立場で接してくることに少し喜びを感じていた。帰り道では、畦道にクラスメイトから届いた「宵越を紹介してくれないか?」という内容のメールから、部員達の恋愛事情の話になる。イケメンでスポーツも優秀な宵越だったが、彼女ができたことはなかった。それに反して畦道には故郷に美人の彼女が発覚し、畦道となら本当の仲間になれるかもしれないと思っていた宵越だったが、畦道に対して嫉妬しまくるようになる。

遂に畦道の手を掴みチェーンを作る宵越。

畦道とのやりとりをきっかけにして守備練習にも参加し始める宵越だったが、コートの広さやボーナスラインの存在などサッカーとは勝手が違い苦戦する。守備がうまい伊達と水澄にアドバイスを求めるも、感覚的過ぎて全く参考にならない。畦道と2人で守備に入った際には仲間同士で衝突してケンカになってしまう。その様子を見た井浦は2年対1年の対決を提案する。結果は1年のボロ負け。宵越は勝てない理由を連携だと理解しているが、過去の経験から他人と協力することに戸惑いがあった。畦道との言い合いの中でサインプレーを思いついた宵越は、帰宅ラッシュの駅で人混みの中を駆け抜けるという特訓を提案する。初めは何度かかすっていた畦道だったが、最後は宵越のサポートもあり一度も触れることなく駆け抜けることに成功し、サインプレーを完成させた。2年組と再戦を行い、サインプレーを駆使して水澄の攻撃を阻止する。しかし、次の宵越の攻撃は連携された守備に阻まれ、サインのズレに気づいた伊達の前ではサインプレーは通用しなかった。2度目の水澄の攻撃の際、サインを出し忘れた宵越だったが、予想していなかった畦道のフォローに助けられる。初めて連携の感覚を知った宵越は心の中で興奮する。勝負の終盤、水澄の攻撃を防ぐため初めて畦道とチェーンを組む宵越。そのことを想定していた水澄はチェーンを飛び越え攻撃を成功させる。連携は一朝一夕では出来ないことを伝える水澄。試合は2年組の勝利に終わり、守備の重要さも知った宵越は本格的にカバディをやることを決意する。

部長王城正人登場~奏和高校との練習試合

普段はひ弱そうで優しい部長王城(左)

王城はカバディが始めると豹変する。

井浦に最強の攻撃手になれと言われた宵越は、体力強化のためマスクを着けてマラソンなどのトレーニングをしていた。トレーニング中ひ弱そうな男と衝突する。偶然居合わせた水澄と伊達の口から、その男が部長の王城正人だと知らされる。部長の復帰祝いの会が行われるも宵越は納得がいかない。貧弱な王城がなぜ部長なのか問うと、「僕が一番強いから。」と答え、体育館で対決することとなった。王城の不規則なキャントや読めない動き、相手の力を利用して倒す「カウンター」の前に宵越は惨敗し、王城を強いと認めた。さらに、王城は中学時代カバディ日本代表だったことが明らかになる。

チームの練習を仕切る奏和高校部長の六弦歩。

カバディの練習してきた宵越と畦道であったが、一度も試合経験がなかった。練習試合をさせたいという井浦に対して、王城は関東大会ベスト4の奏和高校との練習試合を提案する。普通なら万年最下位の能京との練習試合に応じることは考えられないが、今年の奏和の部長は、王城と同じく中学時代の日本代表選手六弦歩だったため受けてくれるはずだと言う王城。連絡を取り練習試合をすることが決まった。奏和高校の強敵は六弦だけでなく2年の高谷煉がいた。高谷は元水泳日本一の男で、強敵と戦うためにカバディに転向した。チーム内の練習でも強敵である六弦との練習しか真面目にやらない曲者である。練習試合に向けて、王城は宵越に、井浦は畦道に対して指導を行う。

畦道は何も出来ずに退場を余儀なくされ悔しがる。

練習試合は5対5で行い、ケガからの復帰が間もない王城は控えにまわる。高谷は王城を控えから引きずり出すために大量得点を取ると宣言する。高谷の攻撃から始まりいきなり畦道と水澄をタッチして2得点。対する宵越は王城から教わった「ロールキック」を使い3得点。能京有利かと思われたが、音で相手の動きや考えを見抜く高谷の攻撃を前に4得点を取られてしまう。コート外に出された宵越の代わりに伊達が攻撃に出るも、六弦のパワーの前に敗れる。守備では畦道が高谷の脚をキャッチするも一歩及ばず、能京はピンチを迎える。そのまま六弦と高谷を前に為す術なく大量リードを許し、ケガをした畦道に代わり王城が出場することになる。

王城のケガを心配して怒る井浦。

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