2重3重にも張り巡らされた伏線!「シャーロック/忌まわしき花嫁」の魅力

BBC「シャーロック」シリーズの新作!本国イギリスではクリスマススペシャルとしてテレビ放映されましたが、日本では劇場版になりました。予告編から本編に至るまで、詳細について紹介いたします。

「死…は新しいセクシーだ」ヴィクトリア時代にこんな表現はなかったはず。

このシーンも初見では単に聖典にならって、ホームズのところにモリアーティが「自分の邪魔をこれ以上するな」と忠告しに来たように見えます。
しかし、何度か見ていくと「そうではない。これは妄想=マインドパレス(精神の迷宮)の中で、かつての似たような未解決事件を思い出し精査することで、なぜ死んだはずのモリアーティが生きていたのかを推理しようとしているか!?」となってきます。

シリーズ3のラストで、死んだはずのモリアーティが「MISS ME?(寂しかった?)」とメッセージを送ってくる場面がありました。
シャーロックは、ヴィクトリア時代に起きて未解決のままになっているリコレッティ夫人の事件にそれとの類似性を見出し、そこから回答を引き出そうとしていたのでしょう。

そしてラストシーンでは、再びヴィクトリア時代のベーカー街221Bの部屋で、ホームズとワトソンが「今回の事件」について話し合う場面が描かれます。
ワトソンがホームズに向かって言う「ジェット機?などという途方もない君の想像には驚く」というセリフで、見ている側が最後の最後にまた驚かされることになります。

「では、これまでのストーリーはヴィクトリア時代のホームズが薬物の影響で見た『未来』だったのか?」

誰もがそう考えるでしょう。
しかし、ホームズが窓際に立ち、ベーカー街を見下ろすとそこに広がっているのは、21世紀のロンドン。
ダブルデッカーとタクシーが走り回り、スマホを持ちながら人々が歩き回っている「現代」の世界でした。

ここに至り、見ている側はまんまと製作者側の「罠」にはめられた!と苦笑いするのです。

この作品は現代のシャーロックが自分の「精神の王宮」で見たもの、ともヴィクトリア時代のホームズが「未来」を見たものとしても、どちらの方向からも見ることが可能なリバーシブルな内容だったのです。

裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ディオゲネス・クラブで。
ここでは話をすることが一切許されていません。そこで手話で会話をするのですが、ワトソンの
手話がめちゃめちゃなんです。「私の作品を気に入ってくれてうれしい」と言いたいところを
「私のポテトを気に入ってくれてうれしい」などと言ってしまいます(笑)

でっぷりと太ったマイクロフト。現代のマイクロフトはとってもスマートですが、聖典での描かれ方はこちらの方が正解です。
そして、聖典通り兄の方が圧倒的に弟よりも頭が切れる人になっています。

最後に

映画版は、その内容すべてが「シャーロック/シーズン4」に向けての布石になっている可能性があります。

屋上でシャーロックと対峙し、自死したモリアーティがなぜ生きていたのか。
その疑問に対するヒントが作品のあちこちに散りばめられていたと思われます。

matsurika
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@matsurika

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