堅苦しくない科学漫画

化学、化け額、生物学…文系の人からすると「勘弁して」と言いたくなる「科学もの」。しかし、ブルーバックスという講談社出版のこの文庫シリーズの中には、分かりやすくも楽しめる漫画形式のものもあるのです…。

『マンガ 化学式に強くなる』(原作:高松正勝 画:鈴木みそ)

化学の「モル」を扱っています。学校で習う堅苦しい科学に嫌気がさした表紙の女の子、幸ちゃん。友人のお兄さんに教えを乞うことになります。理系の学部を出て研究者をやっているという触れ込みから、「美人の妹と違ってブサメンだな」と決め込んでいたのですが、会ってみると爽やか系のイケメン。しかも教え方は優しくて分かりやすい。ただ一つ難点は、「恋路」に関しまるきりの朴念仁ということ。

飽くまで研究学徒なのです、お兄さん。花火について「あれとあれが反応して、どうしてこうして」なんて説明始めちゃいます。

この本の面白いところは、「成長」。「かつら?」「顔が虫っぽい」などと科学者さんたちの外見を気にしたり、化学式の計算が苦手とこぼしていた幸ちゃんが、何でも研究、計算に走ってしまうお兄さんのペースによって少しずつ学んでいく。そして、お兄さんの方。研究者としても「先生」としても優秀なのですが、女性に対してはまるっきりの鈍感なのです。やましい気持ちはなく、「分子とは、原子が手を握っているようなもの」という説明のため幸ちゃんの手を握ってしまうシーン。「やるじゃん」と内心で思いつつ「積極的ですね」と照れる素振りを見せたとたん、真っ赤になって大慌て。「一生徒」「教える」という感覚だから手が握れたんですね。そんな免疫のないお兄さんもまた、幸ちゃんのペースにはまってアイス買いに行かされたりもします。ちょっとした恋愛ものの要素もあるのです。

『マンガ 絶滅する日本の動物』(原作:今泉忠明 作画:佐藤晴美)

「外来種」が定着した動物、すなわち「帰化動物」について扱った一冊。キジ、イタチ、アライグマとあらゆる生物の生態を、擬人化(話をする程度ですが)しつつ伝えたもの。「かわいいから」飼い始めたのに意外と暴れん坊だからと捨ててしまったり、同じ理由で野生のリスに餌をばらまき「天敵」を追っ払う。人間がいかに悪気なく、しかし生態系を滅茶苦茶にしているかなども描かれています。「雑食性の動物は強いな」というのが個人的感想。人間の食糧だって食べますし、いざとなれば気のいい人間から餌をもらって…だから生態系が滅茶苦茶になったんですが、動物たちはたくましく生きてるんですね。

『マンガ おはなし数学史』

「数学の面白さ」を書いた本です。日常にも「数学」はある、など違った視点で物事が見られるやも?

『マンガ 微積分入門』

「数学とは何ぞや」という観点、「数学は楽しいんだよ」などと説いています。この本の面白いところは「キャラが立っている」所でしょうか。食いしん坊で勉強苦手の凡太君とか。テストでカンニングしようとしたりとか…。

文系の人でもある程度楽しめると思います、これらの本。受け入れやすそうなところから入ってみるとも一つのてかと。

えどまち
えどまち
@edono78

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